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振り返りからの進展
それは、終わりの始まりでした
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オグウェノがクリスを庇うように前に立つ。
二人の視線の先では体が思うように動かず、一歩一歩が重いルドがいる。琥珀の瞳は怒りで燃え、全身から吹き出した魔力が周囲を灰へと変えていく。
オグウェノが背後に庇っているクリスにそっと訊ねた。
「月姫、次の手はあるか?」
「ない」
クリスがキッパリと断言する。オグウェノは苦笑いを浮かべながら視線を落とした。二人の足元には、かろうじて息をしているイディがいる。
クリスは手をかざしてイディの全身を診た。
「こいつも魔力の使い過ぎだ。自分を回復するための魔力も残ってない。これでは治療が出来ない」
「オレを守るために限界を超えて無理をしていたからな。担いで逃げるしかないか」
「いや、下手に動かすのも危険だ。首や背中の骨にヒビが入っている。固定してから動かさなければ骨が折れるし、神経を傷つければ手足が動かなくなる」
「そんな悠長なことをしている時間はないぞ」
クリスとオグウェノの額に汗が流れる。お互いにイディを見捨てる気はない。対策を考えている間にも殺気をまとったルドが少しずつ、だが確実に距離を詰めてくる。
二人が同時に息を飲む。じっとりと嫌な汗が全身を濡らす。
オグウェノがクリスに提案した。
「月姫は増援を呼んできてくれ。イディを運べるだけの人数が来れば、連れて逃げられる」
「それなら、おまえが呼んできてくれ。あいつの狙いは私だ。おまえならすぐに殺されるが、私をすぐに殺すつもりはないようだからな。時間稼ぎをするなら、私のほうがいいだろう。だが、外から侵入できないように結界が張られているぞ」
「厄介なことをしてくれてるな。増援がこない理由は、それか」
話し合いながらも、二人とも視線をルドから外さない。まだ距離はあるが油断はできない。
外見はルドだが、中身は戦の神。
オグウェノがクリスを庇いながらジリジリと下がる。
「フッ」
ルドが軽く息を吐いただけで熱風が襲いかかった。オグウェノが腕を広げてクリスの前に立つが体を巻き上げられ、吹き飛ばされる。
「ガハッ!」
オグウェノは壁に背中を叩きつけられ、地面に落ちた。
熱風で喉が焼け付き、息をするだけで熱と痛みが走る。口の中の砂を噛み締めつつ、オグウェノは動かない体を無理やり起こした。どうにか視線を上げると、クリスに迫っているルドの姿がある。
「月ひ……逃げ……ゴホッ、ガハッ」
鉄の味とともに血を吐き出す。
「オグウェノ!」
クリスはオグウェノの下へ駆け出そうとしたが足が動かなかった。全身が凍ったように固まっている。
「さぁて、どうするか」
声だけで心臓を鷲掴みにされる。クリスは視線だけをルドの方へ向けた。琥珀の瞳が怪しく光り、クリスの全身を舐めるようにジットリとねめつける。普段のルドからは想像もできない表情。
クリスが両手をキツク握り、体が震えないように堪える。だが、それだけで精一杯だった。少しでも声を出せば恐怖に押し潰されてしまう。
ひたすら睨み返すしか出来ない。そんなクリスにルドがゆっくりと手を伸ばす。
「赤狼……やめ、ろっ!」
オグウェノの叫びも虚しく、声がかすれて届かない。
クリスに触れる直前でルドの手が止まり、顔が湖の方を向く。
クリスとオグウェノもつられてそちらを見ると、湖面に立つカリストがいた。
漆黒の髪は夜の闇にも溶けることなく存在を主張し、美麗な顔立ちの中で黒曜の瞳がより美しく輝く。月明かりの下、幻のように艶麗に微笑む。
「カリ……スト? なぜ、ここに!? いくら呼んでも反応がなかったのに!?」
驚くクリスにカリストはいつも通り優雅に頭をさげた。
「申し訳ございません。準備に少々手間取っておりましたので」
「準備?」
「はい」
カリストが漆黒の瞳をルドに向ける。静かにカリストを睨んでいたルドは思い出したように叫んだ。
「貴様、何度か見た……まさか、黒の一族か!? 何故、気づかなかったのだ!? いや、それより黒の一族は遥か昔に滅ぼし……」
「うるさいですよ」
カリストの声に応えるように影が伸びる。地面から伸びた影は立体になり、頭が三つある竜へと姿を変えた。
「しばらく、喰われていてください」
「なにを!」
ルドが抵抗しようとするが、それより早く影が囲む。ルドが急いで魔法を詠唱する。
『火めっ』
詠唱の途中で三つ首がルドを一斉に食べた。
「なっ!?」
「赤狼!?」
突然の展開にクリスとオグウェノが絶句する。カリストは靴を濡らすことなく湖の上を歩いて二人の前へ移動した。
「影の中に閉じ込めただけですので、犬の体は無事ですよ」
「そうか……」
「本当か?」
安堵するクリスとは反対に、オグウェノは警戒を解かない。クリスが安心させるように説明する。
「こいつはこう見えて、犬のことを結構気に入っている。大丈夫だ」
「簡単に信用するのは危険だ。オレたちがあんなに苦戦した相手を、軽く影に閉じ込めたんだぞ」
「それは、あなた方の功績のおかげです。あそこまで動きを押さえていなければ、影の中に閉じ込めることは、出来ませんでしたから」
「……本当か?」
オグウェノは疑いの視線を緩めない。クリスは肩をすくめながらカリストに訊ねた。
「とりあえず、犬のことはおまえに任せて大丈夫なんだな?」
「しばらくは大丈夫です」
「しばらく……か。では、人を呼んできてくれ。イディの体を固定して運ばないといけないし、オグウェノの治療が必要だ。私は魔力をほとんど使いきってしまったからな」
「私が呼ばなくても、すぐに来ますよ。犬を影に閉じ込めたので、周囲に張られていた結界は消えましたから。人が来る前に髪を隠しておきましょう」
カリストがクリスの頭に布を巻いて髪を隠す。そこに、警備兵から治療医師まで、続々と人が流れ込んできた。治療医師の指示でイディの体が固定されて運ばれる。
オグウェノは他の治療医師がすぐに治療をした。しかし、オグウェノ自身の魔力の残りが少なかったため、完璧には治療ができなかった。
「動けるだけマシか」
動くたびに痛む体に耐えながらオグウェノが呟く。
「イディ!? イディ!」
走って来たベレンが運ばれるイディにすがりつく。そちらに気を取られていると、ラミラがクリスの足元で跪き、頭を下げていた。
「申し訳ございません」
「どうした?」
「クリス様が危険な時に側にいることができず……護衛失格です」
ラミラが下げていた頭をますます低くする。
「結界が張ってあって入れなかったのだろう? ならば仕方ない」
「ですが!」
悔しさで震えているラミラの頭を、クリスが軽くポンポンと撫でる。
「え?」
ラミラが驚いて顔を上げる。するとクリスが疲れたように笑っていた。
「まだ、終わってはいない。おまえにはベレンの護衛を頼みたいんだが、いいか?」
「ですが!」
「私は、まだしないといけないことがある。とてもベレンのことまで気を回せないんだ」
そう言った視線の先には、運ばれるイディを泣きながら追いかけるベレンの姿がある。
「ベレンには、いろいろ助けられてきた。私の代わりに支えてやってくれないか? これは、おまえにしか頼めないことだ」
ラミラは口を動かしかけたが、グッと力を入れて堪えた。再び頭を下げる。
「……わかりました」
「ありがとう」
クリスがラミラの肩に手をのせる。ラミラは一礼すると、仕事を遂行するため、素早くベレンのところへ移動した。
「さて」
クリスがカリストの方を向く。
「いろいろ聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「夜も遅いですし、先におやすみになりませんか?」
「どうせ眠れん」
「そうですね。では、お茶を準備しましょう」
「オレも共に聞くぞ」
オグウェノが断られてもついて行く、という気迫を隠すことなく出している。カリストは拒否することなく、微笑みを浮かべて頷いた。
「ご一緒にどうぞ」
三人は別のテラスに移動した。木々が植えられた小さな庭に、ソファーが並んでいる。
オグウェノはソファーに寝転んだ。クリスは一人掛け用のソファーに座る。クッションがほどよく沈み込む。
カリストはいつも通りの流れる動きで紅茶を淹れ、それぞれのソファーの近くにあるテーブルに並べた。紅茶と茶菓子を並べ終えたところで、カリストが二人に訊ねる。
「さて、なにをお話ししましょうか?」
「そうだなぁ……」
クリスが紅茶を飲みながら考える。乾いた体に紅茶が染み渡っていく。ほぅ、と一息ついていると、オグウェノが率直に聞いた。
「おまえは何者だ?」
「そうですねぇ……では、私の一族の話からしましょうか」
カリストの声が夜更けに溶けた。
二人の視線の先では体が思うように動かず、一歩一歩が重いルドがいる。琥珀の瞳は怒りで燃え、全身から吹き出した魔力が周囲を灰へと変えていく。
オグウェノが背後に庇っているクリスにそっと訊ねた。
「月姫、次の手はあるか?」
「ない」
クリスがキッパリと断言する。オグウェノは苦笑いを浮かべながら視線を落とした。二人の足元には、かろうじて息をしているイディがいる。
クリスは手をかざしてイディの全身を診た。
「こいつも魔力の使い過ぎだ。自分を回復するための魔力も残ってない。これでは治療が出来ない」
「オレを守るために限界を超えて無理をしていたからな。担いで逃げるしかないか」
「いや、下手に動かすのも危険だ。首や背中の骨にヒビが入っている。固定してから動かさなければ骨が折れるし、神経を傷つければ手足が動かなくなる」
「そんな悠長なことをしている時間はないぞ」
クリスとオグウェノの額に汗が流れる。お互いにイディを見捨てる気はない。対策を考えている間にも殺気をまとったルドが少しずつ、だが確実に距離を詰めてくる。
二人が同時に息を飲む。じっとりと嫌な汗が全身を濡らす。
オグウェノがクリスに提案した。
「月姫は増援を呼んできてくれ。イディを運べるだけの人数が来れば、連れて逃げられる」
「それなら、おまえが呼んできてくれ。あいつの狙いは私だ。おまえならすぐに殺されるが、私をすぐに殺すつもりはないようだからな。時間稼ぎをするなら、私のほうがいいだろう。だが、外から侵入できないように結界が張られているぞ」
「厄介なことをしてくれてるな。増援がこない理由は、それか」
話し合いながらも、二人とも視線をルドから外さない。まだ距離はあるが油断はできない。
外見はルドだが、中身は戦の神。
オグウェノがクリスを庇いながらジリジリと下がる。
「フッ」
ルドが軽く息を吐いただけで熱風が襲いかかった。オグウェノが腕を広げてクリスの前に立つが体を巻き上げられ、吹き飛ばされる。
「ガハッ!」
オグウェノは壁に背中を叩きつけられ、地面に落ちた。
熱風で喉が焼け付き、息をするだけで熱と痛みが走る。口の中の砂を噛み締めつつ、オグウェノは動かない体を無理やり起こした。どうにか視線を上げると、クリスに迫っているルドの姿がある。
「月ひ……逃げ……ゴホッ、ガハッ」
鉄の味とともに血を吐き出す。
「オグウェノ!」
クリスはオグウェノの下へ駆け出そうとしたが足が動かなかった。全身が凍ったように固まっている。
「さぁて、どうするか」
声だけで心臓を鷲掴みにされる。クリスは視線だけをルドの方へ向けた。琥珀の瞳が怪しく光り、クリスの全身を舐めるようにジットリとねめつける。普段のルドからは想像もできない表情。
クリスが両手をキツク握り、体が震えないように堪える。だが、それだけで精一杯だった。少しでも声を出せば恐怖に押し潰されてしまう。
ひたすら睨み返すしか出来ない。そんなクリスにルドがゆっくりと手を伸ばす。
「赤狼……やめ、ろっ!」
オグウェノの叫びも虚しく、声がかすれて届かない。
クリスに触れる直前でルドの手が止まり、顔が湖の方を向く。
クリスとオグウェノもつられてそちらを見ると、湖面に立つカリストがいた。
漆黒の髪は夜の闇にも溶けることなく存在を主張し、美麗な顔立ちの中で黒曜の瞳がより美しく輝く。月明かりの下、幻のように艶麗に微笑む。
「カリ……スト? なぜ、ここに!? いくら呼んでも反応がなかったのに!?」
驚くクリスにカリストはいつも通り優雅に頭をさげた。
「申し訳ございません。準備に少々手間取っておりましたので」
「準備?」
「はい」
カリストが漆黒の瞳をルドに向ける。静かにカリストを睨んでいたルドは思い出したように叫んだ。
「貴様、何度か見た……まさか、黒の一族か!? 何故、気づかなかったのだ!? いや、それより黒の一族は遥か昔に滅ぼし……」
「うるさいですよ」
カリストの声に応えるように影が伸びる。地面から伸びた影は立体になり、頭が三つある竜へと姿を変えた。
「しばらく、喰われていてください」
「なにを!」
ルドが抵抗しようとするが、それより早く影が囲む。ルドが急いで魔法を詠唱する。
『火めっ』
詠唱の途中で三つ首がルドを一斉に食べた。
「なっ!?」
「赤狼!?」
突然の展開にクリスとオグウェノが絶句する。カリストは靴を濡らすことなく湖の上を歩いて二人の前へ移動した。
「影の中に閉じ込めただけですので、犬の体は無事ですよ」
「そうか……」
「本当か?」
安堵するクリスとは反対に、オグウェノは警戒を解かない。クリスが安心させるように説明する。
「こいつはこう見えて、犬のことを結構気に入っている。大丈夫だ」
「簡単に信用するのは危険だ。オレたちがあんなに苦戦した相手を、軽く影に閉じ込めたんだぞ」
「それは、あなた方の功績のおかげです。あそこまで動きを押さえていなければ、影の中に閉じ込めることは、出来ませんでしたから」
「……本当か?」
オグウェノは疑いの視線を緩めない。クリスは肩をすくめながらカリストに訊ねた。
「とりあえず、犬のことはおまえに任せて大丈夫なんだな?」
「しばらくは大丈夫です」
「しばらく……か。では、人を呼んできてくれ。イディの体を固定して運ばないといけないし、オグウェノの治療が必要だ。私は魔力をほとんど使いきってしまったからな」
「私が呼ばなくても、すぐに来ますよ。犬を影に閉じ込めたので、周囲に張られていた結界は消えましたから。人が来る前に髪を隠しておきましょう」
カリストがクリスの頭に布を巻いて髪を隠す。そこに、警備兵から治療医師まで、続々と人が流れ込んできた。治療医師の指示でイディの体が固定されて運ばれる。
オグウェノは他の治療医師がすぐに治療をした。しかし、オグウェノ自身の魔力の残りが少なかったため、完璧には治療ができなかった。
「動けるだけマシか」
動くたびに痛む体に耐えながらオグウェノが呟く。
「イディ!? イディ!」
走って来たベレンが運ばれるイディにすがりつく。そちらに気を取られていると、ラミラがクリスの足元で跪き、頭を下げていた。
「申し訳ございません」
「どうした?」
「クリス様が危険な時に側にいることができず……護衛失格です」
ラミラが下げていた頭をますます低くする。
「結界が張ってあって入れなかったのだろう? ならば仕方ない」
「ですが!」
悔しさで震えているラミラの頭を、クリスが軽くポンポンと撫でる。
「え?」
ラミラが驚いて顔を上げる。するとクリスが疲れたように笑っていた。
「まだ、終わってはいない。おまえにはベレンの護衛を頼みたいんだが、いいか?」
「ですが!」
「私は、まだしないといけないことがある。とてもベレンのことまで気を回せないんだ」
そう言った視線の先には、運ばれるイディを泣きながら追いかけるベレンの姿がある。
「ベレンには、いろいろ助けられてきた。私の代わりに支えてやってくれないか? これは、おまえにしか頼めないことだ」
ラミラは口を動かしかけたが、グッと力を入れて堪えた。再び頭を下げる。
「……わかりました」
「ありがとう」
クリスがラミラの肩に手をのせる。ラミラは一礼すると、仕事を遂行するため、素早くベレンのところへ移動した。
「さて」
クリスがカリストの方を向く。
「いろいろ聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「夜も遅いですし、先におやすみになりませんか?」
「どうせ眠れん」
「そうですね。では、お茶を準備しましょう」
「オレも共に聞くぞ」
オグウェノが断られてもついて行く、という気迫を隠すことなく出している。カリストは拒否することなく、微笑みを浮かべて頷いた。
「ご一緒にどうぞ」
三人は別のテラスに移動した。木々が植えられた小さな庭に、ソファーが並んでいる。
オグウェノはソファーに寝転んだ。クリスは一人掛け用のソファーに座る。クッションがほどよく沈み込む。
カリストはいつも通りの流れる動きで紅茶を淹れ、それぞれのソファーの近くにあるテーブルに並べた。紅茶と茶菓子を並べ終えたところで、カリストが二人に訊ねる。
「さて、なにをお話ししましょうか?」
「そうだなぁ……」
クリスが紅茶を飲みながら考える。乾いた体に紅茶が染み渡っていく。ほぅ、と一息ついていると、オグウェノが率直に聞いた。
「おまえは何者だ?」
「そうですねぇ……では、私の一族の話からしましょうか」
カリストの声が夜更けに溶けた。
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