コレクターガールの憂鬱な日常

トレモロの長い話

トレモロ

身体が熱を発している事は悪く無い。

体内の白血球が悪い物を退治する為に働いている証拠。


体感時間にして約48時間

遥香はずっと高熱状態だった。

少し辛いのだろう。

意識を眠らせておく事にした。

自然に鍛え耐性を作る事は大切だ。

だが、仕様によっては、身体そのものを

強制的に作り変える事も出来る。

そうすれば、必然的に遥香は

パスティアの秘密に触れてしまう事になるだろう。

元々、地球人自体、全ての遺伝子情報を書き換える事に

耐えられる様な身体の作りはしていない。

一度書き換えたらもう、遥香は地球人ではなくなる。

この肉体自身弱すぎる。

気の遠くなる時間をかけ耐性を遺伝子に記憶させる。

まぁ、それでも遥香自身が地球人離れしていくのは仕方ない事

変わりすぎない事も、大切だと思うから…。

遥香の意識を奥底に追いやった後3回ほど吐いた。

本当に、この身体は弱い…。

後少し、俺の身体が全て戻るまで、遥香には付き合わせてしまう事になる

無事身体が戻れば

綺麗に記憶を消し去り普通よりたくましい地球人として

普通に生きて行ける様に

意識を乗っ取ってしまわないで

個の意思を尊重しつつ我らの秘密を守る…。

「すまんな。」