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4 慈愛
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僕は両親からたくさんの愛情を
注がれて育てられた。
好きなモノを買い与えられ、
好きな事を何でもさせてもらえた。
祖父母にも、可愛い可愛いと
いつも頭を撫でられ、
誕生日にルネを貰った。
両親が僕を愛するように、
祖父母が僕を可愛がるように
僕もルネに愛情を注ぎながら
大切にして来た。
それなのに、僕を馬鹿にするクラスメイト、
ルネを傷付けるクラスメイトが現れた。
なんでそんな事するんだ?
理解が出来なかったから、
意地悪なクラスメイトに暴力を振るった。
両親にその事を話すと、
僕は間違った事をしていないと
抱きしめてくれた。
祖父母からは、僕に意地悪をする子は
愛情が足りてない子なんだと教えてくれた。
あぁ、なるほど…
可哀想な人達だから、
僕に意地悪をしたんだね。
それなら、この人達に
僕の愛情を分け与えればいい。
次からそうしようと思った。
~
ルネの腕を捥いだ、
傷だらけの欠陥品
トキは、親から愛されていなくて
可哀想だった。
自ら僕の人形になりたがった
孤独なウィリアムは周りから
非難されていて可哀想だった。
やっぱり、可哀想だから
僕に意地悪をしたんだ。
大丈夫、僕の愛情をたくさん注いで
君達を幸せにしてあげるからね。
でも、もう僕の人形なのだから
言葉なんて要らないよね。
帰る場所も僕と同じ、
ずっと一緒だよ。
先生は僕の事を異常だと言ったけど、
可哀想な想いをしている子達が居る環境が
おかしいんだ。
~
それから、月日が流れ
僕は僕の事を否定し続ける元副担任の先生に
毎週、面会に来ていた。
元副担任「洗脳」
羽黒「してないよ」
元副担任「おかしいわ」
羽黒「おかしいのは先生の方だったから、
逮捕されたんでしょ」
元副担任「違うわ、貴方が嘘の密告をしたから
私は冤罪で捕まってるのよ」
羽黒「僕は何もしてないよ」
元副担任「それなら、
何で私に手を出されたなんて」
羽黒「だから…【僕は】何もしてない」
きっと、僕の両親か祖父母かな…
元副担任「…もういいわ、
もう2度と来ないで」
羽黒「どうして?」
元副担任「貴方を見ると、
自分の無力さで押し潰されそうになるのよ」
悲痛な表情…
あぁ、先生も可哀想な想いを
しているんだね。
羽黒「押し潰されたら、迎えに来てあげるね」
ルネ、トキ、ウィリアム…
次はどんな人形にして、
幸せにしてあげようかな…
注がれて育てられた。
好きなモノを買い与えられ、
好きな事を何でもさせてもらえた。
祖父母にも、可愛い可愛いと
いつも頭を撫でられ、
誕生日にルネを貰った。
両親が僕を愛するように、
祖父母が僕を可愛がるように
僕もルネに愛情を注ぎながら
大切にして来た。
それなのに、僕を馬鹿にするクラスメイト、
ルネを傷付けるクラスメイトが現れた。
なんでそんな事するんだ?
理解が出来なかったから、
意地悪なクラスメイトに暴力を振るった。
両親にその事を話すと、
僕は間違った事をしていないと
抱きしめてくれた。
祖父母からは、僕に意地悪をする子は
愛情が足りてない子なんだと教えてくれた。
あぁ、なるほど…
可哀想な人達だから、
僕に意地悪をしたんだね。
それなら、この人達に
僕の愛情を分け与えればいい。
次からそうしようと思った。
~
ルネの腕を捥いだ、
傷だらけの欠陥品
トキは、親から愛されていなくて
可哀想だった。
自ら僕の人形になりたがった
孤独なウィリアムは周りから
非難されていて可哀想だった。
やっぱり、可哀想だから
僕に意地悪をしたんだ。
大丈夫、僕の愛情をたくさん注いで
君達を幸せにしてあげるからね。
でも、もう僕の人形なのだから
言葉なんて要らないよね。
帰る場所も僕と同じ、
ずっと一緒だよ。
先生は僕の事を異常だと言ったけど、
可哀想な想いをしている子達が居る環境が
おかしいんだ。
~
それから、月日が流れ
僕は僕の事を否定し続ける元副担任の先生に
毎週、面会に来ていた。
元副担任「洗脳」
羽黒「してないよ」
元副担任「おかしいわ」
羽黒「おかしいのは先生の方だったから、
逮捕されたんでしょ」
元副担任「違うわ、貴方が嘘の密告をしたから
私は冤罪で捕まってるのよ」
羽黒「僕は何もしてないよ」
元副担任「それなら、
何で私に手を出されたなんて」
羽黒「だから…【僕は】何もしてない」
きっと、僕の両親か祖父母かな…
元副担任「…もういいわ、
もう2度と来ないで」
羽黒「どうして?」
元副担任「貴方を見ると、
自分の無力さで押し潰されそうになるのよ」
悲痛な表情…
あぁ、先生も可哀想な想いを
しているんだね。
羽黒「押し潰されたら、迎えに来てあげるね」
ルネ、トキ、ウィリアム…
次はどんな人形にして、
幸せにしてあげようかな…
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