光へ、と時を辿って

 一九九〇。
 にこやかにほほ笑んだまま頷く老人の顔を見ながら、僕は停車ボタンを押した。
「いってらっしゃい」
 僕は限りなく三十年近く前の過去へと足を踏み出した。


〈参考書籍、作中に登場する本〉
 村上春樹『ノルウェイの森』(講談社文庫)
 東野圭吾『卒業』(講談社文庫)
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