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第九章 玉英王動く
第85話 最後の夜
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ハダルが台所から果実酒を持って来た。
フィオナが昨年漬け込んだ物。
丁度飲み頃の琥珀色の液体は、思ったよりも甘くて、心も体もほぐしてくれる。
ゆっくりと喉の奥に流し込みながら、反対に研ぎ澄まされる五感の感覚に、しばし三人で浸っていた。
虫の音、夜の香、風の肌触り、そして、星の瞬き……
「あの星、二人は何て呼んでいるのかな?」
飛翔は目安星を指差して二人に尋ねる。
玉英王は寧導星と答え、ハダルはガイダール星と答えた。
だがハダルが思い出したように付け加える。
「船乗りの間では、あの星はデュークス星って呼ばれていたな。どこの国の船乗りがと言うよりは、船乗りの間での呼び名って感じだったな」
「呼び名が残っていたんだ! 実はそれ、エストレア語なんだ。聖杜国ではデュークス星って呼んでいたんだよ」
「そうだったのか! もしかして、バハル爺さんの先祖のコウケンさんが広めたのかもしれないな」
「だったら嬉しいな」
飛翔はもう一度デュークス星を見上げながら続けた。
「国によって、場所によって呼び方が違う物。時代が変わって呼び名が変わる物……でも人々がどうやって名づけようが、あの星は変わらずにあって、目安星としてみんなを導いてくれていることも変わらない。だから、違うと思っている物でも同じ物だったり、変化しているように見えても、変わらない物ってあるんだろうなと思ってね」
「それは、本質を見極めろと言うことか?」
飛翔の言葉に、玉英王が応じる。
「うーん、そうだね。結局はそう言うことなのかな」
飛翔は笑いながら言う。
「上手く言えないんだけど、違いを恐れないでってことかな」
「……分かった。違いを恐れず、分かり合う努力をしろと言うことだな」
「違いを楽しむ気持ちも忘れないようにしたいよな」
玉英王の的確な理解に安堵し、ハダルの前向きな強さに嬉しくなった。
もう一度三人で、静かにデュークス星を見上げる。
千年前と変わらない星の輝きに、飛翔は時を超えた不思議な感覚になる。
そういえば……玉英王は、なんで直ぐにからくり箱を開けることができたのだろう? まるで瑠月のようだな……
ふと、そう思い至って嬉しくなった。
そうか、飛王と瑠月と俺の三人の思い……
父、彰徳王が毒殺された時、三人で誓い合った言葉を思い出した。
こんな悲しい出来事はもうこれ以上いらない。
だから、この世から争いを減らすためにできる限りのことをやろう!
若い三人のあの日の強い思いが、ここにこの三人を巡り合わせてくれたのだろうと思う。
瑠月のように明晰な玉英王。
飛王の面影のあるハダル。
フィオナが言っていたように、輪廻によって生まれ変わって、俺が千年後に無事役目を果たせるように、助けに来てくれたのかも知れないな……
デュークス星。目安星!
時を超えて、また三人で見上げることができたような、そんな満ち足りた気分になる。
あの時は迷子の飛翔たち三人を聖杜国の都へと導いてくれた。
今度は玉英王とハダルを、一つでも争いの少ない世界へ導いて欲しい……そう願いを込めた。
飛翔と玉英王が部屋へと移った後も、ハダルは一人で星を眺めて座っていた。
考え事をしているハダルの元に静かに近づく人影。
「ハダル!」
「フィオナ……」
フィオナはハダルの横に座って、一緒に星を眺め始める。
ハダルはその横顔を気づかわし気に見つめた後、意を決したように告げた。
「多分……明日、飛翔は泉に行くと思う。そうしたら……聖杜国に帰るんだと思うよ」
「そうなりそうだね。なんとなく、私も分かっていたよ。だから今日、あの王様をうちへ連れて来たんでしょ」
「まあな、何となくあの二人、繋がっているような気がしてな。それに、もっと伝えたい事が残っているんじゃないかと思って」
「ハダルは本当に気配りの人だね」
「そうかな?」
「そうだよ」
「ありがとう」
二人でまた星空を見上げる。
先ほど三人で眺めた星模様と大分違ってきているが、目安星だけは変わらずに同じ位置で輝いている。
「フィオナも一緒に聖杜国に行かれたらいいだろうにな」
「どうして?」
「それは……飛翔のこと好きだろう?」
フィオナは驚いたような顔をした。
そして、もう一度自分の気持ちを確認するように胸に手を当てる。
「うーん、実は自分でも良くわからないのよ。なんかね、飛翔を見ていると胸の奥がきゅんとなって、物凄く懐かしい気持ちになったの。泣きそうなくらい懐かしい気持ち。会ったばかりなのに、懐かしいなんて不思議だよね。でも、ルシア国の輪廻の考え方で言ったら、私も千年前の聖杜国のどこかに住んでいて、飛翔に会ったことがあるのかもしれないわね」
「確かに。実は俺も飛翔に会った時から、懐かしい気持ちがずっとあった。まあ、俺の祖先は聖杜国の民だったらしいから、懐かしく感じるのは、当たり前なのかもしれないけれど」
「ハダルも千年前に飛翔に会ったことがあるのよ。きっと」
「そうかも知れないな」
「でもね、飛翔は千年前の人なのよ。で、私は今、千年後の人。いくら好きでも、いくら懐かしくても、そんな時空を超えた恋は実らないわよ」
フィオナはニコリと笑うとハダルに宣言する。
「私は今を生きているの。遠い昔の記憶の恋に囚われるより、今恋をしたいわ。だから、ハダルは変な気を回さなくていいのよ。全く、気配り屋なんて、損な性分ね」
「そ、そうか……良かった……」
ハダルはこっそり安堵のため息をついたのだった。
「それより、ハダル! 玉英王様に言われたこと考えているんでしょ。俺の片腕になってくれって、熱烈に迫られていたもんね」
「いや、それは……無理に決まっているだろう。俺みたいな奴隷あがりの男が、王の片腕って、あの皇帝は何を考えているんだか」
「でも、私はハダルならできると思うし、その点においては、玉英王様は人を見る目があると思うよ」
「フィオナ……お世辞だとしても、嬉しいな。ありがとう」
「違うよ! 本気だよ!」
「フィオナ」
「私、ハダルが作る世界を見てみたい。カイやマリナたちが幸せになれるような国、奴隷の人が解放されて、貧しい人と富んでいる人の差が少なくなって、チャンスがいっぱいの国」
「フィオナ、そんなの、言うのは簡単だけど、実現するのは難しいぜ」
「分かっているわよ。でも、ハダルなら少しでも近づけるように頑張るって思っているだけ。それにハダルが頑張っている姿が、きっと多くの人に希望を与えるはずよ。チャンスを示すことにもなるわ」
「いや、俺はそんな器じゃない。俺はこれからもドルトムントと一緒に発掘現場に行って、フィオナやジオと一緒に暮らしていかれたら幸せ」
「宝の持ち腐れだよ」
「でも、玉英王の仕事を手伝うと言うことは、命の危険が増えるかもしれない。俺はみんなを危険に巻き込みたくないんだ」
フィオナはちょっと考えてから、
「うちのお父さんの発掘調査だって命がけじゃない? たまたま今までは運が良かっただけだし。同じだよ。きっと」
「いや、この間みたいなことが増えるよ」
「でも、ハダルが体張って守ってくれたじゃない」
「そりゃ、俺が近くにいたら絶対……」
「じゃあ、大丈夫。私ハダルがいたら安心」
「フィオナ……」
ハダルは嬉しくなって顔がほころんだ。
「私ハダルのお手伝いがしたいな。決めた! 私、一生ハダルに付いて行く!」
「え! そ、それは……どういう……」
いつも冷静なハダルの顔が真っ赤になり、あたふたし始めた。
それは……どういう意味だ?
まるでプロポーズみたいじゃないか! でも……
言葉の深い意味を全然考えていないと思われる、無邪気なフィオナの笑顔を見て、ハダルはがっかりしたものの、ちょっとほっともしたのだった。
プロポーズは、やっぱり俺からしたいからな。
でも、この調子じゃ、大分先になりそうだな。
「フィオナ、ありがとう! 俺、やってみるよ」
ハダルは吹っ切れたような顔になると、気持ちも新たに目安星を見上げた。
「手伝うと言っても、華陀に行くのは嫌だな。ここでやらせてもらうよ」
「そっか! 華陀に行っちゃう可能性もあったんだ。うーん、まあそうなったら一緒に行ってあげるよ」
「え? でもドルトムントは?」
「さあ、相変わらず貧乏発掘家やっているか、華陀の学校の先生になるか」
「そっか。その手があるな」
「私元々は華陀の出身なのよ。あの頃はまだ玉英王様のおじいさんが王だったでしょ。今のような腐敗政治じゃなかったの。でも、だんだん酷くなって、だからお父さんは華陀を離れたのよ。だから、まあいずれ行ってもいいわよ」
「そっか、ありがとう」
「ジオは、きっとお父さんと会うために錦呉へ行くね」
「そうだな。いずれはお父さんと一緒にフェルテに帰れるかもしれないな」
「寂しいけど、でもそうなったらいいわね。そして、自由にフェルテと行き来できるようになったら、いつでも会えるからもっと嬉しいな」
「そうだな。そうなればいいな」
「色々これから変わっていくね」
「変わっていくけど、いい方向に変わっていかれたらいいな。いや、そうなるようにがんばらないとな」
「がんばってね」
「ああ」
二人は顔を見合わせると、また星を見上げた。
恐れずに、変わっていこう!
フィオナが昨年漬け込んだ物。
丁度飲み頃の琥珀色の液体は、思ったよりも甘くて、心も体もほぐしてくれる。
ゆっくりと喉の奥に流し込みながら、反対に研ぎ澄まされる五感の感覚に、しばし三人で浸っていた。
虫の音、夜の香、風の肌触り、そして、星の瞬き……
「あの星、二人は何て呼んでいるのかな?」
飛翔は目安星を指差して二人に尋ねる。
玉英王は寧導星と答え、ハダルはガイダール星と答えた。
だがハダルが思い出したように付け加える。
「船乗りの間では、あの星はデュークス星って呼ばれていたな。どこの国の船乗りがと言うよりは、船乗りの間での呼び名って感じだったな」
「呼び名が残っていたんだ! 実はそれ、エストレア語なんだ。聖杜国ではデュークス星って呼んでいたんだよ」
「そうだったのか! もしかして、バハル爺さんの先祖のコウケンさんが広めたのかもしれないな」
「だったら嬉しいな」
飛翔はもう一度デュークス星を見上げながら続けた。
「国によって、場所によって呼び方が違う物。時代が変わって呼び名が変わる物……でも人々がどうやって名づけようが、あの星は変わらずにあって、目安星としてみんなを導いてくれていることも変わらない。だから、違うと思っている物でも同じ物だったり、変化しているように見えても、変わらない物ってあるんだろうなと思ってね」
「それは、本質を見極めろと言うことか?」
飛翔の言葉に、玉英王が応じる。
「うーん、そうだね。結局はそう言うことなのかな」
飛翔は笑いながら言う。
「上手く言えないんだけど、違いを恐れないでってことかな」
「……分かった。違いを恐れず、分かり合う努力をしろと言うことだな」
「違いを楽しむ気持ちも忘れないようにしたいよな」
玉英王の的確な理解に安堵し、ハダルの前向きな強さに嬉しくなった。
もう一度三人で、静かにデュークス星を見上げる。
千年前と変わらない星の輝きに、飛翔は時を超えた不思議な感覚になる。
そういえば……玉英王は、なんで直ぐにからくり箱を開けることができたのだろう? まるで瑠月のようだな……
ふと、そう思い至って嬉しくなった。
そうか、飛王と瑠月と俺の三人の思い……
父、彰徳王が毒殺された時、三人で誓い合った言葉を思い出した。
こんな悲しい出来事はもうこれ以上いらない。
だから、この世から争いを減らすためにできる限りのことをやろう!
若い三人のあの日の強い思いが、ここにこの三人を巡り合わせてくれたのだろうと思う。
瑠月のように明晰な玉英王。
飛王の面影のあるハダル。
フィオナが言っていたように、輪廻によって生まれ変わって、俺が千年後に無事役目を果たせるように、助けに来てくれたのかも知れないな……
デュークス星。目安星!
時を超えて、また三人で見上げることができたような、そんな満ち足りた気分になる。
あの時は迷子の飛翔たち三人を聖杜国の都へと導いてくれた。
今度は玉英王とハダルを、一つでも争いの少ない世界へ導いて欲しい……そう願いを込めた。
飛翔と玉英王が部屋へと移った後も、ハダルは一人で星を眺めて座っていた。
考え事をしているハダルの元に静かに近づく人影。
「ハダル!」
「フィオナ……」
フィオナはハダルの横に座って、一緒に星を眺め始める。
ハダルはその横顔を気づかわし気に見つめた後、意を決したように告げた。
「多分……明日、飛翔は泉に行くと思う。そうしたら……聖杜国に帰るんだと思うよ」
「そうなりそうだね。なんとなく、私も分かっていたよ。だから今日、あの王様をうちへ連れて来たんでしょ」
「まあな、何となくあの二人、繋がっているような気がしてな。それに、もっと伝えたい事が残っているんじゃないかと思って」
「ハダルは本当に気配りの人だね」
「そうかな?」
「そうだよ」
「ありがとう」
二人でまた星空を見上げる。
先ほど三人で眺めた星模様と大分違ってきているが、目安星だけは変わらずに同じ位置で輝いている。
「フィオナも一緒に聖杜国に行かれたらいいだろうにな」
「どうして?」
「それは……飛翔のこと好きだろう?」
フィオナは驚いたような顔をした。
そして、もう一度自分の気持ちを確認するように胸に手を当てる。
「うーん、実は自分でも良くわからないのよ。なんかね、飛翔を見ていると胸の奥がきゅんとなって、物凄く懐かしい気持ちになったの。泣きそうなくらい懐かしい気持ち。会ったばかりなのに、懐かしいなんて不思議だよね。でも、ルシア国の輪廻の考え方で言ったら、私も千年前の聖杜国のどこかに住んでいて、飛翔に会ったことがあるのかもしれないわね」
「確かに。実は俺も飛翔に会った時から、懐かしい気持ちがずっとあった。まあ、俺の祖先は聖杜国の民だったらしいから、懐かしく感じるのは、当たり前なのかもしれないけれど」
「ハダルも千年前に飛翔に会ったことがあるのよ。きっと」
「そうかも知れないな」
「でもね、飛翔は千年前の人なのよ。で、私は今、千年後の人。いくら好きでも、いくら懐かしくても、そんな時空を超えた恋は実らないわよ」
フィオナはニコリと笑うとハダルに宣言する。
「私は今を生きているの。遠い昔の記憶の恋に囚われるより、今恋をしたいわ。だから、ハダルは変な気を回さなくていいのよ。全く、気配り屋なんて、損な性分ね」
「そ、そうか……良かった……」
ハダルはこっそり安堵のため息をついたのだった。
「それより、ハダル! 玉英王様に言われたこと考えているんでしょ。俺の片腕になってくれって、熱烈に迫られていたもんね」
「いや、それは……無理に決まっているだろう。俺みたいな奴隷あがりの男が、王の片腕って、あの皇帝は何を考えているんだか」
「でも、私はハダルならできると思うし、その点においては、玉英王様は人を見る目があると思うよ」
「フィオナ……お世辞だとしても、嬉しいな。ありがとう」
「違うよ! 本気だよ!」
「フィオナ」
「私、ハダルが作る世界を見てみたい。カイやマリナたちが幸せになれるような国、奴隷の人が解放されて、貧しい人と富んでいる人の差が少なくなって、チャンスがいっぱいの国」
「フィオナ、そんなの、言うのは簡単だけど、実現するのは難しいぜ」
「分かっているわよ。でも、ハダルなら少しでも近づけるように頑張るって思っているだけ。それにハダルが頑張っている姿が、きっと多くの人に希望を与えるはずよ。チャンスを示すことにもなるわ」
「いや、俺はそんな器じゃない。俺はこれからもドルトムントと一緒に発掘現場に行って、フィオナやジオと一緒に暮らしていかれたら幸せ」
「宝の持ち腐れだよ」
「でも、玉英王の仕事を手伝うと言うことは、命の危険が増えるかもしれない。俺はみんなを危険に巻き込みたくないんだ」
フィオナはちょっと考えてから、
「うちのお父さんの発掘調査だって命がけじゃない? たまたま今までは運が良かっただけだし。同じだよ。きっと」
「いや、この間みたいなことが増えるよ」
「でも、ハダルが体張って守ってくれたじゃない」
「そりゃ、俺が近くにいたら絶対……」
「じゃあ、大丈夫。私ハダルがいたら安心」
「フィオナ……」
ハダルは嬉しくなって顔がほころんだ。
「私ハダルのお手伝いがしたいな。決めた! 私、一生ハダルに付いて行く!」
「え! そ、それは……どういう……」
いつも冷静なハダルの顔が真っ赤になり、あたふたし始めた。
それは……どういう意味だ?
まるでプロポーズみたいじゃないか! でも……
言葉の深い意味を全然考えていないと思われる、無邪気なフィオナの笑顔を見て、ハダルはがっかりしたものの、ちょっとほっともしたのだった。
プロポーズは、やっぱり俺からしたいからな。
でも、この調子じゃ、大分先になりそうだな。
「フィオナ、ありがとう! 俺、やってみるよ」
ハダルは吹っ切れたような顔になると、気持ちも新たに目安星を見上げた。
「手伝うと言っても、華陀に行くのは嫌だな。ここでやらせてもらうよ」
「そっか! 華陀に行っちゃう可能性もあったんだ。うーん、まあそうなったら一緒に行ってあげるよ」
「え? でもドルトムントは?」
「さあ、相変わらず貧乏発掘家やっているか、華陀の学校の先生になるか」
「そっか。その手があるな」
「私元々は華陀の出身なのよ。あの頃はまだ玉英王様のおじいさんが王だったでしょ。今のような腐敗政治じゃなかったの。でも、だんだん酷くなって、だからお父さんは華陀を離れたのよ。だから、まあいずれ行ってもいいわよ」
「そっか、ありがとう」
「ジオは、きっとお父さんと会うために錦呉へ行くね」
「そうだな。いずれはお父さんと一緒にフェルテに帰れるかもしれないな」
「寂しいけど、でもそうなったらいいわね。そして、自由にフェルテと行き来できるようになったら、いつでも会えるからもっと嬉しいな」
「そうだな。そうなればいいな」
「色々これから変わっていくね」
「変わっていくけど、いい方向に変わっていかれたらいいな。いや、そうなるようにがんばらないとな」
「がんばってね」
「ああ」
二人は顔を見合わせると、また星を見上げた。
恐れずに、変わっていこう!
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