2 / 9
ろ
しおりを挟むまた、案内されるまま
白い道を進むと
今度は1本の木のある所に着いた。
そこにはいつも2人いる。
奪衣婆のおばあさんと
懸衣翁のおじいさんだ。
いつものように
木の下で待ち構えていた。
僕の顔を見るなり
「おや、久しぶりじゃの。」
「お疲れ様だったわねぇ。」
「モタモタしてるから
来たくないのかと思ったぞ。」
「こんにちは、
おじいさん、おばあさん。
お久しぶりです。
お待たせしましたね。」
そう言いながら僕は肩にかけていた
カバンを差し出した。
おばあさんがニコニコしながら
カバンを受け取ると
おもむろに中を漁り
財布の中のお金をみた。
「あら、
だいぶ頑張ったのねぇ。」
そう言いながら、入っていた
お金をチェックして
記入したらまた僕にカバンを返してくれた。
「ええ
ここを通るんだから貯めとかなきゃって…。」
そう言ってる間におばあさんが、
僕の服を脱がそうとした。
「あー大丈夫!すぐ脱ぎますね!」
僕は自分で服を脱いでとりあえずおばあさん渡す。
「あら、遠慮なんかいらないのにねぇ。」
ふふふと笑いながら
おばあさんがおじいさんに
服を渡し
おじいさんはその服を
目の前の木の枝にひっかけた。
枝のきしみ具合はどうなんだ?
重くなかったかな?
不安になる。
木は赤色に光って結構しなった。
うーんおかしい
誰かに恨みかったのかな?
「おやおや、赤は怒りの念じゃがの
結構重いけど
透き通ったピンク色じゃの
見ろ下の方が白っぽい
モテたのかの?
羨ましいのう。」
「あらあらやだね色男
この桃色に近い赤色は大抵ヤキモチの念だゎ
透き通って
白っぽいのは念を送った本人達も
内心理解してるのよ
あなたのせいじゃないって
この色なら大丈夫よ
黒かったり青かったり赤は赤でも
向こうが見えないくらい
濃い色だったら駄目だけどねぇ。」
はぁ、モテたのか?
そんな覚えはないんだけど…。
解せん。
困惑しながら
僕はスタンプカードを渡すと
2人してぺちゃくちゃ話しながらも
おじいさんはスタンプを押してくれた。
「じゃあの、
そこの橋の先に
初江王さんが待ってるから
これを見せての。」
おじいさんかそう言うと
2人して
何言ってるか分からないくらいの
早口で同時にぺちゃくちゃと
この先の岸辺の石の色が変わっただの
最近になって大蛇がお腹壊しただの
話しが続くので
行くに行けないで苦笑いしてたら
黒外套の男は
「はいはい、彼は次に行くんで
名残惜しいとは思いますが
お話はここまでにしてください。」
助けてくれた…。
随分長い間
ケタケタ笑って見ていた事
僕は知ってるけど
まぁ
一応助かったので不本意だが
お礼はしといた。
✱奪衣婆とが服を剥ぎ取り
懸衣翁に渡し
懸衣王は衣領樹の枝に服をかけしなり具合で罪の重さを計ります。
奪衣婆は生前盗みを働いたかどうかを見ます。
地獄の沙汰も金 次第と言いますが
五文でも良いと言われています。
お金=感謝
徳は天に積めとはこの事ですね。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
徹夜でレポート間に合わせて寝落ちしたら……
紫藤百零
大衆娯楽
トイレに間に合いませんでしたorz
徹夜で書き上げたレポートを提出し、そのまま眠りについた澪理。目覚めた時には尿意が限界ギリギリに。少しでも動けば漏らしてしまう大ピンチ!
望む場所はすぐ側なのになかなか辿り着けないジレンマ。
刻一刻と高まる尿意と戦う澪理の結末はいかに。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる