86 / 423
第5章:相撲部、復活
8話
しおりを挟む「なので、弁護士、紹介してもらえますでしょうか?」
母親に任せていたら、何もいい方向に進まないとわかり、真由美は裕也に頼む。
「わかったよ……つっても俺は紹介できないけれどな」
まったく面倒なことになったものだと裕也もため息をついた。
「私が電話しておく。もしもし、百合根? あのさ……ちょっと、先日知り合った同じ学校の子がね……ちょっと家族観でトラブルを抱えてて……詳しいことはその、本人に説明を任せるんだけれど、父親の暴力が原因で離婚? みたいな案件に強い弁護士、紹介できない? え、無理? まぁ、そうだよね……担当というか得意分野は全然違うだろうし……でも、その人の弁護士事務所にも弁護士が1人ってわけでもないでしょ? 部下とか、知り合いとか、弁護士同士の繋がりでさ……うん、了解。 で、その子今スマホがぶっ壊れてて……うん、私のスマホを貸すから、そこは……」
明日香はスマートフォンの通話を終える。
「真由美さん、電話で色々話をすることになると思うって。電話で弁護士選びね」
「……はい」
弁護士と聞いて、一体どんな人が出てくるのだろうと真由美は唾を飲む。別に弁護士は怖い人ではないのだが、なんだか厳しそうなイメージが彼女にはあるらしい。だが、その反面で彼女は一瞬笑顔を見せた。
「なんか、少しだけ楽しくなってきました。あの父親がほえ面かくと思うと」
何度殴っても足りないくらいに怨んでいる父親が、これから破滅していくのだと考えると、これ以上のしっぺ返しはない。
しばらくすると、弁護士同士のつながりで紹介された弁護士が電話をかけてくる。今回の場合は案件が案件なので、新人でも楽勝の案件だろうと、まだ経験の浅い新人が真由美の話を聞くこととなった。スマートフォンは画面が割れて指による操作は出来なかったが、マウスを取り付けて写真や映像の証拠を取り出し、ついでに病院の診断書もコピーを取っておいた。
そこまでお膳立てをされると、新人の弁護士としても楽勝な案件らしく、真由美は毎日のように裕也たちに報告をしては、少しずつ慰謝料に期待を膨らませるようになっていった。
そのうち、彼女は学校にも通いなおすようになり、妹は明日香のおさがりのゲームをしながら神社の掃除などを手伝うようになり、参拝に訪れるお年寄りと少しず話すようになったそうだ。まだ大人の男性と話すのは怖いようだが、参拝に訪れたおばあさんとはたどたどしいながらも上手く話せているらしい。
もちろん、神社で部活動を行っている弓道部や相撲部とも、少しずつ話すようになった。話題がないのもあってか、聞き手に回るばっかりであったが、小学生の女の子ということもあって皆可愛がってくれるようである。
母親に任せていたら、何もいい方向に進まないとわかり、真由美は裕也に頼む。
「わかったよ……つっても俺は紹介できないけれどな」
まったく面倒なことになったものだと裕也もため息をついた。
「私が電話しておく。もしもし、百合根? あのさ……ちょっと、先日知り合った同じ学校の子がね……ちょっと家族観でトラブルを抱えてて……詳しいことはその、本人に説明を任せるんだけれど、父親の暴力が原因で離婚? みたいな案件に強い弁護士、紹介できない? え、無理? まぁ、そうだよね……担当というか得意分野は全然違うだろうし……でも、その人の弁護士事務所にも弁護士が1人ってわけでもないでしょ? 部下とか、知り合いとか、弁護士同士の繋がりでさ……うん、了解。 で、その子今スマホがぶっ壊れてて……うん、私のスマホを貸すから、そこは……」
明日香はスマートフォンの通話を終える。
「真由美さん、電話で色々話をすることになると思うって。電話で弁護士選びね」
「……はい」
弁護士と聞いて、一体どんな人が出てくるのだろうと真由美は唾を飲む。別に弁護士は怖い人ではないのだが、なんだか厳しそうなイメージが彼女にはあるらしい。だが、その反面で彼女は一瞬笑顔を見せた。
「なんか、少しだけ楽しくなってきました。あの父親がほえ面かくと思うと」
何度殴っても足りないくらいに怨んでいる父親が、これから破滅していくのだと考えると、これ以上のしっぺ返しはない。
しばらくすると、弁護士同士のつながりで紹介された弁護士が電話をかけてくる。今回の場合は案件が案件なので、新人でも楽勝の案件だろうと、まだ経験の浅い新人が真由美の話を聞くこととなった。スマートフォンは画面が割れて指による操作は出来なかったが、マウスを取り付けて写真や映像の証拠を取り出し、ついでに病院の診断書もコピーを取っておいた。
そこまでお膳立てをされると、新人の弁護士としても楽勝な案件らしく、真由美は毎日のように裕也たちに報告をしては、少しずつ慰謝料に期待を膨らませるようになっていった。
そのうち、彼女は学校にも通いなおすようになり、妹は明日香のおさがりのゲームをしながら神社の掃除などを手伝うようになり、参拝に訪れるお年寄りと少しず話すようになったそうだ。まだ大人の男性と話すのは怖いようだが、参拝に訪れたおばあさんとはたどたどしいながらも上手く話せているらしい。
もちろん、神社で部活動を行っている弓道部や相撲部とも、少しずつ話すようになった。話題がないのもあってか、聞き手に回るばっかりであったが、小学生の女の子ということもあって皆可愛がってくれるようである。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
男子高校生の休み時間
こへへい
青春
休み時間は10分。僅かな時間であっても、授業という試練の間隙に繰り広げられる会話は、他愛もなければ生産性もない。ただの無価値な会話である。小耳に挟む程度がちょうどいい、どうでもいいお話です。
M性に目覚めた若かりしころの思い出
なかたにりえ
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、それをはじめて自覚した中学時代の体験になります。歳を重ねた者の、人生の回顧録のひとつとして、読んでいただけましたら幸いです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる