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あやめの現代での奮闘1
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「あやめさん・・・ごめん・・・」
「いいえ!安心してください!私が全ての面倒を観ます!」
誰かにおんぶされてるような・・・。
ブルブル寒さで体は震えていたが、頭では分かっていた。オレ・・・あやめさんにおんぶされている。そして、そのまま現代に来ている。
「確か合田様の家の・・・あっ!ここ!ここ!ここにあった!」
「ゴホッ ゴホッ・・・あやめさん・・・何探してるのですか?」
「すいません。寝ててください!以前来させていただいた折に、合田様がお世話になっているという女性の書物の横に地図なる書物があったと記憶していまして」
いやいやお世話になってるって・・・。
ガチャガチャ……
「うん?あれ?あやめさん?なにして・・・武蔵!?」
「合田君!?どうしたの!?顔真っ青だよ!?」
ここで正にタイミングよくだ・・・。里志君と有沙さんだ。
「漆原様、一ノ瀬様お久しぶりでございます。話は端折りますが、咳病に罹ってしまったようで、私が病院まで連れて行きます」
「いや・・あやめさん?いくら現代に来れるって言っても場所とかも分からないでしょう?俺達が連れて行くからあやめさんはーー」
「私が連れて行きたいのです!!!私が今後合田様の面倒を観るのです!!!約束したのです!!!」
あぁ~、なんて嬉しい事言ってくれるのか・・・。ただ、多分自分のせいと思ってそうな・・・ブルル・・寒い・・・こりゃ本格的に風邪かなにかなのか!?インフルとかもありえる・・・計ってないけど、多分高熱のような気がする。喉も痛いし頭も痛い・・。
「わ、分かったよ!武蔵!保険証とかどこにある!?」
「あそこの・・棚のところ・・」
「うわ!本当じゃん!合田君!不用心過ぎるよ!大事な物はちゃんとしなくちゃ!あやめちゃん!これを病院の受付に渡して、名前呼ばれたらその人の案内するところに行くのよ!」
「一ノ瀬様、ありがとうございます。この御恩は必ず・・・」
「御恩?ははは!こんな事普通じゃん!電話持ってるよね?使い方分かるよね?こっちでは普通に使えるから何かあれば連絡して!その服と短刀は怪しいから・・・」
有沙さんは何でこんな楽しそうなんだ・・・しかもいつもなら保守的な里志君までまるで我が子を見送るような顔なんだけど・・・。
「一ノ瀬様、漆原様。色々御説明ありがとうございます。この地図アプリなる物の説明に従って向かいます。では・・・御免!」
「あっ!ちょっと!あやめちゃん!?タクシーで行った方がーー」
「あれまぁ?速いな。しかも武蔵をおんぶして・・。さすが戦国の忍者だな」
「里志?大丈夫かな?」
「うん?酷くてもインフルくらいじゃない?確か三河まで野営しながら行くって言ってたから疲れが溜まっただけだと思うよ?」
「いや合田君の事もだけど、あやめちゃんの方もよ」
「あぁ~・・・多分大丈夫じゃない?和服で目立つし、髪の毛も短髪だけどそれは・・ほら!コスプレ的な人に見られるのじゃないかな?心配なら着いて行くか?」
「それはダメよ!あやめちゃんの決意見たでしょ?是が非でも私が守るって顔だったよ!あんな顔されれば邪魔なんてできないじゃん!」
「だからオレも引いたんだよ。まっ、大丈夫だよ!」
《およそ50メートル先、右折します》
初めて見る世界・・・合田様はこんな所に住んでいるの!?少し怖い・・・。いや・・・私のせいでこんな状態にさせてしまった!私が合田様の手となり足となり動かないと!
《およそ、1キロメートル道なりです。その後、右折です。目的地は右側にあります》
後、もう少し!合田様!我慢してください!急ぎます!
「池田さん、お昼奢ってもらって悪いね」
「いいえ!先生の御作品は素晴らしい物ばかりで、先生の作品が大好きな方がいらして、アトリエの骨董品もお買いになっていただけますので私も満足しています!」
「うん?おや?珍しいアベックだね?」
「先生?言葉が古すぎますよ?」
「けど、池田さんも見てみなよ?今時、和服姿の男女なんて珍しいじゃないか!うむ!古き良き時代を思い出す!」
「・・・あれ!?合田・・・君!?」
「おや?知り合いかね?いやぁ~、和服を着るとはいい考えの持ち主だ!ははは!それにしても、あの細腰の女の子におんぶされてるのはどうしたものだ?男なら自分の足で歩くのがーー」
「先生!すいません!私行ってきます!お代置いておきます!」
「ふぉふぉふぉ!良きかな!」
合田君だよね!?どうしたんだろう?具合悪そうに見えるけど、そんなに急病なの!?救急車呼べばいいのに!多分この先の医療センターよね!?ってか、あの子はなに!?なんであんなに速いの!?
《目的地は右側にあります。お疲れ様でした》
着いた!ここが病院・・・。大きい・・・大殿のお城より大きい気がする。
「こんにちわ」
「え!?あ、こんにちわ!」
「和服なんて珍しいわね?」
「和服?あ、あぁ!はい!しゅ、趣味ですので!」
「そうなのね!いいと思うわよ!ふふふ」
綺麗なお婆さんだ。戦国の名のある姫君より綺麗に見える。もしかしてこの服は珍しいの!?だからこんなにジロジロ見られるの!?いや、そんな事より受付なるものを・・・。
「こんにちわ~。どうされましたか?」
「初めまして・・・。合田様の体調がよくなく・・・」
「は~い。男性の方ですね。体温計らせてもらいますね~」
ピッ ピッ ピィ~
「39度・・・申し訳ありません。こちらにてお掛けください。マスク着用お願い致します」
マスク・・・マスクってなに!?初めて聞いたよ!?
「あのう・・・マスクとは・・・」
「あっ、持ち合わせではありませんでしたか。これをお使いください」
白い上質な布・・・
「あやめさん・・・ごめん。これを口に付けるんだよ・・」
「合田様静かに!体温は39度だそうです!」
「そっか・・了解・・」
おどおどすれば怪しまれる!普通通りにしてれば問題ないはず!
「保険証お持ちですか?合田様?問診票お書きできますか?」
「はい・・・書けまーー」
「私が書きます!」
「え!?いやこれはご本人に・・・いえ。失礼致しました。奥様がお書きください」
「奥様!?あ、はい!私は奥様です!奥様の私が書きます!」
「あやめさん・・・自分で書くよ・・」
「合田様は静かに!!」
「クスッ!優しい奥様ですね。すぐにお呼びしますね」
あの白い服を着た人が医者・・・。未来では女でも医者になれるのか・・・。しかもみんな大きい・・。
ちゃんと楷書体を習っていてよかった。読める!
けど・・・血液型・・・血液型とはなに!? 住所!?住所とは!?
「いいえ!安心してください!私が全ての面倒を観ます!」
誰かにおんぶされてるような・・・。
ブルブル寒さで体は震えていたが、頭では分かっていた。オレ・・・あやめさんにおんぶされている。そして、そのまま現代に来ている。
「確か合田様の家の・・・あっ!ここ!ここ!ここにあった!」
「ゴホッ ゴホッ・・・あやめさん・・・何探してるのですか?」
「すいません。寝ててください!以前来させていただいた折に、合田様がお世話になっているという女性の書物の横に地図なる書物があったと記憶していまして」
いやいやお世話になってるって・・・。
ガチャガチャ……
「うん?あれ?あやめさん?なにして・・・武蔵!?」
「合田君!?どうしたの!?顔真っ青だよ!?」
ここで正にタイミングよくだ・・・。里志君と有沙さんだ。
「漆原様、一ノ瀬様お久しぶりでございます。話は端折りますが、咳病に罹ってしまったようで、私が病院まで連れて行きます」
「いや・・あやめさん?いくら現代に来れるって言っても場所とかも分からないでしょう?俺達が連れて行くからあやめさんはーー」
「私が連れて行きたいのです!!!私が今後合田様の面倒を観るのです!!!約束したのです!!!」
あぁ~、なんて嬉しい事言ってくれるのか・・・。ただ、多分自分のせいと思ってそうな・・・ブルル・・寒い・・・こりゃ本格的に風邪かなにかなのか!?インフルとかもありえる・・・計ってないけど、多分高熱のような気がする。喉も痛いし頭も痛い・・。
「わ、分かったよ!武蔵!保険証とかどこにある!?」
「あそこの・・棚のところ・・」
「うわ!本当じゃん!合田君!不用心過ぎるよ!大事な物はちゃんとしなくちゃ!あやめちゃん!これを病院の受付に渡して、名前呼ばれたらその人の案内するところに行くのよ!」
「一ノ瀬様、ありがとうございます。この御恩は必ず・・・」
「御恩?ははは!こんな事普通じゃん!電話持ってるよね?使い方分かるよね?こっちでは普通に使えるから何かあれば連絡して!その服と短刀は怪しいから・・・」
有沙さんは何でこんな楽しそうなんだ・・・しかもいつもなら保守的な里志君までまるで我が子を見送るような顔なんだけど・・・。
「一ノ瀬様、漆原様。色々御説明ありがとうございます。この地図アプリなる物の説明に従って向かいます。では・・・御免!」
「あっ!ちょっと!あやめちゃん!?タクシーで行った方がーー」
「あれまぁ?速いな。しかも武蔵をおんぶして・・。さすが戦国の忍者だな」
「里志?大丈夫かな?」
「うん?酷くてもインフルくらいじゃない?確か三河まで野営しながら行くって言ってたから疲れが溜まっただけだと思うよ?」
「いや合田君の事もだけど、あやめちゃんの方もよ」
「あぁ~・・・多分大丈夫じゃない?和服で目立つし、髪の毛も短髪だけどそれは・・ほら!コスプレ的な人に見られるのじゃないかな?心配なら着いて行くか?」
「それはダメよ!あやめちゃんの決意見たでしょ?是が非でも私が守るって顔だったよ!あんな顔されれば邪魔なんてできないじゃん!」
「だからオレも引いたんだよ。まっ、大丈夫だよ!」
《およそ50メートル先、右折します》
初めて見る世界・・・合田様はこんな所に住んでいるの!?少し怖い・・・。いや・・・私のせいでこんな状態にさせてしまった!私が合田様の手となり足となり動かないと!
《およそ、1キロメートル道なりです。その後、右折です。目的地は右側にあります》
後、もう少し!合田様!我慢してください!急ぎます!
「池田さん、お昼奢ってもらって悪いね」
「いいえ!先生の御作品は素晴らしい物ばかりで、先生の作品が大好きな方がいらして、アトリエの骨董品もお買いになっていただけますので私も満足しています!」
「うん?おや?珍しいアベックだね?」
「先生?言葉が古すぎますよ?」
「けど、池田さんも見てみなよ?今時、和服姿の男女なんて珍しいじゃないか!うむ!古き良き時代を思い出す!」
「・・・あれ!?合田・・・君!?」
「おや?知り合いかね?いやぁ~、和服を着るとはいい考えの持ち主だ!ははは!それにしても、あの細腰の女の子におんぶされてるのはどうしたものだ?男なら自分の足で歩くのがーー」
「先生!すいません!私行ってきます!お代置いておきます!」
「ふぉふぉふぉ!良きかな!」
合田君だよね!?どうしたんだろう?具合悪そうに見えるけど、そんなに急病なの!?救急車呼べばいいのに!多分この先の医療センターよね!?ってか、あの子はなに!?なんであんなに速いの!?
《目的地は右側にあります。お疲れ様でした》
着いた!ここが病院・・・。大きい・・・大殿のお城より大きい気がする。
「こんにちわ」
「え!?あ、こんにちわ!」
「和服なんて珍しいわね?」
「和服?あ、あぁ!はい!しゅ、趣味ですので!」
「そうなのね!いいと思うわよ!ふふふ」
綺麗なお婆さんだ。戦国の名のある姫君より綺麗に見える。もしかしてこの服は珍しいの!?だからこんなにジロジロ見られるの!?いや、そんな事より受付なるものを・・・。
「こんにちわ~。どうされましたか?」
「初めまして・・・。合田様の体調がよくなく・・・」
「は~い。男性の方ですね。体温計らせてもらいますね~」
ピッ ピッ ピィ~
「39度・・・申し訳ありません。こちらにてお掛けください。マスク着用お願い致します」
マスク・・・マスクってなに!?初めて聞いたよ!?
「あのう・・・マスクとは・・・」
「あっ、持ち合わせではありませんでしたか。これをお使いください」
白い上質な布・・・
「あやめさん・・・ごめん。これを口に付けるんだよ・・」
「合田様静かに!体温は39度だそうです!」
「そっか・・了解・・」
おどおどすれば怪しまれる!普通通りにしてれば問題ないはず!
「保険証お持ちですか?合田様?問診票お書きできますか?」
「はい・・・書けまーー」
「私が書きます!」
「え!?いやこれはご本人に・・・いえ。失礼致しました。奥様がお書きください」
「奥様!?あ、はい!私は奥様です!奥様の私が書きます!」
「あやめさん・・・自分で書くよ・・」
「合田様は静かに!!」
「クスッ!優しい奥様ですね。すぐにお呼びしますね」
あの白い服を着た人が医者・・・。未来では女でも医者になれるのか・・・。しかもみんな大きい・・。
ちゃんと楷書体を習っていてよかった。読める!
けど・・・血液型・・・血液型とはなに!? 住所!?住所とは!?
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