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Episode2 プロデュース第一弾
完璧彼女の完璧じゃない一時 (一華side)②
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『酒と魚の上手い店』と言うキャッチコピーのお店『酩粋亭』で待ち合わせする。
燈子ご指定のお店。
ディナーと飲み放題のセットにすれば、新鮮な魚介料理を食べながら、日本全国の銘酒の飲み比べが楽しめるので、蟒蛇級二人にとっては最高のお店。
お店にとっては、お断りしたい客かもしれないけれど。
訪れると、既に燈子は席を取って注文もし終わっていた。
「久しぶり。元気だった?」
「ええ、元気よ。燈子のほうこそ、結婚したらパッタリとお誘いが来なくなって寂しかったわよ」
「だって、蓮君マメ男だから、夜遅くなってもササっと美味しい夕食作ってくれるんだよねー。それを食べないって選択肢は無くってさ。仕事以外で飲みに行くことがめっきりなくなったかも」
早速燈子の旦那自慢が始まったと、一華はちくわ耳モードに切り替える。
「ご主人が毎晩お夕飯作ってくれるの?」
「まあね。燈子さんの健康は俺が守るってね。私よりも上手なんだよ」
「へえ。燈子だって結構料理上手じゃない。それよりも上手なんだ」
「そう。簡単で時間かからないのに美味しいの。あれはセンスだね」
「そっかぁ。良かったねぇ」
「そのお礼に、私はいっぱい可愛がってあげるんだ」
姉御肌な燈子にとって、三つ年下の旦那が甘えてくるのが嬉しくて仕方ない様子。
でも、本当は反対なんだろうな。
サバサバとして細かいことに拘らない性格の燈子は、カッコイイ系女性。周りから頼りにされることが多かった。
その反面、本人は誰かに甘えるのが下手なタイプ。
今までだって後輩から頼られることは多かったのだけれど、深入りを避ける彼女が一線を引き続けていたことを一華は知っている。
それなのに……
年下とは恋愛しないと言っていた燈子が、蓮にだけは絆された。
『蓮だけなの。私が元気ない時に気づいてくれるのは』
結婚前そう言って飲みながら泣いていた燈子を思い出して、一華の胸が熱くなった。
順調そうで何より。
まず最初に運ばれてきたのは鯛のカルパッチョ他三種の前菜に、三種の色ガラスお猪口。
味わいの違うお酒と、味わいの違う前菜を組み合わせることができる、贅沢な始まり。
「じゃあ、まずは乾杯」
お猪口一つ選んで掲げ合ってから、一気に飲み干した。
「ぷはーっ。美味しい!」
「ああ~。美味しい」
二人で同時に言い合った。
「一華の方はどうなの? そろそろ新しい出会いはあったかな?」
海老の生春巻きを噛み締めながら、一華は意味深な笑みを浮かべる。
「おお、その顔はもしかして?」
香り爽やかな二口目の酒を口に運びながら、燈子の目がきらりと光った。
「まあね。大人と少年が同居しているような男性と出会っちゃった」
「何それ。ねえ、詳しく聞かせなさいよ」
ふふふ。もちろん。
燈子ご指定のお店。
ディナーと飲み放題のセットにすれば、新鮮な魚介料理を食べながら、日本全国の銘酒の飲み比べが楽しめるので、蟒蛇級二人にとっては最高のお店。
お店にとっては、お断りしたい客かもしれないけれど。
訪れると、既に燈子は席を取って注文もし終わっていた。
「久しぶり。元気だった?」
「ええ、元気よ。燈子のほうこそ、結婚したらパッタリとお誘いが来なくなって寂しかったわよ」
「だって、蓮君マメ男だから、夜遅くなってもササっと美味しい夕食作ってくれるんだよねー。それを食べないって選択肢は無くってさ。仕事以外で飲みに行くことがめっきりなくなったかも」
早速燈子の旦那自慢が始まったと、一華はちくわ耳モードに切り替える。
「ご主人が毎晩お夕飯作ってくれるの?」
「まあね。燈子さんの健康は俺が守るってね。私よりも上手なんだよ」
「へえ。燈子だって結構料理上手じゃない。それよりも上手なんだ」
「そう。簡単で時間かからないのに美味しいの。あれはセンスだね」
「そっかぁ。良かったねぇ」
「そのお礼に、私はいっぱい可愛がってあげるんだ」
姉御肌な燈子にとって、三つ年下の旦那が甘えてくるのが嬉しくて仕方ない様子。
でも、本当は反対なんだろうな。
サバサバとして細かいことに拘らない性格の燈子は、カッコイイ系女性。周りから頼りにされることが多かった。
その反面、本人は誰かに甘えるのが下手なタイプ。
今までだって後輩から頼られることは多かったのだけれど、深入りを避ける彼女が一線を引き続けていたことを一華は知っている。
それなのに……
年下とは恋愛しないと言っていた燈子が、蓮にだけは絆された。
『蓮だけなの。私が元気ない時に気づいてくれるのは』
結婚前そう言って飲みながら泣いていた燈子を思い出して、一華の胸が熱くなった。
順調そうで何より。
まず最初に運ばれてきたのは鯛のカルパッチョ他三種の前菜に、三種の色ガラスお猪口。
味わいの違うお酒と、味わいの違う前菜を組み合わせることができる、贅沢な始まり。
「じゃあ、まずは乾杯」
お猪口一つ選んで掲げ合ってから、一気に飲み干した。
「ぷはーっ。美味しい!」
「ああ~。美味しい」
二人で同時に言い合った。
「一華の方はどうなの? そろそろ新しい出会いはあったかな?」
海老の生春巻きを噛み締めながら、一華は意味深な笑みを浮かべる。
「おお、その顔はもしかして?」
香り爽やかな二口目の酒を口に運びながら、燈子の目がきらりと光った。
「まあね。大人と少年が同居しているような男性と出会っちゃった」
「何それ。ねえ、詳しく聞かせなさいよ」
ふふふ。もちろん。
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