6 / 35
隠れ家デートではありません!
しおりを挟む
リロイに連れてこられたのは街の中でも王城に近い場所に建つ、こじんまりとした可愛らしい屋敷だった。
クリーム色の壁にレンガ造りのドア枠と窓枠。こげ茶のドアには黄金のドアベルが下がり、庭に咲いた花が客人を出迎える。
リロイが屋敷の敷地内に足を踏み入れると同時にドアベルが軽やかな音をたてた。
「いらっしゃいませ」
にこやかに迎えた店員にリロイが慣れた様子で声をかける。
「久しぶりに珈琲を飲みたくなりまして。よろしいですか?」
「ぜひ、どうぞ」
促されるまま屋敷の中へ。
穏やかな雰囲気の広い玄関。これといった飾りはないけれど、実家に帰ったような落ち着きがある。
案内されるまま奥の部屋へ通される。
高い位置にある窓。真っ白な壁に、木目調が目立つ流線形のテーブルと椅子。淡い水色のテーブルクロスと椅子のクッション。
壁際にはさりげなくサイドテーブルがあり、活けられた花が彩りを添える。
(さすが、王家御用達のカフェ。ドアや窓の配置からテーブルと椅子、他の家具の配置まで全部計算されて置かれているわ)
外からは襲撃されにくい位置にある窓。いざという時には、すぐに要人を守れるように計算された動線。
(むしろ護衛のために設計されたような屋敷ね)
室内を観察しながら勧められた椅子に座る。
リロイが私の正面に腰をおろし、テオスがいつものように私の背後へ。
そこで、空気となっているテオスに店員が声をかけた。
「従者の方はこちらの控室へ」
指示された先には隣室につながるドア。たぶん護衛専用の控室なのだろう。テオスの黒い瞳が無言で私に指示を仰ぐ。
私が口を開くより前にリロイが手で店員を制した。
「彼はこのままでいいですよ。初めての場所で従者と離れるのはソフィア嬢の負担になりますから」
思わぬ言葉に私は顔に出さないまま驚く。それは店員も同じだったようで返事がワンテンポ遅れた。
「……失礼いたしました。ご注文はいかがいたしましょう?」
「お任せします」
「はい」
店員が一礼して下がる。
リロイが笑顔で私に話しかけた。
「ここは先代の王が珈琲を楽しむために作ったカフェでして。その時々の季節にあった豆を焙煎して淹れます」
「先代の王が?」
先代の王といえば現王の父。つまりリロイの祖父。
珈琲ぐらい王城でも飲めるだろうし、わざわざカフェを作る理由が分からない。
「先代の王の頃は『珈琲は平民の飲み物』という認識が強かったため、王が城で平民の飲み物を口にするなど考えられなかったそうです」
「それで城の外で飲めるように王専用のカフェを作られたのですか?」
あくまで伯爵令嬢の仮面を被ったままの私にリロイが眉尻をさげる。
「普段通りの口調でいいですよ。ここのカフェは王が身分を忘れ、楽しむために作った場所ですから。それとも……」
琥珀の瞳がテオスを睨む。
「他の目が気になるなら払いますが」
つまりテオスを控室に入れて二人きりになるということ。それは別にいい。ただ、控室に移動してもテオスの耳ならこの部屋での会話はすべて聞かれる。それなら、何かあった時にすぐ対処できるように近くにいたほうがいい。
私は軽く首を横に振り、侯爵令嬢の仮面を外した。
「このままで結構よ。あまり私の従者を威圧しないで。潰れたら代わりを見つけるのは大変だから」
素っ気なく言ったつもりなのに、リロイが嬉しそうに顔を綻ばす。犬耳がピンと立ち、ふわふわの尻尾が左右に揺れる幻影が見えるほど。
リロイが腰をあげ、私に上半身を寄せる。無骨な手が伸びて淡い金髪を長い指に絡めた。
「やはり、その方がいいですね。気負わず自然に話がしたいですから」
そのまま髪に触れていた手を私の頬へと滑らせ、耳元に口を寄せる。
「前世の頃みたいに」
私にしか聞こえない小さな声。美声にくすぐられた耳が熱くなる。
横目で睨めばリロイは悪戯っ子のような笑みを浮かべて席に戻った。
「それで今回、王都に来訪された理由は? 何か目的があるのでしょうか?」
「それは……」
どう話すか悩んでいると香ばしい香りが漂ってきた。紅茶とは違う、独特な匂い。
「珈琲豆を挽いた時に出る匂いです。この香りも、このカフェに来る楽しみの一つでして」
「今でも王城では珈琲を飲めないの?」
「飲めないことはないですが、あまり良い顔はされませんね」
「王族は王族で面倒なのね」
リロイが苦笑いを浮かべる。
「そういう世界ですから。ローレンス領では珈琲は飲まれますか?」
「珈琲とか紅茶とか選り好みをしていられないから。その時にある物を飲むわ」
「……ローレンス領はそんなに物資が不足しておりますか?」
この言葉だけで現状を把握してくるとは。下手に誤魔化せば、その点を突いて追及してくる。それならば……
覚悟を決めた私は目を伏せて説明を始めた。
「物資が不足というより物流の安定が一番の問題ね。生活維持に必要な最低限の物は自領内で生産しているけど、それ以外の物はいくつもの山を越えて運んでいるのが現状。それも、かなりの日数を要して、天候にも左右される。この前なんて、大雨による土砂崩れで道が塞がれて一か月ほど滞ったもの」
「それは大変でしたね。領民たちの生活は大丈夫でしたか?」
「さっきも話したけど、自領内で生活維持できるようにはしているし、貯蔵庫に備蓄があるから大丈夫だったわ。ただ、これは平和な今だから」
私の言いたいことを汲み取ったリロイが頷く。
「これが他国との戦争中、しかも敵軍が山越えをして攻めてきた時に起きた場合、が問題ですね」
「そうなの。もし他国から攻められた時に他の領地からローレンス領に繋がる道が塞がれたら……援軍も援助物資もない状況になったら……籠城戦に持ち込んでも耐えるには限度があるわ。この問題はずっと課題とされてきたけど、解決されることはなかった」
私が王都に来た理由。
「だから、私はこの物流問題を解決する糸口を求めて来たの。王都や他の領地の物流状況を把握して、そこからローレンス領にも転用できる技術がないか」
ここで近づいてくる足音に気が付いた私は再び令嬢の仮面を被り、上品に微笑んだ。
「あとは、王都の流行りを知りまして、ローレンス領の特産品に取り入れたいと考えておりますの」
扇子を持っていたら広げて口元を隠したいけど、今は持っていないので我慢。
そこに軽いノックの音が響き、ドアが開いた。香ばしい珈琲の香りが部屋を満たす。
リロイが穏やかに話を続けた。
「ローレンス領の乳製品や羊毛は一級品として人気がありますよ」
「えぇ。ですが、現状に胡坐をかいていては市場に置いていかれます。良き物は残しつつ、最先端の流行も取り入れていきませんと」
表面上は穏やかに会話をしている私たちの前に珈琲が置かれる。あと生クリームとフルーツがたっぷりのケーキも。
流れるように給仕を終えた店員が素早く退室する。
リロイがカップを持ち上げて私に微笑んだ。
「よく店員が来ていたことに気づきましたね」
私は軽く息を吐いて肩にかかった髪を払った。
「足音がないから気づくのに遅れたぐらいよ。王子に敬語を使わず話していたなんて、いくら王家御用達のカフェの店員でも知られたくないもの」
「私はかまわないのに。ほら、こういうのは……隠れ家デートって言うんでしたっけ?」
まったく予想していなかった言葉に私の顔が熱くなる。
「隠れ家デートではありません!」
「そうですか。これはデートとは言わないのですか……」
まるでオヤツを取り上げられたような犬のようにしょぼんとするリロイ。犬耳がペタンと伏せて尻尾がダラリと下がった幻影が見える。
(だ、だって、前世で殺した相手とデートだなんて、普通は考えられないでしょ!?)
混乱する私の前でどこか残念そうに珈琲を飲むリロイ。
なんとなく気まずくなった私は白いカップの中にある真っ黒な水面に視線を落とした。
クリーム色の壁にレンガ造りのドア枠と窓枠。こげ茶のドアには黄金のドアベルが下がり、庭に咲いた花が客人を出迎える。
リロイが屋敷の敷地内に足を踏み入れると同時にドアベルが軽やかな音をたてた。
「いらっしゃいませ」
にこやかに迎えた店員にリロイが慣れた様子で声をかける。
「久しぶりに珈琲を飲みたくなりまして。よろしいですか?」
「ぜひ、どうぞ」
促されるまま屋敷の中へ。
穏やかな雰囲気の広い玄関。これといった飾りはないけれど、実家に帰ったような落ち着きがある。
案内されるまま奥の部屋へ通される。
高い位置にある窓。真っ白な壁に、木目調が目立つ流線形のテーブルと椅子。淡い水色のテーブルクロスと椅子のクッション。
壁際にはさりげなくサイドテーブルがあり、活けられた花が彩りを添える。
(さすが、王家御用達のカフェ。ドアや窓の配置からテーブルと椅子、他の家具の配置まで全部計算されて置かれているわ)
外からは襲撃されにくい位置にある窓。いざという時には、すぐに要人を守れるように計算された動線。
(むしろ護衛のために設計されたような屋敷ね)
室内を観察しながら勧められた椅子に座る。
リロイが私の正面に腰をおろし、テオスがいつものように私の背後へ。
そこで、空気となっているテオスに店員が声をかけた。
「従者の方はこちらの控室へ」
指示された先には隣室につながるドア。たぶん護衛専用の控室なのだろう。テオスの黒い瞳が無言で私に指示を仰ぐ。
私が口を開くより前にリロイが手で店員を制した。
「彼はこのままでいいですよ。初めての場所で従者と離れるのはソフィア嬢の負担になりますから」
思わぬ言葉に私は顔に出さないまま驚く。それは店員も同じだったようで返事がワンテンポ遅れた。
「……失礼いたしました。ご注文はいかがいたしましょう?」
「お任せします」
「はい」
店員が一礼して下がる。
リロイが笑顔で私に話しかけた。
「ここは先代の王が珈琲を楽しむために作ったカフェでして。その時々の季節にあった豆を焙煎して淹れます」
「先代の王が?」
先代の王といえば現王の父。つまりリロイの祖父。
珈琲ぐらい王城でも飲めるだろうし、わざわざカフェを作る理由が分からない。
「先代の王の頃は『珈琲は平民の飲み物』という認識が強かったため、王が城で平民の飲み物を口にするなど考えられなかったそうです」
「それで城の外で飲めるように王専用のカフェを作られたのですか?」
あくまで伯爵令嬢の仮面を被ったままの私にリロイが眉尻をさげる。
「普段通りの口調でいいですよ。ここのカフェは王が身分を忘れ、楽しむために作った場所ですから。それとも……」
琥珀の瞳がテオスを睨む。
「他の目が気になるなら払いますが」
つまりテオスを控室に入れて二人きりになるということ。それは別にいい。ただ、控室に移動してもテオスの耳ならこの部屋での会話はすべて聞かれる。それなら、何かあった時にすぐ対処できるように近くにいたほうがいい。
私は軽く首を横に振り、侯爵令嬢の仮面を外した。
「このままで結構よ。あまり私の従者を威圧しないで。潰れたら代わりを見つけるのは大変だから」
素っ気なく言ったつもりなのに、リロイが嬉しそうに顔を綻ばす。犬耳がピンと立ち、ふわふわの尻尾が左右に揺れる幻影が見えるほど。
リロイが腰をあげ、私に上半身を寄せる。無骨な手が伸びて淡い金髪を長い指に絡めた。
「やはり、その方がいいですね。気負わず自然に話がしたいですから」
そのまま髪に触れていた手を私の頬へと滑らせ、耳元に口を寄せる。
「前世の頃みたいに」
私にしか聞こえない小さな声。美声にくすぐられた耳が熱くなる。
横目で睨めばリロイは悪戯っ子のような笑みを浮かべて席に戻った。
「それで今回、王都に来訪された理由は? 何か目的があるのでしょうか?」
「それは……」
どう話すか悩んでいると香ばしい香りが漂ってきた。紅茶とは違う、独特な匂い。
「珈琲豆を挽いた時に出る匂いです。この香りも、このカフェに来る楽しみの一つでして」
「今でも王城では珈琲を飲めないの?」
「飲めないことはないですが、あまり良い顔はされませんね」
「王族は王族で面倒なのね」
リロイが苦笑いを浮かべる。
「そういう世界ですから。ローレンス領では珈琲は飲まれますか?」
「珈琲とか紅茶とか選り好みをしていられないから。その時にある物を飲むわ」
「……ローレンス領はそんなに物資が不足しておりますか?」
この言葉だけで現状を把握してくるとは。下手に誤魔化せば、その点を突いて追及してくる。それならば……
覚悟を決めた私は目を伏せて説明を始めた。
「物資が不足というより物流の安定が一番の問題ね。生活維持に必要な最低限の物は自領内で生産しているけど、それ以外の物はいくつもの山を越えて運んでいるのが現状。それも、かなりの日数を要して、天候にも左右される。この前なんて、大雨による土砂崩れで道が塞がれて一か月ほど滞ったもの」
「それは大変でしたね。領民たちの生活は大丈夫でしたか?」
「さっきも話したけど、自領内で生活維持できるようにはしているし、貯蔵庫に備蓄があるから大丈夫だったわ。ただ、これは平和な今だから」
私の言いたいことを汲み取ったリロイが頷く。
「これが他国との戦争中、しかも敵軍が山越えをして攻めてきた時に起きた場合、が問題ですね」
「そうなの。もし他国から攻められた時に他の領地からローレンス領に繋がる道が塞がれたら……援軍も援助物資もない状況になったら……籠城戦に持ち込んでも耐えるには限度があるわ。この問題はずっと課題とされてきたけど、解決されることはなかった」
私が王都に来た理由。
「だから、私はこの物流問題を解決する糸口を求めて来たの。王都や他の領地の物流状況を把握して、そこからローレンス領にも転用できる技術がないか」
ここで近づいてくる足音に気が付いた私は再び令嬢の仮面を被り、上品に微笑んだ。
「あとは、王都の流行りを知りまして、ローレンス領の特産品に取り入れたいと考えておりますの」
扇子を持っていたら広げて口元を隠したいけど、今は持っていないので我慢。
そこに軽いノックの音が響き、ドアが開いた。香ばしい珈琲の香りが部屋を満たす。
リロイが穏やかに話を続けた。
「ローレンス領の乳製品や羊毛は一級品として人気がありますよ」
「えぇ。ですが、現状に胡坐をかいていては市場に置いていかれます。良き物は残しつつ、最先端の流行も取り入れていきませんと」
表面上は穏やかに会話をしている私たちの前に珈琲が置かれる。あと生クリームとフルーツがたっぷりのケーキも。
流れるように給仕を終えた店員が素早く退室する。
リロイがカップを持ち上げて私に微笑んだ。
「よく店員が来ていたことに気づきましたね」
私は軽く息を吐いて肩にかかった髪を払った。
「足音がないから気づくのに遅れたぐらいよ。王子に敬語を使わず話していたなんて、いくら王家御用達のカフェの店員でも知られたくないもの」
「私はかまわないのに。ほら、こういうのは……隠れ家デートって言うんでしたっけ?」
まったく予想していなかった言葉に私の顔が熱くなる。
「隠れ家デートではありません!」
「そうですか。これはデートとは言わないのですか……」
まるでオヤツを取り上げられたような犬のようにしょぼんとするリロイ。犬耳がペタンと伏せて尻尾がダラリと下がった幻影が見える。
(だ、だって、前世で殺した相手とデートだなんて、普通は考えられないでしょ!?)
混乱する私の前でどこか残念そうに珈琲を飲むリロイ。
なんとなく気まずくなった私は白いカップの中にある真っ黒な水面に視線を落とした。
1
お気に入りに追加
1,153
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】8年越しの初恋に破れたら、なぜか意地悪な幼馴染が急に優しくなりました。
大森 樹
恋愛
「君だけを愛している」
「サム、もちろん私も愛しているわ」
伯爵令嬢のリリー・スティアートは八年前からずっと恋焦がれていた騎士サムの甘い言葉を聞いていた。そう……『私でない女性』に対して言っているのを。
告白もしていないのに振られた私は、ショックで泣いていると喧嘩ばかりしている大嫌いな幼馴染の魔法使いアイザックに見つかってしまう。
泣いていることを揶揄われると思いきや、なんだか急に優しくなって気持ち悪い。
リリーとアイザックの関係はどう変わっていくのか?そしてなにやら、リリーは誰かに狙われているようで……一体それは誰なのか?なぜ狙われなければならないのか。
どんな形であれハッピーエンド+完結保証します。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
聖女召喚に巻き込まれた挙句、ハズレの方と蔑まれていた私が隣国の過保護な王子に溺愛されている件
バナナマヨネーズ
恋愛
聖女召喚に巻き込まれた志乃は、召喚に巻き込まれたハズレの方と言われ、酷い扱いを受けることになる。
そんな中、隣国の第三王子であるジークリンデが志乃を保護することに。
志乃を保護したジークリンデは、地面が泥濘んでいると言っては、志乃を抱き上げ、用意した食事が熱ければ火傷をしないようにと息を吹きかけて冷ましてくれるほど過保護だった。
そんな過保護すぎるジークリンデの行動に志乃は戸惑うばかり。
「私は子供じゃないからそんなことしなくてもいいから!」
「いや、シノはこんなに小さいじゃないか。だから、俺は君を命を懸けて守るから」
「お…重い……」
「ん?ああ、ごめんな。その荷物は俺が持とう」
「これくらい大丈夫だし、重いってそういうことじゃ……。はぁ……」
過保護にされたくない志乃と過保護にしたいジークリンデ。
二人は共に過ごすうちに知ることになる。その人がお互いの運命の人なのだと。
全31話
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
【完結】聖女と結婚ですか? どうぞご自由に 〜婚約破棄後の私は魔王の溺愛を受ける〜
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
「アゼリア・フォン・ホーヘーマイヤー、俺はお前との婚約を破棄する!」
「王太子殿下、我が家名はヘーファーマイアーですわ」
公爵令嬢アゼリアは、婚約者である王太子ヨーゼフに婚約破棄を突きつけられた。それも家名の間違い付きで。
理由は聖女エルザと結婚するためだという。人々の視線が集まる夜会でやらかした王太子に、彼女は満面の笑みで婚約関係を解消した。
王太子殿下――あなたが選んだ聖女様の意味をご存知なの? 美しいアゼリアを手放したことで、国は傾いていくが、王太子はいつ己の失態に気づけるのか。自由に羽ばたくアゼリアは、魔王の溺愛の中で幸せを掴む!
頭のゆるい王太子をぎゃふんと言わせる「ざまぁ」展開ありの、ハッピーエンド。
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2021/08/16 「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過
※2021/01/30 完結
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる