夏夜と死の怪談会

 誰かが部屋の明かりを消し、蝋燭がわりなのかは分からないが、テーブルの真ん中にライトが置かれ、その光がぼんやりと五つの顔を浮かび上がらせる。

 体格の大きい、おそらく最年長の男性、小野寺さん。
 男性か女性かひと目では判断の付かない、口数の多い男性、新倉さん。
 僕とはすでに会っているのに初対面の振りをする、占い師の女性、相瀬さん。
 地元の中学生で、神原と元々知り合いの中学生、夢宮くん。
 そして高校時代からの同級生、神原。

 そしてひとりの男が語りはじめる。
 僕を見ながら。他にもひとはいるのに、まるで僕にだけ話すかのように。
 萌した違和感を無理やり外に追い出し、僕は彼の語りに、耳を、恐怖を求める心を傾ける。
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,859 位 / 193,859件 ホラー 6,810 位 / 6,810件

あなたにおすすめの小説

シキヨエヨキイ

春の夜
ホラー
突如として身寄り無しとなった私。 全てを失った私。 そんな私の元に友達からある一通のメールが届く。 「私達の通う大学には一つだけ噂があるんだよ」

【完結】纏い女!

ジャン・幸田
ホラー
 ある日、目覚めた少女は自分が奇妙な格好をしていることに気付いた! 顔が・・・無くなっていた。しかも人間じゃなくなっていた。それは全ての災いの始まりだった。  その日以来、次々と女性の身体が別の生命体のようになる通称「ゼンタイ病」に罹患するようになった世界で、どんなに周囲の者が発病しても変化のない少女「レン」を安全地帯に連れて行く破目になった克也の危険な旅が始まった! ※あまりにも棚ざらしに長くしていたので、十話で完結といたします。同じプロップで練り直して新作に仕立てますので、よろしくお願いします。

ドライカッパー

YHQ337IC
ホラー
「雨だ、雨よ降れ」 ぎらつく太陽が鏡のような刃先を滑る。それが振り下ろされた次の瞬間には肝臓の奥深くに沈み込んでいた。 静かに、ゆっくりと膝をつき、息絶えていく被害者。ギャーっと悲鳴があがり、逃げ惑う人々の足元が揺らめいている。男は背嚢から斧を取り出し、避難民を手当たり次第に伐採していく。 「雨だ。雨をよこせ。さもなくば、血であがなえ!」 男が腕を揮うたびに分割された人体が転がり、茹ったアスファルトが体液をがぶ飲みしていく。 「雨だ。ううっ」 男の主張は乾いた発砲音にかき消された。上半身のあった場所から斧と新鮮な蛋白質と若干のカルシウムが離脱した。 もう一回、二回、ダメ押しの連射が社会の敵を粉々に打ち砕いたあと、ようやく生きた人間の声が喧騒を支配した。 震えている規制線を踏み越えて、担架やブルーシートやAEDが運び込まれる。最後にようやくサイレンが吹鳴した。死者5名、意識不明の重体7名。15分間の惨劇だった。

呪縛霊

藤咲 愛花
ホラー
山梨県のT市にある「S山温泉」という、廃旅館で起こる怪奇現象。その謎を紐解いていく。

仏間にて

非現実の王国
大衆娯楽
父娘でディシスパ風。ダークな雰囲気満載、R18な性描写はなし。サイコホラー&虐待要素有り。苦手な方はご自衛を。 「かわいそうはかわいい」

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

私の彼氏はどうやら呪物のようです

蒼琉璃
ホラー
亡くなった祖母の遺品を整理していたら、蔵から怪しい木箱を見つけた依子。 それを開けると、中から出てきたのは顔中に札を貼った奇妙な男性で――――!? 百鬼(なきり)と名乗る呪物と奇妙な同棲生活が始まる。 あやかし×ラブコメホラー(?) 最凶な彼氏、最強なセコム。 ※舞台は昭和五十年前半ですので古い言葉遣いだったり、考えなどは現代と異なります ※雨宮シリーズとリンク ※ハピエン ※Illustrator Suico様

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る