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三田村の好み
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「お待たせ致しました」
「そ、そのような物にこの金色の酒は入っているのだな!?いやはや某は見た事ない入れ物と箱でございますな!?」
「こっちはダンボールと言いまして少し濡れる程度では崩れません。そしてこちらがアルミ缶という入れ物です」
「では、これは某が必ず新九郎様にお渡し致す」
「三田村殿もこのビールの虜になったようじゃな。剣城!三田村殿にもお渡ししろ!」
「はっ」
いつになく、この浅井の人達をヨイショヨイショするんだな。昼飯はウナギだったんだな。
そして、夜に婚礼の品を渡すため座敷に呼ばれる。この時呼ばれたのは、オレ、森さん二人だ。
「此度の祝言の品目を言おう。遠藤!!!いや、やはりよい。ワシが言おう。醤油10ℓ!澄み酒100合!布団寝具一式3セットーー」
「す、少しお待ちください!この三田村、織田様程ではございませぬが勉学にも精通しておると自負しておりまするが、りっとるやらせっととはどのうような物でございましょうか!?」
「剣城!教えてさしあげろ!」
いやいやいや、教えてさしあげろ!って・・・なんて言えばいいんだよ!?
「えっとですね・・・このℓはこちらのペットボトル容器のmlを大きくした物の単位で・・・」
自分でも分かる。既に崩壊している。
「信長様?算数の書をお渡ししても?」
「小学生までのやつなら構わん!高校生はダメだ!この場限りにのみ許す!」
「はっ。三田村様こちらをお読み下さい。織田家が定めた単位を記しております。一晩では読みきれないと思いますがご容赦ください。分からない文字は私の配下に。金剛!三田村様に」
「畏まりました」
「三田村殿?書物を読まれるのは暫し待たられよ。品目を続けよう」
オレは、婚礼の品は森さんが作った酒、醤油、布団はオレが出したやつだが後は食材くらいかな?と思っていたが隣の部屋にも色々あった。
刀や国友さんが開発した凹凸のある見た目は変な甲冑、旧式の火縄銃、少量の火薬だ。甲冑に関しては見た目は変だが槍で突かれても凹凸のおかげで穂先を逸らす効果があるそうだ。
一応オレの甲冑も最近出来上がって用意はしてあるが以前の三河には間に合わなかったため試してはいないが。
「これで全部じゃ。納めていただきたい」
「このような至れり尽くせり数々の婚礼品、我ら浅井家、織田家が窮地な時は必ずどんな場所でも馳せ参じまする」
「時に・・・朝倉・・・とも古き同盟をしておるようじゃな?」
「それは祖父の時代からーー」
「朝倉殿の元にいる覚慶殿に渡りを付けてはもらえぬか?」
足利義昭か。色々事象は違うけど結局は史実みたいになるのか・・・修正力というやつだろうか。
「な、なぜその事を!?」
「浅井方はワシが今川を討った同年に野良田で六角から独立しただろう?16歳くらいだったろう?中々できる事ではない」
「あの時は我らは必死で・・・」
「謙遜しなくていい。ワシは素直に新九郎殿を褒めてやりたい。そして、剣豪将軍が暗殺された今、ワシと浅井殿との同盟の意味よ。分かるか?」
確かに上洛する道で言えば重要だったけど・・・いや待てよ?史実で言えば義昭を擁して上洛するからその事を既に考えているのか!?
「いえ、凡将な某では・・・」
「今は分からなくとも良い。新九郎殿ならワシの考えを分かってくれるはずだ。それと三田村殿が気に入ってくれた我が領で作った醤油・・・小谷の者も好きになる奴が居よう。ワシの右腕、この森可成が開発した。聞くが良い」
なんか、変な空気になったけどとりあえずは今日の役目は終わったな。醤油の作り方は教えるんだな。麹菌とかどうするのだろうか。
その後暫く本を読み、三田村さんは唸りながらも流石にすぐには覚えれてなかったけど分かりやすいと絶賛していた。
オレは下がってよい。と言われたので退席したけど、うん?なんか見た事ない女の人達と男が居るぞ?
「お?其方はもしかすれば芝田殿ではないか?」
スッゲー筋肉モリモリの男に声掛けられたんだが!?オレはあんたの事初めて見たよ!?何故にオレの事知ってるの!?
「はい。私が芝田剣城です」
「滝川殿に聞いておったが今か今かと待っていたが、ちっとも来ないじゃないか!おっと・・・いけねぇ!俺は九鬼嘉隆だ!」
あっ、この人が九鬼さんか。確かに行く行くって全然行ける暇がなかったんだよな。
「その件はすいません。この祝言が終わればと思っておりまして・・・。こんな所でどうしたのですか?」
「いや、此度は妹君(いもうとぎみ)の祝言だろう?その相手方の使者殿の好みが潮風に当たった女子(おなご)が好みと聞いてな?志摩の女を見繕えと言われてだな。いやぁ~俺にこのような大任を任せてくれる織田殿は素晴らしい!がははは!」
「兄者!」
「おっといけねぇ~!今、俺は滝川様の与力だ。志摩は北畠の隣でな?俺は北畠は好かんからな。落ち着けば一度来い!芝田殿が作る船とやらを俺が操船してやる!伊勢の海で織田の名を共に轟かせようぞ!ははは」
「兄者ッ!!!!」
ゴンッ!!
「いってぇ~な!?分かってると言っておろうが!」
「じゃあまたな!俺は使者殿にどの女がいいか紹介する任務なんだ!!」
「分かりました。ではまた近々。失礼します」
なんとまぁ豪快な人だな。それに弟だと思う人はお菊さんにそっくりだ。
それにしても三田村ぁぁぁぁぁぁ!!!!今から女を抱くのか!?えぇ!?抱くのか!?オレも混ぜてくれよ!?
「つるぎさま?」
「お、お菊さん・・・どこに居た・・の・・?」
「私は常に護衛です。いつも近くにおりますよ」
ビンタはされなかったけど、あのドスの効いた声・・・怖ぇ~!!!!声だけに怖ぇ~・・・
"デュフ・・・デュフフフフフ・・・"
"あれ!?児玉六八兵衛義時直隆さんどうしたの?一人で笑って?"
"いや、なんとなく面白く感じただけでござる!"
"へ~んなの!あーし、明日から留守にするけどちゃんと人間の言う事聞くんだよ?"
"分かっているのでござる!"
"剣城っち♪に言って時間作ってもらってお友達いっぱい連れてくるからね♪一昨日行った山に人間の手垢が付いてない馬がいっぱい居たんだよ♪全部眷族にしてくるからね♪児玉六八兵衛義時直隆さんが隊長だからね♪"
"分かり申した。牛だけにモーした!デュフフフフフ"
"キャハッ♪それ何回聞いても面白いね♪"
「そ、そのような物にこの金色の酒は入っているのだな!?いやはや某は見た事ない入れ物と箱でございますな!?」
「こっちはダンボールと言いまして少し濡れる程度では崩れません。そしてこちらがアルミ缶という入れ物です」
「では、これは某が必ず新九郎様にお渡し致す」
「三田村殿もこのビールの虜になったようじゃな。剣城!三田村殿にもお渡ししろ!」
「はっ」
いつになく、この浅井の人達をヨイショヨイショするんだな。昼飯はウナギだったんだな。
そして、夜に婚礼の品を渡すため座敷に呼ばれる。この時呼ばれたのは、オレ、森さん二人だ。
「此度の祝言の品目を言おう。遠藤!!!いや、やはりよい。ワシが言おう。醤油10ℓ!澄み酒100合!布団寝具一式3セットーー」
「す、少しお待ちください!この三田村、織田様程ではございませぬが勉学にも精通しておると自負しておりまするが、りっとるやらせっととはどのうような物でございましょうか!?」
「剣城!教えてさしあげろ!」
いやいやいや、教えてさしあげろ!って・・・なんて言えばいいんだよ!?
「えっとですね・・・このℓはこちらのペットボトル容器のmlを大きくした物の単位で・・・」
自分でも分かる。既に崩壊している。
「信長様?算数の書をお渡ししても?」
「小学生までのやつなら構わん!高校生はダメだ!この場限りにのみ許す!」
「はっ。三田村様こちらをお読み下さい。織田家が定めた単位を記しております。一晩では読みきれないと思いますがご容赦ください。分からない文字は私の配下に。金剛!三田村様に」
「畏まりました」
「三田村殿?書物を読まれるのは暫し待たられよ。品目を続けよう」
オレは、婚礼の品は森さんが作った酒、醤油、布団はオレが出したやつだが後は食材くらいかな?と思っていたが隣の部屋にも色々あった。
刀や国友さんが開発した凹凸のある見た目は変な甲冑、旧式の火縄銃、少量の火薬だ。甲冑に関しては見た目は変だが槍で突かれても凹凸のおかげで穂先を逸らす効果があるそうだ。
一応オレの甲冑も最近出来上がって用意はしてあるが以前の三河には間に合わなかったため試してはいないが。
「これで全部じゃ。納めていただきたい」
「このような至れり尽くせり数々の婚礼品、我ら浅井家、織田家が窮地な時は必ずどんな場所でも馳せ参じまする」
「時に・・・朝倉・・・とも古き同盟をしておるようじゃな?」
「それは祖父の時代からーー」
「朝倉殿の元にいる覚慶殿に渡りを付けてはもらえぬか?」
足利義昭か。色々事象は違うけど結局は史実みたいになるのか・・・修正力というやつだろうか。
「な、なぜその事を!?」
「浅井方はワシが今川を討った同年に野良田で六角から独立しただろう?16歳くらいだったろう?中々できる事ではない」
「あの時は我らは必死で・・・」
「謙遜しなくていい。ワシは素直に新九郎殿を褒めてやりたい。そして、剣豪将軍が暗殺された今、ワシと浅井殿との同盟の意味よ。分かるか?」
確かに上洛する道で言えば重要だったけど・・・いや待てよ?史実で言えば義昭を擁して上洛するからその事を既に考えているのか!?
「いえ、凡将な某では・・・」
「今は分からなくとも良い。新九郎殿ならワシの考えを分かってくれるはずだ。それと三田村殿が気に入ってくれた我が領で作った醤油・・・小谷の者も好きになる奴が居よう。ワシの右腕、この森可成が開発した。聞くが良い」
なんか、変な空気になったけどとりあえずは今日の役目は終わったな。醤油の作り方は教えるんだな。麹菌とかどうするのだろうか。
その後暫く本を読み、三田村さんは唸りながらも流石にすぐには覚えれてなかったけど分かりやすいと絶賛していた。
オレは下がってよい。と言われたので退席したけど、うん?なんか見た事ない女の人達と男が居るぞ?
「お?其方はもしかすれば芝田殿ではないか?」
スッゲー筋肉モリモリの男に声掛けられたんだが!?オレはあんたの事初めて見たよ!?何故にオレの事知ってるの!?
「はい。私が芝田剣城です」
「滝川殿に聞いておったが今か今かと待っていたが、ちっとも来ないじゃないか!おっと・・・いけねぇ!俺は九鬼嘉隆だ!」
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「兄者ッ!!!!」
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「じゃあまたな!俺は使者殿にどの女がいいか紹介する任務なんだ!!」
「分かりました。ではまた近々。失礼します」
なんとまぁ豪快な人だな。それに弟だと思う人はお菊さんにそっくりだ。
それにしても三田村ぁぁぁぁぁぁ!!!!今から女を抱くのか!?えぇ!?抱くのか!?オレも混ぜてくれよ!?
「つるぎさま?」
「お、お菊さん・・・どこに居た・・の・・?」
「私は常に護衛です。いつも近くにおりますよ」
ビンタはされなかったけど、あのドスの効いた声・・・怖ぇ~!!!!声だけに怖ぇ~・・・
"デュフ・・・デュフフフフフ・・・"
"あれ!?児玉六八兵衛義時直隆さんどうしたの?一人で笑って?"
"いや、なんとなく面白く感じただけでござる!"
"へ~んなの!あーし、明日から留守にするけどちゃんと人間の言う事聞くんだよ?"
"分かっているのでござる!"
"剣城っち♪に言って時間作ってもらってお友達いっぱい連れてくるからね♪一昨日行った山に人間の手垢が付いてない馬がいっぱい居たんだよ♪全部眷族にしてくるからね♪児玉六八兵衛義時直隆さんが隊長だからね♪"
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