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第8章:部活にクレーム
5話:モンスターペアレンツ
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そんなやり取りがあった翌日の放課後のことだ。
「あのふざけた教師に言われたから来てみたけれど、本当に男女一緒に部活しているじゃない。あまりにも不埒だわ!」
どうにも言動が不穏な中年女性が相撲部の活動場所である土俵を訪れ、視察していた。彼女の言う通り、この相撲部では男女が共に練習しているが、直接的に肌が触れ合うこともないし、女子生徒はブラジャー着用の上、体操服の上からまわしをしているのでコンプライアンス的に問題ない。
裕也は上半身裸にまわし姿ということで露出度は高いものの、それでも性器を露出することもなく、通常の相撲の格好と同じなのでテレビに流しても大丈夫。全く問題のない状況である。
「なんでこんなところで男女が相撲なんてしてるの!?」
いきなりけんか腰で、わめきたてるように女は言う。
「なんでも何も、土俵で相撲して何が悪いんだ?」
呆れた裕也が応対するも、女はその態度が気に食わないらしく、さらにヒートアップする。迷惑極まりない話である。あまりに騒がしいので、素華や明日香も集まって様子を見に来たが、真由美は関わらないように遠目から様子をうかがっているようだ。
「そうじゃなくて! 男と、女が、一緒に相撲している理由は何だって言うのよ!?」
「相撲したい男と女がいるからじゃないの?」
素華は言う。
「そういうことを聞きたいんじゃないの!?」
「あんた、馬鹿なの? そんな大声出さなくても聞こえてるから。大丈夫? 普段お年寄りの相手でもしてるのかしら?」
あまりに不躾な態度に、素華は呆れと見下しを隠すことなくそう言った。
「年上に向かってその言い草は何よ!?」
「あれ、貴方おばさんだったの? 女性に年を聞くのは失礼だと思ってたから、若いって事にしておこうと思ったけれど、これからはおばさんって呼んだほうがいい? それともおばあさん?」
生まれた年でマウントを取ろうとしてくる女に対して、素華は容赦がない。
「子供のくせにあんた生意気よ!」
「あ~そっかぁ! 年を取ると感情のコントロールが出来ないっていうから、おばあさんじゃ怒りっぽくなるのも仕方ないね。すみません、おばあさん。自分がお年寄りだからそんなに大声なのね」
素華はそう言ってふふんと鼻息を鳴らす。あんまりの怒りのせいか、その女はわなわなと肩を震わせているのだが、次の言葉が出てこない。
「誰か! この失礼な女をつまみ出して!」
「だってさ、先輩。失礼な女をつまみ出せって。」
「……え? あ、あぁ……」
素華に話しを振られて、裕也は一瞬戸惑った。素華はつまり、失礼な女というのを自分ではなくこの喚いている女だと言いたいわけだ。実際にその通りなので、裕也は素華に従う事にした。
「あのふざけた教師に言われたから来てみたけれど、本当に男女一緒に部活しているじゃない。あまりにも不埒だわ!」
どうにも言動が不穏な中年女性が相撲部の活動場所である土俵を訪れ、視察していた。彼女の言う通り、この相撲部では男女が共に練習しているが、直接的に肌が触れ合うこともないし、女子生徒はブラジャー着用の上、体操服の上からまわしをしているのでコンプライアンス的に問題ない。
裕也は上半身裸にまわし姿ということで露出度は高いものの、それでも性器を露出することもなく、通常の相撲の格好と同じなのでテレビに流しても大丈夫。全く問題のない状況である。
「なんでこんなところで男女が相撲なんてしてるの!?」
いきなりけんか腰で、わめきたてるように女は言う。
「なんでも何も、土俵で相撲して何が悪いんだ?」
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「そうじゃなくて! 男と、女が、一緒に相撲している理由は何だって言うのよ!?」
「相撲したい男と女がいるからじゃないの?」
素華は言う。
「そういうことを聞きたいんじゃないの!?」
「あんた、馬鹿なの? そんな大声出さなくても聞こえてるから。大丈夫? 普段お年寄りの相手でもしてるのかしら?」
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「年上に向かってその言い草は何よ!?」
「あれ、貴方おばさんだったの? 女性に年を聞くのは失礼だと思ってたから、若いって事にしておこうと思ったけれど、これからはおばさんって呼んだほうがいい? それともおばあさん?」
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「あ~そっかぁ! 年を取ると感情のコントロールが出来ないっていうから、おばあさんじゃ怒りっぽくなるのも仕方ないね。すみません、おばあさん。自分がお年寄りだからそんなに大声なのね」
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「誰か! この失礼な女をつまみ出して!」
「だってさ、先輩。失礼な女をつまみ出せって。」
「……え? あ、あぁ……」
素華に話しを振られて、裕也は一瞬戸惑った。素華はつまり、失礼な女というのを自分ではなくこの喚いている女だと言いたいわけだ。実際にその通りなので、裕也は素華に従う事にした。
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