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第3章:くだらないこと
5話:性的嗜好
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そうして、素華が入部してから数日後の昼休み。裕也は古々に連れられ、学校の人気のない場所へと連れてこられていた。
「こっちの方で助けを求めている奴がいるってのは本当か?」
『うーん、助けを求めてはいるんだけれど、その……』
「なんだよ、歯切れの悪い答え方だな?」
『助け方に気を付ける必要がありそうな感じなのよ。私も、まだ感情をキャッチしただけだから様子はわからなくて……』
学校の校舎裏、あまり人が立ち寄らないため、隠れていじめをするには悪くない場所だ。古々に促されるままその場所へと来てみると、どうも三人の男子生徒に囲まれた一人の男子生徒がいるようだ。暴力は振るわれていないようだが、あまりいい雰囲気ではない。
「なんか、囲まれてる男子、嫌がってそうな気がするような気もするけれど、どういう感じ? なんか見たことあるような……」
『行ってくる』
裕也に問われると、古々は彼らの元に忍び寄り、聞き耳を立てる。
「こいつはホラ、変態だからさ! 俺達の着替えを見て欲情してるんだぜ、ゲイだとか言ってさぁ……オカマちゃんだぜ?」
「気持ち悪りぃ! プールの着替えとか銭湯とか、ハーレムみたいに見えてるのか?」
「ゲイってエイズが多いらしいし、もちろん生でやるんだろ?」
聞くに堪えない言葉だった。どうにも、囲まれている男子生徒は何かのきっかけで自分がゲイだということがバレてしまったらしく、今それを複数の男子生徒にからかわれている最中といったところのようだ。
『あの子……弓道部の一年生ね』
「あぁ、そうだ。なんか見たことあると思ったら……なるほど、同じ神社で部活してる仲だったか」
裕也はようやく彼のことを思い出す。明日香が住んでいる神社は、相撲部の部室代わりとなっている土俵の他、弓道部の部室代わりとなっている射場もある。直接話したことはほぼないが、挨拶を交わしたことくらいはある顔だ。
「今はまぁ、ちょっと強めにからかわれてるくらいだろうけれど、そのうち『気持ち悪いからクラスから排除しようぜ!』みたいな感じでどんどんエスカレートする可能性もあるわけだし……ちっと、釘刺しておくか」
『あ、大丈夫なの? あの子、周囲にはあんまり知られたくないみたいだけれど』
「問題ねぇよ」
古々もこういったデリケートな案件はどう扱ったらいいかわからないらしく躊躇いがちだが、裕也は自信満々に歩み出る。
「こっちの方で助けを求めている奴がいるってのは本当か?」
『うーん、助けを求めてはいるんだけれど、その……』
「なんだよ、歯切れの悪い答え方だな?」
『助け方に気を付ける必要がありそうな感じなのよ。私も、まだ感情をキャッチしただけだから様子はわからなくて……』
学校の校舎裏、あまり人が立ち寄らないため、隠れていじめをするには悪くない場所だ。古々に促されるままその場所へと来てみると、どうも三人の男子生徒に囲まれた一人の男子生徒がいるようだ。暴力は振るわれていないようだが、あまりいい雰囲気ではない。
「なんか、囲まれてる男子、嫌がってそうな気がするような気もするけれど、どういう感じ? なんか見たことあるような……」
『行ってくる』
裕也に問われると、古々は彼らの元に忍び寄り、聞き耳を立てる。
「こいつはホラ、変態だからさ! 俺達の着替えを見て欲情してるんだぜ、ゲイだとか言ってさぁ……オカマちゃんだぜ?」
「気持ち悪りぃ! プールの着替えとか銭湯とか、ハーレムみたいに見えてるのか?」
「ゲイってエイズが多いらしいし、もちろん生でやるんだろ?」
聞くに堪えない言葉だった。どうにも、囲まれている男子生徒は何かのきっかけで自分がゲイだということがバレてしまったらしく、今それを複数の男子生徒にからかわれている最中といったところのようだ。
『あの子……弓道部の一年生ね』
「あぁ、そうだ。なんか見たことあると思ったら……なるほど、同じ神社で部活してる仲だったか」
裕也はようやく彼のことを思い出す。明日香が住んでいる神社は、相撲部の部室代わりとなっている土俵の他、弓道部の部室代わりとなっている射場もある。直接話したことはほぼないが、挨拶を交わしたことくらいはある顔だ。
「今はまぁ、ちょっと強めにからかわれてるくらいだろうけれど、そのうち『気持ち悪いからクラスから排除しようぜ!』みたいな感じでどんどんエスカレートする可能性もあるわけだし……ちっと、釘刺しておくか」
『あ、大丈夫なの? あの子、周囲にはあんまり知られたくないみたいだけれど』
「問題ねぇよ」
古々もこういったデリケートな案件はどう扱ったらいいかわからないらしく躊躇いがちだが、裕也は自信満々に歩み出る。
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