ドア開けたら戦国時代!?

デンデンムシ

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ドアを通れる秘密・・・

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 オレは喜びまくって里志君達にあやめさん達を紹介した。っていうか、あやめさん以外はオレも初めて会うんだけど。そして慶次さんの紹介もした。

 「あなた様が合田様の御親友の里志様でしたか。私は・・・あやめです。よろしくお願い致します」

 いやいやなんで私は・・・なんだよ!?未来の許嫁です!とか言ってくれてもいいんじゃないの!?

 それから色々質問タイムだ。伊織さん、いろはさん、太郎君なんかはオレが持って来ている物に驚いている。

 それらを紹介していくとまぁ里志君も驚く。

 「よくもまぁ、発電機や冷蔵庫なんて持ってきたね!?なんか、普通だから違和感を抱かなかったけどここは戦国時代という事を忘れてたよ」

 「合田君が1番自重しない感じよね~」

 「え、あ、あぁ、まぁ・・・快適にこちらでも過ごしたいなと思ってね?ははは」

 オレは文明の利器を持って来てるだけじゃん!と思う。あんた達はチートな頭があるんだからこれくらい許せ!と言いたい。

 軽く缶詰を開けてあやめさん達に食べてもらおうと思っていると既に時刻が持って来た時計で17時を過ぎていた。色々話し込んだもんだ。

 「じゃあオレは明日も仕事だから帰るけど里志君達はどうする?泊まる?」

 「あ!そうだったね。武蔵はもう働いてるんだったよね。忘れてたよ」

 いやいや忘れるなよ!オレは正社員だぞ!ホームセンターだけど。

 「里志?私達も帰りましょう?里志のお母さんにも挨拶しないといけないし」

 「そうだね。とりあえず武蔵の次の休みまでに色々纏めてみるよ。では、前田さん?また今度伺います」

 「おう!学舎頑張れよ!またのんあるこーるを期待しているぞ!よければのんあるこーるういすきーなる酒があれば頼む!俺はういすきーって酒が好きなんだ!」

 んな物あるかよ!ノンアルはビールと酎ハイとかだけだよ!

 帰り間際にいろはちゃんに呼び止められ何かと聞いたが正座して頭を下げられた。

 「この度は御迷惑をおかけいたします。自活できますよう励んで参りますゆえ、暫くお世話になります」

 「へぇ~!?14歳だったよね!?オレの14歳の時と大違いだよ。気にしなくていいからね?好きなだけ居て、好きなだけ食べていいからね?分からない事はあそこにいる慶次おじさんに聞いて食べさせてもらいなさい」

 「はぁ!?俺はおじさんじゃないぞ!!?なんで俺が見ず知らずの女の世話をーー」

 「禁酒明けに・・・山先という上等な本物のウィスキーを用意するつもりがありますが?」

 「おう!いろはと言ったな?分からない事は俺に聞け!そこの太郎!伊織!お前達も腹が減れば俺に言えよな!?缶詰から、れとると食品だかも食い方を教えてやるからな!おう!武蔵!留守は任せておけ!」

 ふん。チョロい。酒を出せばだいたいが片付くのは計算済みだ。

 そしてこの日は戦国時代を後にした。

 「うわ!本当に帰ってこれたよ!」

 「本当だ!」

 「まぁ帰って来れなければオレも帰れないからな。けど本当になんで里志君達は行けるんだろうな?母ちゃんはダメだ里志君達は行ける・・・う~ん・・・」

 「考えても分からないよ。武蔵は明日も行くのかい?」

 「うん。一応、仕事の日は夜だけ顔出す感じかな?けどそんなに長居はしてないよ」

 「そうか。じゃあ明日、明智光秀にすぐにできそうな事紙に書いて渡すからまた明日の夜に来てもいいかい?」

 「了解。18時くらいに帰るからここまで来れる?」

 「自転車があるから自分達で来るよ」

 そう言われてこの日は別れた。

 有沙さんも何故かワクワクした顔のようだ。

 
 次の日の仕事も何も変わりなく終わった。敢えて言うとすれば店長にフォークリフトを運転できるように免許を取ってほしいと言われた事だ。費用も会社で出してくれるとの事。オレはお願いしますとだけ返事しておいた。

 「あぁ~疲れた・・・婆ちゃん!ただいま!爺ちゃんただいま!!」

 まあいつものやつだ。返事はもちろんない。むしろ返事されても困る。そういえば明智さんから先に貰った刀があったよな。これもまた有名な刀なんだろうか?

 チロン

 スマホが鳴り見ると里志君からのメールだ。

 『今向かってる。仕事終わってるよね?』

 「ごめんごめん。今帰ったところだよ。待ってるよ」

 と軽く返事をして待つ事15分・・・

 コンコンコン

 「はいはーい」

 まぁ居るのは里志君と彼女さんだが、オレは見たくないものを見てしまった。それは里志君は襟付きのポロシャツを着ているが首元に選ばれた者しか付ける事が許されない一見、蚊に刺されたように見える男女のソレだ。

 オレの目がそこに向いたのが分かったのか里志君は無言でそれを隠した。なんか・・・負けたような気分だ。まぁ実際負けてはいるんだけど。昨日、里志君の実家に泊まったんだろう。

 本当は一泊予定だったがすぐに取り掛かるとの事で泊まらずに帰ったからな。そして夜は彼女さんとハッスルしたのか!?うらやま・・・けしからん!!

 「お疲れ様です!はい!これどうぞ!」

 彼女さんがオレに声を掛けてくれて市内にある有名な洋菓子店の菓子を手渡してきた。

 「え!?どうしたのですか?」

 「いや、昨日の例のお土産を渡しそびれたし合田君に何もないのは失礼かなと思って買って来たんだよ」

 「あ、すいません!ありがとうございます」

 そうこう雑談をしてさっそく行こうとしたが・・・

 「慶次さんお疲れ様でーす!」

 「おっ!来たか!うん?今日は1人か?」

 「え!?」

 なんで!?確かに入ったよね!?

 オレはすかさず戻り状況を確認する。

 「里志君!?なんで来ないの?」

 「いや入ったんだけど行けないんだよ」

 「え!?」

 「そうなの。入ってもトイレに入れるだけで・・・」

 「嘘!?昨日来れたのに何で!?」

 その時爺ちゃんの写真が家の蛍光灯と反射してその光が、オレにはクリッティカルになる例の傷を光らせた。

 「え!?なんだい!?この光!?あぁ、反射か」

 オレは一つの仮説を立てる。まさか・・・魔法使いにしか潜れないドアなのか!?いやでも確かに里志君は経験者になったとオレは聞いたが・・・。

 オレは彼女さんから里志君を離して耳打ちして聞く事にした。

 「里志君・・・無粋な事聞くようだけど構わない?」

 「どうした?」

 「里志君・・・魔法使い卒業したのって結構前だったよね!?」

 「は!?なに聞いてきてんの!?」

 「いいや。大真面目なんだ。なんとなく仮説を立てたんだ」

 「・・・・すまん。あの時は武蔵に負けたくないと思って強がった・・・。彼女もオレも実は昨日が初めてだ」

 クッソ!!やっぱハッスルしてたのか!!!うらやま・・・けしからん!!ただなんとなくオレの仮説は当たってるような気がする・・・。さて・・・この事をなんて言おうか・・・。
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