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織田家 信長直属 料理ご意見番 加納の地にて失恋する
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お菊さん先導の元、ほかの部隊の人も均等な間隔でヘッドランプを装着してもらい頭に装着しにくい人は手に持ってもらい小走りで山道を走った。
掛け声も『清洲より援軍2万遅ればせながら参陣致しました!』とか『木下隊2万援軍に参りました!』と叫びながら走った。
ライトの数から見ても万の援軍は居ないとすぐに分かる事だが戦の時などは実際に数が少なくても援軍が来た事は間違いないので相手に疑う隙が出ればそれだけで良いらしい。特に撤退戦、引きの陣の時は尚更相手の進軍を遅らせる事が肝心と木下さんが言っていた。
「お菊さん本当にこんなので大丈夫なんでしょうか?」
「申し訳ありません。私は戦の事は・・・ただまだお館様とは合流できていませんが味方の士気は保たれております」
「そこに居る奴、何奴かっ!?」
いきなり泥だらけの腕に弓が刺さってる兵士が現れた。一瞬の事と今まで嗅いだ事がない臭いに顔を引き攣らせてしまう。オレがあたふたして答えられないでいるとお菊さんが答えてくれた
「こちら織田家 信長様直属 料理ご意見番 芝田剣城である!遅ればせながらお館様救援に来た次第。お館様はどちらか!?」
いや、オレってばすげー肩書きなんだけど?でも料理ご意見番て・・・ダサイんだが!?それにお菊さんの口上めっちゃカッコイイんだけど!?
「女が何を抜かすか!我ら織田家に女の家臣が居る奴なんか・・・居たな。・・・申し訳!!ございません!!!!お館様の退路を確保するので興奮しておりました!!どうか平に平にご容赦をっ!!!斯(か)くなる上はこの腹掻っ捌いて…」
すっげー熱い人なんだけど?それに腹どころかあなた矢を抜かないと腐ってしまうぞ!?見てあげたいけど早く信長様に合流しないと・・・
「どなたか存じませんがよくここまで来れました。城に帰ったら私の技で矢が痛くないよう抜ける物を探しますので少し辛抱してください。それで信長様はどちらにおられますか?」
「斯様な気遣いワシになんか・・・それより先程の某の始末はお館様の無事が確認出来次第、即座に腑掻っ捌いて…」
うぜぇ~!!非常にこの人は面倒だ!!誰が切腹なんか見たいとか思うんだよ!!この人は絶対後で治す!!
「だから切腹とか要らないので結構です。そんな事するなら少しでも信長様のお役に立ってください!それで信長様は…」
「チッ剣城か!貴様が出した物を過信したあまり抜かったわ。それに貴様は今まで何をしておった・・・と言いたい所だが助かった!!さき、サルとすれ違ったが使えんと思うとったへっどらんぷだったか?が一番使えとる。ワシは侮っておったわけではないが完敗じゃ。この通り後ろの者も疲弊しておる。貴様の初陣には悪いが見事殿(しんがり)を果たしてみよ!ではさらばじゃ!」
信長さんが現れ言いたい事を言って颯爽と立ち去った。オレもこのまま信長さんに着いて城に帰ると思ったんだけどマジでオレも戦をしないといけないらしい。そう思うと武者震い?イヤ違う。恐怖から来る震えか?これも違う。何か分からないが体が震えだした。味方の信長様の馬廻りらしき人達の血だらけ泥だらけの姿を見れば昨日まで和気藹々としていた日常が嘘のように思えた。すると馬廻りの人達の中に耳が半分ない人、腕が一本ない人達が居て急に現実に戻されオレはその場で吐いてしまった。
「剣城様大丈夫ですか?」
本当に情け無い・・・馬にも乗れない誰か死んだ所を見たわけでもないのに吐いてしまうし女におんぶで戦場に連れて来られそうになるし・・・。
「なんて情け無いツラしてるのさ!人はいずれ死ぬ。その死ぬ瞬間にどれだけ涙を流してくれる人が居るかで自分の人生が分かるってもんさ!今宵ここで果てようともそれも一興」
なんか現代の漫画の言葉に出てきそうな言葉をカッコ良さ気に言いながら慶次さんが現れた。
「前田様!!お久しぶりです!」
うん!?お菊さん慶次さんと知り合いか?あっ、確かお互い甲賀の人だったんだよな?それにしてもお菊さん・・・オレが見た事ない顔しとる・・・。
「おう!菊か!剣城の護衛しとるんだな!藤吉郎のおっちゃんが剣城を死なせるなって言うもんで急いでこちらに来たのさ。そしたら本人は吐いてるもんでな!はっはっはっ!ほら剣城!そんな鈍(なまくら)の三鉄(すんてつ)でよくここまで来たもんだ。銘こそないがこれを使いな」
いやかなり良さそうな刀ぽいけどオレ・・・刀使えねーんだ・・・とは言えそうな雰囲気じゃなくカッコつけて腰に刺した。まあ少し腰に刺すのに手間取ったが。こんなのでオレ本当に大丈夫なのか・・・ただ慶次さんが現れて少し落ち着いたのは事実だな。
「慶次さんこちらに来てもらってすいません。それに不甲斐なく申し訳ありません」
「いいさいいさ。剣城は初陣だしな!これはあくまで引きの陣、間違っても勇んで前に出るなよ?まっ剣城は吐くくらいだからそんな事ないだろうがな!はっはっはっはっ」
「前田様・・・・・・」
このやり取りを見て悟ったよ。オレの恋は終わった・・・お市さん推しだが最近健気なお菊さんを目の当たりにして恋心が芽生えてきたのに・・・芽が出る前に終わった・・・
掛け声も『清洲より援軍2万遅ればせながら参陣致しました!』とか『木下隊2万援軍に参りました!』と叫びながら走った。
ライトの数から見ても万の援軍は居ないとすぐに分かる事だが戦の時などは実際に数が少なくても援軍が来た事は間違いないので相手に疑う隙が出ればそれだけで良いらしい。特に撤退戦、引きの陣の時は尚更相手の進軍を遅らせる事が肝心と木下さんが言っていた。
「お菊さん本当にこんなので大丈夫なんでしょうか?」
「申し訳ありません。私は戦の事は・・・ただまだお館様とは合流できていませんが味方の士気は保たれております」
「そこに居る奴、何奴かっ!?」
いきなり泥だらけの腕に弓が刺さってる兵士が現れた。一瞬の事と今まで嗅いだ事がない臭いに顔を引き攣らせてしまう。オレがあたふたして答えられないでいるとお菊さんが答えてくれた
「こちら織田家 信長様直属 料理ご意見番 芝田剣城である!遅ればせながらお館様救援に来た次第。お館様はどちらか!?」
いや、オレってばすげー肩書きなんだけど?でも料理ご意見番て・・・ダサイんだが!?それにお菊さんの口上めっちゃカッコイイんだけど!?
「女が何を抜かすか!我ら織田家に女の家臣が居る奴なんか・・・居たな。・・・申し訳!!ございません!!!!お館様の退路を確保するので興奮しておりました!!どうか平に平にご容赦をっ!!!斯(か)くなる上はこの腹掻っ捌いて…」
すっげー熱い人なんだけど?それに腹どころかあなた矢を抜かないと腐ってしまうぞ!?見てあげたいけど早く信長様に合流しないと・・・
「どなたか存じませんがよくここまで来れました。城に帰ったら私の技で矢が痛くないよう抜ける物を探しますので少し辛抱してください。それで信長様はどちらにおられますか?」
「斯様な気遣いワシになんか・・・それより先程の某の始末はお館様の無事が確認出来次第、即座に腑掻っ捌いて…」
うぜぇ~!!非常にこの人は面倒だ!!誰が切腹なんか見たいとか思うんだよ!!この人は絶対後で治す!!
「だから切腹とか要らないので結構です。そんな事するなら少しでも信長様のお役に立ってください!それで信長様は…」
「チッ剣城か!貴様が出した物を過信したあまり抜かったわ。それに貴様は今まで何をしておった・・・と言いたい所だが助かった!!さき、サルとすれ違ったが使えんと思うとったへっどらんぷだったか?が一番使えとる。ワシは侮っておったわけではないが完敗じゃ。この通り後ろの者も疲弊しておる。貴様の初陣には悪いが見事殿(しんがり)を果たしてみよ!ではさらばじゃ!」
信長さんが現れ言いたい事を言って颯爽と立ち去った。オレもこのまま信長さんに着いて城に帰ると思ったんだけどマジでオレも戦をしないといけないらしい。そう思うと武者震い?イヤ違う。恐怖から来る震えか?これも違う。何か分からないが体が震えだした。味方の信長様の馬廻りらしき人達の血だらけ泥だらけの姿を見れば昨日まで和気藹々としていた日常が嘘のように思えた。すると馬廻りの人達の中に耳が半分ない人、腕が一本ない人達が居て急に現実に戻されオレはその場で吐いてしまった。
「剣城様大丈夫ですか?」
本当に情け無い・・・馬にも乗れない誰か死んだ所を見たわけでもないのに吐いてしまうし女におんぶで戦場に連れて来られそうになるし・・・。
「なんて情け無いツラしてるのさ!人はいずれ死ぬ。その死ぬ瞬間にどれだけ涙を流してくれる人が居るかで自分の人生が分かるってもんさ!今宵ここで果てようともそれも一興」
なんか現代の漫画の言葉に出てきそうな言葉をカッコ良さ気に言いながら慶次さんが現れた。
「前田様!!お久しぶりです!」
うん!?お菊さん慶次さんと知り合いか?あっ、確かお互い甲賀の人だったんだよな?それにしてもお菊さん・・・オレが見た事ない顔しとる・・・。
「おう!菊か!剣城の護衛しとるんだな!藤吉郎のおっちゃんが剣城を死なせるなって言うもんで急いでこちらに来たのさ。そしたら本人は吐いてるもんでな!はっはっはっ!ほら剣城!そんな鈍(なまくら)の三鉄(すんてつ)でよくここまで来たもんだ。銘こそないがこれを使いな」
いやかなり良さそうな刀ぽいけどオレ・・・刀使えねーんだ・・・とは言えそうな雰囲気じゃなくカッコつけて腰に刺した。まあ少し腰に刺すのに手間取ったが。こんなのでオレ本当に大丈夫なのか・・・ただ慶次さんが現れて少し落ち着いたのは事実だな。
「慶次さんこちらに来てもらってすいません。それに不甲斐なく申し訳ありません」
「いいさいいさ。剣城は初陣だしな!これはあくまで引きの陣、間違っても勇んで前に出るなよ?まっ剣城は吐くくらいだからそんな事ないだろうがな!はっはっはっはっ」
「前田様・・・・・・」
このやり取りを見て悟ったよ。オレの恋は終わった・・・お市さん推しだが最近健気なお菊さんを目の当たりにして恋心が芽生えてきたのに・・・芽が出る前に終わった・・・
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