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第三幕
直接対決
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その後マリアはマヤ王妃様への恐ろしい暗殺計画を頭に留めながらも、卒なく王女様としての公務をこなしていった。
しかしどれだけ自分が完璧な王女様に近づこうと、あれからオーウェン王様やマヤ王妃様から声をかけられたり顔を合わせる機会はなかった。
マリアは王族だけでなく、そんな王族の対応を見た重臣からも冷遇されていた。
そんなマリアに近付いて来たのは、ロマンチストな婚約者シーダだけだった。
シーダの熱いアプローチに対して、正直ではっきりしているマリアはうんざりしていた。
そしてとうとうマリアは庭園でシーダとランチをしている最中、シーダに対して本音を口走ってしまった。
「ねぇシーダ。どうせ私たちはもうすぐ政略結婚をするのでしょう。だから私に愛を口説くのは無駄だと思うのです。だから、こうやってランチに誘ったりするのは当分やめてくださらない?」
食事をしていたシーダは手を止めると、ぐさりと心に刺さったその言葉に苦笑した。
しかしシーダは咳き込むと、紳士的な微笑みに戻して言うのだった。
「無礼な発言と思われるでしょうが、エヴリ王女様は火事を起こして以来変わられましたね。私は強気なエヴリ王女様の方が好きですよ。」
シーダのマリアに対する愛情はマリアの強情さに負けていないようだった。
「では好きな人のために、愛を口説くのはやめてください。」
「ふふ、それはできません。それは私の自由でしょう?伝えられずにはいられないのですよ。愛していることを。」
マリアは得体の知らない者を見るようにシーダを見て眉を潜めた。
しかしシーダはそんな視線には屁でもなく、優雅に紅茶の匂いを嗅ぎ、堪能していた。
「そう、エヴリ王女様のためにお花を用意しました。ベッドのそばに置いて下さいね。ゆっくり眠れますよ。私の想いが詰まってます。」
そう言うと明らかに嫌な顔をするマリアの前に、シーダはラベンダーの花束を渡した。
マリアはアリアに目配せし、受け取らせた。
「エヴリ王女様、この花を受け取ってくださるのですね?」
「まぁ、一応。」
シーダがそう言って一瞬顔色を曇らせたのを、マリアは気付かずデザートを頬張っていた。
レイではないマリアには、シーダがラベンダーに込めた意味はリラックス効果とは裏腹に、”疑惑”という花言葉を持っていた。
そして季節は移ろい、冬の季節を迎えた。
毎日厳しい寒さで雪も吹雪いていたが、二国の戦争は激化だった。
しかし、王城では王族や貴族が相変わらず呑気に優雅な生活をしていた。
クルート国の第一王子様セラは英雄と呼ばれ、各地の戦争を鎮圧していた。
そしてクルート国軍はリガードへ向かっているとの噂が、マリアの耳にも届いた。
一向にオーウェン王様との謁見を許されないマリアは、日々焦燥感に溢れていた。
『このままでは、必ずアリセナ国は滅びてしまう。マヤ王妃への復讐を果たす前に、自分の身が危ないわ。』
マリアは明くる日、内密でカヌイを自室に呼び出した。
「エヴリ王女様、お呼びでしょうか。」
「えぇ、カヌイ。貴方の本心を聞きたくて。」
マリアに呼ばれたカヌイは仰々しくマリアの部屋の前で跪き、マリアは自室に招くとカヌイと向かい合った。
それはマリアにとって、二国の戦争の首謀者との直接対決だった。
「アリセナ国軍は兵力を削がれ、クルート軍に鎮圧されつつあります。カヌイはこの戦争どうするつもりですか?」
「まさか戦争のことを、エヴリ王女様の口から聞く気が来るとは…。」
「私をみくびっているのですか?」
「ふっ。エヴリ王女様は大人しい傀儡のようでしたのに。…火事が起こる前までは。」
真剣に聞くマリアの姿に、カヌイはその変貌を揶揄した。
マリアはカヌイに馬鹿にされていることにすぐに気づき、眉間に皺を寄せて言った。
それはマリアが想定していた最悪の結末だった。
「もしかして、貴方が王になられるつもりですか?」
マリアが一人地団駄を踏んでいるうちに、オーウェン王様が病に臥せ、寝所で寝込むことが増えていた。
しかしマリアへの王権継承の話は一向になく、アリセナ国の政治の中心はマヤ王妃様とカヌイ宰相の手に委ねられていた。
アリセナ国の王女になりゆくゆくは女王になるという、その目標だけを持って今まで生きてきたマリアには、悲惨な現状だった。
そしてその問いに、カヌイはほくそ笑んだだけで返答しなかった。
『確かに本当にカヌイが王位を狙っているのであれば、邪魔者である自分はとっくに追放されるか殺されていただろう。やはりこのままカヌイは一応私を女王に即位させらシーダと結婚し、私は傀儡として生きていくのだろうかー。』
マリアが絶望していると、カヌイは楽観的な口調で言った。
「エヴリ王女様。この国はその前に、クルート国の手によって滅びるのではないですか?」
「カヌイ!まさか、それが…本当の目的ですか。」
「ごもっとも。こんな愚かな国、早く滅びたらいい。私はそのために、自分の命も投げ売ってても構いません。」
カヌイの意外な返答に、マリアは困惑した。
しかし全ての謎が解けるようだった。
「…答えなさい。カヌイはどうしてアリセナ国を恨んでいるんですか?」
「私は傲慢な王族に従い自由もなくただ生きてきました。唯一大切にしていたたった一人の肉親の弟がいました。しかし弟はマヤ王妃様の命令でマリア王女様の暗殺に手を汚しました。そして弟にエヴリ王女様を他国に拐わせた後、マヤ王妃様の差し金により殺されました。」
カヌイはマヤ王妃様によって家族を自分の駒のように扱われた後に失い、まともな心を失ったようだった。
そしてカヌイは誰かに初めて話した真実を受け止めたマリアに、一つの選択肢を与えた。
「エヴリ王女様がもし、この国に少しでも力になれると自信があるのならシーダを連れてアデナ城へ逃げなさい。」
「…信じでもいいのですか?」
「それは貴方次第でしょう。」
そう試すように言ったカヌイは、そのまま颯爽とマリアの部屋から出て行ってしまった。
マリアはソファーに一人項垂れ、頭を抱えた。
カヌイの意外な過去に驚き、そしてカヌイの提案の裏にある真意を見出せずにいた。
そしてマリアが悩むときにはいつも頭の中に、愛する人の顔が浮かび上がった。
「会いたいよ…ゼロ。」
しかしどれだけ自分が完璧な王女様に近づこうと、あれからオーウェン王様やマヤ王妃様から声をかけられたり顔を合わせる機会はなかった。
マリアは王族だけでなく、そんな王族の対応を見た重臣からも冷遇されていた。
そんなマリアに近付いて来たのは、ロマンチストな婚約者シーダだけだった。
シーダの熱いアプローチに対して、正直ではっきりしているマリアはうんざりしていた。
そしてとうとうマリアは庭園でシーダとランチをしている最中、シーダに対して本音を口走ってしまった。
「ねぇシーダ。どうせ私たちはもうすぐ政略結婚をするのでしょう。だから私に愛を口説くのは無駄だと思うのです。だから、こうやってランチに誘ったりするのは当分やめてくださらない?」
食事をしていたシーダは手を止めると、ぐさりと心に刺さったその言葉に苦笑した。
しかしシーダは咳き込むと、紳士的な微笑みに戻して言うのだった。
「無礼な発言と思われるでしょうが、エヴリ王女様は火事を起こして以来変わられましたね。私は強気なエヴリ王女様の方が好きですよ。」
シーダのマリアに対する愛情はマリアの強情さに負けていないようだった。
「では好きな人のために、愛を口説くのはやめてください。」
「ふふ、それはできません。それは私の自由でしょう?伝えられずにはいられないのですよ。愛していることを。」
マリアは得体の知らない者を見るようにシーダを見て眉を潜めた。
しかしシーダはそんな視線には屁でもなく、優雅に紅茶の匂いを嗅ぎ、堪能していた。
「そう、エヴリ王女様のためにお花を用意しました。ベッドのそばに置いて下さいね。ゆっくり眠れますよ。私の想いが詰まってます。」
そう言うと明らかに嫌な顔をするマリアの前に、シーダはラベンダーの花束を渡した。
マリアはアリアに目配せし、受け取らせた。
「エヴリ王女様、この花を受け取ってくださるのですね?」
「まぁ、一応。」
シーダがそう言って一瞬顔色を曇らせたのを、マリアは気付かずデザートを頬張っていた。
レイではないマリアには、シーダがラベンダーに込めた意味はリラックス効果とは裏腹に、”疑惑”という花言葉を持っていた。
そして季節は移ろい、冬の季節を迎えた。
毎日厳しい寒さで雪も吹雪いていたが、二国の戦争は激化だった。
しかし、王城では王族や貴族が相変わらず呑気に優雅な生活をしていた。
クルート国の第一王子様セラは英雄と呼ばれ、各地の戦争を鎮圧していた。
そしてクルート国軍はリガードへ向かっているとの噂が、マリアの耳にも届いた。
一向にオーウェン王様との謁見を許されないマリアは、日々焦燥感に溢れていた。
『このままでは、必ずアリセナ国は滅びてしまう。マヤ王妃への復讐を果たす前に、自分の身が危ないわ。』
マリアは明くる日、内密でカヌイを自室に呼び出した。
「エヴリ王女様、お呼びでしょうか。」
「えぇ、カヌイ。貴方の本心を聞きたくて。」
マリアに呼ばれたカヌイは仰々しくマリアの部屋の前で跪き、マリアは自室に招くとカヌイと向かい合った。
それはマリアにとって、二国の戦争の首謀者との直接対決だった。
「アリセナ国軍は兵力を削がれ、クルート軍に鎮圧されつつあります。カヌイはこの戦争どうするつもりですか?」
「まさか戦争のことを、エヴリ王女様の口から聞く気が来るとは…。」
「私をみくびっているのですか?」
「ふっ。エヴリ王女様は大人しい傀儡のようでしたのに。…火事が起こる前までは。」
真剣に聞くマリアの姿に、カヌイはその変貌を揶揄した。
マリアはカヌイに馬鹿にされていることにすぐに気づき、眉間に皺を寄せて言った。
それはマリアが想定していた最悪の結末だった。
「もしかして、貴方が王になられるつもりですか?」
マリアが一人地団駄を踏んでいるうちに、オーウェン王様が病に臥せ、寝所で寝込むことが増えていた。
しかしマリアへの王権継承の話は一向になく、アリセナ国の政治の中心はマヤ王妃様とカヌイ宰相の手に委ねられていた。
アリセナ国の王女になりゆくゆくは女王になるという、その目標だけを持って今まで生きてきたマリアには、悲惨な現状だった。
そしてその問いに、カヌイはほくそ笑んだだけで返答しなかった。
『確かに本当にカヌイが王位を狙っているのであれば、邪魔者である自分はとっくに追放されるか殺されていただろう。やはりこのままカヌイは一応私を女王に即位させらシーダと結婚し、私は傀儡として生きていくのだろうかー。』
マリアが絶望していると、カヌイは楽観的な口調で言った。
「エヴリ王女様。この国はその前に、クルート国の手によって滅びるのではないですか?」
「カヌイ!まさか、それが…本当の目的ですか。」
「ごもっとも。こんな愚かな国、早く滅びたらいい。私はそのために、自分の命も投げ売ってても構いません。」
カヌイの意外な返答に、マリアは困惑した。
しかし全ての謎が解けるようだった。
「…答えなさい。カヌイはどうしてアリセナ国を恨んでいるんですか?」
「私は傲慢な王族に従い自由もなくただ生きてきました。唯一大切にしていたたった一人の肉親の弟がいました。しかし弟はマヤ王妃様の命令でマリア王女様の暗殺に手を汚しました。そして弟にエヴリ王女様を他国に拐わせた後、マヤ王妃様の差し金により殺されました。」
カヌイはマヤ王妃様によって家族を自分の駒のように扱われた後に失い、まともな心を失ったようだった。
そしてカヌイは誰かに初めて話した真実を受け止めたマリアに、一つの選択肢を与えた。
「エヴリ王女様がもし、この国に少しでも力になれると自信があるのならシーダを連れてアデナ城へ逃げなさい。」
「…信じでもいいのですか?」
「それは貴方次第でしょう。」
そう試すように言ったカヌイは、そのまま颯爽とマリアの部屋から出て行ってしまった。
マリアはソファーに一人項垂れ、頭を抱えた。
カヌイの意外な過去に驚き、そしてカヌイの提案の裏にある真意を見出せずにいた。
そしてマリアが悩むときにはいつも頭の中に、愛する人の顔が浮かび上がった。
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