コレクターガールの憂鬱な日常

宇宙警察

アリスの秘密vol.1

「アリス捜査官、今回の件は我ら宇宙警察にとって恥じるべき失態だよ…。」


「…はい。」


「だから私は最初から反対だったんだ！

今回の磁場撹乱電動音波、君の一押しの発案だが、あれが一体どれだけの金額するか知っているのかね？

宇宙海賊トレモロ捕縛をうたって、イェンガーデンエクスプレスに交渉し

多額の寄付をして頂きながら、この失敗…。

磁場撹乱電動音波！あれを維持するたけでも税金泥棒だと思わないかね？」

「申し訳ありません…あの、可能なら私のお給料から、差引いて下さい。」

「はぁ～？何言ってるんですか？ 君の給料じゃ補えないでしょうが？

君は今後の身の振り方考えた方が、本気で良いと思いますよ…。」

本部からの衛星通信モニターの前に立ちながら

アリス.イェンガーデンは歯を食いしばった。

モニターに映し出されているのは

本部所属ラフェールナ星人のアルナス司令官…。

心労からか顔色がすこぶる悪く紫がかった前髪が気になるのか

先程から神経質そうに髪を弄っている。


「…。」

そんな事言われなくても解っている…。

何が悔しいか…自分自身の不甲斐なさ、それが1番悔しいのだ。

アリスはお祖母様のところに転がり込み祖母の性を名乗り

普通に試験を受け宇宙警察の試験を受けた。

お祖母様の采配でイェンガーデン家の遠い親戚の知り合いとして

アリス.マクベルという戸籍と経歴を作った。

両親には家出したアリスは、お祖母様にの元で引きこもり

静かに暮らしている事になっている。

何もかもお祖母様のおかげで今の自由な生活がある。

元々、兄ほどでもないが英才教育を受けて育っていたので成績は良かった。

難関と言われる宇宙警察に一発合格で入管を決め、出世コース真っしぐら

本部勤務の道もあった彼女だが、アリスがイェンガーデン家の人だと顔が割れる可能性を考え

外宇宙捜査チームCOSMO 宇宙警察第三銀河 担当に希望を出し、そして叶えらた。


「これで晴れて、自由にトレモロを追える。」