ハーレム相撲部～女4人に男1人。おまけにかわいい守護霊も憑いてきて、一体何がどうしてこうなった？～

第4章：人の痛み

8話

「え？　水攻めって何ですかそれ？　どうしてそういう話になるんですか？
　当然真由美は首をかしげるばかりだ。
「あぁ、その……真田さんの父親には、痛い目を見てもらわないといけないだろ？　でも、だからと言って爪をはいだり、焼きゴテを押し付けたりとかしたら、その後の生活に支障が出ちゃうかもしれないだろ？　だから、水攻めのようにあまり後遺症やケガが残りにくいお仕置が一番いいかなって、そう思ったわけで……」
「お仕置、ですか。必要かもしれませんけれど、その、ちょっと過激すぎやしませんかね？
　そもそも、お仕置も何も、どうやってその状況に持って行くんですか？　父親を、殴って気絶させろとか言うんじゃん……」
　真由美の問いには明日香が答える。
「そうね、ならば私は真由美さんに……スタンガンを持たせることを提案するわ」
　これに関してはは古々の意見ですらない。
「……え？」
　あまりに物騒すぎる二人のやり取りに、真由美はもうわけがわからない。
「確かに、俺達が助けることが出来ても、俺達がいないところでまた暴力を振るわれたら無意味だしな。それも必要か……結構ハードになりそうだがやるしかないよな。っていうか、スタンガンなんてどうするんだ？　スーパーには売ってないだろ？」
「大丈夫、持ってる」
　裕也の問いに、明日香は一言で完ぺきな答えを返した。
「いや、持ってるのかよ」
　普段はバッテリーを抜いた状態で、男に襲われた時を想定して演習に使ってるだけだけれど、バッテリーを入れれば問題なく使えるはず」
「二人とも真由美さんの事を無視して話進めてるし……なにこれ」
　素華は呆れながらつぶやき、不安げに押し黙る真由美の方へと席を立つ。
「あの二人、私の時もこんな感じだったし、ほかのところで人助けするときもなんというかこう、力任せみたいな感じのところがあるし。でも……あの二人は真剣だから。信じてあげて欲しい。私も、あの二人と、もう一人に助けてもらったからさ」
「……大丈夫なんですか？　本当に？　私、助かるんですかこれ？」
　真由美の声が震えている。
「絶対に何とかする。っていうか、何とかするまで俺もぶちのめしてやる。女を殴るなとは言わねえが、誰が相手であれ暴力を振るうのもよくねぇ」
「私も同意ね。弱い相手に暴力を振るうような奴はぶちのめす、徹底的にね。だから大船に乗ったつもりでいて欲しいわ」
　不安げな真由美に対して、裕也と明日香は強気な返事を寄こす。後に引けなくなった真由美は、胸を高鳴らせながら、流れに身を任せることに決めた。