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第5章:相撲部、復活

12話:ここは相撲部だぞ?

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「あら、三橋君。こんにちは」
「こ、こんにちは。どうしたんだ、百合根……?」
「何? 私が神社に来ちゃまずいかしら? 私とあなたは兄弟みたいなものなんだから、いいでしょ? 明日香とも一応親戚だし」
 明らかに顔が引きつった裕也を見て、百合根は不敵に笑う。
「いや、何か用かな、と思って……」
「いやぁ? つまらない用よ。ほら、真由美ちゃんだっけ? その子に弁護士の先生を紹介したでしょ? 『楽勝だったので自信がつきました』って喜んでいたから、その報告」
「なんだ、そういうことなら……良かったじゃん。そういうのあるよな。相撲でもなんでも、一回の勝利の経験が人を大いに成長させるってこともあるし……弁護士もそういうのあるんだな」
 何か面倒ごとでも持ってきたのではないかと思い裕也は身構えていたのだが、その心配もないようで裕也はほっとして険しい顔を解いた。
「でも、わざわざここに来たってことは、それだけの用事じゃないんでしょ?」
 明日香が尋ねると、百合根は当たり前でしょうとばかりにうなずいた。
「うん、なんかあなたたち面白そうなことやってるから、私も相撲部に入ろうかと」
「待って」
 言いかけた百合根に、裕也は思わずツッコミを入れる。
「いや待って、なんでこの相撲部は女性部員が入ってくるの? ってか、百合根は3年生だろ? 今更新しい部活に入るのかよ!?」
「別に男子相撲部じゃないんだからいいでしょ? 文芸部だって、男子文芸部、女子文芸部みたいに男女で別れてないし」
「そういう問題!? あーもう、でも明日香はどうせ、『いい』って言うんだろ?」
「うん」
「わかったよもう好きにして……別に邪魔になるわけでもないし、いいよ」
 裕也が大きなため息をついて、百合根の入部が決定するのであった。男1人に女4人。おまけにかわいい守護霊まで憑いてきて、一体何がどうしてこうなったのか。ここは相撲部だぞ!? 人助け部じゃないぞ!? ハーレムなんて要らないから男性部員が入ってくれ! 別に女子に入られるのが嫌なわけではないが、男子部員が入ってきてほしい! そんな裕也の願いは、神様には届かないのであった。
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