18 / 45
半袖半パンと推しの体力
しおりを挟む
私は軽い足取りのまま推しとともに研究棟に到着。門番に朝の挨拶をして門を通過。そして、いつもなら、このまま研究室に行くところだけど……
「ちょっと待ってください」
「なんですか?」
足を止めてリュックから袋を出す。
「どうぞ」
「あの、これは?」
眉をひそめて受け取った袋を見つめる推し。
「その中に服が入っていますので、着替えて中庭に来てください。魔法師団長より中庭の使用許可はもらっています」
「中庭で何をするのですか?」
「規則正しい生活が出来てきましたので、今日から屋外での体力作りもしていこうと思います」
「……拒否権はないのですよね?」
「はい」
諦めたように軽くため息を吐いて研究室へ向かう推し。その間に私は中庭へ。
L字型の研究棟と高い塀に囲まれた庭。たぶん学校の校庭ぐらいの広さ。芝生が敷き詰められ、魔法の実験などに使われるらしい。
実験に失敗しても大丈夫なように研究棟を含めて、魔力防護付きの高い塀に囲われている。
この国の中で最新の魔法研究をしている場所の一つ。そのため、守りもしっかりしている……のだが、今は存続の危機。
「まさかゲームが始まる前にこんなことが起きていたなんて。ゲームをしている時は全然分からなかった……ん? そういえば、推しとカッレの仲が悪かったけど、もしかしてこれが原因? あ、そう考えれば納得がいくかも」
あまりの仲の悪さに、ゲーム内でも推しとカッレを仲良くさせようイベントまであったような。ただ、私は選択を誤って余計に悪化させた気がする。
「もしかして、ここで私が頑張らなくても推しがどうにか魔法師団を存続させたのかも。でも、これは推しを健康体にするチャンスだし……」
青い空を眺めながら考えていると、背後から不穏な空気が漂ってきた。
「……着替えましたよ」
不機嫌を通り越して怒りがこもったような推しの声。
「あ、サイズは大丈夫でしたか?」
私は振り返りかけて、慌てて顔を戻した。そのまま速攻で鼻を押さえる。
(は、ははは、はなっ、鼻血がっ! 鼻血が吹き出る!)
一瞬だったけど、目に入ったのは半袖半ズボンの推し。初めて見る推しの生二の腕と、生ふくらはぎは刺激が強い。
(な、なな、な、なんて破廉恥な! いや、そんな格好をさせたのは私! 私だけど! でもっ!)
推しに背中を向けたまま深呼吸をする。
(落ち着け……落ち着け、私……吸ってぇ、吐いてぇ、深呼吸……)
自分に言い聞かせながらチラリと振り返る。
真っ白な肌に骨と皮の長い手足。筋肉どころか最低限の肉もついていない体。ゲームの設定通り過酷な幼少期を過ごしたのだろう。
その結果、今の虚弱な体に。
(これから! これからでも、間に合う! 完璧な健康体に!)
決意を新たにしている私に、推しが怒りを抑えた声で訊ねた。
「袋に入っていた服を着たのですが。何か問題がありましたか?」
「い、いいえ! 着ていただき、ありがとうございます!」
私は鼻血が噴き出さないように意志を強く持って振り返った。見慣れない推しの生手足からは視線を外し、顔だけを見つめ……ダメだ! 鼻血が出る!
「ちょっ、ちょっと待ってください!」
片手で顔を押さえ、片手で推しを制しながら俯く。そんな私に推しの影がかかった。
「……もしかして、気分が悪いのですか?」
推しの声から怒りが消え、心配の色が強くなる。ジリジリと推しが近づいてくる気配。
私は推しの顔を見ないで言った。
「だ、大丈夫です! 平気です! 平気ですから、それ以上、近づかないでください!」
そういえば前世で、人の顔が見られない時は首元を見たらいいって、誰かが言ってた気がする!
私はゆっくりと顔をあげて、一つ一つ確認した。真っ白な半袖シャツ……からの浮き出た鎖骨。そこから、もう少しだけ視線を上げて、綺麗なラインの顎の手前!
真っ白な首で視線を固定する。
(これなら、まだ、なんとか!)
ようやく話せる状況になった私は、視線を固定したまま姿勢を正した。
「失礼いたしました。で、なんでしょう?」
怪訝な視線を感じるけど、今は推しの顔を見ることができない。黙って待っていると推しが私に訊ねた。
「何故こんなに肌を出さないといけないのですか?」
「それは直接、太陽の光を肌に当てるためです。こうすることで体は健康になり、骨も丈夫になります」
正確には紫外線が直接肌に当たることで体内でビタミンDが作られ、免疫力の増強や、カルシウムが骨に吸収されやすくなる、などの作用がある。でも、そこまで細かい説明はできないから適当に誤魔化す。
この説明に推しが渋々頷いた。
「それなら仕方ありませんが……そのような知識は聞いたことも見たこともありません。どこの文献でしょうか?」
鋭い指摘に私の肩が跳ねる。
「と、遠い国から仕入れた人体学書に書かれておりました。薬師という家柄、様々な国の薬学書や人体学書を商人が売り込みにきますので、本だけはたくさんあります」
これ以上、ボロが出る前に話題を移さないと。
「そ、それより、体力作りを! 体力作りをしましょう! まずは研究棟の周囲を軽く十周走って、それから……」
推しの固い声で呟く。
「軽く、十周?」
なんか、推しの空気が固まったような?
推しの顔が見られない私は視線を中庭にむけた。
「あの研究棟を囲む塀に沿って走ります。十周ぐらいなら、そんなに疲れないでしょうし」
「いえ、十周は軽くないです」
「え?」
推しからの言葉に次は私が固まる。
「そもそも十周も走れる気がしません」
「えぇ!?」
私はポケットに入れていたレシピを出した。
「あの、もしかして縄跳びとか側転とかバク転とか逆立ち歩きとか、できないですか?」
「縄跳びぐらいならできますが、側転やバク転はできません。逆立ち歩きは、まず逆立ちができません。というか、普通の人はバク転や逆立ち歩きなどは出来ないと思います」
ゴーンと鐘を突く棒で殴られたような衝撃。私が五歳の頃に祖父から叩き込まれたことが、普通の人は出来ないなんて。
「え、あの、じゃあ、何だったらできますか?」
「走ることと、縄跳びぐらいです」
「……じゃあ、今日はどこまでできるか体力測定をします」
推しのこの姿を直視しながら測定……
(いや、推しのため! 鼻血を出さずに頑張るぞ!)
こうして、半日かけて推しの体力を測定した私は、鼻血を吹き出さないように頑張った結果、昼頃には半死半生となっていた。
(…………頑張って体力レシピを作り直そう)
「ちょっと待ってください」
「なんですか?」
足を止めてリュックから袋を出す。
「どうぞ」
「あの、これは?」
眉をひそめて受け取った袋を見つめる推し。
「その中に服が入っていますので、着替えて中庭に来てください。魔法師団長より中庭の使用許可はもらっています」
「中庭で何をするのですか?」
「規則正しい生活が出来てきましたので、今日から屋外での体力作りもしていこうと思います」
「……拒否権はないのですよね?」
「はい」
諦めたように軽くため息を吐いて研究室へ向かう推し。その間に私は中庭へ。
L字型の研究棟と高い塀に囲まれた庭。たぶん学校の校庭ぐらいの広さ。芝生が敷き詰められ、魔法の実験などに使われるらしい。
実験に失敗しても大丈夫なように研究棟を含めて、魔力防護付きの高い塀に囲われている。
この国の中で最新の魔法研究をしている場所の一つ。そのため、守りもしっかりしている……のだが、今は存続の危機。
「まさかゲームが始まる前にこんなことが起きていたなんて。ゲームをしている時は全然分からなかった……ん? そういえば、推しとカッレの仲が悪かったけど、もしかしてこれが原因? あ、そう考えれば納得がいくかも」
あまりの仲の悪さに、ゲーム内でも推しとカッレを仲良くさせようイベントまであったような。ただ、私は選択を誤って余計に悪化させた気がする。
「もしかして、ここで私が頑張らなくても推しがどうにか魔法師団を存続させたのかも。でも、これは推しを健康体にするチャンスだし……」
青い空を眺めながら考えていると、背後から不穏な空気が漂ってきた。
「……着替えましたよ」
不機嫌を通り越して怒りがこもったような推しの声。
「あ、サイズは大丈夫でしたか?」
私は振り返りかけて、慌てて顔を戻した。そのまま速攻で鼻を押さえる。
(は、ははは、はなっ、鼻血がっ! 鼻血が吹き出る!)
一瞬だったけど、目に入ったのは半袖半ズボンの推し。初めて見る推しの生二の腕と、生ふくらはぎは刺激が強い。
(な、なな、な、なんて破廉恥な! いや、そんな格好をさせたのは私! 私だけど! でもっ!)
推しに背中を向けたまま深呼吸をする。
(落ち着け……落ち着け、私……吸ってぇ、吐いてぇ、深呼吸……)
自分に言い聞かせながらチラリと振り返る。
真っ白な肌に骨と皮の長い手足。筋肉どころか最低限の肉もついていない体。ゲームの設定通り過酷な幼少期を過ごしたのだろう。
その結果、今の虚弱な体に。
(これから! これからでも、間に合う! 完璧な健康体に!)
決意を新たにしている私に、推しが怒りを抑えた声で訊ねた。
「袋に入っていた服を着たのですが。何か問題がありましたか?」
「い、いいえ! 着ていただき、ありがとうございます!」
私は鼻血が噴き出さないように意志を強く持って振り返った。見慣れない推しの生手足からは視線を外し、顔だけを見つめ……ダメだ! 鼻血が出る!
「ちょっ、ちょっと待ってください!」
片手で顔を押さえ、片手で推しを制しながら俯く。そんな私に推しの影がかかった。
「……もしかして、気分が悪いのですか?」
推しの声から怒りが消え、心配の色が強くなる。ジリジリと推しが近づいてくる気配。
私は推しの顔を見ないで言った。
「だ、大丈夫です! 平気です! 平気ですから、それ以上、近づかないでください!」
そういえば前世で、人の顔が見られない時は首元を見たらいいって、誰かが言ってた気がする!
私はゆっくりと顔をあげて、一つ一つ確認した。真っ白な半袖シャツ……からの浮き出た鎖骨。そこから、もう少しだけ視線を上げて、綺麗なラインの顎の手前!
真っ白な首で視線を固定する。
(これなら、まだ、なんとか!)
ようやく話せる状況になった私は、視線を固定したまま姿勢を正した。
「失礼いたしました。で、なんでしょう?」
怪訝な視線を感じるけど、今は推しの顔を見ることができない。黙って待っていると推しが私に訊ねた。
「何故こんなに肌を出さないといけないのですか?」
「それは直接、太陽の光を肌に当てるためです。こうすることで体は健康になり、骨も丈夫になります」
正確には紫外線が直接肌に当たることで体内でビタミンDが作られ、免疫力の増強や、カルシウムが骨に吸収されやすくなる、などの作用がある。でも、そこまで細かい説明はできないから適当に誤魔化す。
この説明に推しが渋々頷いた。
「それなら仕方ありませんが……そのような知識は聞いたことも見たこともありません。どこの文献でしょうか?」
鋭い指摘に私の肩が跳ねる。
「と、遠い国から仕入れた人体学書に書かれておりました。薬師という家柄、様々な国の薬学書や人体学書を商人が売り込みにきますので、本だけはたくさんあります」
これ以上、ボロが出る前に話題を移さないと。
「そ、それより、体力作りを! 体力作りをしましょう! まずは研究棟の周囲を軽く十周走って、それから……」
推しの固い声で呟く。
「軽く、十周?」
なんか、推しの空気が固まったような?
推しの顔が見られない私は視線を中庭にむけた。
「あの研究棟を囲む塀に沿って走ります。十周ぐらいなら、そんなに疲れないでしょうし」
「いえ、十周は軽くないです」
「え?」
推しからの言葉に次は私が固まる。
「そもそも十周も走れる気がしません」
「えぇ!?」
私はポケットに入れていたレシピを出した。
「あの、もしかして縄跳びとか側転とかバク転とか逆立ち歩きとか、できないですか?」
「縄跳びぐらいならできますが、側転やバク転はできません。逆立ち歩きは、まず逆立ちができません。というか、普通の人はバク転や逆立ち歩きなどは出来ないと思います」
ゴーンと鐘を突く棒で殴られたような衝撃。私が五歳の頃に祖父から叩き込まれたことが、普通の人は出来ないなんて。
「え、あの、じゃあ、何だったらできますか?」
「走ることと、縄跳びぐらいです」
「……じゃあ、今日はどこまでできるか体力測定をします」
推しのこの姿を直視しながら測定……
(いや、推しのため! 鼻血を出さずに頑張るぞ!)
こうして、半日かけて推しの体力を測定した私は、鼻血を吹き出さないように頑張った結果、昼頃には半死半生となっていた。
(…………頑張って体力レシピを作り直そう)
10
お気に入りに追加
314
あなたにおすすめの小説
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
戦女神の別人生〜戦場で散ったはずなのに、聖女として冷酷王子に溺愛されます!?〜
藤乃 早雪
恋愛
勘違いしてはいけない。彼の愛する人は聖女であって、私ではないのだ――
初恋こじらせ冷酷王子×愛を捨て国のために生きた元戦女神。二人のじれじれ両片思いラブロマンス。
*+☆+*☆+*☆+*☆+*
リアナーレ=アストレイは、シャレイアン王国の戦女神と呼ばれる女軍人。戦場で華々しく散ったと思いきや、同時期に亡くなった星詠みの聖女の体で目を覚ます。
冷酷王子と呼ばれるシャレイアン王国の第二王子、セヴィリオ=シャレイアンとは仲違いをしていたが、彼は入れ替わりに気づかぬ様子で聖女を溺愛するのだった。
密かに思い続けていた男に聖女として愛され、複雑な心境のリアナーレ。正体がバレぬよう、聖女のふりをして生活を始めるが、お淑やかでいられるはずもなく、国を揺るがす陰謀に巻き込まれていく。
冷酷王子に入れ替わりのことを明かせずにいるリアナーレだが、実は彼にも裏事情があるようで――
*+☆+*☆+*☆+*☆+*
※レイティングに該当しそうな話に「*」をつけておきます。
※カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
クラヴィスの華〜BADエンドが確定している乙女ゲー世界のモブに転生した私が攻略対象から溺愛されているワケ〜
アルト
恋愛
たった一つのトゥルーエンドを除き、どの攻略ルートであってもBADエンドが確定している乙女ゲーム「クラヴィスの華」。
そのゲームの本編にて、攻略対象である王子殿下の婚約者であった公爵令嬢に主人公は転生をしてしまう。
とは言っても、王子殿下の婚約者とはいえ、「クラヴィスの華」では冒頭付近に婚約を破棄され、グラフィックは勿論、声すら割り当てられておらず、名前だけ登場するというモブの中のモブとも言えるご令嬢。
主人公は、己の不幸フラグを叩き折りつつ、BADエンドしかない未来を変えるべく頑張っていたのだが、何故か次第に雲行きが怪しくなって行き────?
「────婚約破棄? 何故俺がお前との婚約を破棄しなきゃいけないんだ? ああ、そうだ。この肩書きも煩わしいな。いっそもう式をあげてしまおうか。ああ、心配はいらない。必要な事は俺が全て────」
「…………(わ、私はどこで間違っちゃったんだろうか)」
これは、どうにかして己の悲惨な末路を変えたい主人公による生存戦略転生記である。
魔力を持たずに生まれてきた私が帝国一の魔法使いと婚約することになりました
ふうか
恋愛
レティシアは魔力を持つことが当たり前の世界でただ一人、魔力を持たずに生まれてきた公爵令嬢である。
そのために、家族からは冷遇されて育った彼女は10歳のデビュタントで一人の少年と出会った。その少年の名はイサイアス。皇弟の息子で、四大公爵の一つアルハイザー公爵家の嫡男である。そしてイサイアスは周囲に影響を与えてしまうほど多くの魔力を持つ少年だった。
イサイアスとの出会いが少しづつレティシアの運命を変え始める。
これは魔力がないせいで冷遇されて来た少女が幸せを掴むための物語である。
※1章完結※
追記 2020.09.30
2章結婚編を加筆修正しながら更新していきます。
乙女ゲームの悪役令嬢は断罪回避したらイケメン半魔騎士に執着されました
白猫ケイ
恋愛
【本編完結】魔法学園を舞台に異世界から召喚された聖女がヒロイン王太子含む7人のイケメンルートを選べる人気のゲーム、ドキ☆ストの悪役令嬢の幼少期に転生したルイーズは、断罪回避のため5歳にして名前を変え家を出る決意をする。小さな孤児院で平和に暮らすある日、行き倒れの子供を拾い懐かれるが、断罪回避のためメインストーリー終了まで他国逃亡を決意。
「会いたかったーー……!」
一瞬何が起きたか理解が遅れる。新聞に載るような噂の騎士に抱きすくめられる様をみた、周囲の人がざわめく。
【イラストは自分で描いたイメージです。サクッと読める短めのお話です!ページ下部のいいね等お気軽にお願いします!執筆の励みになります!】
悪役令嬢に転生したと思ったら悪役令嬢の母親でした~娘は私が責任もって育てて見せます~
平山和人
恋愛
平凡なOLの私は乙女ゲーム『聖と魔と乙女のレガリア』の世界に転生してしまう。
しかも、私が悪役令嬢の母となってしまい、ゲームをめちゃくちゃにする悪役令嬢「エレローラ」が生まれてしまった。
このままでは我が家は破滅だ。私はエレローラをまともに教育することを決心する。
教育方針を巡って夫と対立したり、他の貴族から嫌われたりと辛い日々が続くが、それでも私は母として、頑張ることを諦めない。必ず娘を真っ当な令嬢にしてみせる。これは娘が悪役令嬢になってしまうと知り、奮闘する母親を描いたお話である。
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる