331 / 373
永禄の改革
剛力の武衛陣 魔改造計画
しおりを挟む
「そこに直れッ!!!可成ッ!!!お前が着いていて何故こうなる!!己等全員が食いやがったのか!?」
朝から信長さんは激怒している。
「義弘・・・お前も分かっているんだろうな?織田軍に混ざって、人様の飯を平らげるとは行儀がなっていないようだな?おいは常々言っていたよな?飯を人様から奪うなと」
義弘パパの貴久さんも何故か怒っている。いや、何故かといえば昨夜のバーベキューだ。
「ワシは何も味がせん薄い京料理で我慢していたものを己等だけあの美味いタレの飯を食いやがって!!」
昨日したバーベキューに信長さんを呼ばなかったからだ。高槻城の本丸から離れた二の丸でやっていたのだが、気付けば柴田さんや森さん、蜂屋さん、羽柴さん、丹羽さんとほぼ主要な織田軍の面々が食べに来たのだ。
その後は義弘さん達、薩摩の人が酒飲み大会のような事になり・・・今に至る。遠藤さんにも食べさせたのだが、どうやら遠藤さんからニンニク臭がしたみたいでそこから感付いたようだ。
「剣城ッ!!お前は何回言っても分からん奴だ!あれはカレーの時じゃ!あの時は・・・・・新作料理を作った時の・・・・あれは鍋の時だったな!?ん?あの時も・・・・ケーキを作った時も遠藤と食っておった・・・・チッ」
いつもの説教だ。こうなれば誰も何も言えない。ただただ俯いているしかできない。だが、オレはこんな時でも信長さんの扱いを分かっている。
「信長様!それと貴久様!義弘様達、薩摩の人はオレが誘いました!すいません!あと、よければこれを御賞味ください!新作の砂糖たっぷりの柔らかいクッキーでございます!」
「ワシがこんなものでーー美味いではないか!!ふん。今回はこれで勘弁してやろう。今一度言う。次は皆で食う時は必ずワシにも伝えろ。いいな?」
「南蛮菓子より甘くて美味い。剣城よ。我等、薩摩兵児は人様の飯を食らう事は良しとせぬ。此度は誘ってくれたみたいだが次があるなら書面で呼んでくれ」
いやいやどんな軍だよ!?島津家の人とは普通に飯も食えないのか!?
オレ達も含め、主要な者は清水寺に出向く。まず驚いたのは観音像だ。そして、清水の舞台から飛び降りるとはよく言ったものだ。現在の清水寺とは違い、そこそこの軍に攻められても守れるだろうと思うくらい要塞化してると思う。
住職の人に案内され、ここで森さんや蜂屋さん、柴田さん達とは別れる事となる。
「なんかすまんな。警備隊の任務、励めよ」
「いえいえ。森様や柴田様、蜂屋様の御活躍で大変助けられました」
そこから未だに謙遜ばかりする坂井さんを連れて、後は義弘さん及び配下の人50名程を選抜して元、尾張守護 斯波家の京都での邸宅の武衛陣を目指す。
「将軍が住む屋敷を建てる!場所は武衛陣を使え。早急に建築せよ!」
と、信長さんに言われた。
オレ達甲賀隊は武衛陣まで戻り、まずは、剛力君を使い大膳君が清洲の村より木材の輸送、国友さん配下の人を数名呼び寄せての簡易炉を作り、鉄門を製造と一気に動き出した。
間取りや外観なんかは剛力君任せだからこれまた難攻不落の邸宅になるだろう。
一方残りの人達は洛中での警備だ。
「本当に容赦しなくてもいいんだな?」
「えぇ。信長様にも言われましたので」
そう頼もしく言ってくるのは義弘さん達、薩摩の人だ。信長さんの名前とオレの名前を使い、各軍の将の人に今一度、乱取り、狼藉、盗み、女遊び禁止!と伝えたのに下っ端の人は言う事を聞かない。
小川さんも含め、日に20人程処罰されている。
「がははは!我が君!本日は5人程、成敗致しましたぞ!」
「いや、小川さん!?一応元は一緒に戦った人達だからね!?」
「そう言われましてもな・・・女が居ないのはちと寂しい気持ちは分からなくもないですが飯もあるというのに民相手に乱暴するのは宜しくないですからな!」
「剣城殿?」
「はいはい。坂井様?どうされました?」
「某が警備隊の頭というのは・・・」
「うん?そりゃ、当たり前でしょ!?数々の城を短期間であんなに落として、あの我(が)が強い美濃の人達を使いこなし、信長様からの覚えもいい坂井様を遊ばせるわけないでしょ?」
「あ、いや・・・そんな事は・・・某は梶川殿に・・・だから責任を取り更迭させた方が軍の規律にも良いかと・・・」
「あぁ~、その事ね。あれはオレのせいだから坂井様は気にしなくていいですよ。オレがちゃんと全体を見えていればあんな事起こらなかった訳だし。とにかく!坂井様は足軽を好きなように使い、なんならオレの甲賀隊も使っていいから徹底的に取り締まってください」
「はぁ~。分かりました」
何故だ・・・何故、『お前なんかもう要らん!後方に下がれ!』と言ってくれないんだ!!オレは美濃に帰りたいだけなのに・・・。俺がする事する事全て裏目に出ている・・・こうなりゃ、本当に何もせずに居てみようか。そうすれば『お前みたいな無能は使えん!帰れ!』と言っていただけるだろうか。
「剣城様!京人の家々は散々な状況です。ここは我等甲賀隊の腕の見せ所では?」
「うん?剛力君は家建てたいの?」
「はい。今までは長屋が当たり前でしたが、マンションのような住宅を建てると土地も余裕ができていいかと」
「いやそれはいいけどさ?武衛陣はどうするの?あそこもまだ何もできていないよ?」
「武衛陣に関しましては今日より手を付けます。予定では2日で強固な屋敷が出来上がるでしょう」
「2日!?2日でできるの!?さすが剛力君だ。まぁ、やりたいようにやりなよ」
「はっ!ありがたき幸せ!では・・・さっそく!御免!」
「我が君!本日も10人程、賊を退治しましたぞ!」
「はいはい!小川さんもお疲れさん!」
「小泉戻りました!今日は11人退治しました!」
「なっ・・・伝七郎!嘘を申すな!ワシより数が多い事なぞありえん!」
「ふん。俺はお前と違って裏道を見張っているからな!」
「クッ・・・」
「はいはい!いつもの張り合いはいいから!じゃあそろそろ食べ物の配給といこうか。大膳君!」
「はっ!荷車に米と漬け物、塩漬け肉、各種野菜類、魚の干物、酒や醤油も相当数運んできました!既に用意してあります!」
「さすが大膳君だ!岐阜の方はどんな感じ?」
「はっ!何も変わりなくです!ただ、甲賀の皆は剣城様が帰られるのを心待ちにしております!」
「へ!?何で!?」
「なんでも、新作料理のイチゴ肉飯や梨とキュウリの酢の物を御賞味していただきたいとか、俺の配下は新作の着物、ジャージ、ダウンジャケットなんかを試着していただきたいと。塩屋殿の方も上杉、武田だけではなく最近では津軽家、南部家、最上家にも出入りしているようで一度、売る物の精査をしていただきたいと」
いやいやイチゴ肉飯ってなんだよ!?聞いただけで吐き気を催しそうなんだが!?服はまだ分かる!塩屋さんは上杉にぼったくりなくらい利益出してるはずだろ!?それなのに更に販路を広げてどうするんだよ!?津軽家って青森だろ!?どうやって移動してんだよ!?
「そ、そうか。次に帰った時にでも食べたり試着してみるよ」
「はっ!皆に伝えておきます!」
「まっ、まぁ、とりあえず行こうか」
「さぁ!皆の衆!今の内だ!!剣城様が出られた今こそ好機!」
「よっしゃ!剛力殿!ここは京の剣城様の邸宅にもなるのですよね!?」と国友衆の1人。
「その通りだ!最初こそ将軍御所となるだろうが、将軍にはすぐに別の場所に御所を建てる手筈になっている!おい!そこの!早く目隠しをしろ!誰かに見られたらどうするのだ!次!外壁に隠し扉を計画書通りに作れ!そこには国友大筒砲を備え付けるのだぞ!」
「剛力・・・お前・・・」
「なんだ。金剛か。剣城様に着いて行かなくて良いのか?」
「小川の爺やが着いて居る。それに坂井様も慶次殿も一緒だ。ミヤビもどこか近くに居るから俺は構わない。それにしてもこんな事していいのか?」
「うん?良いも何もさっき『やりたいようにやりなよ』と言っていただいた。だからやっているまで。それに将軍の御所に最初はなるのだ。やり過ぎて損はないだろう?それに将軍に喜ばれると引いては剣城様まで褒められるのだ。手は抜けない」
「そうか・・・。ならいいが・・・」
「どうしたのだ?」
「いや、どうせやるなら・・・剣城様には完成してから見せた方が喜ばれるのではないのか?」
「だから今急いでいるのだ」
「分かった。なら今日はここに近寄らせないようにしよう」
「おっ!助かる!」
朝から信長さんは激怒している。
「義弘・・・お前も分かっているんだろうな?織田軍に混ざって、人様の飯を平らげるとは行儀がなっていないようだな?おいは常々言っていたよな?飯を人様から奪うなと」
義弘パパの貴久さんも何故か怒っている。いや、何故かといえば昨夜のバーベキューだ。
「ワシは何も味がせん薄い京料理で我慢していたものを己等だけあの美味いタレの飯を食いやがって!!」
昨日したバーベキューに信長さんを呼ばなかったからだ。高槻城の本丸から離れた二の丸でやっていたのだが、気付けば柴田さんや森さん、蜂屋さん、羽柴さん、丹羽さんとほぼ主要な織田軍の面々が食べに来たのだ。
その後は義弘さん達、薩摩の人が酒飲み大会のような事になり・・・今に至る。遠藤さんにも食べさせたのだが、どうやら遠藤さんからニンニク臭がしたみたいでそこから感付いたようだ。
「剣城ッ!!お前は何回言っても分からん奴だ!あれはカレーの時じゃ!あの時は・・・・・新作料理を作った時の・・・・あれは鍋の時だったな!?ん?あの時も・・・・ケーキを作った時も遠藤と食っておった・・・・チッ」
いつもの説教だ。こうなれば誰も何も言えない。ただただ俯いているしかできない。だが、オレはこんな時でも信長さんの扱いを分かっている。
「信長様!それと貴久様!義弘様達、薩摩の人はオレが誘いました!すいません!あと、よければこれを御賞味ください!新作の砂糖たっぷりの柔らかいクッキーでございます!」
「ワシがこんなものでーー美味いではないか!!ふん。今回はこれで勘弁してやろう。今一度言う。次は皆で食う時は必ずワシにも伝えろ。いいな?」
「南蛮菓子より甘くて美味い。剣城よ。我等、薩摩兵児は人様の飯を食らう事は良しとせぬ。此度は誘ってくれたみたいだが次があるなら書面で呼んでくれ」
いやいやどんな軍だよ!?島津家の人とは普通に飯も食えないのか!?
オレ達も含め、主要な者は清水寺に出向く。まず驚いたのは観音像だ。そして、清水の舞台から飛び降りるとはよく言ったものだ。現在の清水寺とは違い、そこそこの軍に攻められても守れるだろうと思うくらい要塞化してると思う。
住職の人に案内され、ここで森さんや蜂屋さん、柴田さん達とは別れる事となる。
「なんかすまんな。警備隊の任務、励めよ」
「いえいえ。森様や柴田様、蜂屋様の御活躍で大変助けられました」
そこから未だに謙遜ばかりする坂井さんを連れて、後は義弘さん及び配下の人50名程を選抜して元、尾張守護 斯波家の京都での邸宅の武衛陣を目指す。
「将軍が住む屋敷を建てる!場所は武衛陣を使え。早急に建築せよ!」
と、信長さんに言われた。
オレ達甲賀隊は武衛陣まで戻り、まずは、剛力君を使い大膳君が清洲の村より木材の輸送、国友さん配下の人を数名呼び寄せての簡易炉を作り、鉄門を製造と一気に動き出した。
間取りや外観なんかは剛力君任せだからこれまた難攻不落の邸宅になるだろう。
一方残りの人達は洛中での警備だ。
「本当に容赦しなくてもいいんだな?」
「えぇ。信長様にも言われましたので」
そう頼もしく言ってくるのは義弘さん達、薩摩の人だ。信長さんの名前とオレの名前を使い、各軍の将の人に今一度、乱取り、狼藉、盗み、女遊び禁止!と伝えたのに下っ端の人は言う事を聞かない。
小川さんも含め、日に20人程処罰されている。
「がははは!我が君!本日は5人程、成敗致しましたぞ!」
「いや、小川さん!?一応元は一緒に戦った人達だからね!?」
「そう言われましてもな・・・女が居ないのはちと寂しい気持ちは分からなくもないですが飯もあるというのに民相手に乱暴するのは宜しくないですからな!」
「剣城殿?」
「はいはい。坂井様?どうされました?」
「某が警備隊の頭というのは・・・」
「うん?そりゃ、当たり前でしょ!?数々の城を短期間であんなに落として、あの我(が)が強い美濃の人達を使いこなし、信長様からの覚えもいい坂井様を遊ばせるわけないでしょ?」
「あ、いや・・・そんな事は・・・某は梶川殿に・・・だから責任を取り更迭させた方が軍の規律にも良いかと・・・」
「あぁ~、その事ね。あれはオレのせいだから坂井様は気にしなくていいですよ。オレがちゃんと全体を見えていればあんな事起こらなかった訳だし。とにかく!坂井様は足軽を好きなように使い、なんならオレの甲賀隊も使っていいから徹底的に取り締まってください」
「はぁ~。分かりました」
何故だ・・・何故、『お前なんかもう要らん!後方に下がれ!』と言ってくれないんだ!!オレは美濃に帰りたいだけなのに・・・。俺がする事する事全て裏目に出ている・・・こうなりゃ、本当に何もせずに居てみようか。そうすれば『お前みたいな無能は使えん!帰れ!』と言っていただけるだろうか。
「剣城様!京人の家々は散々な状況です。ここは我等甲賀隊の腕の見せ所では?」
「うん?剛力君は家建てたいの?」
「はい。今までは長屋が当たり前でしたが、マンションのような住宅を建てると土地も余裕ができていいかと」
「いやそれはいいけどさ?武衛陣はどうするの?あそこもまだ何もできていないよ?」
「武衛陣に関しましては今日より手を付けます。予定では2日で強固な屋敷が出来上がるでしょう」
「2日!?2日でできるの!?さすが剛力君だ。まぁ、やりたいようにやりなよ」
「はっ!ありがたき幸せ!では・・・さっそく!御免!」
「我が君!本日も10人程、賊を退治しましたぞ!」
「はいはい!小川さんもお疲れさん!」
「小泉戻りました!今日は11人退治しました!」
「なっ・・・伝七郎!嘘を申すな!ワシより数が多い事なぞありえん!」
「ふん。俺はお前と違って裏道を見張っているからな!」
「クッ・・・」
「はいはい!いつもの張り合いはいいから!じゃあそろそろ食べ物の配給といこうか。大膳君!」
「はっ!荷車に米と漬け物、塩漬け肉、各種野菜類、魚の干物、酒や醤油も相当数運んできました!既に用意してあります!」
「さすが大膳君だ!岐阜の方はどんな感じ?」
「はっ!何も変わりなくです!ただ、甲賀の皆は剣城様が帰られるのを心待ちにしております!」
「へ!?何で!?」
「なんでも、新作料理のイチゴ肉飯や梨とキュウリの酢の物を御賞味していただきたいとか、俺の配下は新作の着物、ジャージ、ダウンジャケットなんかを試着していただきたいと。塩屋殿の方も上杉、武田だけではなく最近では津軽家、南部家、最上家にも出入りしているようで一度、売る物の精査をしていただきたいと」
いやいやイチゴ肉飯ってなんだよ!?聞いただけで吐き気を催しそうなんだが!?服はまだ分かる!塩屋さんは上杉にぼったくりなくらい利益出してるはずだろ!?それなのに更に販路を広げてどうするんだよ!?津軽家って青森だろ!?どうやって移動してんだよ!?
「そ、そうか。次に帰った時にでも食べたり試着してみるよ」
「はっ!皆に伝えておきます!」
「まっ、まぁ、とりあえず行こうか」
「さぁ!皆の衆!今の内だ!!剣城様が出られた今こそ好機!」
「よっしゃ!剛力殿!ここは京の剣城様の邸宅にもなるのですよね!?」と国友衆の1人。
「その通りだ!最初こそ将軍御所となるだろうが、将軍にはすぐに別の場所に御所を建てる手筈になっている!おい!そこの!早く目隠しをしろ!誰かに見られたらどうするのだ!次!外壁に隠し扉を計画書通りに作れ!そこには国友大筒砲を備え付けるのだぞ!」
「剛力・・・お前・・・」
「なんだ。金剛か。剣城様に着いて行かなくて良いのか?」
「小川の爺やが着いて居る。それに坂井様も慶次殿も一緒だ。ミヤビもどこか近くに居るから俺は構わない。それにしてもこんな事していいのか?」
「うん?良いも何もさっき『やりたいようにやりなよ』と言っていただいた。だからやっているまで。それに将軍の御所に最初はなるのだ。やり過ぎて損はないだろう?それに将軍に喜ばれると引いては剣城様まで褒められるのだ。手は抜けない」
「そうか・・・。ならいいが・・・」
「どうしたのだ?」
「いや、どうせやるなら・・・剣城様には完成してから見せた方が喜ばれるのではないのか?」
「だから今急いでいるのだ」
「分かった。なら今日はここに近寄らせないようにしよう」
「おっ!助かる!」
10
お気に入りに追加
600
あなたにおすすめの小説
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した
若き日の滝川一益と滝川義太夫、
尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として
天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が
からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。
16世紀のオデュッセイア
尾方佐羽
歴史・時代
【第13章を夏ごろからスタート予定です】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。
12章は16世紀後半のフランスが舞台になっています。
※このお話は史実を参考にしたフィクションです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/history.png?id=c54a38c2a36c3510c993)
戦国を駆ける軍師・雪之丞見参!
沙羅双樹
歴史・時代
川中島の合戦で亡くなった軍師、山本勘助に嫡男がいた。その男は、山本雪之丞と言い、頭が良く、姿かたちも美しい若者であった。その日、信玄の館を訪れた雪之丞は、上洛の手段を考えている信玄に、「第二啄木鳥の戦法」を提案したのだった……。
この小説はカクヨムに連載中の「武田信玄上洛記」を大幅に加筆訂正したものです。より読みやすく面白く書き直しました。「武田信玄上洛の巻」の後は、「明智光秀の本能寺の変の巻」、さらにそのあとは鎌倉の商人、紅屋庄右衛門が登場する「商売人、紅屋庄右衛門の巻」、そして下野の国宇都宮で摩耶姫に会う「妖美なる姫君、摩耶姫の巻」へと展開していきます。
獅子の末裔
卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。
和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。
前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/history.png?id=c54a38c2a36c3510c993)
本能のままに
揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった
もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください!
※更新は不定期になると思います。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる