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第2章:いじめを終わらせよう
11話
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体育館前で合流した素華は、明日香と裕也を見て、また知らない人だと警戒心がにじみ出ていた。
「あの、こちらの男女は……何者でしょうか?」
素華が助けを求めるように百合根のほうを向くと、二人は軽く会釈をして自己紹介をする。
「本宮明日香です」
「三橋裕也です。えーと、なんていうかなー……俺達証拠を奪われそうになったり、慌てて口封じされそうになった時に、それを止める役? みたいなのを任されちゃって……俺は見ての通り、こんな体格だからわかると思うけれど、一応ボディーガード的な感じ。こっちの明日香は、見た目からは想像できないくらい強いから、たぶん似たような役回りになると思う」
「えー、大津井鹿嶋神社に住んでる本宮明日香と申します、よろしくお願いします。いじめを解決できたらですね、その……ウチの神社に参拝客がいなくなってるから、もしよければ来て欲しいんだけれど……」
「へ?」
いきなり神社の宣伝をされて、あまりに唐突過ぎて素華は首を傾げた。
「あー、ちょっと急ぎ過ぎたわね。ま、それはともかくとして……生意気な奴は私が始末するから、任せておいてね」
「おいおい、明日香……物騒な物言いはやめとけよ」
明日香のあんまりな自己紹介に裕也は呆れてため息をついた。
「始末って、大丈夫なんですか? それ」
素華は常識的な反応だ。普通の人間ならば、わざわざ他人のいじめなんかに首を突っ込んでこないし、始末だなんて不穏な言葉も使わない。裕也が呆れ、素華が心配するのも当たり前である。
「こっちの百合根は金が欲しいだけだし、俺と明日香はその……神社に参拝して欲しいだけだから大丈夫。下手な真似はしないさ」
「それ、大丈夫ってことにはならないと思うんですけれど!?」
「だ、大丈夫よ。私、傷つけないように相手を制圧する技術は学んでいるから……」
「そ、そうですか」
明日香の物言いに少し不安になりながらも、結局は困るのはいじめを行った加害者の方なのだ。素華は相手がどうなろうと自分の知ったことじゃないと、半信半疑ながら明日香のことを信じることにした。
「あの、こちらの男女は……何者でしょうか?」
素華が助けを求めるように百合根のほうを向くと、二人は軽く会釈をして自己紹介をする。
「本宮明日香です」
「三橋裕也です。えーと、なんていうかなー……俺達証拠を奪われそうになったり、慌てて口封じされそうになった時に、それを止める役? みたいなのを任されちゃって……俺は見ての通り、こんな体格だからわかると思うけれど、一応ボディーガード的な感じ。こっちの明日香は、見た目からは想像できないくらい強いから、たぶん似たような役回りになると思う」
「えー、大津井鹿嶋神社に住んでる本宮明日香と申します、よろしくお願いします。いじめを解決できたらですね、その……ウチの神社に参拝客がいなくなってるから、もしよければ来て欲しいんだけれど……」
「へ?」
いきなり神社の宣伝をされて、あまりに唐突過ぎて素華は首を傾げた。
「あー、ちょっと急ぎ過ぎたわね。ま、それはともかくとして……生意気な奴は私が始末するから、任せておいてね」
「おいおい、明日香……物騒な物言いはやめとけよ」
明日香のあんまりな自己紹介に裕也は呆れてため息をついた。
「始末って、大丈夫なんですか? それ」
素華は常識的な反応だ。普通の人間ならば、わざわざ他人のいじめなんかに首を突っ込んでこないし、始末だなんて不穏な言葉も使わない。裕也が呆れ、素華が心配するのも当たり前である。
「こっちの百合根は金が欲しいだけだし、俺と明日香はその……神社に参拝して欲しいだけだから大丈夫。下手な真似はしないさ」
「それ、大丈夫ってことにはならないと思うんですけれど!?」
「だ、大丈夫よ。私、傷つけないように相手を制圧する技術は学んでいるから……」
「そ、そうですか」
明日香の物言いに少し不安になりながらも、結局は困るのはいじめを行った加害者の方なのだ。素華は相手がどうなろうと自分の知ったことじゃないと、半信半疑ながら明日香のことを信じることにした。
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