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第11話 町内探索(誠サイド)
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誠は、町の中の様子を見ながら、塔のような一番高い建物を目指していた。
町中は、レンガ造りの建物が道の両サイドに建っており、1階部分には八百屋や料理屋など食べ物を売る店や、武器屋・防具屋、雑貨屋など品物を売る店など様々なお店が出店していた。
そこは、行き交う人々でとても賑わっていた。
「まるで商店街だな…なんかこの世界特有の変な物とか売ってないかな~。」
せっかくだったので、中心部へ向かいながら店を見て回った。
薬屋を通りかかった時、様々な薬が瓶に詰められ状態で、店の外にある棚に陳列しているのを見つけた。
上段には左から、緑色、黄色、赤色、青色、無色透明の液体が瓶に詰められており、下段にピンク色、紫色、水色の液体が瓶に入って並んでいる。
せっかくだったので、使える物がないか見て行くことにした。
〔回復薬(緑色):100G〕
「え、ゲームでお馴染みの回復薬って、この世界にあるんだ。」
手に取ってビンの裏側の説明書きを読む。
効果:体の治癒力を上げるものです。軽度の傷に効果があります。
注意:深い切り傷、強い火傷、骨折、病気には効きません。その場合は医者か回復術師のもとへ行ってください。また、魔力の回復はできません。
「あ、どんな傷でも治る万能薬ではないのね…」
その隣には、黄色い液体の入った瓶がある。
〔気力回復薬(黄色):200G〕
効果:気力を回復し、気絶しにくくなります。
注意:傷には効果がありません。
「まぁ、名前通りの普通の効果だな。隣はなんだ?」
〔興奮剤(赤色):300G〕
効果:交感神経を刺激し、心拍数を上げることで反射速度や運動速度を上昇させます。
注意:
・効果が切れると疲れがどっときます。
・痛みを感じ無くなります。使用後は手足が全て揃っているか確認してください。
・寝る前に使用しないでください。
・夜の営みには効果がありません。腹上死の恐れがあるため、使用しないでください。
「効果に対して、副作用が重過ぎるじゃん。使用後は手足の確認を!って過去に失ったやついるってことだろ?使うこと自体が命懸けかよ。下手したら、危ないお薬じゃねぇか。なんだよこれ~、次いこ、次!」
〔鎮静剤(青色):300G〕
効果:副交感神経を刺激し、心拍数を落とすことで集中力を上げ、会心の一撃が起きやすくなります。
注意:
・使い過ぎると意識が朦朧とし、昏睡や呼吸停止を起こすため、用量を必ず守り連続使用はしないでください。
・自殺に使用しないでください。迷惑です。
「注意書きに〔迷惑です〕って…まぁ、実際に使う人が居て、風評被害があったんだろうな~。戦闘時に使えそうだけど、なんかあまり使いたくはないな。その隣はなんだ??」
〔育毛剤(無色透明):3000G〕
効果:海藻由来のオーガニック成分で、枯れた大地でも大丈夫!瞬く間に、生い茂った草原へ早変わり!
注意:
・本商品は、頭皮に使用するものです。自然の大地に撒かないでください。
・用量を必ず守り、つけ過ぎには注意してください。樹海へと成長する恐れがあります。
・樹海になった場合は使用を中止し、すぐさま散髪を行ってください。
「育毛剤!?どこの世の男性も、同じことに悩んでんだな…なんか親近感が湧くわ。ま、とりあえず上段はこれだけだな。さて、下段には何があるんだ?」
下段にある、ピンク色の液体を手に取る。
〔媚薬剤(ピンク色):10000G〕
効果:飲んだ者を自分に惚れさせることができます。
注意:
・永続的な効果はありません。効果が切れたら、あとはあなたの実力次第です。
・動物やスライムなどのモンスター、他種族など人間以外の生物には使用しないでください。
好かれるが故に、体内に取り込まれて溶かされたり、強烈なハグにより圧死する恐れがあります。
「・・・俺の居た世界にも媚薬擬きはあったけど、こんな完成された物はなかったぞ……てか、一歩間違えたら死ぬ可能性あるじゃん!他種族にも効果的面ってもはや完璧だな…で、その隣はなんだ?」
〔絶倫DX剤(紫色):5000G〕
効果:夜の営みに最適です。使い古され折れ易くなったあなたの剣でも、聖剣エクスカリバーのように真っ直ぐ地に立ちます。3~4回戦ほどは、折れることなく戦えます。
注意:
・男性用です。女性に効果はありません。
・用量を守ってください。複数本、飲んでも効果は変わりません。
「この世界の人達も俺のいた世界と同じで、歳を重ねた世の男性の悩みは変わらないようだな…ビンビンスターである17の俺にはまだ不用だが……その隣は?」
〔19DX(水色):5000G〕
「あれ?この瓶だけ商品名が英数字のみだ。さては、危険な薬か…?」
誠は、恐る恐る説明書きを読む。
効果:夜の営みに最適です!乾燥した砂漠の大地でも大丈夫!たちまち洪水が起きます。
注意:
・女性用です。男性に効果はありません。
・用量を守ってください。複数本、飲んでも効果は変わりません。
・トイレが近くなる恐れがあります。
「あ、うん。だいたい意味がわかった…いまは要らない。てか、何でこんなもん売ってんだよ!」
思わず大きな声を出してしまった。
「あら、かっこいい坊や。いらっしゃい。何か買ってく??安くしとくわよ。」
店の中に居た、綺麗な女性の店主に声をかけられた。
「坊や??あ…いや結構です。てか俺、この世界のお金なんて一銭も持ってないな…」
誠は、そのままこの女性店主にこの世界のお金について尋ねてみた。
「ねぇ、お姉さん。僕、最近この辺りに来たばかりで、右も左もわからない状態なんだ。お金ってどうやったら手に入るんだ?」
「あら、知らないの?お金は、主に農作物や家畜を育てて売るか、私のように物を仕入れて商売するか、国の兵役に仕えるかだわ。
まぁ、洞窟で宝を探すトレジャーハンターをする人もいるし、ダンジョンを全てクリアして財宝を獲得し、それを換金することで荒稼ぎする人もいるわ。
あとは、ギルドに登録して依頼を達成することね。
そうすれば、報酬として素材や報奨金が受け取れるわ。
いまだと有名な依頼は、たしかこの近くに基地を構えているオーク軍団の討伐だったかしら…腕に覚えのある数々のハンターや戦士、冒険者達が挑んでるみたいだけど、任務に失敗する人が多くて手に負えないみたいよ。まぁ、命懸けの仕事だから、あまりおすすめはしないわ。」
「なるほどね… どれも時間がかかるな。」
(オークの件は、やっぱり国だけじゃなく周りの町も動いてるんだな…
お金については、基本俺がいた世界とあまり変わらない。違うのは、ダンジョンやギルドなんかのゲーム要素があるってところか…他に手っ取り早くお金を手に入れる方法はないかな…)
んーっと考えた後、誠は1つ閃いた。
(あ!そうだ!前にしてたゲームでアイテムや素材がたくさんあり過ぎた時に、要らない物を売却する手があった!)
「お姉さん、ちなみになんだけど、不用な物を買い取ってくれたりする店はないか?」
「ん~、そうね…私は利用したことないけど、要らない武器や防具はそのまま鍛冶屋で買い取ってくれるらしいわ。分解して素材にしたり、修理・加工して新たに販売するらしいから。モンスターや獣などの素材や鉱石、魔法石等であれば、素材屋で買い取ってくれるわ。」
(やっぱりあった!!!)
思わず、ニヤリと笑う誠。
「鍛冶屋と素材屋だね、立ち寄ってみるよ。お姉さん、ありがとう。」
「いえいえ~、場所はわかる??鍛冶屋は、その大通りを真っ直ぐ行ったら、右側にあるわ。看板があるから行けばすぐにわかると思うわ。素材屋はその2つ隣よ。」
「了解!何から何まで助かるよ。いつか、このお店にも買いに来るね。」
踵を返し、手をふりながら立ち去る誠。
「えぇ、いつでも大歓迎よ。ぜひまた来てね~。」
女性店主は、手を振って見送ってくれた。
言われた通りに、大通りを真っ直ぐに進んで行くと右側にハンマーで金属を打つ絵がかかれた鍛冶屋があった。
「お邪魔しまーす。」
挨拶しながら、店に入る。
店のドアを開けた途端、カンッカンッと鋼を打ち鍛える音がする。
入口の前にカウンターがあり、右の壁には剣や刀、トマホーク、メイス、槍、盾など様々な武器が飾っている。左の壁には、兜や鎧、手や足に着ける防具が並んでいる。
カウンターの後ろには、厳重に大きなガラスケースに入れられた光り輝く武器や防具が並んでいた。
カウンター内には誰も居ない。
「あぁ??いま大事な作業で手が離せない!邪魔するなら、とっとと帰ってくれ。」
奥の方から店主らしき大きな声がする。
「え?あ、いやいや、そんなつもりはない。ちゃんと用が会って来たんだ。終わったら、来てくれ。」
(挨拶しただけなんだがな…こじんまりした店入るとき、「お邪魔しまーす」って普通言わないか?
海外ドラマ風に「ジイさん、いま店やってるかい?」の方が正しかったのか…)
「ちょっとそこで待ってろ!」
という返事が帰ってきた。
ジュウッと金属の焼き入れをした音がした後、強面の男性店主が奥から出てきた。
鍛冶屋をしてるだけあって、肩と腕が太く、がっしりした体格をしていた。
「待たせたな、何が欲しい?」
「ちょっと商品を見てたんだが、後ろにあるガラスケースに保管されたあの武器や防具って、なぜ金色に光輝いているんだい??」
店主は後ろを振り向き、ガラスケースに手を掛けながら言った。
「あぁ、これか?これは、なかなか手に入らない希少な鉱石や素材で作られた物、あるいは洞窟・ダンジョンの宝箱から見つかった宝器と呼ばれる代物だ。そなへんの物より、どれも軽くて頑丈で壊れにくい。武器だとさらに斬れ味が良く、錆びることがない。折れたり曲がったりもしないから、それ1つ持っていれば安心だな。」
「へぇ~、だから輝いているのか…ちなみにその宝器って呼ばれるやつが一番値段高いの??」
「いや、装備で一番高いのは、市場には出回らないが、神器と呼ばれる物だ。光輝きはしないが、1つ1つが特別なオーラを身に纏っていると聞く。出処は不明だが、装備自体にスキルが宿ってる。
まぁ、滅多に出てこないがね。いま確認されている物で所有してるのは、だいたい王族や皇族ぐらいだな。
アカルシア王国が1つ、ブルリア王国が1つ、あとホワイテルム帝国が非公表だが持っているとの噂だ。あとは人間以外の種族も何個かは持ってるかもな。」
「なるほどね~、希少過ぎて一般にはあまり出回ってない訳か…」
「まぁ、威力や性能も桁違いだからね。それこそ、戦争に使われれば1人で数万人分の兵力になると言われている。まぁ、ちゃんと使いこなせればの話だがね。」
「え、誰でも使いこなせる訳じゃないのか?」
「相性みたいなものがあってな。同じ神器でも使う人によって性能が違うんだ。たとえ長い年月、その武器を扱ってきた武術の達人だろうが、最近始めたばかりの素人だろうが関係ない。
神器と相性が合わなければ、そなへんの1000Gぐらいで売っている安物とたいして変わらないのさ。
それにもちろん、その場合は、神器が持つスキルも一切使えない。
だから、いま神器を所有しているどこの国も神器を使おうとはしない…まぁ、正確には使えない。
100%のフル性能で使えるやつが居ないからな。
宝の持ち腐れだよ、まったく…
まぁ、早い話、神器は人が選ぶのではなく、神器に人が選ばれるんだ。気難しい装備さ。」
「装備にも、いろいろあるんだね。」
「もちろんさ。」
「ちなみになんだが、宝器や神器はいくらぐらいで売ってるんだ??」
「そうだな…だいたいの相場は、宝器だと100万G~150万Gぐらいだな。まぁ、性能や保存状態によるから、正確な上限はないな。
300万Gで取り引きされたって話も聞くしな。
神器は、そもそも売りに出されたことがないから、値段のつけようがない。それに、理由がもう1つあって、宝器は同じ物が何個か出てくることはあるが、神器はそれぞれが唯一無二なんだ。だから、最初から鑑定の評価基準なんてものがない。」
「なるほど…宝器でもそこそこ高いんだな。」
「当たり前だ。金持ちの貴族やコレクター、一級戦士や傭兵、稼いでいる冒険者にしか手が出せない代物だ。ひよっこの戦士や庶民が買える代物ではないんだよ。」
「じゃあ、宝器は買い取りとなるといくらだ?」
「ん~、1つ80万Gぐらいだな…悪く思わないでくれよ?こちらも商売なんだ。生活がかかってる。」
「あぁ、仕方ないさ。」
誠がニヤリと笑う。
(Win-Winになりそうだ。)
「実は、いま手持ちのお金がなくてね。ちょうど余った装備を売りたかったんだ。その後ろにあるガラスケースに入っている物とかぶってるんだが、大丈夫か?」
「おぉ、宝器か?いいぜ。見せてみな。ちなみに何個だ?」
「10個」
「へ???」
強面の店主の目が点になり、キョトンとしている。
「まぁ、待て。よっと。」
もちろん、彼がそんな物を持っているわけがない。
だが、彼は見たことあるもの、形状を知っているものならスキルで生み出せる。
つまり、ないなら創り出せばいい。
(ガラスケースに入ってる宝器…全部同じ物だったら怪しまれるから、ランダムに一部のみ…ナイガル!)
カウンターの机にかざした誠の手から、次々と光輝く宝器が出現する。
「えーっと、鎧が3個にナイフが2個、片手剣が2個、大剣・メイス・片手斧がそれぞれ1個ずつ……こんなにたくさんあるとは、なんてこった…」
「あぁ、まぁ、いろいろあってな。」
「この宝器の数にも驚きだが、お前さんの収納量もすごいな。魔術か?それともスキルか??」
「収納…?あぁ、太古の昔にちょっとばかし魔術をかじったもんでな。出来るようになったんだ。」
(収納スキルか…元いた世界にはなかったから、考えもしなかったな。確かに収納スキルがあれば、いまみたいにショルダーバックを肩から下げる必要もないなし、それなら重たい荷物も持ち運びできるな…)
「こんだけの数の道具を別の空間へ収納できるとは…お前さん、かなりのやり手だな?」
「あぁ、まぁな。」
(収納スキル…原理としては別の空間を創り出してそこに荷物を保管しているって訳か…)
「やるね~。そんじゃ早速、鑑定させてもらうぜ。こんだけ量があるから時間がかかるが、ちょっと待っててな。」
「あぁ、よろしく頼むよ。」
そう言うと、店主は誠が創り出した宝器を持って店の奥へと戻り、ひとつひとつ丁寧に調べ始めた。
「時間あるし、いっちょやってみるか…」
誠は、目を瞑り神経を集中させ心の中で念じる。
(俺の中に、もう1つ別の空間を作り出す。収納スキル…いまの俺には【ないがある】。)
すると、真っ白な空間がイメージとして誠の頭の中に浮かんだ。
「できたかな?試してみるか…」
腰に装着していたスペツナズナイフを手に握る。
(収納!)
心の中で唱える。
すると、手に握ったスペツナズナイフは消えた。
代わりにイメージした真っ白な空間の中に新しくスペツナズナイフが出現する。
「なるほど、成功だな…ショルダーバックも重いから入れとこ。」
肩にかけていたショルダーバックを手で持ち、同様に収納スキルを発動し、真っ白な空間の中へと入れる。
「ふぅ、身軽になった。」
(この収納スキル…使った感じ特にデメリットとなる弊害はない。おそらく収納容量がまだまだ空きがあるか、あるいは無限か…)
誠は、そのまま考えていた。
(このスキル…応用すれば、もっと使えるかもしれない。いや、使えるな…)
誠はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
(ジェイドが前に言っていた、戦における〔最善の勝利〕…いまの俺になら、できるかもしれない。)
ちょうどその時、鍛冶屋の店主が奥から戻って来た。
「お待たせ!鑑定できたぜ。ありゃ?いつの間にか手ぶらになったんだな。肩にかけてたバックもなおしたのか?」
「あぁ、宝器を出したおかげで、収納に余裕が出来たからな。で、鑑定結果はどうだったんだ?」
「いや~、それがな、鑑定してこれまた驚いた。」
「ど、どうしたんだ?」
(さっき創り出したことがバレたか…?)
「いゃあな。普通、あんだけあれば1つや2つ、質の劣るものや保存状態が悪い物が混ざっていてもおかしくないんだ。だが、お前さんが持ってきた物は10個全て質がいい。それに状態も新品未使用そのもので完璧だ。まるで、さっき作られたばかりのようだ。」
「そ、そうか…それは良かった。まぁ、手に入れてから一切使用してないからな。当然さ。」
(このジイさん、勘が鋭いな…)
「だろうな…ここまで完璧とは。」
「で、全部でいくらになる??」
「ん~、単純計算で800万Gだが、これほど状態が良いとな…」
「ふーん、そうか。なら、他の店をあたるとするかな。」
誠にもちろんその気はない。
ただ、相手側の反応から、売却額を吊り上げる余地がある。だから、わざと揺さぶる。
「いやいや、待て!ちょっと待ってくれ!この品質なら全部で1000万Gで買い取ろう。1つ100万Gで買い取りだ。これならどうだ?」
(ふふ、やっぱり食い付いた。)
「よし、交渉成立だ。」
誠は、宝器の販売価格の最低ラインと同等の値段で買い取ってもらった。
宝器を差し出す代わりに、店主から金貨の入った大きな袋を2つ受け取る。
(金貨、重っ!!!)
「毎度あり!今後も不用な物があればいつでも売りに来い!!」
店主は笑顔で言った。
「あぁ、ありがとう。またな!」
誠は礼を言った後、両肩に金貨の入った大きな袋を担いで店を出る。
「ダメだ、重過ぎる…」
(収納!)
たちまち、金貨入りの袋が手の中へ消失する。
頭の中にイメージとして、真っ白な空間に金貨の大袋が2つ追加された。
「ふぅ。やっぱこれ、あったら超便利だわ…さて、次は素材屋だったな。」
誠は、鍛冶屋の2つ隣にある素材屋へ向かう。
そこには、植物の葉と鉱石、動物の頭蓋骨が描かれた看板がかかっていた。
しかし、店内は灯りが消されており、ドアには張り紙がしてあった。
〔諸事情により、本日休業します。〕
「ありゃ、今日は休みだったか…まぁ、仕方ない。また今度機会があれば来るか。」
誠は、がっかりしながらも神殿のある町の中央へ向かう。
途中、大きなギルドの建物があった。
「ちょっと寄ってくか…」
(もしかしたら、オークに関する情報が何かあるかもしれない…)
誠は、ギルドに立ち寄ることにした…
町中は、レンガ造りの建物が道の両サイドに建っており、1階部分には八百屋や料理屋など食べ物を売る店や、武器屋・防具屋、雑貨屋など品物を売る店など様々なお店が出店していた。
そこは、行き交う人々でとても賑わっていた。
「まるで商店街だな…なんかこの世界特有の変な物とか売ってないかな~。」
せっかくだったので、中心部へ向かいながら店を見て回った。
薬屋を通りかかった時、様々な薬が瓶に詰められ状態で、店の外にある棚に陳列しているのを見つけた。
上段には左から、緑色、黄色、赤色、青色、無色透明の液体が瓶に詰められており、下段にピンク色、紫色、水色の液体が瓶に入って並んでいる。
せっかくだったので、使える物がないか見て行くことにした。
〔回復薬(緑色):100G〕
「え、ゲームでお馴染みの回復薬って、この世界にあるんだ。」
手に取ってビンの裏側の説明書きを読む。
効果:体の治癒力を上げるものです。軽度の傷に効果があります。
注意:深い切り傷、強い火傷、骨折、病気には効きません。その場合は医者か回復術師のもとへ行ってください。また、魔力の回復はできません。
「あ、どんな傷でも治る万能薬ではないのね…」
その隣には、黄色い液体の入った瓶がある。
〔気力回復薬(黄色):200G〕
効果:気力を回復し、気絶しにくくなります。
注意:傷には効果がありません。
「まぁ、名前通りの普通の効果だな。隣はなんだ?」
〔興奮剤(赤色):300G〕
効果:交感神経を刺激し、心拍数を上げることで反射速度や運動速度を上昇させます。
注意:
・効果が切れると疲れがどっときます。
・痛みを感じ無くなります。使用後は手足が全て揃っているか確認してください。
・寝る前に使用しないでください。
・夜の営みには効果がありません。腹上死の恐れがあるため、使用しないでください。
「効果に対して、副作用が重過ぎるじゃん。使用後は手足の確認を!って過去に失ったやついるってことだろ?使うこと自体が命懸けかよ。下手したら、危ないお薬じゃねぇか。なんだよこれ~、次いこ、次!」
〔鎮静剤(青色):300G〕
効果:副交感神経を刺激し、心拍数を落とすことで集中力を上げ、会心の一撃が起きやすくなります。
注意:
・使い過ぎると意識が朦朧とし、昏睡や呼吸停止を起こすため、用量を必ず守り連続使用はしないでください。
・自殺に使用しないでください。迷惑です。
「注意書きに〔迷惑です〕って…まぁ、実際に使う人が居て、風評被害があったんだろうな~。戦闘時に使えそうだけど、なんかあまり使いたくはないな。その隣はなんだ??」
〔育毛剤(無色透明):3000G〕
効果:海藻由来のオーガニック成分で、枯れた大地でも大丈夫!瞬く間に、生い茂った草原へ早変わり!
注意:
・本商品は、頭皮に使用するものです。自然の大地に撒かないでください。
・用量を必ず守り、つけ過ぎには注意してください。樹海へと成長する恐れがあります。
・樹海になった場合は使用を中止し、すぐさま散髪を行ってください。
「育毛剤!?どこの世の男性も、同じことに悩んでんだな…なんか親近感が湧くわ。ま、とりあえず上段はこれだけだな。さて、下段には何があるんだ?」
下段にある、ピンク色の液体を手に取る。
〔媚薬剤(ピンク色):10000G〕
効果:飲んだ者を自分に惚れさせることができます。
注意:
・永続的な効果はありません。効果が切れたら、あとはあなたの実力次第です。
・動物やスライムなどのモンスター、他種族など人間以外の生物には使用しないでください。
好かれるが故に、体内に取り込まれて溶かされたり、強烈なハグにより圧死する恐れがあります。
「・・・俺の居た世界にも媚薬擬きはあったけど、こんな完成された物はなかったぞ……てか、一歩間違えたら死ぬ可能性あるじゃん!他種族にも効果的面ってもはや完璧だな…で、その隣はなんだ?」
〔絶倫DX剤(紫色):5000G〕
効果:夜の営みに最適です。使い古され折れ易くなったあなたの剣でも、聖剣エクスカリバーのように真っ直ぐ地に立ちます。3~4回戦ほどは、折れることなく戦えます。
注意:
・男性用です。女性に効果はありません。
・用量を守ってください。複数本、飲んでも効果は変わりません。
「この世界の人達も俺のいた世界と同じで、歳を重ねた世の男性の悩みは変わらないようだな…ビンビンスターである17の俺にはまだ不用だが……その隣は?」
〔19DX(水色):5000G〕
「あれ?この瓶だけ商品名が英数字のみだ。さては、危険な薬か…?」
誠は、恐る恐る説明書きを読む。
効果:夜の営みに最適です!乾燥した砂漠の大地でも大丈夫!たちまち洪水が起きます。
注意:
・女性用です。男性に効果はありません。
・用量を守ってください。複数本、飲んでも効果は変わりません。
・トイレが近くなる恐れがあります。
「あ、うん。だいたい意味がわかった…いまは要らない。てか、何でこんなもん売ってんだよ!」
思わず大きな声を出してしまった。
「あら、かっこいい坊や。いらっしゃい。何か買ってく??安くしとくわよ。」
店の中に居た、綺麗な女性の店主に声をかけられた。
「坊や??あ…いや結構です。てか俺、この世界のお金なんて一銭も持ってないな…」
誠は、そのままこの女性店主にこの世界のお金について尋ねてみた。
「ねぇ、お姉さん。僕、最近この辺りに来たばかりで、右も左もわからない状態なんだ。お金ってどうやったら手に入るんだ?」
「あら、知らないの?お金は、主に農作物や家畜を育てて売るか、私のように物を仕入れて商売するか、国の兵役に仕えるかだわ。
まぁ、洞窟で宝を探すトレジャーハンターをする人もいるし、ダンジョンを全てクリアして財宝を獲得し、それを換金することで荒稼ぎする人もいるわ。
あとは、ギルドに登録して依頼を達成することね。
そうすれば、報酬として素材や報奨金が受け取れるわ。
いまだと有名な依頼は、たしかこの近くに基地を構えているオーク軍団の討伐だったかしら…腕に覚えのある数々のハンターや戦士、冒険者達が挑んでるみたいだけど、任務に失敗する人が多くて手に負えないみたいよ。まぁ、命懸けの仕事だから、あまりおすすめはしないわ。」
「なるほどね… どれも時間がかかるな。」
(オークの件は、やっぱり国だけじゃなく周りの町も動いてるんだな…
お金については、基本俺がいた世界とあまり変わらない。違うのは、ダンジョンやギルドなんかのゲーム要素があるってところか…他に手っ取り早くお金を手に入れる方法はないかな…)
んーっと考えた後、誠は1つ閃いた。
(あ!そうだ!前にしてたゲームでアイテムや素材がたくさんあり過ぎた時に、要らない物を売却する手があった!)
「お姉さん、ちなみになんだけど、不用な物を買い取ってくれたりする店はないか?」
「ん~、そうね…私は利用したことないけど、要らない武器や防具はそのまま鍛冶屋で買い取ってくれるらしいわ。分解して素材にしたり、修理・加工して新たに販売するらしいから。モンスターや獣などの素材や鉱石、魔法石等であれば、素材屋で買い取ってくれるわ。」
(やっぱりあった!!!)
思わず、ニヤリと笑う誠。
「鍛冶屋と素材屋だね、立ち寄ってみるよ。お姉さん、ありがとう。」
「いえいえ~、場所はわかる??鍛冶屋は、その大通りを真っ直ぐ行ったら、右側にあるわ。看板があるから行けばすぐにわかると思うわ。素材屋はその2つ隣よ。」
「了解!何から何まで助かるよ。いつか、このお店にも買いに来るね。」
踵を返し、手をふりながら立ち去る誠。
「えぇ、いつでも大歓迎よ。ぜひまた来てね~。」
女性店主は、手を振って見送ってくれた。
言われた通りに、大通りを真っ直ぐに進んで行くと右側にハンマーで金属を打つ絵がかかれた鍛冶屋があった。
「お邪魔しまーす。」
挨拶しながら、店に入る。
店のドアを開けた途端、カンッカンッと鋼を打ち鍛える音がする。
入口の前にカウンターがあり、右の壁には剣や刀、トマホーク、メイス、槍、盾など様々な武器が飾っている。左の壁には、兜や鎧、手や足に着ける防具が並んでいる。
カウンターの後ろには、厳重に大きなガラスケースに入れられた光り輝く武器や防具が並んでいた。
カウンター内には誰も居ない。
「あぁ??いま大事な作業で手が離せない!邪魔するなら、とっとと帰ってくれ。」
奥の方から店主らしき大きな声がする。
「え?あ、いやいや、そんなつもりはない。ちゃんと用が会って来たんだ。終わったら、来てくれ。」
(挨拶しただけなんだがな…こじんまりした店入るとき、「お邪魔しまーす」って普通言わないか?
海外ドラマ風に「ジイさん、いま店やってるかい?」の方が正しかったのか…)
「ちょっとそこで待ってろ!」
という返事が帰ってきた。
ジュウッと金属の焼き入れをした音がした後、強面の男性店主が奥から出てきた。
鍛冶屋をしてるだけあって、肩と腕が太く、がっしりした体格をしていた。
「待たせたな、何が欲しい?」
「ちょっと商品を見てたんだが、後ろにあるガラスケースに保管されたあの武器や防具って、なぜ金色に光輝いているんだい??」
店主は後ろを振り向き、ガラスケースに手を掛けながら言った。
「あぁ、これか?これは、なかなか手に入らない希少な鉱石や素材で作られた物、あるいは洞窟・ダンジョンの宝箱から見つかった宝器と呼ばれる代物だ。そなへんの物より、どれも軽くて頑丈で壊れにくい。武器だとさらに斬れ味が良く、錆びることがない。折れたり曲がったりもしないから、それ1つ持っていれば安心だな。」
「へぇ~、だから輝いているのか…ちなみにその宝器って呼ばれるやつが一番値段高いの??」
「いや、装備で一番高いのは、市場には出回らないが、神器と呼ばれる物だ。光輝きはしないが、1つ1つが特別なオーラを身に纏っていると聞く。出処は不明だが、装備自体にスキルが宿ってる。
まぁ、滅多に出てこないがね。いま確認されている物で所有してるのは、だいたい王族や皇族ぐらいだな。
アカルシア王国が1つ、ブルリア王国が1つ、あとホワイテルム帝国が非公表だが持っているとの噂だ。あとは人間以外の種族も何個かは持ってるかもな。」
「なるほどね~、希少過ぎて一般にはあまり出回ってない訳か…」
「まぁ、威力や性能も桁違いだからね。それこそ、戦争に使われれば1人で数万人分の兵力になると言われている。まぁ、ちゃんと使いこなせればの話だがね。」
「え、誰でも使いこなせる訳じゃないのか?」
「相性みたいなものがあってな。同じ神器でも使う人によって性能が違うんだ。たとえ長い年月、その武器を扱ってきた武術の達人だろうが、最近始めたばかりの素人だろうが関係ない。
神器と相性が合わなければ、そなへんの1000Gぐらいで売っている安物とたいして変わらないのさ。
それにもちろん、その場合は、神器が持つスキルも一切使えない。
だから、いま神器を所有しているどこの国も神器を使おうとはしない…まぁ、正確には使えない。
100%のフル性能で使えるやつが居ないからな。
宝の持ち腐れだよ、まったく…
まぁ、早い話、神器は人が選ぶのではなく、神器に人が選ばれるんだ。気難しい装備さ。」
「装備にも、いろいろあるんだね。」
「もちろんさ。」
「ちなみになんだが、宝器や神器はいくらぐらいで売ってるんだ??」
「そうだな…だいたいの相場は、宝器だと100万G~150万Gぐらいだな。まぁ、性能や保存状態によるから、正確な上限はないな。
300万Gで取り引きされたって話も聞くしな。
神器は、そもそも売りに出されたことがないから、値段のつけようがない。それに、理由がもう1つあって、宝器は同じ物が何個か出てくることはあるが、神器はそれぞれが唯一無二なんだ。だから、最初から鑑定の評価基準なんてものがない。」
「なるほど…宝器でもそこそこ高いんだな。」
「当たり前だ。金持ちの貴族やコレクター、一級戦士や傭兵、稼いでいる冒険者にしか手が出せない代物だ。ひよっこの戦士や庶民が買える代物ではないんだよ。」
「じゃあ、宝器は買い取りとなるといくらだ?」
「ん~、1つ80万Gぐらいだな…悪く思わないでくれよ?こちらも商売なんだ。生活がかかってる。」
「あぁ、仕方ないさ。」
誠がニヤリと笑う。
(Win-Winになりそうだ。)
「実は、いま手持ちのお金がなくてね。ちょうど余った装備を売りたかったんだ。その後ろにあるガラスケースに入っている物とかぶってるんだが、大丈夫か?」
「おぉ、宝器か?いいぜ。見せてみな。ちなみに何個だ?」
「10個」
「へ???」
強面の店主の目が点になり、キョトンとしている。
「まぁ、待て。よっと。」
もちろん、彼がそんな物を持っているわけがない。
だが、彼は見たことあるもの、形状を知っているものならスキルで生み出せる。
つまり、ないなら創り出せばいい。
(ガラスケースに入ってる宝器…全部同じ物だったら怪しまれるから、ランダムに一部のみ…ナイガル!)
カウンターの机にかざした誠の手から、次々と光輝く宝器が出現する。
「えーっと、鎧が3個にナイフが2個、片手剣が2個、大剣・メイス・片手斧がそれぞれ1個ずつ……こんなにたくさんあるとは、なんてこった…」
「あぁ、まぁ、いろいろあってな。」
「この宝器の数にも驚きだが、お前さんの収納量もすごいな。魔術か?それともスキルか??」
「収納…?あぁ、太古の昔にちょっとばかし魔術をかじったもんでな。出来るようになったんだ。」
(収納スキルか…元いた世界にはなかったから、考えもしなかったな。確かに収納スキルがあれば、いまみたいにショルダーバックを肩から下げる必要もないなし、それなら重たい荷物も持ち運びできるな…)
「こんだけの数の道具を別の空間へ収納できるとは…お前さん、かなりのやり手だな?」
「あぁ、まぁな。」
(収納スキル…原理としては別の空間を創り出してそこに荷物を保管しているって訳か…)
「やるね~。そんじゃ早速、鑑定させてもらうぜ。こんだけ量があるから時間がかかるが、ちょっと待っててな。」
「あぁ、よろしく頼むよ。」
そう言うと、店主は誠が創り出した宝器を持って店の奥へと戻り、ひとつひとつ丁寧に調べ始めた。
「時間あるし、いっちょやってみるか…」
誠は、目を瞑り神経を集中させ心の中で念じる。
(俺の中に、もう1つ別の空間を作り出す。収納スキル…いまの俺には【ないがある】。)
すると、真っ白な空間がイメージとして誠の頭の中に浮かんだ。
「できたかな?試してみるか…」
腰に装着していたスペツナズナイフを手に握る。
(収納!)
心の中で唱える。
すると、手に握ったスペツナズナイフは消えた。
代わりにイメージした真っ白な空間の中に新しくスペツナズナイフが出現する。
「なるほど、成功だな…ショルダーバックも重いから入れとこ。」
肩にかけていたショルダーバックを手で持ち、同様に収納スキルを発動し、真っ白な空間の中へと入れる。
「ふぅ、身軽になった。」
(この収納スキル…使った感じ特にデメリットとなる弊害はない。おそらく収納容量がまだまだ空きがあるか、あるいは無限か…)
誠は、そのまま考えていた。
(このスキル…応用すれば、もっと使えるかもしれない。いや、使えるな…)
誠はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
(ジェイドが前に言っていた、戦における〔最善の勝利〕…いまの俺になら、できるかもしれない。)
ちょうどその時、鍛冶屋の店主が奥から戻って来た。
「お待たせ!鑑定できたぜ。ありゃ?いつの間にか手ぶらになったんだな。肩にかけてたバックもなおしたのか?」
「あぁ、宝器を出したおかげで、収納に余裕が出来たからな。で、鑑定結果はどうだったんだ?」
「いや~、それがな、鑑定してこれまた驚いた。」
「ど、どうしたんだ?」
(さっき創り出したことがバレたか…?)
「いゃあな。普通、あんだけあれば1つや2つ、質の劣るものや保存状態が悪い物が混ざっていてもおかしくないんだ。だが、お前さんが持ってきた物は10個全て質がいい。それに状態も新品未使用そのもので完璧だ。まるで、さっき作られたばかりのようだ。」
「そ、そうか…それは良かった。まぁ、手に入れてから一切使用してないからな。当然さ。」
(このジイさん、勘が鋭いな…)
「だろうな…ここまで完璧とは。」
「で、全部でいくらになる??」
「ん~、単純計算で800万Gだが、これほど状態が良いとな…」
「ふーん、そうか。なら、他の店をあたるとするかな。」
誠にもちろんその気はない。
ただ、相手側の反応から、売却額を吊り上げる余地がある。だから、わざと揺さぶる。
「いやいや、待て!ちょっと待ってくれ!この品質なら全部で1000万Gで買い取ろう。1つ100万Gで買い取りだ。これならどうだ?」
(ふふ、やっぱり食い付いた。)
「よし、交渉成立だ。」
誠は、宝器の販売価格の最低ラインと同等の値段で買い取ってもらった。
宝器を差し出す代わりに、店主から金貨の入った大きな袋を2つ受け取る。
(金貨、重っ!!!)
「毎度あり!今後も不用な物があればいつでも売りに来い!!」
店主は笑顔で言った。
「あぁ、ありがとう。またな!」
誠は礼を言った後、両肩に金貨の入った大きな袋を担いで店を出る。
「ダメだ、重過ぎる…」
(収納!)
たちまち、金貨入りの袋が手の中へ消失する。
頭の中にイメージとして、真っ白な空間に金貨の大袋が2つ追加された。
「ふぅ。やっぱこれ、あったら超便利だわ…さて、次は素材屋だったな。」
誠は、鍛冶屋の2つ隣にある素材屋へ向かう。
そこには、植物の葉と鉱石、動物の頭蓋骨が描かれた看板がかかっていた。
しかし、店内は灯りが消されており、ドアには張り紙がしてあった。
〔諸事情により、本日休業します。〕
「ありゃ、今日は休みだったか…まぁ、仕方ない。また今度機会があれば来るか。」
誠は、がっかりしながらも神殿のある町の中央へ向かう。
途中、大きなギルドの建物があった。
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(もしかしたら、オークに関する情報が何かあるかもしれない…)
誠は、ギルドに立ち寄ることにした…
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