上 下
204 / 373
この時代の一員になる

忍び寄る間者の影

しおりを挟む
 よし!天麩羅の材料ついでにお市さんや新たに来てくれた甲賀の人達の服も注文しようかな?

 ~時間が止まる~

 「よ、よよかった!人間!!」

 「あれ?また新しい人ですか?」

 「うん!?あぁ。何故か分かりませんが神格が上がったんですよ!以前の球体の私ですよ」

 「そうなんですね!おめでとうございます!それで今日は芸術神様にーー」

 「そんな事より、ホットケーキなる物や他の甘味などはございませんか?お礼にこの二つの剣をお渡しします!」

 「え!?ホットケーキですか!?帰ったばかりで何も・・・あっ!だいぶ古いですが収納に入れたままの砂糖ドバドバのパン擬(もどき)ならありますが?」

 「それで良い!!むしろそれが良い!!それと交換はしてくれませんか!?」

 なんか凄く焦ってるな?ってかこの人?神?が戦神様なんだよな。あんま舐めた口聞いてたらやられるかもしれないな。気をつけよう。

 「はっ。畏まりました。どうぞ」

 「人間よ!助かる!それで今日はどのようなご用件で?」

 「はい。芸術神様に服を頼みたくてですね。私が居る時代の結婚式に着れる服数着と私にも配下が増えましてその者達の普通の服を600着くらい・・・」

 「そんなにもですか?いやぁ~、芸術神様もお喜びになられるかと思います。デザインなどはお決まりでしょうか?」

 「いや、それはやはり芸術神様の美的センスにお任せします!それと天麩羅を作りたくてその材料をと」

 天麩羅・・・天麩羅・・・あの油で揚げるこの人間が居る日の本の料理だったよな・・・あぁおいも食べてみたい・・・。

 「あれ?何かまずい事言いましたか?」

 「いやいや、何でもございませんよ!それでは、未来の日本海で取れた車海老なんかいかがでしょう?」

 「食材の方は自分で買いますので大丈夫ですよ」

 「そうでしたか。失礼致しました。では今芸術神様はここに居ませんので後ほどボックスにお届けという事でいかがでしょうか?」

 「それでお願い致します。私のクレジットで払える範囲でお願い致します。できれば私が居る世界の銭300貫くらいの範囲でよろしくお願い致します」

 「分かりました。レートはこちらで確認しておきます。いつもご利用ありがとうございます。ではまた何かあればお呼びください。それと農業神様からですがバカンスのお土産があるそうです。帰ればボックスにお渡しするそうですよ」

 バカンスとな!?農業神様がバカンスだと!?どこでバカンスしてるんだ!?

 「はは。グラズヘイムという場所でございますよ。天界で有名な避暑地でもあり、観光に人気なのですよ。近くにヴァルハラ宮殿なんかもございますよ」

 いやあなたも心が読めるのですか!?

 「心で話さなくとも。神格が上がり心読みの権能を授かりましてね。誰かは分かりませんがありがたいことでございますよ。では注文承りました」

 「あ、ありがとうございました!またお願い致します!」



 ふぅ~。あの人間が優しくて助かったな。

 「戦神様!お待たせ致しました!地球産のパンだそうです。凄く甘いそうですよ」

 「おっ、おう!良い匂いがしておる!素晴らしい供物だ!うん!美味い!!ではこれは貰って行くぞ!また来る!がははは!」

 えぇ~!!?また来るのですか!?あぁ・・・おいも一口欲しかったんだなぁ・・・。いや、待てよ!?芸術神様に頼む服を早くに用意するとあの人間に感謝されるのでは!?

 こんなに早く用意してくれるとは思わなかった。これをどうぞ!!と何かくれるのではないか!?いかん!早く用意しよう!!!



 ~時間が動く~

 よし。服の件はなんとかなるかな。いつまでかかるか聞いておけばよかったな。まぁ、間に合いそうになければまた聞けばいいか。

 《シーフードパック詰め合わせ×100》\700000

効能・・・・西太平洋から東太平洋に生息するエビから始まり海の幸の詰め合わせ。煮物、焼き、炒め、揚げ色々な料理に応用できる。

 良い物見つけたけど高いな!?おい!!みんなに振る舞おうとすれば大所帯になったからこれくらいは要るだろうけどよ・・・。

 これからは滅多な事では飯もみんなで食べれないな。これも早急に料理人になる人見つけないと。そして海にも進出しないと!

 「みなさんお待たせ!!今から呼ぶ人は手伝って欲しいんだけどいいですか?」

 「はっ!!味見はお任せを!」「いやいや、某が!」

 「次郎左衛門さん!金剛君!鈴ちゃん!鞠ちゃん!ゆきさん!」

 「「「「「はい!」」」」」

 「このシーフードパックの中に入ってる海産物に塩胡椒を少々かけてほしい。それと大膳!!大膳君はどこだ!!?」

 「はっ!ここに!心なしか某にだけ当たりが強いように思いますが!?」

 「それは当たり前だ!大膳君だからだ!!大膳君は竹中さん達の席決めを早急に!」

 「はっ」

 「この大鍋に油を・・・油は!?油はどこにあるの!?」

 「この一斗缶一つしかございませぬが・・・」

 クッ・・・誰かが何かに油料理を使いやがったな!?業務用の油20缶くらいストックしてただろ!?

 《業務用油一斗缶×30》\50000

 《神様印(かみさましるし)天麩羅粉×100》\50000

効能・・・・高天原の老舗 (株)天ぷら 天照 の店長が考案した黄金比の天麩羅粉。付属のカップに一杯の水で食材に黄金色(こがねいろ)の衣を纏わせ食べる者を唸らす至高の粉。

 おいおい!?高天原って神話だろ!?そんな所に老舗があったのか!?黄金色の天麩羅粉とは!?店長凄すぎだろ!?

 「はい。油と天麩羅粉ね?この粉一袋にこのカップ一杯の水で混ぜて後は食材をこのバッター液に付けて油で揚げるだけだよ!」

 「おっ!?これは以前食べた、かつと似ておりますね!?」

 さすが次郎左衛門さん!だが少し違うな。

 「さすが美食家の次郎左衛門さん!似てますが違いますよ!レシピ本渡すので色々作って勉強してほしいですよ。それでできれば飯屋なんかしてほしいくらいです」

 「剣城様はそれがお望みで?」

 「いや、強制ではありませんが配下が多くなったのでおいそれとみんなで飯も食べにくくなったなと。飯屋をする人が居ないから今なら上手い職だと思うんですけどね?」

 「畏まりました。剣城様がお喜びになるなら某が引き受けましょう。大野家の活躍は弟の太郎左衛門にお願いしましょう」

 「え!?そんな二つ返事で構わないのですか!?」

 「いや、昔から甲賀でも某が畑仕事してお袋が居なくて料理までして弟に食わせていましたからな?料理は得意なのですよ」

 これで線が繋がったわ。だから伊右衛門さん並みに包丁が上手だったんだ。まあこの時代の人はみんな男でも包丁捌きは上手だけど。

 《神様印(かみさましるし)料理本レシピ》\1500

効能・・・・西洋~東洋その時代、時代の料理の極意を記した本。農業神監修。習熟度up


 《神様印(かみさましるし)お酒の歴史書》\1500

効能・・・・天界で酒好きとして有名な鍛治神監修の酒の作り方から飲み方、合う入れ物まで書かれている。習熟度up


 「この2冊を託します。正直酒の方は国友さん頼りになるかもしれませんがみんな酒好きだから喜んで仕事はしてくれるでしょう」

 「はっ。必ずや剣城様が喜ぶ酒と飯を作ります!」

 「まあ、普通に営業してほしいからね。とりあえず天麩羅作りましょう!」

 それからみんなで揚げて盛り付け、揚げて盛り付けをしてたが最初に出来たやつは冷めてしまうから金剛君や鞠ちゃん達は要領が分かったと言ってくれたのでこの場は任せて大広間に向かう。

 クッ・・・大膳めがッ!!なんでオレが真ん中なんだよ!!?なんでみんなに囲まれて食べないといけないんだよ!?

 そう思いつつ部屋に入ると竹中さんの歓迎会のはずがオレが入ると何故か拍手されてしまう。

 「ささ、我が君は真ん中へ!」

 「真ん中とか食べにくいんだけど!?」

 「ははは!剣城は我らの殿だからな?てんぷら楽しみにしてるぞ!」

 「慶次さん?マジで美味いから覚悟しといてね!」

 「よしっ!とりあえず順番に出てくるから出された人から食べていってください!本当は天つゆってのがあるけど塩と醤油好きな方で今日は食べてください!それでは・・・みんなビール手に持ちましたか!?」

 「「「「「オーーーッ!!!」」」」

 「では・・・・竹中さんと望月さん達の歓迎会を始めます!望月さんの歓迎会はみんな揃えばまたやりますが・・・乾杯!!」

 「「「「「かんぱいっ!!!!」」」」」

 「プハァーーーッ!!!美味い!久しぶりのビールは美味い!!望月さんも竹中さんも遠慮なく!飲んで食べてください!」

 「剣城様!?この黄金の水は口で暴れておりますが!?」

 「そういう飲み物です!喉越しが良いですよ!癖になりますよ!」

 「剣城殿!?こっ、この食べ物は!?サクサクでーー」

 「天麩羅と言うんです!美味いでしょ!?オレも一つ・・・美味ッ!これめちゃ美味ッ!!エビが堪らないくらい美味い!」

 「これが海老ですと!?ではこちらは・・・」

 よし!みんな上々・・・というかかなり高評価だな!!
小七郎さん達も元気に食べてるし!後で、戦神様から貰った剣を鑑定して渡せそうなら小七郎さんに渡してあげよう。

 その後、みんな最初は少しずつ食べて飲む感じだったがオレが色々な人の所を回りお酌をしていると緊張が解れたのかみんなワイワイ宴会みたいな雰囲気になった。

 パンッ! パンッ!

 「みなさんお腹も膨れて良い感じに酔いも回った所で新たな役割りを言います!竹中さん前へ!この竹中さんは当初敵だった斎藤家の者でした!ですが今は味方です!信長様、私も一度は負けました!作戦から陣とか色々教えてもらうように!」

 オレは目で竹中さんに一言お願いした。

 「えぇ~・・・剣城殿より紹介してもらいました竹中半兵衛と申しまする。主に、知略を使った作戦が得意でございます。以後お見知り置きを」

 う~ん・・・硬いな。まあ最初はしょうがないか。

 「続いて望月さんです!みんな知ってると思いますが問答無用で私の右腕左腕になってもらいます」

 「えっ!?それは誠ですか!?いや元甲賀頭領でもそれは・・・」

 「後で、野田さんからオレの境遇を聞いてください。そして聞きたいことがありますので」

 「・・・分かりました」

 「そんな怖い顔しないでください!大した事ではありませんよ!」

 「とりあえず家はかなりあるのでみんな家族とか好きな家に泊まってください!後日必要な物資は渡しますので!」

 「剣城様?何から何までありがとうございます。この望月信雅 残りの人生一生懸命に奉公致します」

 「こちらこそよろしくお願い致します!」

 「それはそうと、ゆきと夫婦となるとか?」

 「え!?どうしてそれを!?」

 「いやいや、一蔵が方々で言って喜んでおりましてな?長数も喜んでおられますぞ!おーい!長数!こっちだ!」

 いや実のお父さんだろ!?スーツ着てないぞ!?土下座か!?元日本一と定評のあるジャンピング土下座か!?

 「この度は我らにこのようなーー」

 「いいんです!個人的に甲賀の事を聞きみなさんの境遇を知り私にできる事はないかと思いまして」

 「一益坊にも一度礼を言わねばなりますまい。それと・・・うちの娘と?」

 「ゴホンッ・・・えーと・・・今すぐとは、申せませんが今やっている仕事が落ち着き次第に・・・娘様をゆきさんと夫婦になる事をお許しください!絶対に不幸にだけはさせません!」

 言えた・・・珍しく吃らずに言えたぞ!!

 「こちらこそ織田家の芝田剣城様と言えばこの近辺では今や飛ぶ鳥落とす勢いのお方・・・。家格が合いませんが宜しかったので?なんなら側室にでも・・・」

 え!?オレってそんな有名なの!?ってか、そんな事より側室!?側室か!?この時代は許されるのか!?男の夢!側室を!?

 「望月様、伴様御免!お久しぶりでございます」

 「おう。菊か。息災なようでなによりだ」

 「剣城様は側室など持たれません。後で申しますが剣城様が居た世界では一夫一妻でございます」

 「うん?剣城様の居た世界?」

 クッ・・・変に色々な雑誌やら本見せたせいで未来の事分かってるからか!?お菊さん!?何余計な事を!!!オレのハーレムルートを!!!ぐぬぬぬぬ・・・・

 「宜しいので?」

 「え!?あっ、当たり前じゃないすか!オレはゆきさん以外目に入りませんから!ははは!」

 「これはめでたい!長数!良かったではないか!まあ今すぐではないが娘を嫁にやれる!しかも剣城様にだ!側室を取られないと申しておる!安心ではないか!」

 あぁ~・・・ハーレムルートが・・・。





~観音寺城~

 「なぁ~にぃ~!?望月に続き47の家全員が織田に向かっただとぉぉぉ!?!?」

 「申し訳ございませんッッ!!!望月本人は武田と誼が有り、某はてっきり甲斐に向かうものかと・・・」

 「たわけがっ!!!!」

 「で、ですがあれ程の草をしかも老人や子供、女まで全員となる食い扶持を揃えるのは・・・・」

 「結局は何人なのだ!?」

 「はっ。当初は300人前後でしたが700人程は・・・・」

 「チッ。一軍が作れるではないか!いや待てよ・・・。山中!!一計を計る!織田に向かう者の中に間者を放て!そして潜入できた者に乱暴、狼藉を働き織田に住めなくせよ!」

 「はっ!」
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

16世紀のオデュッセイア

尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。 12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。 ※このお話は史実を参考にしたフィクションです。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した 若き日の滝川一益と滝川義太夫、 尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として 天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

Fairy Song

時雨青葉
ファンタジー
妖精たちが飛び交う世界。 ここでは皆、運命石と呼ばれる石を持って生まれてくる。 この運命石は、名のとおり自分の運命の相手へと繋がっているのだという。 皆いずれ旅立つ。 対になる運命石を持つ、運命の相手を捜して。 ―――しかし、そんなロマンチックな伝承に夢を見れない者がここに一人。 自分は生まれながらの欠陥品。 だからどうせ、運命の相手なんて…… 生まれ持った体質ゆえに、周囲との価値観の差に壁を感じずにいられないシュルク。 そんな彼に、とある夜の出会いが波乱を巻き起こす。 「恨むなら、ルルーシェを恨みなさい。」 唐突に振り上げられる刃は、退屈でも平和だった日常を打ち砕く。 運命石を中心に繰り広げられる、妖精世界の冒険譚!! 運命の出会いを、あなたは信じますか…?

猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~

橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。 記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。 これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語 ※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります

処理中です...