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第5章:相撲部、復活

18話:古々の秘密

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 その夜のこと、裕也は宿題をしていたが、何とも面白みのない数学の問題に嫌気がさして、気分転換に古々へ話しかける。
「昼間の話を聞いて思ったんだけれど、古々って一体何者なんだ?」
『んー? 私はあの神社の神使よ?』
「それは知ってる、ってか今更だろ。俺が言いたいのは例えば、料理人が殺人術に詳しかったらその人間の経歴とか気になるだろ? お前、神使にしては不可解な点が多すぎるんだよ」
『ふふん、そこに気づいてしまいましたか。そうね、私は裕也君のことを一方的に知っていたけれど、貴方にとってはつい最近私を知ったばかりだもの、不公平だし、私もそろそろ貴方に色々教えてあげてもいいころかしらね……何か、聞きたいことはある?』
 古々はそう言って、どんな質問でもどんと来いとばかりに微笑みを見せる。
「質問ねぇ……そういえば、中学生になったら、明日香も庄司さんも古々や振々が見えるようにしてもらってるっていうんだろ? ちょっとうらやましいよな、守護霊がいれば不幸な事件とか、避けられたりするのか?」
『人の悪意が関わる不幸な事件なら、防いだり重傷になる前に終わらせることはできるわー。昔は、私と振々が助けを求めている女性を見つけだして、木村組の皆さん一緒にとアメリカの軍人を撲殺したりもしてたりね』
「はい?」
 アメリカ軍人を撲殺という物騒すぎる言葉を聞いて、裕也は思わず素っ頓狂な顔を浮かべた。
『第二次世界大戦の後のことよ。ギブミーチョコレートって言われて、子供にチョコを恵むような優しいアメリカ軍人は生かすけれど、女をレイプするようなアメリカ軍人は、私達が見つけて、木村組の皆さんが囲んで棒で叩いて殺してた。弓矢や猟銃で殺された場合もあったわ』
 古々は誇らしげに笑う。
「……こわ。戦後にヤクザが日本を守ってたって言うのはそういうことか」
『もちろん、犯罪者であれば朝鮮人だろうと日本人だろうと、木村組は容赦はしなかったけれどね』
「……でも、レイプってお前的にはちょうどいいんじゃないのか? エッチな感情が好きなんだろ?」
『えぇ、好きよ。実際に、レイプしているアメリカ軍人の感情は美味しかった……けれどね。そうやって体と心を汚された女性はどうなると思う?』
「そりゃあ、セックスが嫌いになる可能性があるわな……そもそもレイプってなったら、痛そうだし」
『そういうこと。確かに、レイプしているその時は、アメリカ兵の美味しい感情が手にはいるけれど……でも、その後の女性がセックスを楽しめなくなる。総合的に見れば、アメリカの兵士を殺したほうがお得なの。セックスとは双方楽しくあるべきよ。それが、長い目で見て一番お得なの……貴方も、アドバイスしてあげるからちゃんと女性を楽しませなさいよ』
 古々はそう言って裕也を見る。
「相手が出来ればな」
 裕也はまだそんなことができる相手はない、と苦笑せざるを得なかった。
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