上 下
232 / 373
永禄の改革

久しぶりの清洲の村

しおりを挟む
 大変だった。信長さんは湯船の素晴らしさを分かったようで城にもこれを作れと言われた。が、温泉なんか作れるわけないだろ!?あれは農業神様がくれたものだから作れただけだ!!

 「いやあれはたまたまできたものなので作れと言われましても・・・」

 「なら良い!貴様の家の隣にワシ専用の湯屋を作る!誰ぞある!岡部を呼べ!早急に此奴の家の隣にワシ専用の湯屋を作るように言え!」

 「湯屋ですか!?大きさはどのくらいをご希望で!?」

 「遠藤?全てを言わぬと分からぬか?早急に作れと言え!」

 「はっ、はい!」

 いやいや、大きさ聞いてきただけだろ!?俺でも分からねーよ!?遠藤さん・・・頑張れ!!

 その後一度清洲の村に戻ると信長さんに言い退出した。あの村の人達の本格的な引っ越しのためだ。布団や服の進捗も見ないと行けないしやる事がいっぱいだ!沢彦さんの村人達の教育のお礼も言わないといけないしな。

 ノア嬢に乗り村に着くとちょうど慶次さん、伝七郎さん達が歩いていた。

 「おう!剣城!」

 「こんにちわ!何してたんですか?」

 「うん?見回りだよ!」

 うん。嘘だな。ほんのり顔が赤く少し酒臭いし目を合わせようともしないな。

 「へぇー。見回りね?ふ~ん?酒の匂いがするのに見回りね~」

 「な、なんだよ!?昼間っから飲んでもいいじゃないか!」

 開き直りやがったな!?

 「そう。慶次さんがそういうなら俺にも考えがあるから。岐阜に今家を作ってんの。みんなの家ね。慶次さんの家は信長さんの城下の家の近くにしようかなと思う」

 「い、いや俺が悪かった。それだけは勘弁してくれ」

 ふん。勝ったな。

 「冗談はさておき、そろそろ引っ越し開始したいんだよ。みんなに伝えてくれます?俺は今一度那古屋に行き塩の確保しないといけないから」

 「分かった。伝えておこう。家の割り振りはどうなっている?」

 「向こうで剛力君達が居るから聞いてほしい」

 そう言い別れた。俺はその後、大野さんの所に行き大野さんが岐阜に来てほしいと伝えた。

 「俺は大野さんの飯が食いたいのですよ!お願いできますか?」

 「そこまで言ってくれますか!?喜んでお供致しましょう。岩室!お前は胡椒の管理、剣城様の家の護衛を任せる!誰も居ないからとサボるなよ!たまに確認しに来るからな?」

 「ふん!言われるまでもない!剣城様?ご安心ください!俺も大野みたいに、『岩室の飯が食いたい』と言われるで精進致しますので」

 「ははは!楽しみにしておきますよ!」

 そのまままた岐阜に戻る。近いとはいえ行ったり来たり大変だ。

 「ここが飯屋です。大野さんの家?ではないけど好きな様にお願いします」

 「はっ。食材なんかの倉庫なんかはどうしましょう?」

 「そこは剛力君に言って使いやすいように作ってください!足が早い食材は手間だけど清洲の村の倉庫に保存するしかないからそれでお願いします」

 「畏まりました。おや?あれは・・・」

 「剣城様ッッッ!!!!こちらに居られましたかぁぁぁぁぁ!!!!!」

 泥まみれで俺の名前を叫びながら2人の男が駆け寄って来た。

 いやいや俺男に追い掛けられる趣味はないんだけど!?

 「望月さん!!やっと帰ってきましたか!!」

 「はい!お待たせして申し訳ない!能登の方から奥羽まで探しに探して参りました!」

 いやいやどこまで行ってんの!?そのデカい布袋なによ!?

 「なんか申し訳ない・・・それにタイミングが良い事で。温泉に入ってください!臭いますよ?大河原さん・・・・」

 「こんな物で罪が消えるとは思うておりませぬがどうかこれを・・・・」

 「うん?これは何の草ですか?それにこの禍々しい色の石は・・・まあとにかく!風呂に入りましょう!こっちです!」

 俺は持ってきてくれた物を早く鑑定したいが我慢して2人を温泉に連れて行く。

 「剣城様!!!!」

 「おっ!?金剛君も帰って来たか!!ナイスタイミング!浅井さんの話は後で聞くから大人の服2着持ってきてくれる!?帰ってパシリさせて悪いけど」

 「畏まりました」

 みんな帰ってきたのは一緒だったな。凄いタイミングだ。さぁこの2人は温泉を見てどう驚くだろうな?


 「剣城様!!!この湯はまさか温泉では?」

 「ははは!奥羽の山中にもありましたぞ!」

 いや何で驚いてくれないの!?俺はかなり嬉しかったし驚いたんだけど!?

 「驚いてくれるかと思ったけどそうでもないみたいすね。そこにシャンプー、石鹸あるから適当に洗ってください」

 「・・・・・・。いやぁ~!実は温泉と言っても奥羽の温泉は入れたもんじゃなかったのですよ!なぁ?鉄斎?」

 「えぇ?あぁ、そうです!あの温泉は緩くて湯が臭くて・・・ですがこの温泉はサラサラした湯で早く入りたいですぞ!」

 気を使って言ってくれているのバレバレだがら。

 「まあゆっくり疲れを癒してください!外で待ってます。2人が居ない間に色々決まり事が増えたので」

 「分かりました!では入らせてもらいます」

 さぁオレは2人が持って帰って来てくれた物でも鑑定しようかな!

 《瑪瑙の原石》鑑定金額\200000

 縞状の玉髄の一種で、オパール(蛋白石)、石英、玉髄が火成岩あるいは堆積岩の空洞中に層状に沈殿してできた鉱物の変種である。仏教の『無量寿経』では、七宝の一つとされる。


 《鉄色箭10株》売却不可

 ヒガンバナ科の多年生草本球根植物である。
 毒成分はリコリン。服飾の染色の原料にもなる。


 《血赤珊瑚》鑑定金額\1500000

 鮮やかな輝きと情熱溢れる濃い色彩で、究極のカラーと言われる血赤珊瑚。女性への贈り物など特に喜ばれる。


 《天然水晶 大》鑑定金額\5000000

 石英が六角柱状に結晶したもの。普通は無色透明。不純物が混じると、紫・黒・あわ入りなどになる。印材・光学器械などに使う。


 《赤碧玉 大》鑑定金額\3000000

 かんざしや根付、帯飾りなどの装飾品に使われる最高級品。


 《孔雀石 大》鑑定金額\4800000

 石言葉は危険な愛情。


 いやいやいやどれもこれも凄い物ばかりじゃないか!?値段が半端ないのだが!?最後の孔雀石とはなんぞ!?説明も危険な愛情だけとはなんだよ!?よくこんなに集めてくれたな!?

 こんな価値の高い物貰って大丈夫なのか!?

 「剣城様?大変気持ちようございました!!!」

 「それはよかったです!それより望月さん!?今持ってきてくれた物の価値を見ましたがどれもこれも凄いのですが!?」

 「ははは!苦労した甲斐がありましたな。能登では畠山や上杉と・・・奥羽は虫と猪と熊なんかと・・・」

 いやいやどんな魔境を散策してきたんだよ!?

 「本当にいいのですね!?」

 「えぇ。全て剣城様に」

 「分かりました!ありがとうございます。これは頂戴し、役立てさせてもらいます。大河原さん?望月さん?例の件はこれにて終わりにします。2人とも今後もよろしくお願い致します」

 「「はっ」」

 オレは2人から貰った石を全て売却した。これでしばらくはお金に困らないから助かった。ただ、残ったあの染色の花だけどどうしようかな・・・。
 
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

獅子の末裔

卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。 和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。 前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

剣客逓信 ―明治剣戟郵便録―

三條すずしろ
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞:痛快! エンタメ剣客賞受賞】 明治6年、警察より早くピストルを装備したのは郵便配達員だった――。 維新の動乱で届くことのなかった手紙や小包。そんな残された思いを配達する「御留郵便御用」の若者と老剣士が、時に不穏な明治の初めをひた走る。 密書や金品を狙う賊を退け大切なものを届ける特命郵便配達人、通称「剣客逓信(けんかくていしん)」。 武装する必要があるほど危険にさらされた初期の郵便時代、二人はやがてさらに大きな動乱に巻き込まれ――。 ※エブリスタでも連載中

16世紀のオデュッセイア

尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。 12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。 ※このお話は史実を参考にしたフィクションです。

処理中です...