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遥香の憂鬱

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一回落ち着こう…。

お茶を飲んで落ち着こう…。

深呼吸して新鮮な空気を脳みそに贈り届けよう。

落ち着いて階段を降りていくと

キッチンの明かりがついてた。

いつも鍵っ子で出迎えてくれる人気のない家に慣れているのに



(そう言えばトレモロ母親にも催眠かけるって言ってたなぁ~。)






「お母さん…。」



キッチンの扉を開けると母親が虚ろな目をして椅子に座っている。


「お…お母さん? 」


「……。」


「お母さん?…えっと…大丈夫?」


帰る時の真島くんと同じ…虚ろな反応だ…。


(大丈夫、気にするな。)



私の身体が勝手に動いて大きく手を叩いた。


その瞬間 母親の目に光が戻った。


そして開口一番


「遥香のあんぽんたん、大事な会議中だったのに倒れたりするから、

学校から職場の電話に連絡きて 呼び出しくらうから

会議を途中抜け しなきゃいけなくなるし

慌てて学校折り返し連絡したら

遥香、もう帰ったって言うし

こんなにピンピンしてるなら

最初から倒れたりしないでよね~

どうせ また無理なダイエットしてたんじゃないの?

貧血は食べれば治るのよ。

今日は肉を食べなさいよね。

レバーよ、レバー。

それとプルーンも買っといたから食べなさいね。



それはそうと、話変わるけど  遥香

今日のあんた送ってくれてた 若い子 真島くん だっけ?

彼氏なの? 

助けた上に家まで送ろうとするなんて

ホント好青年、素敵ねぇ!! 青春だわ!!

お母さん、キュンキュンしちゃったわよぉ~!」



口を開くと機関銃の様に喋る母…。




うん、普通だ。


安定のウザさに胸を撫で下ろす。




「はぁ~?真島くんが彼氏ぃ?

違う違う!! 全然違う   彼氏じゃないよ!!

たまたま倒れた時近くにいたから 付き添ってくれただけ

ただのクラスメートだよ…。」



「ええええ~?そうなのぉ? 残念ね!残念過ぎるわ

あんた頑張ってゲットしなさいよ!!」



(もしも~し? ゲットってあなた…。ポケ◎ンじゃないんだよぉ~。)



「…いや、いい。変に期待しないでね!!

地味'sには彼氏なんて 必要じゃないんだよ…。

今日は疲れてるのでお茶を飲んで部屋で少し寝るよ。」


「了解よ!!  寝なさい!!

夕飯にはニラレバ炒め大盛りだからね!!」



はぁ~~。大きくため息



冷蔵庫からお茶を出してグラスに注ぐと一気に飲む

もう一杯注いで そのまま持って

階段を上がって自分の部屋に行く…。

部屋の中に入ろうとすると、ベットの横にいたはずの

お気に入りのうさぎのぬいぐるみが扉を開けてくれた。


「???????????」

「マスター、おかえりなさいませ。ご無事で何よりです。」









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