上 下
312 / 373
永禄の改革

戦神様のサブスクリプション

しおりを挟む
 岐阜城に繋がる一本のアスファルトの道。そこを行くのは島津貴久一行だ。

 先頭はオレの大黒剣。その後ろに義弘さん達、薩摩衆だ。

 そのアスファルトが敷かれた道に貴久さんが感動している中、両端にはオレの配下を配置してある。

 見様見真似で思いついた事だ。装備を統一させ、火縄銃に剣を装備させ銃剣にさせている。それを指揮するのが慶次さんだ。

 「うむ。これは壮観だ!」

 「はい。諸外国のように戦に出た兵士が凱旋するかのように考えております」

 なんとなくゲームにありそうな事をやっているのだ。正直、将軍を出迎えする時より派手だと思う。

 「捧げ銃ッッ!!!!」

 慶次さんの一声にてみんなが同じ動きをする。

 カチャカチャカチャカチャカチャカチャ

 「うむ!尾張の者!おいなんかのために御苦労ッ!!」

 本当は空に向かって撃つ演出も考えてはいたが落ちてくる弾が誰かに当たったら怪我じゃすまなくなるからやめたのだ。

 ちなみに、やめた方が良いと教えてくれたのは農業神様だ。

 この装備を一新するにあたり、芸術神様にお願いしたとこら・・・

 「あら?仕立てるのは別にいいわよ?どうせなら黄金に輝く装備で統一すればいいのじゃないかしら?」

 「芸術神様!さすがにそれはやりすぎだと思うのでそこそこで大丈夫です!」

 「あら?面白くないわね?」

 スチャ

 この時、芸術神様が脚を組み変えスリッドの入ったスカートのような履き物から太ももが露わになる。

 「後光フラッシュ!!!」

 「うわぁぁぁぁ!!!!」

 「ふふふ。私は相手の事が分かるのよ?今、邪な想像したわね?」

 「す、すいませんでした!」

 一瞬だが、この時芸術神様のことを想像してしまい、久しぶりに後光フラッシュを受けた。

 まぁそんなこんなな事があり、一着5千円で背中に織田木瓜紋入り、材質はファフニールという芸術神様のペットのドラゴンの鱗を使った紫色とも見えるし黒色とも見える、色合いは暗いが見れば分かる威圧感のある仕上がりの甲冑を作ってくれたのだ。

 また伝説上の生き物が出てきたわけだがその生き物がまさかのペットだという事も驚きだ。

 「ありがとうございます!それでこれを着て、銃剣装備させて空に向かい1発撃って出迎えしようかと思っております!」

 「それはやめておいた方がいいんだなぁ。7.62×39㎜の弾ならベースは81メートル/秒なんだなぁ。タンブリングは48メートル/秒なんだなぁ」

 うん。とりあえずタンブリングやらベースやらは分からないけど辞めた方がいいという事なんだな。祝砲は辞めだ。

 後、この会議?をしている間にもう少し後にはなるだろうが帝の正親町天皇と謁見する時の贈り物もお願いする事にした。

 すると凄く日本史に重要な事も教えてくれた。

 「あぁ~。あの彦火火出見の子孫の事なんだなぁ」

 「は?え?ひこほほでみ!?」

 「我が兄弟の世界線では神武天皇と呼ばれているんだなぁ」

 「嘘!?なら本当に神武天皇様って居るんですか!?」

 「居るんだなぁ。神格はおいより少し下だが高天原に居るんだなぁ」

 さらりと凄い事教えてくれたぞ!?やっぱ天皇は凄い人なんだ!!

 「彦火火出見には昔世話になったんだなぁ。だから奮発するんだなぁ」

 「あ、まだ希望は言ってませんが・・・」

 「いいんだなぁ。御物として刀を渡すといいんだなぁ」

 ポワン

 「こ、この日本刀は!?」

 「アースガルドに伝わる刀なんだなぁ。十束剣なんだなぁ」

 「カッコイイ・・・・」

 「これを渡すと良いんだなぁ」

 「ありがとうございます!」

 「がははは!農業神!ここに居たか!うん?おぅ!おぅ!いつかの人間ではないか!何をしているのだ?」

 「せ、戦神様!?」

 「今日も甘味を持って来ているのか?うん?」

 いやいや、なんでこんな威圧的なんだよ!?

 「ボックスに生チョコがあります。ど、どうぞ」

 「うを!?これじゃ!これじゃ!さすが農業神を祀るだけある!食い物が美味い!おい!人間よ!ワシも最近は銭稼ぎに興味がある!なんでもサブスクリプションというのが流行っておるそうじゃな?うん?なんじゃ芸術神?」

 「チッ。寄らないで!汗臭い!」

 「な!?おまっ!これは漢の臭いだ!その言い方はさすがにキツいぞ!?」

 「勝手に現れて供物を強請るなんて最低ね。反吐が出る」

 いやキツい。ドSな発言だ。

 「ここに居ればイライラする。おい!人間!1ヶ月に1回武器を配達してやる!そこらへんの鈍(なまくら)ではなく本物の武器だ!契約しろ!1ヶ月3000円にしておいてやる!」

 「やっす!3000円で武器貰えるなら契約します!」

 とまぁ、こんな関係ない事も起こりながら貴久さんの出迎えとなった今・・・。

 城の1番外側の鉄製の防御扉があるところに・・・

 「貴久殿!よう参った!」

 「うむ!人の多さ、民の顔の違いに驚いている!こんな出迎えをされたのは初めてで気分が良い!おい!お前!早く例の物を渡せ!」

 「はっ!」

 確かに後ろの人が大きな木箱を大事そうに抱えていた。中身は確認しなかったが、その中身は驚愕だ。

 「ふむ。これはなんだ?」

 「シルバーですか?」

 「剣城君がそれを間違えるのは良くない!それは南蛮の者は偽物と言い捨てるそうだ。だが、おいは野田に聞き、織田殿は大変に喜ばれるだろうと言い買い漁ってきたのだ!」

 「偽物・・・捨てる・・・まさか!?プラチナですか!?」

 「うむ。剣城君はそうやって言うのか?おいが聞いたのはプラタと聞いたのだが」

 いや、多分南蛮と言ってもイスパニア・・・現在のスペインの船だろう。確かにプラチナは融点が高く加工できないからとシルバーの偽物と言われよく捨てられていたと聞いた事がある。まさかこれがプラチナなのか!?

 たしか昔、野田さん達と話した事があった。

 「古今東西今も昔も未来も金、銀、プラチナの値段は変わらないもんですよ」

 って。それを覚えてたのか!?

 「ほう?剣城がそう言うのならば間違いないのだろう。おい!剣城!これがどのくらい凄いのか簡潔に分かりやすくワシに分かるように答えよ!」

 クッソ!また無茶振りか!?分かりやすく・・・分かりやすく・・・見た感じ30キロくらいの大きさの物が4箱・・・

 「はい!恐らく城が3~5程は建てられるかと思います」

 オレがそう言うと持ってきた貴久さんも信長さんもみんなが目を見開き驚いていた。

 「何故じゃ!?何故そんなにこれが高価なのか!?」

 「詳しくは・・・ただ、大量の鉱石に対して、金や銀より圧倒的に産出が少ないのがこのプラチナです!金の融点は約1000度に対し、このプラチナの融点は1700度と非常に高温です。南蛮の人達はその術を持っていない。だから捨てられるのだったかと・・・」

 「うむ!よう言った!まぁここではなんだ!貴久殿!とにかくよくぞ参った!このぷらちななる物はありがたく頂戴致す!」

 「うむ。喜んで貰えてなによりだ!よろしく頼む」

 こうして貴久さんが城に到着した。ここからの動きは早くなるぞ。来週には恐らく出発するはずだ。

 とにかく・・・あのプラチナ羨ましいぞ!一欠片くらいオレも欲しいんだけど!ゆきさんに指輪作ってあげたいんだけど!
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

16世紀のオデュッセイア

尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。 12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。 ※このお話は史実を参考にしたフィクションです。

剣客逓信 ―明治剣戟郵便録―

三條すずしろ
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞:痛快! エンタメ剣客賞受賞】 明治6年、警察より早くピストルを装備したのは郵便配達員だった――。 維新の動乱で届くことのなかった手紙や小包。そんな残された思いを配達する「御留郵便御用」の若者と老剣士が、時に不穏な明治の初めをひた走る。 密書や金品を狙う賊を退け大切なものを届ける特命郵便配達人、通称「剣客逓信(けんかくていしん)」。 武装する必要があるほど危険にさらされた初期の郵便時代、二人はやがてさらに大きな動乱に巻き込まれ――。 ※エブリスタでも連載中

異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~

ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。 対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。 これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。 防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。 損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。 派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。 其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。 海上自衛隊版、出しました →https://ncode.syosetu.com/n3744fn/ ※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。 「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。 →https://ncode.syosetu.com/n3570fj/ 「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。 →https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369

D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが

米俵猫太朗
ファンタジー
ただのサッカーマニアである青年ショーキチはひょんな事から異世界へ転移してしまう。 その世界では女性だけが行うサッカーに似た球技「サッカードウ」が普及しており、折りしもエルフ女子がミノタウロス女子に蹂躙されようとしているところであった。 更衣室に乱入してしまった縁からエルフ女子代表を率いる事になった青年は、秘策「Tバック」と「トップレス」戦術を授け戦いに挑む。 果たしてエルフチームはミノタウロスチームに打ち勝ち、敗者に課される謎の儀式「センシャ」を回避できるのか!? この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...