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遥香の憂鬱

事の発端

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宇宙海賊トレモロの所有している宇宙船 メティアローズは余りに規格外の最先端技術と破天荒気味の人工知能が搭載されている。
船長トレモロは魔的に強く容赦もない。
眉ひとつ動かさず星1つ破壊したとかしないとか…。
トレモロは強い、しかしその日はついていなかった。
長年争っていたトレモロが好敵手と認めた男、銀河連邦捜査局 最高司令官イェンガーデン

お互いが命をかけた熾烈な闘いを繰り広げた。
3日間続いたトレモロとイェンガーデンの闘いは2人が同時に意識を手放した所で終った。
…そう、奇しくも引き分けに落ち着いたのだ。
争いの場になった近くの星々の損壊はひどい有様で、向こう200年くらい復興にかかる状態だった。


意識を失ったトレモロは人工頭脳搭載型宇宙船メティアローズがすぐさま回収 救命治療ポッドで強制治療をした。
イェンガーデンも遠巻きに闘いを見守っていた銀河連邦捜査局の艦隊によって回収さていた。

その隙を突きメティアローズは行き場は適当に安全なルートへとテレポートした。


ところが、テレポート先の進行方向に突然、巨大な宇宙嵐の発生していた。
それだけならまだ対処出来る範囲だったのだが大規模な宇宙嵐の所為で磁場の狂いが生じてしまい
電気系統がおかしくなってしまった。
宇宙船メティアローズは困惑した。 
こんな事は一度もない磁場を狂わす宇宙嵐を疑問に思いつつも
マスターの休息を最優先に考え嵐を避けるように大きく迂回した。

宇宙嵐を避け迂回したその場所に宇宙警察の大量の宇宙船が待ち受けていた。
そう、宇宙嵐は人工的に作られた宇宙警察の罠。

宇宙警察は予め今迄使われていな安全なルートに目星をつけ大規模な罠を仕掛けていたのだ。

イェンガーデンとの戦いで手負いとなったトレモロなら何とか捕まえられると思ったのだろう

メティアローズは爆撃を回避しつつ脱出を試みるが執拗な宇宙警察の追跡、不覚にも被弾し未開の星の重力に囚われそのまま加速度を上げ落下して行った。

トレモロは完全に治癒出来ていない上に意識すら手放している状態だ。
このままだとメティアローズ自身もメティアローズのマスターであるトレモロも、しつこい宇宙警察に拘束されてしまうだろう。
この窮地を何とか逃れマスターも自身の人工頭脳も守らなくては…。
未開の星とは言え生体反応がある。
未開ではあるだろうが文化があるなら大丈夫だろう、何とかなるかも知れない。

メティアローズは最大限の力でマスターを守る事にした。
未開の地球という星で広い場所を検索し手近に見つけたアラスカ北部にメティアローズを不時着させる決定。
その上でコア保護システム作動マスターのコアを取り出し自身のコアであるマスター人工頭脳と共にセキュリティー保護バリア200%で途中放射。
どこに着くか分からないが、文化があると言う事に間違いがないならしめたものだ。
文化圏に落ちる設定をする。
後はマスターに1番近いコアを有した生命体にマスターのコア融合させればいい。
融合確率の高いコアを検索し誘導システムON
メティアローズ自身である人工頭脳をマスターが見つけるか、メティアローズ自身がマスターを見つけられる様に設定をする。

その間0.05秒

後は何とかなると信じて
「マスター、どうかご無事で。再会は未開の地になりますが、どうかご容赦を…。」

放出されたのはトレモロの意識のないままのコアと人工頭脳のコア、2つの光
その光は誘導システムによって誘導されるまま進み日本の朝日奈高校の本館の屋上に…。
宇宙船メティアローズはアラスカ北部へ轟音と共に落ちていった。

音速で放出されたわずか10㎝ほどの2つの球体コアシステムが眩い光の玉となって朝日奈高等学校校舎本館屋上にぶち当たった。

辺りは目も眩む程の光と地震が起きたかと思われるくらいの大きな揺れ、激しい突風が有ったがそれは一瞬で終わった。
この現象に周りは狐につままれたみたいにほんの一瞬呆然とはしてはみたけれど立川遥香と真島貴志の2人意外は、変わらない日常にゆっくり戻った。
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