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第一章 世間はそれを玉の輿と言う
第11話 毒舌執事
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「奥様が一聖様からどこまでお聞きになっているかはわかりませんが、ま、どうせまともに説明されていないと思いますので、最初からご説明いたします」
カチリと中指で眼鏡をあげる要三郎。
思わずうんうんと頷く清瀬。
その通り。ほんのちょっとしか教えてもらってないから。
要三郎さんは一聖殿の性格を良く理解しているようだな。流石執事。頼りになりそうだ!
と思ったところでふと心配になる。
他言無用の話をこんな誰に聞かれるか分からない場所で話してもいいんだろうか?
「あ、盗み聞かれる心配はありませんのでご安心を。この部屋は今、結界を張っていますし、外は式神が警護していますので」
ん? そんな事ができるのなら、普段から屋敷中に結界を張って式神警護させたら安心なのではと思ったところで、要三郎が続けた。
「屋敷全体に結界を張ってしまったら、悩めるあやかし達や善からぬ霊に取り憑かれた人々が入って来れなくなってしまいますからね。基本的には開放しているんです」
「悩めるあやかしに霊に憑依された人……って、ここで個別相談を受け付けているんですか?」
「ええ」
「それはいいですね! もちろんタダですよね?」
「ええ、まあ」
「素晴らしい! なんて義侠心溢れる行い! わかりました。私も及ばずながらお手伝いします」
「はあ、ありがとうございます」
なんだか煮え切らない返事の要三郎に違和感を感じつつも、「そういえば……」と清瀬が疑問を口にする。
「要三郎さんは人の心が読めるんですか?」
「いいえ。何故そんな風に思われたのですか?」
「さっき、私の心の声が聞こえたかのようにお答えくださったので」
「ああ、それは」
そう言いながらまたカチリと眼鏡をあげる。
「奥様は全て顔に書いてありますので、読み取り易いだけです」
な、なんだと! 全部顔に書いてあるだと?
思わず顔に手をやる。
まさか、寝ている間に一聖殿が墨でいたずら書きでもしたのか? いや、それはさすがに無いな。ちゃんと顔も清めたし……
だが、煩悩を排する修行を幾度にも積み重ねてきた私の心がそう簡単にだだ漏れるわけもない!
どこかに仕掛けが隠れているのではとじいっと要三郎の眼鏡を見つめてみたが、彼の表情筋は一向に動かなかった。
「先へ進めてもよろしいでしょうか?」
「あ……はい。どうぞ」
なんとも掴みづらい間合いに疲労感を感じつつ、要三郎の話に耳を傾ける。
「我が華川家は、奈良に都が在りし時より連綿と続いてきた陰陽寮の役人の家系です。天文学、地学、暦学、薬学などの知識と、呪術や霊力によって人々の生活を支えてきました。ですが、明治の御代になって直ぐに『天社禁止令』が発せられてしまい、我々はその知識や霊力を使うことを禁じられてしまったのです」
「え!」
思いがけない言葉に絶句する清瀬。
陰陽師って、今は名乗ることもできないのか?
「ご推察の通りです。我々の言葉は戯言扱い。人心を惑わず悪しき輩と決めつけられてしまいました。浅はかな為政者たちは、我々に主導権を握られることを相当恐れているようですね」
「そんな……」
「まあ、陰陽師を騙る者の中に、偽の吉凶情報を告げて暴利をむさぼるような輩がいたのも事実なので致し方ありません。ですが、本物の陰陽師はそんな下衆な行いは決していたしません。ただひたすらに、視えざるモノたちからこの国の人々を守ってきただけのことです」
「みなさんのおかげでこの日常が守られていたんですね」
黙ってこの世を守ってきた人たちがいる―――思わず胸が熱くなった。
要三郎の声が一段と低くなる。
「我々の言葉を戯言扱いしても、視えざるモノがいなくなるわけではありません。脅威も消えません」
「確かに、視えないからって、いないと言ってすむわけではないですよね」
清瀬の言葉に、要三郎が初めて口端に微かな笑みを浮かべた。
「影のモノをご覧になれる奥様ならわかってくださると思っていました」
「大丈夫、わかっています!」
勢い込んで賛同する清瀬。
「ですから、ここからが本題です。伯爵と言う爵位はいただいておりますが、もはや陰陽師としては食べていかれない華川家は、別の手を使って飯の種を得なければいけません。と言う訳で、我が当主は人たらしの能力をいかんなく発揮して職を得ました。華川一聖の表の顔は鳳都大学の星学科教授です。そして奥様は教授夫人です。そのおつもりで御振舞いに気をつけてただけたらと思います」
大学の教授ってことは……学校の先生ってことか。しかも星の先生。
星……そう言えば、のんびり見上げたことなんて無かったな―――
「って、え! 教授夫人!」
「はい」
大股歩きができないってことにかわりはないな。
「まあ、そうですね。外に出られたら気をつけてください。なるべくおしとやかに。無駄口少なく過ごせば、口の悪さもバレないと思います」
くっ……一聖殿から私のことがあれこれ伝わっていると言うことか。
どうせ、禄な事を言っていないのだろうな。
「わ、わかりました。気を付けるよう努力します……」
「そして、裏の顔は……陰陽師です」
「!」
そうか。逃げなかったと言うことだな!
清瀬の中に清々しい思いが溢れた。
いくら否定したところで、視えざるモノは存在する。そして、彼らから守る力を持っているのは陰陽師の素養を受け継いだ者だけ。
ならば、逃げずに戦うことを選んだと言うことだな。
くーっ! なんてカッコいいんだ!
ゾクゾクする高揚感。その仲間に加えてくれた一聖に感謝の気持ちが沸き上がった。
「現政権から睨まれている以上、公に行動することはできません。くれぐれも目立たないようにお願いします」
ああ、だからさっき。個別相談のことで盛り上がっていた私を複雑な思いで見ていたのだな。
「わかりました。内密にいたします」
「それから、残念ながらすべての陰陽師の末裔が、同じ考え方を持っているわけではありません。人々のために自らを犠牲にする生き方に疑問を持って反発する者、離れていく者もたくさんいました。ですから、今ここに集まっているのは、一聖様を慕って集まった有志の者達です。そこのところも、ご理解いただけたらと思います」
一聖殿も複雑な立場なのだな。
もう少しだけ……優しくしてやろうかな。
「協力者の方々もいらっしゃいます。大警視の菱沼様は、国の治安を担うに当たって、我々の力が必要だと言うことを深く理解してくださっています。他にも、政権側の人間でありながら、我々のことを後押ししてくださっている方々もいらっしゃいます」
ああ、だから……祝言の時に集まった人の数が少なかったのは、そういう事情も含まれていたのかもしれないな。
「万事あいわかった! 要三郎殿。この清瀬。全力で旦那様とそなたたちに協力することを約束しよう!」
眼鏡越しに、初めて要三郎の瞳を捉えることができた。
淡い琥珀色の瞳が驚いたように見開かれ、次にクシャリと三日月になる。
「あはは! 聞きしに勝る勇ましさ。でも、安心しました。清瀬様で本当に良かった。一聖様のこと、どうかよろしくお願いします」
毒舌の下に隠された真摯な素顔が垣間見えた。
カチリと中指で眼鏡をあげる要三郎。
思わずうんうんと頷く清瀬。
その通り。ほんのちょっとしか教えてもらってないから。
要三郎さんは一聖殿の性格を良く理解しているようだな。流石執事。頼りになりそうだ!
と思ったところでふと心配になる。
他言無用の話をこんな誰に聞かれるか分からない場所で話してもいいんだろうか?
「あ、盗み聞かれる心配はありませんのでご安心を。この部屋は今、結界を張っていますし、外は式神が警護していますので」
ん? そんな事ができるのなら、普段から屋敷中に結界を張って式神警護させたら安心なのではと思ったところで、要三郎が続けた。
「屋敷全体に結界を張ってしまったら、悩めるあやかし達や善からぬ霊に取り憑かれた人々が入って来れなくなってしまいますからね。基本的には開放しているんです」
「悩めるあやかしに霊に憑依された人……って、ここで個別相談を受け付けているんですか?」
「ええ」
「それはいいですね! もちろんタダですよね?」
「ええ、まあ」
「素晴らしい! なんて義侠心溢れる行い! わかりました。私も及ばずながらお手伝いします」
「はあ、ありがとうございます」
なんだか煮え切らない返事の要三郎に違和感を感じつつも、「そういえば……」と清瀬が疑問を口にする。
「要三郎さんは人の心が読めるんですか?」
「いいえ。何故そんな風に思われたのですか?」
「さっき、私の心の声が聞こえたかのようにお答えくださったので」
「ああ、それは」
そう言いながらまたカチリと眼鏡をあげる。
「奥様は全て顔に書いてありますので、読み取り易いだけです」
な、なんだと! 全部顔に書いてあるだと?
思わず顔に手をやる。
まさか、寝ている間に一聖殿が墨でいたずら書きでもしたのか? いや、それはさすがに無いな。ちゃんと顔も清めたし……
だが、煩悩を排する修行を幾度にも積み重ねてきた私の心がそう簡単にだだ漏れるわけもない!
どこかに仕掛けが隠れているのではとじいっと要三郎の眼鏡を見つめてみたが、彼の表情筋は一向に動かなかった。
「先へ進めてもよろしいでしょうか?」
「あ……はい。どうぞ」
なんとも掴みづらい間合いに疲労感を感じつつ、要三郎の話に耳を傾ける。
「我が華川家は、奈良に都が在りし時より連綿と続いてきた陰陽寮の役人の家系です。天文学、地学、暦学、薬学などの知識と、呪術や霊力によって人々の生活を支えてきました。ですが、明治の御代になって直ぐに『天社禁止令』が発せられてしまい、我々はその知識や霊力を使うことを禁じられてしまったのです」
「え!」
思いがけない言葉に絶句する清瀬。
陰陽師って、今は名乗ることもできないのか?
「ご推察の通りです。我々の言葉は戯言扱い。人心を惑わず悪しき輩と決めつけられてしまいました。浅はかな為政者たちは、我々に主導権を握られることを相当恐れているようですね」
「そんな……」
「まあ、陰陽師を騙る者の中に、偽の吉凶情報を告げて暴利をむさぼるような輩がいたのも事実なので致し方ありません。ですが、本物の陰陽師はそんな下衆な行いは決していたしません。ただひたすらに、視えざるモノたちからこの国の人々を守ってきただけのことです」
「みなさんのおかげでこの日常が守られていたんですね」
黙ってこの世を守ってきた人たちがいる―――思わず胸が熱くなった。
要三郎の声が一段と低くなる。
「我々の言葉を戯言扱いしても、視えざるモノがいなくなるわけではありません。脅威も消えません」
「確かに、視えないからって、いないと言ってすむわけではないですよね」
清瀬の言葉に、要三郎が初めて口端に微かな笑みを浮かべた。
「影のモノをご覧になれる奥様ならわかってくださると思っていました」
「大丈夫、わかっています!」
勢い込んで賛同する清瀬。
「ですから、ここからが本題です。伯爵と言う爵位はいただいておりますが、もはや陰陽師としては食べていかれない華川家は、別の手を使って飯の種を得なければいけません。と言う訳で、我が当主は人たらしの能力をいかんなく発揮して職を得ました。華川一聖の表の顔は鳳都大学の星学科教授です。そして奥様は教授夫人です。そのおつもりで御振舞いに気をつけてただけたらと思います」
大学の教授ってことは……学校の先生ってことか。しかも星の先生。
星……そう言えば、のんびり見上げたことなんて無かったな―――
「って、え! 教授夫人!」
「はい」
大股歩きができないってことにかわりはないな。
「まあ、そうですね。外に出られたら気をつけてください。なるべくおしとやかに。無駄口少なく過ごせば、口の悪さもバレないと思います」
くっ……一聖殿から私のことがあれこれ伝わっていると言うことか。
どうせ、禄な事を言っていないのだろうな。
「わ、わかりました。気を付けるよう努力します……」
「そして、裏の顔は……陰陽師です」
「!」
そうか。逃げなかったと言うことだな!
清瀬の中に清々しい思いが溢れた。
いくら否定したところで、視えざるモノは存在する。そして、彼らから守る力を持っているのは陰陽師の素養を受け継いだ者だけ。
ならば、逃げずに戦うことを選んだと言うことだな。
くーっ! なんてカッコいいんだ!
ゾクゾクする高揚感。その仲間に加えてくれた一聖に感謝の気持ちが沸き上がった。
「現政権から睨まれている以上、公に行動することはできません。くれぐれも目立たないようにお願いします」
ああ、だからさっき。個別相談のことで盛り上がっていた私を複雑な思いで見ていたのだな。
「わかりました。内密にいたします」
「それから、残念ながらすべての陰陽師の末裔が、同じ考え方を持っているわけではありません。人々のために自らを犠牲にする生き方に疑問を持って反発する者、離れていく者もたくさんいました。ですから、今ここに集まっているのは、一聖様を慕って集まった有志の者達です。そこのところも、ご理解いただけたらと思います」
一聖殿も複雑な立場なのだな。
もう少しだけ……優しくしてやろうかな。
「協力者の方々もいらっしゃいます。大警視の菱沼様は、国の治安を担うに当たって、我々の力が必要だと言うことを深く理解してくださっています。他にも、政権側の人間でありながら、我々のことを後押ししてくださっている方々もいらっしゃいます」
ああ、だから……祝言の時に集まった人の数が少なかったのは、そういう事情も含まれていたのかもしれないな。
「万事あいわかった! 要三郎殿。この清瀬。全力で旦那様とそなたたちに協力することを約束しよう!」
眼鏡越しに、初めて要三郎の瞳を捉えることができた。
淡い琥珀色の瞳が驚いたように見開かれ、次にクシャリと三日月になる。
「あはは! 聞きしに勝る勇ましさ。でも、安心しました。清瀬様で本当に良かった。一聖様のこと、どうかよろしくお願いします」
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