完璧を目指す一華さんは自分好みのスパダリも育成しちゃいます!

涼月

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Episode2 プロデュース第一弾

オシャレ達人に弟子入り(龍輝side)⑤

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 おまかせでお願いしたのに、寝癖の手入れがいらない神スタイルが出来上がった!
 
 龍輝は鏡の中の自分をしげしげと眺めた。
 いつもの限界まで切り上げた髪の毛とは違う、フワフワと踊っている髪先。
 あちこち跳ね巻くって収拾がつかなかった毛先のはずが、跳ねていてもカッコよく見える。これは一体どういうことだろうと右へ左へと首を回して見てみるが、素人に秘密がわかるわけは無い。
 ただ自分がオシャレな男性ひとに見えると言うことだけは確信することができた。

 スタイリストの春野が色々説明してくれたが、その言葉は残念ながらほとんど耳に入って来なかった。なぜなら、こちらを見ている一華を見つけてしまったから。

 鏡の中の一華は、物凄く嬉しそうに、満足そうに微笑んでいる。

  って思ってくれたかな。

 龍輝はちょっと照れくさくなったが、それでも一華から目を逸らすことが出来なかった。
 彼女の瞳に浮かぶ楽しそうな色と自分の心が重なったのを感じる。

 髪の毛を切る―――今までは伸びてしまったから切りに行くだけの、しかたなくこなしていただけの事が、今日はとてもエキサイティングでワクワクする出来事に変った。鏡に映る自分が、別人に生まれ変わって行く様子を目の当たりにして、ヘアカットに秘められた奥深い意義を突き付けられたような気がしたのだ。

 髪を切るってこんなに楽しいことだったんだな。

 それを教えてくれた一華に、感謝の気持ちが沸き起こる。
 同時に、龍輝の好奇心センサーも動き出した。
 
 まだまだ知らないことばかりだ!
 もっともっと知りたいな。

 それには、オシャレ達人の一華に教えてもらうのが一番の近道だと考える。

 よし! 勝手に弟子入りだ!
 それに、これなら一緒に楽しめそうだしな。

 ふと、五十嵐から念を押されていた最重要事項を思い出す。
 一人で楽しまないこと。
 相手の女性と一緒に楽しむこと。
 良かった。これでクリアできるはず。

 一華の満面の笑顔を見ながらそんなことを考えていたら、視線がカチリと嵌り合った。
 恥ずかしそうに瞳を揺らした一華に、鏡越しでもトクンと鼓動が跳ねる。

 今日はやたらと心臓がうるさいな―――


 
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