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ストンッ
「ぬぉぉぉ~~~!!!お、お館様ッ!!そ、空から人が!?」
オレは本丸の庭に降り立ったわけだが・・・どこかで聞いた事があるような言葉を庭に居た誰かに言われた。
「あぁ、驚かせてすいません。気にしないでください。先日、客将になった山岡尊です」
「そ、そうですか・・・い、今のはどうやって!?」
「あぁ。空を飛んでいたように見えるかもしれませんが、あそこの壁から飛んだだけですよ」
本当は空を飛んで堺から来たわけだが、この事を信長に知られると・・・
「なんだと!?空を飛べるだと!?たわけ!何故ワシを連れて飛ばないんだ!早く飛べッ!!よし!次は甲斐に空から攻撃を始める!」
とか言われそうだしな。
「そ、そうですか・・・。本日は何用で!?」
「騒がしいな。なんじゃ!?訓練しておけと言っていたでは・・・タケルか?堺に戻ったのではないのか?」
「はい。ですが、急ぎ伝える事がありまして早馬を走らせました」
「なんじゃ?」
「ここでは・・・」
「ふん。まぁ入れ。時に・・・犬とはどうだ?見た目はアレだが、器量のある女だと思ってはいるがどうだ?」
「えぇ。オレも素晴らしい女性だと思いますよ。政治的なだけではなく純粋に婚姻できた事が嬉しく思います」
「そうか!ならばよし」
言葉は酷いが、信長も信長で於犬さんの事を心配していたんだな。
「失礼します」
案内された場所は信長の私室だ。
「貴様が内緒話をするようには見えんかったが、念の為ワシの私室にした。で、要件はなんだ?」
「はい。長々と説明してもだめでしょう。織田様は人身売買が行われていることを把握しておりますでしょうか?」
オレは笑い無しで直球で聞く。
「身寄りのない童を他所で売られているのは知っている。だが、ワシが統治している所ではそんな事は許さん」
「その言葉が聞けて良かったです。実は、南蛮の奴隷船に複数の日の本の民が混じっていました。売られる前の子を3人、売られた後の子を3人、合計6人をオレの家に連れて帰りました」
「なんじゃと!?」
信長の機嫌が急に悪くなるのが分かった。
「いつ、どこで、誰が手引きしたか分かるのか!?しかもどうやって南蛮に行ったのだ!?そんな暇なかったろう?」
オレは信長の適応の早さのせいか、普通に答えてしまっていた。そんなところに・・・
「あぁ~!やっぱりここに居た!タケル!?1人で城に行くなんて酷いじゃない!」
「い、イシュ!?何で分かった!?」
「ぬぉ!?空を飛んで来たというのか!?」
あぁ~あ。オレの騙す作戦が・・・。
「お、落ち着いてください!」
「これが落ち着いていられるか!?どうやって飛んでいるんだ!?これも例の魔法か!?ワシも飛べるのか!?」
いやそこなんだ!?オレなら驚きどころじゃないと思うんだが?人が空を飛んでいるんだぞ!?
だが、この適応力の早さはこの時代では信長だけだろう。他の人なら・・・
「貴様!物怪の類か!?グサッ」
「己等は妖術使いか!?グスッ」
と、攻撃してきそうだよな。
「まぁ、なんだ・・・。織田様?イシュも同席させても?」
「構わん!そんな事より今ので南蛮まで行ったのか!?」
「まぁ、簡単に言えばそうです。織田様は適性がないため飛ぶのは難しいかと・・・。こればかりはすいません」
「そうか・・・」
本当に残念そうだな。いつか平和になれば教えてあげてもいいかもしれないな。今教えるとこれからの戦の全てにオレが使われそうだ。
「イシュも説明してくれ。例の6人の子達のことだ」
「分かったわ。織田様。私からも言います。この件は大元は本願寺や寺社勢力が絡んでいるかと私は思います。そして、その事を織田様のお膝元の1人が仕切っているでしょう」
「なに!?誰だ!?」
「「今井宗久」」
オレとイシュがハモった。
「なんだと!?誰ぞある!!二の丸に居る今井を今すぐ連れて来い!」
「はっ!直ちに!」
信長の怒声に小姓の人が慌てて呼びにいった。
「お待たせ致しました!連れて参りました!」
「遅い!今井ッッ!!!そこに直れ!」
「織田はん!?何の真似でっか!?」
「なんの真似だと!?貴様は寺社から人を貰い売っておるそうだな?あん?違うか!?」
「め、め、滅相もございませぬ!それには理由がございます!!」
今井はオレを睨んだ後、話し出した。
それはそれは大袈裟に。だが、強ち嘘とも言い切れない。
「ですから、わてが身寄りのない子供を・・・食うに困った親から譲り受け、飢え死にするよりかは良いかと南蛮人の贔屓にしている者に託したりしていたのです!」
「それを銭で売り買いしていたように聞いたが?」
「いえいえ!元は借金していた親の子供達だけです!その金を僧に渡し、借金を無しにしていたのです!」
「チッ。賢しい。金輪際、人の売買は辞めろ!どうせ今井のことだ!納屋衆の連中も噛んでいるんだろう?全員に伝えておけ!」
「ははぁ~!この度は誠に申し訳ありませんでした!」
「もうよい。下がれ。タケル!お主は残れ」
今井は退出する間際までオレを睨んでいた。
「ぬぉぉぉ~~~!!!お、お館様ッ!!そ、空から人が!?」
オレは本丸の庭に降り立ったわけだが・・・どこかで聞いた事があるような言葉を庭に居た誰かに言われた。
「あぁ、驚かせてすいません。気にしないでください。先日、客将になった山岡尊です」
「そ、そうですか・・・い、今のはどうやって!?」
「あぁ。空を飛んでいたように見えるかもしれませんが、あそこの壁から飛んだだけですよ」
本当は空を飛んで堺から来たわけだが、この事を信長に知られると・・・
「なんだと!?空を飛べるだと!?たわけ!何故ワシを連れて飛ばないんだ!早く飛べッ!!よし!次は甲斐に空から攻撃を始める!」
とか言われそうだしな。
「そ、そうですか・・・。本日は何用で!?」
「騒がしいな。なんじゃ!?訓練しておけと言っていたでは・・・タケルか?堺に戻ったのではないのか?」
「はい。ですが、急ぎ伝える事がありまして早馬を走らせました」
「なんじゃ?」
「ここでは・・・」
「ふん。まぁ入れ。時に・・・犬とはどうだ?見た目はアレだが、器量のある女だと思ってはいるがどうだ?」
「えぇ。オレも素晴らしい女性だと思いますよ。政治的なだけではなく純粋に婚姻できた事が嬉しく思います」
「そうか!ならばよし」
言葉は酷いが、信長も信長で於犬さんの事を心配していたんだな。
「失礼します」
案内された場所は信長の私室だ。
「貴様が内緒話をするようには見えんかったが、念の為ワシの私室にした。で、要件はなんだ?」
「はい。長々と説明してもだめでしょう。織田様は人身売買が行われていることを把握しておりますでしょうか?」
オレは笑い無しで直球で聞く。
「身寄りのない童を他所で売られているのは知っている。だが、ワシが統治している所ではそんな事は許さん」
「その言葉が聞けて良かったです。実は、南蛮の奴隷船に複数の日の本の民が混じっていました。売られる前の子を3人、売られた後の子を3人、合計6人をオレの家に連れて帰りました」
「なんじゃと!?」
信長の機嫌が急に悪くなるのが分かった。
「いつ、どこで、誰が手引きしたか分かるのか!?しかもどうやって南蛮に行ったのだ!?そんな暇なかったろう?」
オレは信長の適応の早さのせいか、普通に答えてしまっていた。そんなところに・・・
「あぁ~!やっぱりここに居た!タケル!?1人で城に行くなんて酷いじゃない!」
「い、イシュ!?何で分かった!?」
「ぬぉ!?空を飛んで来たというのか!?」
あぁ~あ。オレの騙す作戦が・・・。
「お、落ち着いてください!」
「これが落ち着いていられるか!?どうやって飛んでいるんだ!?これも例の魔法か!?ワシも飛べるのか!?」
いやそこなんだ!?オレなら驚きどころじゃないと思うんだが?人が空を飛んでいるんだぞ!?
だが、この適応力の早さはこの時代では信長だけだろう。他の人なら・・・
「貴様!物怪の類か!?グサッ」
「己等は妖術使いか!?グスッ」
と、攻撃してきそうだよな。
「まぁ、なんだ・・・。織田様?イシュも同席させても?」
「構わん!そんな事より今ので南蛮まで行ったのか!?」
「まぁ、簡単に言えばそうです。織田様は適性がないため飛ぶのは難しいかと・・・。こればかりはすいません」
「そうか・・・」
本当に残念そうだな。いつか平和になれば教えてあげてもいいかもしれないな。今教えるとこれからの戦の全てにオレが使われそうだ。
「イシュも説明してくれ。例の6人の子達のことだ」
「分かったわ。織田様。私からも言います。この件は大元は本願寺や寺社勢力が絡んでいるかと私は思います。そして、その事を織田様のお膝元の1人が仕切っているでしょう」
「なに!?誰だ!?」
「「今井宗久」」
オレとイシュがハモった。
「なんだと!?誰ぞある!!二の丸に居る今井を今すぐ連れて来い!」
「はっ!直ちに!」
信長の怒声に小姓の人が慌てて呼びにいった。
「お待たせ致しました!連れて参りました!」
「遅い!今井ッッ!!!そこに直れ!」
「織田はん!?何の真似でっか!?」
「なんの真似だと!?貴様は寺社から人を貰い売っておるそうだな?あん?違うか!?」
「め、め、滅相もございませぬ!それには理由がございます!!」
今井はオレを睨んだ後、話し出した。
それはそれは大袈裟に。だが、強ち嘘とも言い切れない。
「ですから、わてが身寄りのない子供を・・・食うに困った親から譲り受け、飢え死にするよりかは良いかと南蛮人の贔屓にしている者に託したりしていたのです!」
「それを銭で売り買いしていたように聞いたが?」
「いえいえ!元は借金していた親の子供達だけです!その金を僧に渡し、借金を無しにしていたのです!」
「チッ。賢しい。金輪際、人の売買は辞めろ!どうせ今井のことだ!納屋衆の連中も噛んでいるんだろう?全員に伝えておけ!」
「ははぁ~!この度は誠に申し訳ありませんでした!」
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今井は退出する間際までオレを睨んでいた。
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