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第2章:いじめを終わらせよう
6話
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「それで、裕也も手伝ってくれるのかしら? 貴方のその筋肉があれば、いるだけでも女子連中への威圧になるし、いてくれると助かるんだけれどなぁ……」
「構わんけれど、証拠を突きつけても抵抗する奴なんているのか?」
「いるのよ。往生際の悪い相手って、証拠突き出すとそれを奪おうとする奴もいるからさぁ。ひとりなら安全に返り討ちもできるけれど、複数だとちょっとね……手加減できないから、大怪我させちゃいそうで」
百合根は物騒な弱音を吐く。実際のところ、彼女が本気で喧嘩をすれば、武道や格闘技の経験がない女子などひとたまりもないだろうから間違っていない。
「いてもいいけれどさぁ、俺はさすがに女子はうかつに殴れないぜ?」
奪おうとするやつ、と聞いて裕也は何をすればいいか見当は付いた。証拠品や被害者のボディーガードをしろということだろう。だが、それは女性を殴ることにもつながりかねず、難色を示す。
「うかつに? いざとなったら殴れるってこと?」
百合根が笑いながら尋ねる。
「まぁ、よっぽど酷けりゃ、女だろうと殴るさ。一方的に攻撃してくるとか、武器を持って襲い掛かってくるとか……その時は、問題にならない程度にな?」
裕也は苦笑しながら言う。
「まぁ、そうよね。じゃあ、やむを得ない時はグーじゃなくパー……ビンタでもしなさい。相撲取りなら得意でしょ?」
が、裕也の考えを見透かしたうえで、百合根は言う。
「張り手とビンタは全然違うんだけれどなぁ……ってか、ビンタでも騒がれそう。面倒くせぇ」
「そうだとしても、自業自得よ。私はカタギに手を出さない主義だけれど、それはなぜなのかわかるでしょ? カタギに手を出すと、警察を呼ばれちゃうし、どう考えても手を出した、私たちヤクザのほうが悪いことになっちゃうでしょ?
でも、アウトロー相手ならば、相手の方にも後ろめたいことがあるから迂闊に警察に駆け込めなくなる。正当防衛なら、死なない程度に張り手しときゃいいの。女ならおとなしくなるから」
「乱暴だな……ま、それでいいか」
裕也が苦笑すると、百合根はふふんと笑う。
「構わんけれど、証拠を突きつけても抵抗する奴なんているのか?」
「いるのよ。往生際の悪い相手って、証拠突き出すとそれを奪おうとする奴もいるからさぁ。ひとりなら安全に返り討ちもできるけれど、複数だとちょっとね……手加減できないから、大怪我させちゃいそうで」
百合根は物騒な弱音を吐く。実際のところ、彼女が本気で喧嘩をすれば、武道や格闘技の経験がない女子などひとたまりもないだろうから間違っていない。
「いてもいいけれどさぁ、俺はさすがに女子はうかつに殴れないぜ?」
奪おうとするやつ、と聞いて裕也は何をすればいいか見当は付いた。証拠品や被害者のボディーガードをしろということだろう。だが、それは女性を殴ることにもつながりかねず、難色を示す。
「うかつに? いざとなったら殴れるってこと?」
百合根が笑いながら尋ねる。
「まぁ、よっぽど酷けりゃ、女だろうと殴るさ。一方的に攻撃してくるとか、武器を持って襲い掛かってくるとか……その時は、問題にならない程度にな?」
裕也は苦笑しながら言う。
「まぁ、そうよね。じゃあ、やむを得ない時はグーじゃなくパー……ビンタでもしなさい。相撲取りなら得意でしょ?」
が、裕也の考えを見透かしたうえで、百合根は言う。
「張り手とビンタは全然違うんだけれどなぁ……ってか、ビンタでも騒がれそう。面倒くせぇ」
「そうだとしても、自業自得よ。私はカタギに手を出さない主義だけれど、それはなぜなのかわかるでしょ? カタギに手を出すと、警察を呼ばれちゃうし、どう考えても手を出した、私たちヤクザのほうが悪いことになっちゃうでしょ?
でも、アウトロー相手ならば、相手の方にも後ろめたいことがあるから迂闊に警察に駆け込めなくなる。正当防衛なら、死なない程度に張り手しときゃいいの。女ならおとなしくなるから」
「乱暴だな……ま、それでいいか」
裕也が苦笑すると、百合根はふふんと笑う。
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