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甘党な農業神 眷族
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城持ちの話がなくなった夜、オレは悔しさのあまり一人で寿司を食べようとジオラマの家に篭りっきりで夜になった。
あぁ~・・・最近上手くいきすぎてたしこれが本当だよな。けど、慕ってくれる人も増えたし綺麗な年下の女の子が将来の嫁だしこれで満足しないと農業神様に怒られるかな。
「剣城様、よろしいでしょうか?」
「大野さん?訪ねてくるの珍しいですね。どうしました?」
「いえ、中伊勢の鳥を使い、この書物に書かれている焼き鳥という物を作ったのですが御賞味していただければと・・・」
「あっ、食べるの忘れてたよ。ちょうどお腹空いてたからいただきます」
「え!?美味ッ!!なにこれ!?凄く美味いんだけど!?」
「はっ。ありがとうございまする。この鳥はこの村で育てておる個体より些か脂が多いように思います。違う種類なので?」
「いや、それは分からないけどこれは有りです!なんなら焼き鳥屋さんでもしてほしいくらいですよ!太助さんに聞いて安定供給できるか聞いてくれます?」
「はっ」
これ昔名古屋で食べた名古屋コーチンのような肉だな!?けどこの時代に名古屋コーチンの種なんか居ないよな!?
「新たに来る甲賀の人達を飯屋に何人か任命するので、焼き鳥屋、居酒屋とか色々作りましょう!とりあえず暫定でこの鳥は那古屋コーチンに決定!」
「なにがなんやら分かりませんがやりましょう!那古屋コーチンですね。皆に伝えておきます。それと・・・剣城様はもし住む所がなくとも我らの殿です。これは今後どんな風になろうと変わりません。此度の城の件は残念ですが織田の大殿もいずれ剣城様に報いてくれるはずです」
「はは!ありがとうございます。なんか色々考えてたのが馬鹿らしいですね。元気だして頑張りますよ!」
「はっ」
よし!飯屋はこれで大丈夫として、次は綿花の方だけど安定供給しだしたら未亡人や女性の仕事にしようか。縫い物をしてもらえれば布団の完成だな。
服の方はどうなったか気になりタブレットを起動させるとヘルプが点滅していたのでタップしてみる。
~時間が止まる~
「毎度ありがとうございます。本日は注文されてました芸術神様の服をご用意致しました。これだけのご注文、更に女性の結婚式という事で芸術神様も大変喜んでおられました」
「いやいやこちらこそありがとーー」
「ちょっと離しなさい!後光フラッシュ!」
「げ、芸術神様!!!い、今はおいが会話中でごんす!!!」
「堅い事言わないでね?人間?いつもありがとうね?眷族の子も初めての特別注文で凄く喜んでたわよ?だからサービスで普段着と呼ばれるあなたの居る世界に似合った服600着って言われたけどサービスで以前と同じ真っ黒の仕事服も600着用意したわよ?」
いや、最早サービスの域を超えてるんだが!?そりゃ嬉しいけども!!
「芸術神様お久しぶりです。無理な注文なのにこんなに早くありがとうございます。それにサービスまで・・・」
「いいのよいいのよ?私の宮殿の倉庫もあなただけで1割も片付いたのよ?これからも、よ・ろ・し・く・ね♪」
あぁ~なんて綺麗でいい匂いのする女性なんだ・・・
「後光フラッシュ!!!」
「うっうわっ!!!」
「あら?ごめんなさいね?不純な目で見ないでね?ウエディングドレスなんだけどあなたの部下の子達でも分かるように説明書も入れてるからちゃんと読んでね?」
一瞬でやましい気持ちがなくなったぜ。ある意味癖になるな。
「ありがとうございます!これよければどうぞ。ウエディングケーキの土台部分を練習で作りました。シフォンケーキみたいな感じですがこれはこれで美味かったです」
「あら?優しいのね?地球産の甘味は美味しいからね?これはいただくわよ?じゃあまたね?」
あぁ・・・おいのしふぉんけーきとやらが・・・・。
「なんてお呼びすればよいか分かりませんが、あなた様もこんなに早くありがとうございます。これどうぞ。芸術神様と同じ物ですが食べてみてください」
「こっ、こっ、これをおいにくれるのでやんすか!?おっと・・・これは失礼。これを私にいただけると?」
「はい。そのつもりで多めに練習して作りました。ついでに他の欲しい物も買いますのでいいですか?」
「ありがとーございまーーーす!!!」
なんだ!?また、いきなり居酒屋みたいなノリか!?
「えっと・・・ポータブル電源とイルミネーションをどのくらいだろう・・・それと生クリームに卵はあるから・・・ヘラにーー」
「しばしお待ちを!!ホログラム見て参ります!」
「お待たせ致しました!確認したところあなた様の居る世界の尾張国から近江国まで点灯させたいと!?それとケーキ作りでございますね!?私にお任せあれ!」
「ホイホイホイの・・ハッ!!」
ここは農業神様と同じなんだな。
「まずポータブル電源ですが、既存の物を少し改造しました」
《神様印ポータブル電源》\200000
効能・・・・ポータブル電源の悩み総ワット数を無限にした物。その分消費も早い。延長コードから延長コードを繋げても問題ない。
「おっ!?かなりいいですね!ただ消費がどのくらいなのかと・・・ソーラーパネルで充電でき一晩ですが点灯できますか?」
「大丈夫です。イルミネーションは1000球でも60W程でございます。更にこのイルミネーションを・・・ホイホイホイのハッ!」
《神様印イルミネーション1000球》\8000
効能・・・・夜道を照らす明り。灯りとも言う。エーテルに微弱な電流を流すと綺麗な色に発光する。電流を流す力により色が変色していく。何本でも連結可
「いや、これまたチートなイルミネーションですね!?買います!買いますけど近江まで何本くらいいるのでしょうか!?」
「全道点灯となりますとかなりになりますので・・・あなた様の距離計算すると100キロ近くなるのではないでしょうか?」
「あぁ・・・100キロか・・・さすがに全部は無理か・・・」
はっ!これはおいが試されているのか!?ここで今一度おいの力を見せるとさらにお供物がいただけるのでは!?
「ホイホイホイの・・・ハァァァァ!!!!」
おっ!?いつもより掛け声が強くないか!?
「これなんかいかがでしょうか!?」
《神様印改イルミネーションMK-2》ASK
効能・・・・農業神眷族が改造したイルミネーション。エーテルの伸びる性質を利用したイルミネーション。長さは30センチから30キロまで伸ばせる。※色は2色に限定される。
「ハァー、ハァー。いや失礼。久しく力を使ってなく少々疲れまして・・ははは」
「いやありがとうございます!こんなイルミネーション初めて見ました!ただ値段の方が・・・」
「これは私が作った物なので値段がないのですよ」
この神は決して自分では語らないけど戦神様なんだよな!?待てよ!?農業神様と戦神様は同列なのか!?効能でも農業神眷族が改造したと書いているが・・・。
想像した戦神様は大柄なイメージだけど強さを内に秘めるのだな!?
なんか欲しそうな目をしているが戦神様が喜びそうな物なんかもうないぞ!?いや事実は小説よりも奇なり。見た目で判断するのが間違ってるんだ!
イメージでは酒や肉が好きそうだが案外甘い物が好きなのかも!?確かお供物しか食べれないと言ってたよな!?地球では戦神様とか聞いた事ないしお供物渡した時かなり喜んでたから普段はあまりお供物が少ないんだろう。
「食べ物でもないですが先日お茶を飲む機会がありまして、抹茶バニラです。自分用でしたし収納すればその時間が遅くなる性質を利用して入れた物ですが・・・」
「おっ!!おぉぉぉぉ!!これをおいに!?良いのか!?良いのですな!!!いただきますぞ!!!」
いや疑問で聞いて来て勝手に納得してるんだが!?まぁ渡すつもりで出したからいいけど。
「抹茶バニラなる物・・・今いただいでも?いや聞くのはやめましょう。いただきもうす」
「ゴグッ・・・あまーーーい♪美味いッ!!!」
戦神様!!?なんだなんだ!?戦神様には見えない表情だな!?いや騙されるな!!調子に乗ると殺られてしまう!!
「お口に合ったようで良かったです!それで値段の方は・・・・」
「ゴホンッ・・・先のイルミネーションは2セットもあれば充分でしょう。1万円でいかがでしょう?」
「やっす!!!買います!!!ありがとうございます!!」
「それと残りのケーキ作りならぬ、甘味作りに必要な道具は私がサービス致しましょう。これからも励んで甘味作りに精を出してください。あっ!味見はいつでも歓迎いたしますよ?」
これが戦神様なのか・・・柴田さんみたいにかなりの甘い物好きか!?騙されるなッ!!!
「そうですね・・・あなた様の抹茶バニラが気に入りました。もう一つ礼をしましょう。あなたが居る世界で頑張れば作れそうな食材の素となる物などを」
「ありがとうございます!でもそんな悪いですよ?」
「まぁお聞きなさい。説明と共に入れておきましょう。例えば乳牛・・・ホルスタイン種の生体や寒さに強いバニラの苗やカカオの苗などを・・・ただし!それらを使い何かできれば是非お供物を・・・」
結局まんま柴田さん達と同じ甘い物好きかよ!?全部甘味に使う物じゃん!?
でも確かバニラもカカオも日本ではハウスじゃないと難しかった記憶がある。
これはラッキーだな。チョコレートも供給できるし、凍らせる事ができれば牛乳に砂糖、バニラ・・アイスも・・・いや氷は難しいな。いや待てよ?硝石と水で氷ができると昔理科の授業で聞いた事あるような気が・・・これも要実験だな。
いや、けどマジで牛くれるの!?大丈夫なのか!?
「では楽しみにしていますよ?支払いはクレジットから引いておきますので。毎度ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
あの有無を言わさない感じ・・・あれが戦神様か!?
オレは夜に一人で外に出た。うん。さすがに牛が可哀想だからだ。これから牛乳をお願いするからストレスを与えず優しく育てよう。
とりあえず厩舎がないからノアの家にお願いしてみるか?
"ノア?夜遅くにごめん。お願いがあるんだけどいいかな?"
"キャハッ♪剣城っち♪夜這いかにゃ!?受け止めてあげるよ♪"
いやオレはそんな趣味はねーっす・・・。
"いや、冗談じゃなくとある牛を戦神様から貰ったんだ。今特別に収納されてるけど早く出してあげようかと思ってね?とりあえずここに一晩出してもいい?"
"キャハッ♪剣城っちは本当に戦神様と友達なんだね♪オッケー♪"
「よし!出でよ!ホルスタイン!!」
「モー」
うん。普通だ。オレは少し期待しすぎてたようだ。戦神様だからてっきり戦う牛かと思ったのだが!?
「¥>$!?♂=♀◎♭♯♪☆・・・」
「√∩∇♭Ⅰ∑∈∟〓Å∨#Ⅲ≠▼∴▽&⊥¢£⊥仝!!!」
「■%≡∀Ⅰ〇∝∞∇#♪⊂⊥⌘‡§£∪-」
なんかノアと牛が話してるんだが!?何言ってるんだ!?
"キャハッ♪ねぇ剣城っち♪あーしこの子気に入った!眷族にしていい?"
いやいやいや同族以外でも眷族にできるの!?ノア嬢はスーパー神馬っすね!?
"う、うん。大丈夫だよ。ちなみにその子は食べるつもりないから牛乳が欲しいだけだから"
"オッケー♪"
"拙者、フェアリーバース生まれ名前を児玉六八兵衛義時直隆と申します。我が主君芝田剣城っち様の配下に加えていただき誠に・・誠にッ!!ありがとうございます"
いや牛まで喋れるの!?しかもそのクソ長い名前はなんだよ!?誰が付けたんだよ!?めっちゃ日本名みたいだな!?しかもオレの名前間違えてるぞ!?
"最早、馬も喋るし剣も喋るから驚きませんがよろしくね。牛乳が欲しいんです。明日から人間が取りに来てもいいですか?"
"いつか拙者に男前な旦那を用意していただけると乳の出が良くなり申す。牛だけにモーーーーす・・・なんちゃって"
"キャハッ♪おもしろ~い♪ねぇ!?剣城っち♪聞いた!?ねぇ!?聞いた!?この児玉六八兵衛義時直隆のギャグ面白かったね♪"
オレは酷い何かを見たのだろうか・・・。昨今の牛はギャグまで言うのだろうか・・・。しかもあの男みたいな和名でメスですか・・・そりゃ乳が出るならメスなはずだが・・・。
それにノア嬢的にはあれが面白いらしい。名前もフルネームで覚えてる事が素直に凄いと思う。最早オレよりノア嬢の方が出来がいいんじゃないだろうか。
ガジガジガジガジガジガジガジガジガジガジ
"そんなに乳が飲みたいならあーしも出るよ!飲ませてあげよっか♪"
あぁ~・・・一気に動物園だ・・・。明日は大変だ。
那古屋コーチン
・愛知県の養鶏は、戦国時代に尾張 織田家重臣 芝田剣城(生年月日死没不詳)によって鶏の飼育が行われたのが起源といわれている。戦国時代以降も産業として定着、発展し、今日に至っても全国有数の養鶏業の盛んな土地である。
エピソード
・芝田家ゆかりの地にて見つけた鳥は元々の地鶏であったが1500年代後期に中国から入手したバフコーチンと岐阜鶏を交配して産まれたのが今日の那古屋コーチンの原種と言われている。
・交配を研究した芝田剣城ゆかりの地の男性が尾張随一の養鶏の腕を誇っており、飼料や養鶏場の間取りなんかも考え芝田剣城もこの男性には頭が上がらない様子だったと甲賀100年記に記されている。残念ながらこの男性の名前などは記録として残っていないが一説によると(※後述) 鳥と話せたとも言われていて鳥の気持ちが分かっていたとも。
・とある日の夜に家臣と親睦を深める時その日のメニューになかったこの那古屋コーチンを芝田剣城が所望し養鶏場を訪ねると飼育していた鶏を男性は風呂に入れて赤子をあやすかの様な事をしていたと書かれていて、芝田剣城は『食べるのに感情が移らないですか?』と聞くと返ってきた言葉が『これからいただくこの鶏に真剣に向き合い鶏と会話する大事な事』と言われ芝田剣城は感動したそうな。甲賀100年記 日常の芝田家 第四章に書かれている。
あぁ~・・・最近上手くいきすぎてたしこれが本当だよな。けど、慕ってくれる人も増えたし綺麗な年下の女の子が将来の嫁だしこれで満足しないと農業神様に怒られるかな。
「剣城様、よろしいでしょうか?」
「大野さん?訪ねてくるの珍しいですね。どうしました?」
「いえ、中伊勢の鳥を使い、この書物に書かれている焼き鳥という物を作ったのですが御賞味していただければと・・・」
「あっ、食べるの忘れてたよ。ちょうどお腹空いてたからいただきます」
「え!?美味ッ!!なにこれ!?凄く美味いんだけど!?」
「はっ。ありがとうございまする。この鳥はこの村で育てておる個体より些か脂が多いように思います。違う種類なので?」
「いや、それは分からないけどこれは有りです!なんなら焼き鳥屋さんでもしてほしいくらいですよ!太助さんに聞いて安定供給できるか聞いてくれます?」
「はっ」
これ昔名古屋で食べた名古屋コーチンのような肉だな!?けどこの時代に名古屋コーチンの種なんか居ないよな!?
「新たに来る甲賀の人達を飯屋に何人か任命するので、焼き鳥屋、居酒屋とか色々作りましょう!とりあえず暫定でこの鳥は那古屋コーチンに決定!」
「なにがなんやら分かりませんがやりましょう!那古屋コーチンですね。皆に伝えておきます。それと・・・剣城様はもし住む所がなくとも我らの殿です。これは今後どんな風になろうと変わりません。此度の城の件は残念ですが織田の大殿もいずれ剣城様に報いてくれるはずです」
「はは!ありがとうございます。なんか色々考えてたのが馬鹿らしいですね。元気だして頑張りますよ!」
「はっ」
よし!飯屋はこれで大丈夫として、次は綿花の方だけど安定供給しだしたら未亡人や女性の仕事にしようか。縫い物をしてもらえれば布団の完成だな。
服の方はどうなったか気になりタブレットを起動させるとヘルプが点滅していたのでタップしてみる。
~時間が止まる~
「毎度ありがとうございます。本日は注文されてました芸術神様の服をご用意致しました。これだけのご注文、更に女性の結婚式という事で芸術神様も大変喜んでおられました」
「いやいやこちらこそありがとーー」
「ちょっと離しなさい!後光フラッシュ!」
「げ、芸術神様!!!い、今はおいが会話中でごんす!!!」
「堅い事言わないでね?人間?いつもありがとうね?眷族の子も初めての特別注文で凄く喜んでたわよ?だからサービスで普段着と呼ばれるあなたの居る世界に似合った服600着って言われたけどサービスで以前と同じ真っ黒の仕事服も600着用意したわよ?」
いや、最早サービスの域を超えてるんだが!?そりゃ嬉しいけども!!
「芸術神様お久しぶりです。無理な注文なのにこんなに早くありがとうございます。それにサービスまで・・・」
「いいのよいいのよ?私の宮殿の倉庫もあなただけで1割も片付いたのよ?これからも、よ・ろ・し・く・ね♪」
あぁ~なんて綺麗でいい匂いのする女性なんだ・・・
「後光フラッシュ!!!」
「うっうわっ!!!」
「あら?ごめんなさいね?不純な目で見ないでね?ウエディングドレスなんだけどあなたの部下の子達でも分かるように説明書も入れてるからちゃんと読んでね?」
一瞬でやましい気持ちがなくなったぜ。ある意味癖になるな。
「ありがとうございます!これよければどうぞ。ウエディングケーキの土台部分を練習で作りました。シフォンケーキみたいな感じですがこれはこれで美味かったです」
「あら?優しいのね?地球産の甘味は美味しいからね?これはいただくわよ?じゃあまたね?」
あぁ・・・おいのしふぉんけーきとやらが・・・・。
「なんてお呼びすればよいか分かりませんが、あなた様もこんなに早くありがとうございます。これどうぞ。芸術神様と同じ物ですが食べてみてください」
「こっ、こっ、これをおいにくれるのでやんすか!?おっと・・・これは失礼。これを私にいただけると?」
「はい。そのつもりで多めに練習して作りました。ついでに他の欲しい物も買いますのでいいですか?」
「ありがとーございまーーーす!!!」
なんだ!?また、いきなり居酒屋みたいなノリか!?
「えっと・・・ポータブル電源とイルミネーションをどのくらいだろう・・・それと生クリームに卵はあるから・・・ヘラにーー」
「しばしお待ちを!!ホログラム見て参ります!」
「お待たせ致しました!確認したところあなた様の居る世界の尾張国から近江国まで点灯させたいと!?それとケーキ作りでございますね!?私にお任せあれ!」
「ホイホイホイの・・ハッ!!」
ここは農業神様と同じなんだな。
「まずポータブル電源ですが、既存の物を少し改造しました」
《神様印ポータブル電源》\200000
効能・・・・ポータブル電源の悩み総ワット数を無限にした物。その分消費も早い。延長コードから延長コードを繋げても問題ない。
「おっ!?かなりいいですね!ただ消費がどのくらいなのかと・・・ソーラーパネルで充電でき一晩ですが点灯できますか?」
「大丈夫です。イルミネーションは1000球でも60W程でございます。更にこのイルミネーションを・・・ホイホイホイのハッ!」
《神様印イルミネーション1000球》\8000
効能・・・・夜道を照らす明り。灯りとも言う。エーテルに微弱な電流を流すと綺麗な色に発光する。電流を流す力により色が変色していく。何本でも連結可
「いや、これまたチートなイルミネーションですね!?買います!買いますけど近江まで何本くらいいるのでしょうか!?」
「全道点灯となりますとかなりになりますので・・・あなた様の距離計算すると100キロ近くなるのではないでしょうか?」
「あぁ・・・100キロか・・・さすがに全部は無理か・・・」
はっ!これはおいが試されているのか!?ここで今一度おいの力を見せるとさらにお供物がいただけるのでは!?
「ホイホイホイの・・・ハァァァァ!!!!」
おっ!?いつもより掛け声が強くないか!?
「これなんかいかがでしょうか!?」
《神様印改イルミネーションMK-2》ASK
効能・・・・農業神眷族が改造したイルミネーション。エーテルの伸びる性質を利用したイルミネーション。長さは30センチから30キロまで伸ばせる。※色は2色に限定される。
「ハァー、ハァー。いや失礼。久しく力を使ってなく少々疲れまして・・ははは」
「いやありがとうございます!こんなイルミネーション初めて見ました!ただ値段の方が・・・」
「これは私が作った物なので値段がないのですよ」
この神は決して自分では語らないけど戦神様なんだよな!?待てよ!?農業神様と戦神様は同列なのか!?効能でも農業神眷族が改造したと書いているが・・・。
想像した戦神様は大柄なイメージだけど強さを内に秘めるのだな!?
なんか欲しそうな目をしているが戦神様が喜びそうな物なんかもうないぞ!?いや事実は小説よりも奇なり。見た目で判断するのが間違ってるんだ!
イメージでは酒や肉が好きそうだが案外甘い物が好きなのかも!?確かお供物しか食べれないと言ってたよな!?地球では戦神様とか聞いた事ないしお供物渡した時かなり喜んでたから普段はあまりお供物が少ないんだろう。
「食べ物でもないですが先日お茶を飲む機会がありまして、抹茶バニラです。自分用でしたし収納すればその時間が遅くなる性質を利用して入れた物ですが・・・」
「おっ!!おぉぉぉぉ!!これをおいに!?良いのか!?良いのですな!!!いただきますぞ!!!」
いや疑問で聞いて来て勝手に納得してるんだが!?まぁ渡すつもりで出したからいいけど。
「抹茶バニラなる物・・・今いただいでも?いや聞くのはやめましょう。いただきもうす」
「ゴグッ・・・あまーーーい♪美味いッ!!!」
戦神様!!?なんだなんだ!?戦神様には見えない表情だな!?いや騙されるな!!調子に乗ると殺られてしまう!!
「お口に合ったようで良かったです!それで値段の方は・・・・」
「ゴホンッ・・・先のイルミネーションは2セットもあれば充分でしょう。1万円でいかがでしょう?」
「やっす!!!買います!!!ありがとうございます!!」
「それと残りのケーキ作りならぬ、甘味作りに必要な道具は私がサービス致しましょう。これからも励んで甘味作りに精を出してください。あっ!味見はいつでも歓迎いたしますよ?」
これが戦神様なのか・・・柴田さんみたいにかなりの甘い物好きか!?騙されるなッ!!!
「そうですね・・・あなた様の抹茶バニラが気に入りました。もう一つ礼をしましょう。あなたが居る世界で頑張れば作れそうな食材の素となる物などを」
「ありがとうございます!でもそんな悪いですよ?」
「まぁお聞きなさい。説明と共に入れておきましょう。例えば乳牛・・・ホルスタイン種の生体や寒さに強いバニラの苗やカカオの苗などを・・・ただし!それらを使い何かできれば是非お供物を・・・」
結局まんま柴田さん達と同じ甘い物好きかよ!?全部甘味に使う物じゃん!?
でも確かバニラもカカオも日本ではハウスじゃないと難しかった記憶がある。
これはラッキーだな。チョコレートも供給できるし、凍らせる事ができれば牛乳に砂糖、バニラ・・アイスも・・・いや氷は難しいな。いや待てよ?硝石と水で氷ができると昔理科の授業で聞いた事あるような気が・・・これも要実験だな。
いや、けどマジで牛くれるの!?大丈夫なのか!?
「では楽しみにしていますよ?支払いはクレジットから引いておきますので。毎度ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
あの有無を言わさない感じ・・・あれが戦神様か!?
オレは夜に一人で外に出た。うん。さすがに牛が可哀想だからだ。これから牛乳をお願いするからストレスを与えず優しく育てよう。
とりあえず厩舎がないからノアの家にお願いしてみるか?
"ノア?夜遅くにごめん。お願いがあるんだけどいいかな?"
"キャハッ♪剣城っち♪夜這いかにゃ!?受け止めてあげるよ♪"
いやオレはそんな趣味はねーっす・・・。
"いや、冗談じゃなくとある牛を戦神様から貰ったんだ。今特別に収納されてるけど早く出してあげようかと思ってね?とりあえずここに一晩出してもいい?"
"キャハッ♪剣城っちは本当に戦神様と友達なんだね♪オッケー♪"
「よし!出でよ!ホルスタイン!!」
「モー」
うん。普通だ。オレは少し期待しすぎてたようだ。戦神様だからてっきり戦う牛かと思ったのだが!?
「¥>$!?♂=♀◎♭♯♪☆・・・」
「√∩∇♭Ⅰ∑∈∟〓Å∨#Ⅲ≠▼∴▽&⊥¢£⊥仝!!!」
「■%≡∀Ⅰ〇∝∞∇#♪⊂⊥⌘‡§£∪-」
なんかノアと牛が話してるんだが!?何言ってるんだ!?
"キャハッ♪ねぇ剣城っち♪あーしこの子気に入った!眷族にしていい?"
いやいやいや同族以外でも眷族にできるの!?ノア嬢はスーパー神馬っすね!?
"う、うん。大丈夫だよ。ちなみにその子は食べるつもりないから牛乳が欲しいだけだから"
"オッケー♪"
"拙者、フェアリーバース生まれ名前を児玉六八兵衛義時直隆と申します。我が主君芝田剣城っち様の配下に加えていただき誠に・・誠にッ!!ありがとうございます"
いや牛まで喋れるの!?しかもそのクソ長い名前はなんだよ!?誰が付けたんだよ!?めっちゃ日本名みたいだな!?しかもオレの名前間違えてるぞ!?
"最早、馬も喋るし剣も喋るから驚きませんがよろしくね。牛乳が欲しいんです。明日から人間が取りに来てもいいですか?"
"いつか拙者に男前な旦那を用意していただけると乳の出が良くなり申す。牛だけにモーーーーす・・・なんちゃって"
"キャハッ♪おもしろ~い♪ねぇ!?剣城っち♪聞いた!?ねぇ!?聞いた!?この児玉六八兵衛義時直隆のギャグ面白かったね♪"
オレは酷い何かを見たのだろうか・・・。昨今の牛はギャグまで言うのだろうか・・・。しかもあの男みたいな和名でメスですか・・・そりゃ乳が出るならメスなはずだが・・・。
それにノア嬢的にはあれが面白いらしい。名前もフルネームで覚えてる事が素直に凄いと思う。最早オレよりノア嬢の方が出来がいいんじゃないだろうか。
ガジガジガジガジガジガジガジガジガジガジ
"そんなに乳が飲みたいならあーしも出るよ!飲ませてあげよっか♪"
あぁ~・・・一気に動物園だ・・・。明日は大変だ。
那古屋コーチン
・愛知県の養鶏は、戦国時代に尾張 織田家重臣 芝田剣城(生年月日死没不詳)によって鶏の飼育が行われたのが起源といわれている。戦国時代以降も産業として定着、発展し、今日に至っても全国有数の養鶏業の盛んな土地である。
エピソード
・芝田家ゆかりの地にて見つけた鳥は元々の地鶏であったが1500年代後期に中国から入手したバフコーチンと岐阜鶏を交配して産まれたのが今日の那古屋コーチンの原種と言われている。
・交配を研究した芝田剣城ゆかりの地の男性が尾張随一の養鶏の腕を誇っており、飼料や養鶏場の間取りなんかも考え芝田剣城もこの男性には頭が上がらない様子だったと甲賀100年記に記されている。残念ながらこの男性の名前などは記録として残っていないが一説によると(※後述) 鳥と話せたとも言われていて鳥の気持ちが分かっていたとも。
・とある日の夜に家臣と親睦を深める時その日のメニューになかったこの那古屋コーチンを芝田剣城が所望し養鶏場を訪ねると飼育していた鶏を男性は風呂に入れて赤子をあやすかの様な事をしていたと書かれていて、芝田剣城は『食べるのに感情が移らないですか?』と聞くと返ってきた言葉が『これからいただくこの鶏に真剣に向き合い鶏と会話する大事な事』と言われ芝田剣城は感動したそうな。甲賀100年記 日常の芝田家 第四章に書かれている。
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藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
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