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永禄の改革
築陣こそ甲賀隊の華
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~本圀寺~
「まさか、ズタ袋に石や土を詰め込み重ねるだけで、こんなにも簡単に新たな陣が出来るとはな」
「築陣こそ、我等、甲賀隊 剛力部隊の華ですから。剣城様にも手前の築陣は褒めていただけるのです」
「そ、そうか」
パンッ
「明智様!頭を下げて下さい!剣城様から、貴方様は必ず御守りするよう言われています!」
「何!?私をか!?1~2度程、顔を合わせただけだぞ!?」
「剣城様は『必ずや明智様が織田家で大きくなる人だ』と言われていました!」
「剛力!私も戦うよ!」
「鞠!それにその横の女性は!?」
「鞠・・・怖い・・・」
「お清さん!大丈夫だよ!私や剛力の横の方が安全だから!貴方も簡単に敵を倒せるよ!これをこうやって狙って、ここを握り込むだけ!」
「ぬぉぉ───!!!オラは侍になるのだ─!!!」
パンッ ズタッ
「ね?簡単でしょ?突出して来た人に狙いを定めて撃つ!ただそれだけだよ!」
「待て。待て。芝田殿の軍は女子(おなご)も戦うのか!?いや・・・すまぬ。失言だった。鞠殿。それにお清殿。よろしく頼む。この明智十兵衛、我が命尽きるまで貴方達を御守り致す」
「鞠。間違っても土嚢袋より前に出るなよ。敵も少しだが鉄砲を持っている」
「分かってるよ!」
「それにしても・・・剣城様が遅い・・・何かあったのだろうか・・・?」
「剛力殿!来たぞ!皆の者!奮起せよッッ!!1人20殺するまで死ぬ事は許さぬ!!」
「「「「「「オォ────ッッ!!」」」」」」
「金剛殿と申したか?」
「はっ。金剛です」
「うむ。この片手銃は美濃や尾張では主流になるのか?」
パンッ
「グハッ」
「恐らくそうなるかと。ただ、どうしても射程距離は国友銃より落ちますので、接近戦などで使われるかと」
「そうか。これを私に一丁売ってくれないか?」
パンッ
「ブハッ」
「某の一存では・・・どうにも・・・先も言ったように、まだ試作段階でして。加藤製作所の加藤清忠様は今回の戦のデータ・・・『戦の資料にて改良する』と言われておりますので、もしかすればこの片手銃ならば、了解が出るやもしれません」
「これで完成ではないと申すのか!?いや、それよりワシ等の方は敵が少ない様だな。やはり本命は正門か」
「いや、これは慶次様が上手に奉行衆を指揮しているからだと。それと、剣城様が指揮官級をかなりの数減らしているからだと、思われます」
「指揮官級を!?どうやって!?」
「我等は知っての通り、草です。草には草にしか出来ない戦い方がございます。剣城様はそんな我等を重宝していただけますので。美濃や尾張では昔のように草や乱波、透波と馬鹿にされる事も少なくなりました。これも剣城様のお陰です。何なら、織田家の諸将に『数人回して欲しい』とまで言われるくらいです」
「そうか。良い主を得たのだな」
「はい。誠に」
「その所作や教養も主のお陰か?」
「はっ。私だけではなく、剣城様の隊に居る者は、最低限の学術は学ばせられております。算術が出来なくては敵の数を見破る事が出来ず、戦術も立てられませんから。だから、我等は少数でもこうやって救援に呼ばれる訳です。まぁ、兵器の事もございますが」
「誠に良い主だ。是非、一度会ってみたい」
「・・・・・・・」
この男は危険だ。尾張では中々居ないタイプの武将か。強いて言うならば、丹羽様に似ているか。物腰柔らかく、木下様のように絡めてくるような・・・。そして、初めての片手銃もすぐに使いこなしている。
幕臣であるこのお方が、いくら救援に来た軍だからと我等、甲賀の者を受け入れる筈はない。内心は違う考えと見るべきか。それに剣城様ならば、簡単に籠絡されてしまうやもしれぬな。要注意だ。
「孫一様。あれなる者は、先代将軍から剣豪と言われている上泉信綱。本物かと」
「面白いねぇ~。確かに弾を斬るなんて並の男ではないねぇ~。狙いを変えようか。飽くまで、俺達ぁ~敵の遅延行為をすりゃいいのさ。けどそれだけじゃねぇ~。あの鉄の着込みの爺さんは無視していい。どうせ弾は貫通しないだろうしさ。けど、あの横に居る男はどうだろうね?あの男があの部隊の指揮官かねぇ~」
「え!?あの男ですか!?指揮してる男は、その後ろに居る男のように思いますが・・・」
「見た事のない甲冑・・・いや、甲冑とは言わないねぇ~。堺でも見た事の無い服だねぇ~。それに騎乗してるのは5人。誰が1番うつけに見える?俺ぁ~、あの男にしか見えないねぇ~。なら、あの男が頭領だねぇ~」
「流石でございます!」
「まずは1発、狙ってみようかねぇ~」
「我が君!ワシの後ろへ!なーに!ワシのハルモニアのスーツは大砲をも弾きますからな!がははは!」
「いやそんな、確かに前に大砲直撃喰らってピンピンしてたけど、今はそんなカッコ悪い事できないよ!」
"剣城っち♪敵がこっち狙ってるよ"
"マジか!?オレ狙い!?"
パンッ
シュパッ
「どうやら狙いを変えてきたみたいですな。貴方様はこの軍の頭。どうかお下がりを」
「えっと・・・剣豪様でしたよね?下がる事はしないよ。今回は先頭だから」
パンッ
"舐めるなッ!!!"
ガブッ
「「「「え!?」」」」
「ほっほっほっ。さすが剣城殿の愛馬、ノア嬢ですな!まさか鉄砲の弾を噛み砕くとは」
2発目の銃声が聞こえたと思えば、超反応でノアが弾を噛み砕いた。しかも可愛い声に似合わない怒声で。
「隼人様。敵はあの辺りかと」
「遠いな。敵は射撃の名手だ。それに位置がバレないように濡れた葉っぱか何かを銃身に巻いているな。鉄砲の名手の集団か。雑賀衆・・・クックックッ・・・何が名手か。こちらにもやり方がある。おい。前の10人!ギリースーツを着て石を投げながら走れ。次の銃声で仕留める」
「「「御意」」」
剣城様は無事か。まぁ、当たり前か。我等、国友新式銃ですら、剣城様の戦闘服は貫徹できなかったのだ。敵の銃が貫ける筈などない。雑賀孫一・・・誰かは俺は知らないが、大将首だ。
「う~ん。効果は無いようだねぇ~。敵さんの離れた部隊の捕捉はしてるかい?」
「はっ。我等のように偽装服を着てるようで、ここら辺で一度下がるのが吉かと」
「う~ん。このままなら雑賀の名が折れるねぇ~。蛍、鶴、小雀を呼んでおくれ。源四郎君は下がって、次の狙撃場所を確保しておいてくれるかい?」
「俺は貴方の横に居ます。場所の確保は栗村殿に任せましょう」
「そうかい。なら、そのようにしようかねぇ~。1発ならまだしも、雑賀の弾から2度も逃れるとはねぇ~。けど、四方から撃たれても回避できるかねぇ~」
「鶴、参りました!」「小雀、参りました!」 「蛍、参りました!」
「君達は俺の次に鉄砲の名手だ。あの変わった服を着た男を撃てるかい?同時にだよ。俺が撃った後、すかさず撃つようにしてちょうだい。その後はすぐに離脱して後ろへ下がりなさい。敵さんの密隊を捕捉できていないからねぇ~」
「はっ。畏まりました」
「いいかい?死ぬんじゃないよ?」
「剣城様!ここは我等の後ろに」
「余は常に諸子の先頭にあり!」
「いや、今はそんな事言ってる場合ではありません!」
クッ・・・。折角、栗林中将の言葉を借りたのに・・・大膳君め!
「大膳君!オレだけ安全な所なんて無理だ!大膳君は今は後方だろ!下がりなさい!」
「ですが・・・」
「ふ~ん?ランニングするか!?えぇ!?オレのカッコいい言葉を遮っ・・・・」
パンッ パンッ パンッ パンッ
大膳君にいつものランニングを言いつけ、場を和ませようとした時・・・4発の銃声が聞こえた。
スパッ ガブッ ドンッ ドンッ
1発は上泉さんがまたもや斬った。1発はノアが噛み砕いた。が、2発はオレの腹に・・・。
ドタッ
「「「「「剣城様!!!!!」」」」」
「剣城殿!?」 「芝田殿!?」
「ぬぉぉぉぉぉ!!!!雑賀の小童共ッ!!ワシを狙え!!!我が君を狙撃しよって!!!ワシはここぞ!!!!!」
「クッ・・・いってぇ~・・・」
「剣城様!大丈夫ですか!?」
シャルルルル~
「だから危ないって言ったじゃないですか」
「え!?其方は!?」
「あっ、私は剣城様だけの護衛のミヤビと申します。止めろと言ったのに、『敵の弾はオレには貫通しないから出てくるな』と言われていまして。けど、肋骨にヒビくらいは入ったでしょう。私がおんぶしますので、早くここを突破しましょう。敵から見ればいい的です」
「隼人は何をしている!我が君が撃たれたのだ!後で小川三左衛門の妙技、無双3段を喰らわせてやる!」
「竹中殿。銃声が止みましたぞ」
「確かに・・・隼人隊がやったか。上泉殿。坂井殿と中央をお頼み申します」
「うむ。某が勝手に参加したまで。どこまでもお供しましょう」
「剣城殿。剣城殿も必ず。小川殿。ミヤビ殿。剣城殿を頼みますぞ」
「半兵衛さん。申し訳ないっす」
恥ずかしいったりゃありゃしない。カッコつけて前に出て、肋骨にヒビって・・・。
"剣城っち、ごめん"
"いいよ。大丈夫大丈夫。このまま歩は進めるから頼むよ。後ろにミヤビちゃんって子も乗せてもいいか?"
"オッケー♪"
いや、本当にノアは悪いと思っているのか!?守るとか言ってたのに撃たれたんだぞ!?
それにしても農業神様から貰った、ベヒーモスーツとモルボルのフェイスマスクって、凄いな。獣臭いし状態異常になりそうだけど、本当に鉄砲の弾が貫通しないんだもんな。農業神様々だな。
~神界モニタールーム~
「おいを怒らせた事を後悔させないとなんだなぁ~。ホイホイホイノハッ!」
「の、農業神様!!!弄り過ぎです!ここは手を付けるべきではありません!!!」
「この人間の男の死は確定にさせるんだなぁ」
「だ、ダメです!そうやって何度も手を加えるとおかしくなります!農業神様が手を加えてるヒューマンは、無事だったのでしょう!?」
「ならば止めるんだなぁ~。けど、この男が魂の輪廻に来た時、次の生はミジンコにするんだなぁ~」
「み、ミジンコですか!?」
「ダメなのか?うん?」
「あ、いえ。それくらいならば良いかと・・・」
「それでよろしいんだなぁ~。我が兄弟が、ベヒーモスーツを気に入ってくれたんだなぁ~。獣臭さをどうにかして、我が兄弟の子飼いの者にも、買ってもらいたいんだなぁ~」
「はっ!技術開発班に早急にどうにかするように伝えます!!」
~剣城が撃たれた直後~
パンッ パンッ パンッ パンッ
「そこかッッ!!!!」
パンッ
「クッ・・・」
「撃ち返しを狙われたか。一旦、退こうか。源四郎君。退くよ・・・源四郎君!!!」
「孫一様。敵は着込みを着ているようで、効果は薄いように・・・え!?源四郎様!!!」
「騒ぐな!!完璧に場所を気取られてしまう!」
「いや、もう遅いようだねぇ~。下を見なさい。囲まれたよ」
「孫一様!すいません!俺を置いて逃げて下さい!」
「そんなカッコ悪い真似出来る訳ないじゃない~。鶴。キセルを。(プカー)」
「孫一様ッ!!!」
「煩いよ~。おーい。敵さん。俺達ぁ~降参するから撃たないでおくれ~」
「早く降りて来い」
「おぉ~怖い怖い。鶴。もし俺ぁ~が斬首になれば、次の雑賀孫一は君だよ」
「え!?そ、そんな事言われても困ります!!蛍の方が・・・」
「頭領の言う事が聞けないのかい?本当は、織田の殿様を狙ってみたかったんだけどねぇ~。この場に居ないようだしねぇ~」
「おい!何をくっちゃべっている!早く降りろ!」
「あぁ。少し待ちなって。こっちは臣(とも)が撃たれたのだ。治療してくれ。俺ぁ~どうなってもいい」
「孫一様!」
「源四郎君。俺ぁ~何回も言っているだろう?どんな事になろうと、生きていればどうにでもなる。源四郎君が鶴を導いてあげてくれ。間違いなく俺ぁ~斬首さ。(プカー)さぁ、降りよう。おーい。手を貸してくれ。この源四郎君を先に。おっと・・・」
ゴトン
「丸腰だよ~」
「隼人様。どうされますか?殺しますか?」
「敵ながら狙撃は見事な腕だ。この先、敵になるならば脅威となるが、剣城様は無益な殺生を好まない。一度、剣城様の元へ連れて行く。元太。お前があの源四郎という者を見張れ。本圀寺に鞠が居る。大津に退くより早い。それにわざわざ完璧に治す義理は無い」
「御意」
「まさか、ズタ袋に石や土を詰め込み重ねるだけで、こんなにも簡単に新たな陣が出来るとはな」
「築陣こそ、我等、甲賀隊 剛力部隊の華ですから。剣城様にも手前の築陣は褒めていただけるのです」
「そ、そうか」
パンッ
「明智様!頭を下げて下さい!剣城様から、貴方様は必ず御守りするよう言われています!」
「何!?私をか!?1~2度程、顔を合わせただけだぞ!?」
「剣城様は『必ずや明智様が織田家で大きくなる人だ』と言われていました!」
「剛力!私も戦うよ!」
「鞠!それにその横の女性は!?」
「鞠・・・怖い・・・」
「お清さん!大丈夫だよ!私や剛力の横の方が安全だから!貴方も簡単に敵を倒せるよ!これをこうやって狙って、ここを握り込むだけ!」
「ぬぉぉ───!!!オラは侍になるのだ─!!!」
パンッ ズタッ
「ね?簡単でしょ?突出して来た人に狙いを定めて撃つ!ただそれだけだよ!」
「待て。待て。芝田殿の軍は女子(おなご)も戦うのか!?いや・・・すまぬ。失言だった。鞠殿。それにお清殿。よろしく頼む。この明智十兵衛、我が命尽きるまで貴方達を御守り致す」
「鞠。間違っても土嚢袋より前に出るなよ。敵も少しだが鉄砲を持っている」
「分かってるよ!」
「それにしても・・・剣城様が遅い・・・何かあったのだろうか・・・?」
「剛力殿!来たぞ!皆の者!奮起せよッッ!!1人20殺するまで死ぬ事は許さぬ!!」
「「「「「「オォ────ッッ!!」」」」」」
「金剛殿と申したか?」
「はっ。金剛です」
「うむ。この片手銃は美濃や尾張では主流になるのか?」
パンッ
「グハッ」
「恐らくそうなるかと。ただ、どうしても射程距離は国友銃より落ちますので、接近戦などで使われるかと」
「そうか。これを私に一丁売ってくれないか?」
パンッ
「ブハッ」
「某の一存では・・・どうにも・・・先も言ったように、まだ試作段階でして。加藤製作所の加藤清忠様は今回の戦のデータ・・・『戦の資料にて改良する』と言われておりますので、もしかすればこの片手銃ならば、了解が出るやもしれません」
「これで完成ではないと申すのか!?いや、それよりワシ等の方は敵が少ない様だな。やはり本命は正門か」
「いや、これは慶次様が上手に奉行衆を指揮しているからだと。それと、剣城様が指揮官級をかなりの数減らしているからだと、思われます」
「指揮官級を!?どうやって!?」
「我等は知っての通り、草です。草には草にしか出来ない戦い方がございます。剣城様はそんな我等を重宝していただけますので。美濃や尾張では昔のように草や乱波、透波と馬鹿にされる事も少なくなりました。これも剣城様のお陰です。何なら、織田家の諸将に『数人回して欲しい』とまで言われるくらいです」
「そうか。良い主を得たのだな」
「はい。誠に」
「その所作や教養も主のお陰か?」
「はっ。私だけではなく、剣城様の隊に居る者は、最低限の学術は学ばせられております。算術が出来なくては敵の数を見破る事が出来ず、戦術も立てられませんから。だから、我等は少数でもこうやって救援に呼ばれる訳です。まぁ、兵器の事もございますが」
「誠に良い主だ。是非、一度会ってみたい」
「・・・・・・・」
この男は危険だ。尾張では中々居ないタイプの武将か。強いて言うならば、丹羽様に似ているか。物腰柔らかく、木下様のように絡めてくるような・・・。そして、初めての片手銃もすぐに使いこなしている。
幕臣であるこのお方が、いくら救援に来た軍だからと我等、甲賀の者を受け入れる筈はない。内心は違う考えと見るべきか。それに剣城様ならば、簡単に籠絡されてしまうやもしれぬな。要注意だ。
「孫一様。あれなる者は、先代将軍から剣豪と言われている上泉信綱。本物かと」
「面白いねぇ~。確かに弾を斬るなんて並の男ではないねぇ~。狙いを変えようか。飽くまで、俺達ぁ~敵の遅延行為をすりゃいいのさ。けどそれだけじゃねぇ~。あの鉄の着込みの爺さんは無視していい。どうせ弾は貫通しないだろうしさ。けど、あの横に居る男はどうだろうね?あの男があの部隊の指揮官かねぇ~」
「え!?あの男ですか!?指揮してる男は、その後ろに居る男のように思いますが・・・」
「見た事のない甲冑・・・いや、甲冑とは言わないねぇ~。堺でも見た事の無い服だねぇ~。それに騎乗してるのは5人。誰が1番うつけに見える?俺ぁ~、あの男にしか見えないねぇ~。なら、あの男が頭領だねぇ~」
「流石でございます!」
「まずは1発、狙ってみようかねぇ~」
「我が君!ワシの後ろへ!なーに!ワシのハルモニアのスーツは大砲をも弾きますからな!がははは!」
「いやそんな、確かに前に大砲直撃喰らってピンピンしてたけど、今はそんなカッコ悪い事できないよ!」
"剣城っち♪敵がこっち狙ってるよ"
"マジか!?オレ狙い!?"
パンッ
シュパッ
「どうやら狙いを変えてきたみたいですな。貴方様はこの軍の頭。どうかお下がりを」
「えっと・・・剣豪様でしたよね?下がる事はしないよ。今回は先頭だから」
パンッ
"舐めるなッ!!!"
ガブッ
「「「「え!?」」」」
「ほっほっほっ。さすが剣城殿の愛馬、ノア嬢ですな!まさか鉄砲の弾を噛み砕くとは」
2発目の銃声が聞こえたと思えば、超反応でノアが弾を噛み砕いた。しかも可愛い声に似合わない怒声で。
「隼人様。敵はあの辺りかと」
「遠いな。敵は射撃の名手だ。それに位置がバレないように濡れた葉っぱか何かを銃身に巻いているな。鉄砲の名手の集団か。雑賀衆・・・クックックッ・・・何が名手か。こちらにもやり方がある。おい。前の10人!ギリースーツを着て石を投げながら走れ。次の銃声で仕留める」
「「「御意」」」
剣城様は無事か。まぁ、当たり前か。我等、国友新式銃ですら、剣城様の戦闘服は貫徹できなかったのだ。敵の銃が貫ける筈などない。雑賀孫一・・・誰かは俺は知らないが、大将首だ。
「う~ん。効果は無いようだねぇ~。敵さんの離れた部隊の捕捉はしてるかい?」
「はっ。我等のように偽装服を着てるようで、ここら辺で一度下がるのが吉かと」
「う~ん。このままなら雑賀の名が折れるねぇ~。蛍、鶴、小雀を呼んでおくれ。源四郎君は下がって、次の狙撃場所を確保しておいてくれるかい?」
「俺は貴方の横に居ます。場所の確保は栗村殿に任せましょう」
「そうかい。なら、そのようにしようかねぇ~。1発ならまだしも、雑賀の弾から2度も逃れるとはねぇ~。けど、四方から撃たれても回避できるかねぇ~」
「鶴、参りました!」「小雀、参りました!」 「蛍、参りました!」
「君達は俺の次に鉄砲の名手だ。あの変わった服を着た男を撃てるかい?同時にだよ。俺が撃った後、すかさず撃つようにしてちょうだい。その後はすぐに離脱して後ろへ下がりなさい。敵さんの密隊を捕捉できていないからねぇ~」
「はっ。畏まりました」
「いいかい?死ぬんじゃないよ?」
「剣城様!ここは我等の後ろに」
「余は常に諸子の先頭にあり!」
「いや、今はそんな事言ってる場合ではありません!」
クッ・・・。折角、栗林中将の言葉を借りたのに・・・大膳君め!
「大膳君!オレだけ安全な所なんて無理だ!大膳君は今は後方だろ!下がりなさい!」
「ですが・・・」
「ふ~ん?ランニングするか!?えぇ!?オレのカッコいい言葉を遮っ・・・・」
パンッ パンッ パンッ パンッ
大膳君にいつものランニングを言いつけ、場を和ませようとした時・・・4発の銃声が聞こえた。
スパッ ガブッ ドンッ ドンッ
1発は上泉さんがまたもや斬った。1発はノアが噛み砕いた。が、2発はオレの腹に・・・。
ドタッ
「「「「「剣城様!!!!!」」」」」
「剣城殿!?」 「芝田殿!?」
「ぬぉぉぉぉぉ!!!!雑賀の小童共ッ!!ワシを狙え!!!我が君を狙撃しよって!!!ワシはここぞ!!!!!」
「クッ・・・いってぇ~・・・」
「剣城様!大丈夫ですか!?」
シャルルルル~
「だから危ないって言ったじゃないですか」
「え!?其方は!?」
「あっ、私は剣城様だけの護衛のミヤビと申します。止めろと言ったのに、『敵の弾はオレには貫通しないから出てくるな』と言われていまして。けど、肋骨にヒビくらいは入ったでしょう。私がおんぶしますので、早くここを突破しましょう。敵から見ればいい的です」
「隼人は何をしている!我が君が撃たれたのだ!後で小川三左衛門の妙技、無双3段を喰らわせてやる!」
「竹中殿。銃声が止みましたぞ」
「確かに・・・隼人隊がやったか。上泉殿。坂井殿と中央をお頼み申します」
「うむ。某が勝手に参加したまで。どこまでもお供しましょう」
「剣城殿。剣城殿も必ず。小川殿。ミヤビ殿。剣城殿を頼みますぞ」
「半兵衛さん。申し訳ないっす」
恥ずかしいったりゃありゃしない。カッコつけて前に出て、肋骨にヒビって・・・。
"剣城っち、ごめん"
"いいよ。大丈夫大丈夫。このまま歩は進めるから頼むよ。後ろにミヤビちゃんって子も乗せてもいいか?"
"オッケー♪"
いや、本当にノアは悪いと思っているのか!?守るとか言ってたのに撃たれたんだぞ!?
それにしても農業神様から貰った、ベヒーモスーツとモルボルのフェイスマスクって、凄いな。獣臭いし状態異常になりそうだけど、本当に鉄砲の弾が貫通しないんだもんな。農業神様々だな。
~神界モニタールーム~
「おいを怒らせた事を後悔させないとなんだなぁ~。ホイホイホイノハッ!」
「の、農業神様!!!弄り過ぎです!ここは手を付けるべきではありません!!!」
「この人間の男の死は確定にさせるんだなぁ」
「だ、ダメです!そうやって何度も手を加えるとおかしくなります!農業神様が手を加えてるヒューマンは、無事だったのでしょう!?」
「ならば止めるんだなぁ~。けど、この男が魂の輪廻に来た時、次の生はミジンコにするんだなぁ~」
「み、ミジンコですか!?」
「ダメなのか?うん?」
「あ、いえ。それくらいならば良いかと・・・」
「それでよろしいんだなぁ~。我が兄弟が、ベヒーモスーツを気に入ってくれたんだなぁ~。獣臭さをどうにかして、我が兄弟の子飼いの者にも、買ってもらいたいんだなぁ~」
「はっ!技術開発班に早急にどうにかするように伝えます!!」
~剣城が撃たれた直後~
パンッ パンッ パンッ パンッ
「そこかッッ!!!!」
パンッ
「クッ・・・」
「撃ち返しを狙われたか。一旦、退こうか。源四郎君。退くよ・・・源四郎君!!!」
「孫一様。敵は着込みを着ているようで、効果は薄いように・・・え!?源四郎様!!!」
「騒ぐな!!完璧に場所を気取られてしまう!」
「いや、もう遅いようだねぇ~。下を見なさい。囲まれたよ」
「孫一様!すいません!俺を置いて逃げて下さい!」
「そんなカッコ悪い真似出来る訳ないじゃない~。鶴。キセルを。(プカー)」
「孫一様ッ!!!」
「煩いよ~。おーい。敵さん。俺達ぁ~降参するから撃たないでおくれ~」
「早く降りて来い」
「おぉ~怖い怖い。鶴。もし俺ぁ~が斬首になれば、次の雑賀孫一は君だよ」
「え!?そ、そんな事言われても困ります!!蛍の方が・・・」
「頭領の言う事が聞けないのかい?本当は、織田の殿様を狙ってみたかったんだけどねぇ~。この場に居ないようだしねぇ~」
「おい!何をくっちゃべっている!早く降りろ!」
「あぁ。少し待ちなって。こっちは臣(とも)が撃たれたのだ。治療してくれ。俺ぁ~どうなってもいい」
「孫一様!」
「源四郎君。俺ぁ~何回も言っているだろう?どんな事になろうと、生きていればどうにでもなる。源四郎君が鶴を導いてあげてくれ。間違いなく俺ぁ~斬首さ。(プカー)さぁ、降りよう。おーい。手を貸してくれ。この源四郎君を先に。おっと・・・」
ゴトン
「丸腰だよ~」
「隼人様。どうされますか?殺しますか?」
「敵ながら狙撃は見事な腕だ。この先、敵になるならば脅威となるが、剣城様は無益な殺生を好まない。一度、剣城様の元へ連れて行く。元太。お前があの源四郎という者を見張れ。本圀寺に鞠が居る。大津に退くより早い。それにわざわざ完璧に治す義理は無い」
「御意」
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特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
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鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
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この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
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