上 下
135 / 373
この時代の一員になる

女の園

しおりを挟む
 俺は城に戻り木下さんと夜飯を食べながら話しをした。夜飯は俺が出したグラタンにした。

 「おっほぉ!これは美味いのう!舌がとろけそうだ!」

 「これはグラタンと言ってマカロニとチーズがーーってそんな事はどうでも良いのですよ!実はお願いしたい事がありまして」

 俺はそれから綿花の事を大まかに教えた。無煙火薬という物から先日渡した布団に服に色々利用方法がありなんならもっと早くに出すべきだったとも言った

 「その綿花とやらは木の枝に白く蜘蛛の糸みたいなやつか?」

 「多分それです!てか、この本見てください!これが綿花です!」

 「ほうほう。これは松平殿の領地にてよく見るのう」

 聞けば三河に良く綿花はできているらしい。けど松平さんの所もまだ安定してないからこんな事教えれるはずないな。いずれ分担して加工とかしてもらうか。それでいくらかマージン渡せば嫌とは言わんだろう!

 「とにかく今はあの村で作りましょう。まだ三河方面は安定してないし信長様も戦中です。信長様が帰って来た時に驚かせてやりましょう!」

 「それはいいが、何故それをワシに言うんだ?」

 「普通に手伝って欲しかっただけなのと人手がまったく足りません。甲賀の人達は農業、軍事演習もして、勉強もしたり綿花にまで手が回らないと思います」

 「ワシに言わずともお館様に言えば人くらい用意してくれるであろう?」

 「この時代に迷い色々な人に出会いました。柴田勝家様、丹羽長秀さんとかみんなです。柴田さんに世話になったりしましたが私が1番接しやすいのは木下さんです。なのでお願いしました」

 「ほう。嬉しい事言ってくれるのう?そうじゃな。お主の為にワシも協力してやるとするかのう」

 くそ!オレは何言わされてるんだ!?男にこんな事言って恥ずかしいじゃねーか!?木下さんのあのドヤ顔はなんなんだよ!?


 俺は本を見せながら実を取り、ロクロという綿繰り機を使い種と繊維に分ける作業、その後乾燥させたりほぐしたり、綿打ち作業、糸車を使い紡いでいく作業、糸の重量の30倍の水で、糸の重量の2%の中性洗剤を加えて約1時間煮沸する作業などを本を見せながら伝えた

 「こんなに作業があるのか?」

 「そうです。とても今の人手じゃ足りない事が分かりますよね?正直私の技で完成品を出す事はできます。できますがそれをした所で意味はありますか?ないですよね?できれば尾張の人達で作って欲しいです。多少の手助けはします。所々作業に使う物は国友さん達が作ってくれるそうです」

 「そうじゃな・・・。分かった。とりあえず100名用意しよう。それで一度様子見じゃ」

 「ありがとうございます!よろしくお願いします!」

 少し談笑しデザートのプリンを食べ始めると久しぶりに濃姫さんの側女さんがやって来て部屋に来るように言われた。

 「まあそのなんだ・・・剣城?例の事は任せておけ。お主は・・・頑張れよ?ねねの分までプリンすまんな」

 俺は他人事の目をする木下さんと別れ濃姫さんの部屋にやってきた。予想はしていたが我が儘姫も一緒に居た

 「久しいのう?妾に挨拶にも来やんとはどういう了見じゃ?」

 いや開幕からなんでキレてんの!?信長さんみたいなんだが!?

 「いえ、最近忙しくて申し訳ありません。先にこれをお納めください」

 イライラしてる時は甘味作戦だ!

 《ラングドシャ10枚入り》\500

効能・・・・ほどよい甘さのチョコをしっとりクッキーで挟んだ神界お菓子職人の巨匠が作った菓子。

 《アップルパイ×2》\1000

効能・・・・厳選したリンゴをふんだんに使った逸品。


 「ほっ!久しぶりに剣城の甘味じゃ!」

 ふんチョロいな。甘い物出しておけばなんとかなるな

 「だが!妾はこんな物で喜ぶ童ではないッ!!」

 甘い物出してとおけばなんとかなると思ってた時期がありました。何か別の事か?

 濃姫さんとお市さんは前に出した雑誌を読み未来の服とか化粧品とかに興味が出たらしく欲しいとの事だった。どうも側女さん達にもオレの噂が出てるらしく当初は変態でも見る目だったのが今は何か懇願される目に変わっている

 いや、オレは別に前のままの目でもそれはそれで良かったんだけどね!?なんかこうゾクゾクっとするような・・・ゲフンゲフン

 《女性ファッション雑誌各種20冊》\20000

効能・・・・年齢時代問わず女性とは神秘な生き物なり。付録に化粧ポーチサービス

 《初めての化粧7点セット×20》\80000

効能・・・・初めての化粧デビューに適している便利な女性の7つ道具の一つセット。肌荒れ、湿疹がでない


 「こんな物どうでしょうか?側女さん達が何人居るか分かりませんがこれで勘弁してください」

 「これは!!あの書物に書かれておる化粧用具ではないか!?」

 「濃姫様間違いありません!」

 「剣城!大義である!婆や?あれを」

 「はい。殿方これを」

 「また何かあれば頼む!下がって良いぞ」

 オレはまた何か言われる前に足早に部屋に戻ったが、一つ後悔した事がある。あの女の園の匂いをもっと嗅いでおくべきだったぁぁぁぁぁ・・・・


 
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

織田信長 -尾州払暁-

藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。 守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。 織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。 そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。 毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。 スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。 (2022.04.04) ※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。 ※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。

16世紀のオデュッセイア

尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。 12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。 ※このお話は史実を参考にしたフィクションです。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

獅子の末裔

卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。 和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。 前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。

処理中です...