黒猫ふぅの徒然日記

MOKO

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怒塚山に三度目の雪が降り積もる頃

大地はすでに宵闇に負けないくらいの剣の腕を磨いていた。

霊力も人と比べれば桁外れに伸び簡単な呪もかけれる。

その頃になると

ふぅもすでにいい年を迎え丸くなって

あれだけ嫌っていた大地の膝の上で丸くなっていた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




大地がここに来て1回目の雪が積もる頃

私の言葉を大地が理解し、大地の言葉も私に理解出来る様になっていた。

宵闇さん曰く

大地のここでの食べ物と修行のおかげで

大地の霊力が上がった事で万物との念話が可能になったらしい。



大地は思ったよりいい奴だった。

いつだったか、千年大樹の枝の上で昼寝をしていると

そのまま眠りこけてしまい、人間に追いかけられる怖い夢を見て 

意図せず枝から落ち

腰をしたたか打った事があった。

猫にあるまじき行為…。

その全貌を大地に目撃されていた。

宵闇さんや天河さんには木から落ちたなんて

恥ずかしくて

知られたくなかったから怪我した事は

2人に内緒にして欲しいと頼むと

大地は快く承諾し助けてくれたのだ。

落ちてすぐはそうでもなかったのに

夜になってから足が腫れ 痛くて寝れなくて辛かった。


そうしたら大地が黙って

水で濡らして冷たく絞った手ぬぐいを持ってきてくれて

痛む足を冷やしてくれた。

献身的に手を貸してくれる大地

その手はここのみんなと変わらず優しくてあったかかった。



目から鱗体験だった。



宵闇さんも天河さんも、今にして思えば

もしかしたら私が怪我した事知ってたかも知れない

私と大地の関係を気にしてたから

仲良くなるために黙って見守ってたのかな…。


もしそうなら、ちょっと癪だがその作戦は大成功って言っていいだろう。






もちろん大地の霊力が高くても剣で優れても

私の弟弟子の立場は変わらないけど…。



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