15 / 19
結ばれた日
しおりを挟む
夫婦として一周りの四季を共に過ごしたが、なんて記憶に残らない日々で呆気ない最後だったのだろうー。
麗は数日後に一人で離婚届を区役所に提出した。
そして間もなく結婚生活を送っていたマンションの荷物をまとめ、大学時代に住んでいたマンションに戻った。
大学卒業後仕事もろくにせず、実家で花嫁修行をしていた麗はいざ一人になりこれから何をすべきか分からずにいた。
しかしすぐに悲報が届いた。
祖父の会社が他会社に買収されたのであった。
しかし数年前から経営は偏っていたようで、もちろん祖父は社長の座を辞任させられた。
そんな祖父は麗に全く相談せず一人、地方の田舎の実家に戻って行った。
そこには老いた曾祖母がおり、息子である祖父が介護をしていくようだった。
祖父が優との離婚をあっさりと認めたあたり、まるでいずれこうなるのが分かっていたようだった。
そして今まで孫である自分に執着していた祖父も、仕事を失ったことで心酔してしまい、隠居を選んだのである。
そんな一人東京に残された麗には、二人の人物からの着信が相次いで鳴っている。
一人は静流である。
麗は静流にここ数ヶ月自分に起きた全てのことを伝えたが、静流はもちろんそれを受け入れ、今までと変わらぬ関係を続けている。
離婚をして祖父も離れた麗に、静流を拒む障害はなくなった。
しかし一つの事実だけがいつも頭から離れずこれ以上の関係は求めないが、静流だけは絶対に失いたくなかった。
そしてもう一人は百合である。
この日も昼過ぎに麗の下に百合から電話がかかってきた。
「麗、ちゃんとご飯食べてる?」
毎日百合からの第一声は決まってそれだった。
物心ついた時から仕事に生きて育児放棄気味で、幼い時に自分を捨てた母にいきなりなんでこんなに心配をされるのか。
麗には全く訳が分からなかった。
「食べてます。」
「そう、食事と睡眠が一番だからね。そしてニューヨークにはいつ頃来てくれるの?」
「はぁ…。」
そして母は相変わらずの自己中心的な調子で、意気揚々と毎日同じことを言うのである。
ニューヨークで一緒に暮らそう…と。
麗はもちろん拒み、気持ちが乗らない時は母の着信さえも拒絶した。
例え静流が住んでいる場所であっても、自分には辛い記憶がない故国に戻ることはできなかった。
麗には父が亡くなって以来、父が亡くなった夜のフラッシュバックがあったのだ。
特にそれは夜中に時折訪れる、誰にも言うことができないトラウマだった。
「じゃあ、お休みなさい。」
そんな現地時間では寝る前であろう時に一方的に電話をしてくる百合に、麗はろくな返事や会話もせずに電話を切った。
そして大きな溜息をつき、頭を抱えた。
ーせめて私達が普通の親子だったら、私は母の下に行くのだろうか。
家でただ一人でいる時間は長く、辛い思い出だけが蘇る。
ただ一つだけ生きていく楽しみがあるとしたら、静流が今月末に学会のために日本に帰国した際麗と会える時間を作ってくれるとのことだった。
傷心の麗には、静流に会える日を指折り数えて待つ時間だけがたった一つの幸福に思えていた。
そして麗が静流と再会した日は暖かい春風が吹く夜だった。
静流は卒業以来の日本への帰国であるが多忙で、学会後の交流会が終わってから麗と会う約束をしていた。
たまにはバーでお酒でも飲むことにし、近くの駅前で待ち合わせをしていた。
すっかり夜が更けたネオン街に、腕を組み寄り添って歩くカップルが多かった。
そんなカップル見ては、麗は自分と静流の姿を空想して絶望するのであった。
静流と二度目の再会をして、六年の月日が経った。
ーもし二人がなんの因縁もなく、ただ恋をして付き合っていたら今頃どうなっていたのか?
まだ結婚とまではいかなくても、充実した日々があったのかもしれない。
二十七歳を迎える春、自分はバツイチで社会経験もなく身寄りもないに等しい。
ただそうなったのは、自分の人生を他人に任せて楽な方にと生きてきたからだ。
特にこんな都会は、自分の力で人生を切り開いて生きてる者がほとんどだろう。
そして待ち合わせの時間から一時間が経っていた。
すっかり麗が自分の無力さで虚しくなっていたとき、携帯からメールの着音が鳴った。
『ごめん、まだ当分会えそうにない。』
日付が変わるまで、あと一時間。
麗は目の前が真っ暗になるようで、目眩がした。
たった一つの希望だった。
しかしそれもまた他人よがりで生きてる証拠だ。
麗はそのまま携帯に返信をせず、タクシーに乗り自宅に帰った。
麗は漠然と涙が溢れてしまい、車内で嗚咽した。
ここまで感情的になったのは久しぶりだった。
「会いたいよ。」
自宅に戻るとすぐにベッドに横たわり、項垂れた。
数時間そのまま泣いていた。
静流と会えないことが引き金となり、孤独な現実に暗闇に落とされていたのだ。
そして我に返ったのは、夜明け前に自宅のチャイムが鳴った時だった。
「え…静流!?」
インターフォンの先には、会いたかった人の姿が映っていた。
すかさず携帯を覗くと、何十回と着信が入っていた。
そしてやっと再会できた静流に、玄関口で麗はきつく抱擁を交わした。
それは静流も同様だった。
「ごめん、遅くなって。」
「静流…。」
静流からは酒の匂いがしたが、まだ冷静を保っていた。
麗は自分さえも苦しくなるほど静流の体に縋り付いて離さなかった。
「麗、大丈夫?」
優しく穏やかな静流の低い声が自分の耳元に聞こえ、麗はやっと再会できた事実に感動を噛みしめた。
そして身体から力を抜き、静流の変わらぬ整った顔を見て呟いた。
「会いたかった…。」
そう言って微笑もうとした口元は、静流に奪われていた。
再会を強く望んでいたのは麗だけでなかった。
二人は互いを貪るかのように熱い口付けを交わした。
「麗、俺理性を保つの無理かもしれない。」
「私も…。」
久方振りの愛する者同士の再会は、また罪を犯してしまうもので止めることはできなかった。
それは禁断の二人が初めて結ばれた夜だった。
翌朝、先に目を覚ました麗は隣にある愛しい静流の顔を眺めては微笑んだ。
自然と後悔はしておらず、清々とした気持ちだった。
「おはよう。麗。どうしたの?そんなに笑って。」
そして実は静流は起きていた。
麗の可愛らしい微笑みに揶揄うと、身体を寄せてお互いの体温を感じ合った。
「こんな日が来るなんて、俺は思ってなかった。」
「私も…。」
愛する人に抱かれて高鳴る鼓動が、こんなに心地よいものだと麗は初めて知った。
抱き合っても、先の関係は望むことができない。
世間ではワンナイトと呼ばれるものだろうけど、二人にとっては人生で特別な夜だった。
「麗、愛してるよ。」
「私も。」
静流はそう言って胸に埋まる麗の髪を撫でた。
麗は極上の幸福を感じ、静流の首元に口付けをした。
そして静流は一つの願いを思わず呟いたのであった。
「ニューヨークに来ないか?」
「え…。」
静流の真っ直ぐな眼差しに、それが本気でこれからの未来を示唆するものだと麗は直感した。
本心ではもちろんこのまま毎日静流と甘い日々を過ごしたいと思っている。
しかしそうやって静流に頼ってしまえばまた自分は何も変われず、いつかたった一人の愛する人を失ったときの絶望が頭をよぎった。
「ごめんなさい。」
麗は冷やかにそう言うと、ベッドから降りて静流に背を向けバスローブを羽織った。
締め付けられる胸の痛みが走り、一つ深呼吸した。
しかし静流はやっと結ばれた愛する人を逃しはしなかった。
「麗が嫌ならもうこんなことはしない。ただ側にいるだけでいい。それでも駄目かな…?」
「静流…。」
静流の変わらぬ優しさに、麗は声が震えて涙が溢れ返った。
そんな麗の背中を、優しか静流はまた抱き寄せるのであった。
学生時代の時のように、静流の前では感情が剥き出しになってしまう。
しかし静流はいつもそんな自分を受け入れ、愛してくれる。
麗はそのままベッドに座り込むと、泣きながらここ数ヶ月起きた出来事への絶望とこの先の未来への恐怖を語った。
静流は隣でずっと背中を撫でながら支えてくれた。
それから一緒にいられる時間は僅かだったが、麗は最後まで答えを出すことができず、静流もそれをまた受け入れてくれた。
「また連絡する。辛くなったらいつでも電話して。今は距離が遠いけど、俺がいるから。」
静流はそう言い残し、惜しむように麗の部屋から出て行った。
麗は身体に残る静流の温もりを愛しみながら、静流の誘いへの判断を悩み兼ねていた。
麗が答えが出したのは一月が経った時だった。
それまで悩み苦しみ、静流ともろくに話すこともできなかった。
しかし幼い頃のフィードバックや未来への不安を打ち消すほど、自分が静流を求める気持ちは勝ってしまっていた。
麗は数日後に一人で離婚届を区役所に提出した。
そして間もなく結婚生活を送っていたマンションの荷物をまとめ、大学時代に住んでいたマンションに戻った。
大学卒業後仕事もろくにせず、実家で花嫁修行をしていた麗はいざ一人になりこれから何をすべきか分からずにいた。
しかしすぐに悲報が届いた。
祖父の会社が他会社に買収されたのであった。
しかし数年前から経営は偏っていたようで、もちろん祖父は社長の座を辞任させられた。
そんな祖父は麗に全く相談せず一人、地方の田舎の実家に戻って行った。
そこには老いた曾祖母がおり、息子である祖父が介護をしていくようだった。
祖父が優との離婚をあっさりと認めたあたり、まるでいずれこうなるのが分かっていたようだった。
そして今まで孫である自分に執着していた祖父も、仕事を失ったことで心酔してしまい、隠居を選んだのである。
そんな一人東京に残された麗には、二人の人物からの着信が相次いで鳴っている。
一人は静流である。
麗は静流にここ数ヶ月自分に起きた全てのことを伝えたが、静流はもちろんそれを受け入れ、今までと変わらぬ関係を続けている。
離婚をして祖父も離れた麗に、静流を拒む障害はなくなった。
しかし一つの事実だけがいつも頭から離れずこれ以上の関係は求めないが、静流だけは絶対に失いたくなかった。
そしてもう一人は百合である。
この日も昼過ぎに麗の下に百合から電話がかかってきた。
「麗、ちゃんとご飯食べてる?」
毎日百合からの第一声は決まってそれだった。
物心ついた時から仕事に生きて育児放棄気味で、幼い時に自分を捨てた母にいきなりなんでこんなに心配をされるのか。
麗には全く訳が分からなかった。
「食べてます。」
「そう、食事と睡眠が一番だからね。そしてニューヨークにはいつ頃来てくれるの?」
「はぁ…。」
そして母は相変わらずの自己中心的な調子で、意気揚々と毎日同じことを言うのである。
ニューヨークで一緒に暮らそう…と。
麗はもちろん拒み、気持ちが乗らない時は母の着信さえも拒絶した。
例え静流が住んでいる場所であっても、自分には辛い記憶がない故国に戻ることはできなかった。
麗には父が亡くなって以来、父が亡くなった夜のフラッシュバックがあったのだ。
特にそれは夜中に時折訪れる、誰にも言うことができないトラウマだった。
「じゃあ、お休みなさい。」
そんな現地時間では寝る前であろう時に一方的に電話をしてくる百合に、麗はろくな返事や会話もせずに電話を切った。
そして大きな溜息をつき、頭を抱えた。
ーせめて私達が普通の親子だったら、私は母の下に行くのだろうか。
家でただ一人でいる時間は長く、辛い思い出だけが蘇る。
ただ一つだけ生きていく楽しみがあるとしたら、静流が今月末に学会のために日本に帰国した際麗と会える時間を作ってくれるとのことだった。
傷心の麗には、静流に会える日を指折り数えて待つ時間だけがたった一つの幸福に思えていた。
そして麗が静流と再会した日は暖かい春風が吹く夜だった。
静流は卒業以来の日本への帰国であるが多忙で、学会後の交流会が終わってから麗と会う約束をしていた。
たまにはバーでお酒でも飲むことにし、近くの駅前で待ち合わせをしていた。
すっかり夜が更けたネオン街に、腕を組み寄り添って歩くカップルが多かった。
そんなカップル見ては、麗は自分と静流の姿を空想して絶望するのであった。
静流と二度目の再会をして、六年の月日が経った。
ーもし二人がなんの因縁もなく、ただ恋をして付き合っていたら今頃どうなっていたのか?
まだ結婚とまではいかなくても、充実した日々があったのかもしれない。
二十七歳を迎える春、自分はバツイチで社会経験もなく身寄りもないに等しい。
ただそうなったのは、自分の人生を他人に任せて楽な方にと生きてきたからだ。
特にこんな都会は、自分の力で人生を切り開いて生きてる者がほとんどだろう。
そして待ち合わせの時間から一時間が経っていた。
すっかり麗が自分の無力さで虚しくなっていたとき、携帯からメールの着音が鳴った。
『ごめん、まだ当分会えそうにない。』
日付が変わるまで、あと一時間。
麗は目の前が真っ暗になるようで、目眩がした。
たった一つの希望だった。
しかしそれもまた他人よがりで生きてる証拠だ。
麗はそのまま携帯に返信をせず、タクシーに乗り自宅に帰った。
麗は漠然と涙が溢れてしまい、車内で嗚咽した。
ここまで感情的になったのは久しぶりだった。
「会いたいよ。」
自宅に戻るとすぐにベッドに横たわり、項垂れた。
数時間そのまま泣いていた。
静流と会えないことが引き金となり、孤独な現実に暗闇に落とされていたのだ。
そして我に返ったのは、夜明け前に自宅のチャイムが鳴った時だった。
「え…静流!?」
インターフォンの先には、会いたかった人の姿が映っていた。
すかさず携帯を覗くと、何十回と着信が入っていた。
そしてやっと再会できた静流に、玄関口で麗はきつく抱擁を交わした。
それは静流も同様だった。
「ごめん、遅くなって。」
「静流…。」
静流からは酒の匂いがしたが、まだ冷静を保っていた。
麗は自分さえも苦しくなるほど静流の体に縋り付いて離さなかった。
「麗、大丈夫?」
優しく穏やかな静流の低い声が自分の耳元に聞こえ、麗はやっと再会できた事実に感動を噛みしめた。
そして身体から力を抜き、静流の変わらぬ整った顔を見て呟いた。
「会いたかった…。」
そう言って微笑もうとした口元は、静流に奪われていた。
再会を強く望んでいたのは麗だけでなかった。
二人は互いを貪るかのように熱い口付けを交わした。
「麗、俺理性を保つの無理かもしれない。」
「私も…。」
久方振りの愛する者同士の再会は、また罪を犯してしまうもので止めることはできなかった。
それは禁断の二人が初めて結ばれた夜だった。
翌朝、先に目を覚ました麗は隣にある愛しい静流の顔を眺めては微笑んだ。
自然と後悔はしておらず、清々とした気持ちだった。
「おはよう。麗。どうしたの?そんなに笑って。」
そして実は静流は起きていた。
麗の可愛らしい微笑みに揶揄うと、身体を寄せてお互いの体温を感じ合った。
「こんな日が来るなんて、俺は思ってなかった。」
「私も…。」
愛する人に抱かれて高鳴る鼓動が、こんなに心地よいものだと麗は初めて知った。
抱き合っても、先の関係は望むことができない。
世間ではワンナイトと呼ばれるものだろうけど、二人にとっては人生で特別な夜だった。
「麗、愛してるよ。」
「私も。」
静流はそう言って胸に埋まる麗の髪を撫でた。
麗は極上の幸福を感じ、静流の首元に口付けをした。
そして静流は一つの願いを思わず呟いたのであった。
「ニューヨークに来ないか?」
「え…。」
静流の真っ直ぐな眼差しに、それが本気でこれからの未来を示唆するものだと麗は直感した。
本心ではもちろんこのまま毎日静流と甘い日々を過ごしたいと思っている。
しかしそうやって静流に頼ってしまえばまた自分は何も変われず、いつかたった一人の愛する人を失ったときの絶望が頭をよぎった。
「ごめんなさい。」
麗は冷やかにそう言うと、ベッドから降りて静流に背を向けバスローブを羽織った。
締め付けられる胸の痛みが走り、一つ深呼吸した。
しかし静流はやっと結ばれた愛する人を逃しはしなかった。
「麗が嫌ならもうこんなことはしない。ただ側にいるだけでいい。それでも駄目かな…?」
「静流…。」
静流の変わらぬ優しさに、麗は声が震えて涙が溢れ返った。
そんな麗の背中を、優しか静流はまた抱き寄せるのであった。
学生時代の時のように、静流の前では感情が剥き出しになってしまう。
しかし静流はいつもそんな自分を受け入れ、愛してくれる。
麗はそのままベッドに座り込むと、泣きながらここ数ヶ月起きた出来事への絶望とこの先の未来への恐怖を語った。
静流は隣でずっと背中を撫でながら支えてくれた。
それから一緒にいられる時間は僅かだったが、麗は最後まで答えを出すことができず、静流もそれをまた受け入れてくれた。
「また連絡する。辛くなったらいつでも電話して。今は距離が遠いけど、俺がいるから。」
静流はそう言い残し、惜しむように麗の部屋から出て行った。
麗は身体に残る静流の温もりを愛しみながら、静流の誘いへの判断を悩み兼ねていた。
麗が答えが出したのは一月が経った時だった。
それまで悩み苦しみ、静流ともろくに話すこともできなかった。
しかし幼い頃のフィードバックや未来への不安を打ち消すほど、自分が静流を求める気持ちは勝ってしまっていた。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

【完結】余命三年ですが、怖いと評判の宰相様と契約結婚します
佐倉えび
恋愛
断罪→偽装結婚(離婚)→契約結婚
不遇の人生を繰り返してきた令嬢の物語。
私はきっとまた、二十歳を越えられないーー
一周目、王立学園にて、第二王子ヴィヴィアン殿下の婚約者である公爵令嬢マイナに罪を被せたという、身に覚えのない罪で断罪され、修道院へ。
二周目、学園卒業後、夜会で助けてくれた公爵令息レイと結婚するも「あなたを愛することはない」と初夜を拒否された偽装結婚だった。後に離婚。
三周目、学園への入学は回避。しかし評判の悪い王太子の妾にされる。その後、下賜されることになったが、手渡された契約書を見て、契約結婚だと理解する。そうして、怖いと評判の宰相との結婚生活が始まったのだが――?
*ムーンライトノベルズにも掲載

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

自信家CEOは花嫁を略奪する
朝陽ゆりね
恋愛
「あなたとは、一夜限りの関係です」
そのはずだったのに、
そう言ったはずなのに――
私には婚約者がいて、あなたと交際することはできない。
それにあなたは特定の女とはつきあわないのでしょ?
だったら、なぜ?
お願いだからもうかまわないで――
松坂和眞は特定の相手とは交際しないと宣言し、言い寄る女と一時を愉しむ男だ。
だが、経営者としての手腕は世間に広く知られている。
璃桜はそんな和眞に憧れて入社したが、親からもらった自由な時間は3年だった。
そしてその期間が来てしまった。
半年後、親が決めた相手と結婚する。
退職する前日、和眞を誘惑する決意をし、成功するが――
私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。
さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。
許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。
幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。
(ああ、もう、)
やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。
(ずるいよ……)
リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。
こんな私なんかのことを。
友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。
彼らが最後に選ぶ答えとは——?
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる