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第2話 やっぱり王子を泣かせたい!
(13)後で悔やむのが後悔だから(リオルド視点③)
しおりを挟む『ガチャ!』
「鈴音さん!」
俺は思わず大きな声で言ってしまう。
鈴音さんは、少し微笑みながら声を掛けて来る。
「比叡さん…。こんばんは」
「はい! こんばんは!!」
「あっ、汚い所ですが、どうぞ!!」
「では…お邪魔します」
俺が招き入れると、鈴音さんは素直に、中に入ってくる。
凄く嬉しいが、大丈夫なのか?
「あっ、お茶用意しますね!」
俺は押し入れから座布団を引っ張り出して、俺の対面に成る場所に座布団を置く。
「あっ、お構いなく!」
鈴音さんはそう言うが、折角来てくれたんだ。
紅茶のティーバッグを戸棚から取り出して、紅茶を入れる準備をする。
数分後……。鈴音さんの手元と俺の座る場所に紅茶を置く。
「ミルクは粉末タイプですか…、砂糖も白砂糖しか無いので……」
俺はそう言いながら、テーブルに粉ミルクと砂糖を置く。
鈴音さんは、ミルクと砂糖を入れてミルクティーにする。俺も折角だから同じようにする。
「では、いただきます」
鈴音さんは食事前の挨拶をして、ミルクティーを飲む。
「ふぅ」
鈴音さんは軽いため息をつくと……
「比叡さん…。今回は残念でしたね…」
少し寂しそうな表情で鈴音さんは言う。
「今まで、順調だった罰が当たったのですよ…」
俺はそう言いながら、ミルクティーを飲む。
「でも、大丈夫ですか…?」
「こんな時間に、1人で俺の所に来て…」
「大丈夫ですよ!」
「この地区は防犯もしっかりしていますし!」
鈴音さんは一瞬笑顔に成るが、直ぐに暗い表情に成る。
「比叡さん……今後は、どうするおつもりですか?」
「やはり……引っ越しされるのですか?」
鈴音さんは更に、暗く寂しそうな表情で言う。
俺だって、鈴音さんの近くには居たいが……
「そうするしか無いのが現状です」
「この町は山本さんの影響力が大きいから、俺が抵抗しても潰されるのは目に見えてます」
「!!」
鈴音さんは少し驚いている。
「そうですか…」
鈴音さんは、諦めた顔つきに成ってしまった。
「鈴音さんに一応報告して置きます…」
「?」
「何をですか…?」
「稀子に…、縁を切られました!」
「えっ!?」
「稀子の奴!」
「保育士養成学校が不合格に成ったのを知った途端、俺を捨てて山本さんに乗り換える気満々です!!」
「鈴音さんも気を付けて下さい!」
俺はそう言うが、鈴音さんは冷静にミルクティーを飲んでいる……
「稀子さん…。そう来ましたか!」
鈴音さんの表情が変わる。
「えっ…!?」
「稀子さんは自分に非が無いように、比叡さんを捨ててまで、孝明さんと一緒に成りたいのですね!」
「ですなら、私も良いですね…?」
「……何が良いのですか?」
すると、鈴音さんはいきなり、微笑みながら言ってくる。
「比叡さん!」
「私達、付き合いましょう♪」
「えっ…えぇ~~~!!」
「なっ、何を言って居るのですか?!」
「鈴音さんは、山本さんと関係が有るでしょ!!」
「えぇ…関係は有りますが、婚姻関係までは発展していません!」
「恋人関係でも、冷め切ってしまった恋人関係では、恋人とは言えません!」
「鈴音さんが良くても、山本さんが……」
「今回の稀子さんは、全然ボロを出しません!」
「稀子さんも賢くなりました!!」
「つい最近までは、1週間でボロを出していたのに…」
稀子は色々と、山本さんが稀子に振り向く事をしていたらしい。
そんな事をしていれば、山本さんは当然、稀子を“子ども扱い”するよな。
「それに今回……比叡さんを完全に追い詰めた、山本さんを私は許せません!」
「私が山本さんの立場なら、比叡さんを絶対に助けます!」
「食費を免除したり、この町の児童福祉施設を回って、比叡さんの機会を探すのが普通です!!」
鈴音さんはそう言うが、普通の人は絶対に其処まではしない。
しても、相手の愚痴を聞いて終わりで有る。
それが出来るのは、相手の事が本当に好きで無いと出来ない……んっ、それは俺の事を鈴音さんが好き!?
「そう言ってくれると、すごく嬉しいです」
「でも……」
「大丈夫です!」
「私に任せて下さい!」
「山本さんのお母様も協力してくれますし、もちろん、孝明さんには内緒です!!」
「気持ちは凄く嬉しいけど……どうして、そこまでしてくれるの?」
「困っている人を助けるのは、当たり前じゃ無いですか!!」
まぶしい笑顔で鈴音さんは言う。この人は本当の女神様だ!!
どん底で、鈴音女神様の奇跡の手が、差し伸べられた瞬間だった……
「ですから、私にお任せ下さい!!」
「本当に良いの……鈴音さん」
「比叡さん!」
「さん付けで無くて、呼び捨てで良いですよ!」
「私は比叡さんが人間的に好きだから、助けるのです!」
「助けて貰えるのは凄く嬉しい……ありがとう鈴音さん」
「ですから、鈴音で良いですよ♪」
「俺より、遙かな大人の人を呼び捨てには出来ません……」
「却って俺の方を呼び捨てで呼んで下さい。『おぃ、比叡!』で十分です。
「年上の人にそんな事は言えませんわ!」
「じゃあ、今からその部分を話し合いましょう!!」
鈴音さんの手に依って、俺はどん底から這い上がれそうだ!
「鈴音さん!」
俺は思わず大きな声で言ってしまう。
鈴音さんは、少し微笑みながら声を掛けて来る。
「比叡さん…。こんばんは」
「はい! こんばんは!!」
「あっ、汚い所ですが、どうぞ!!」
「では…お邪魔します」
俺が招き入れると、鈴音さんは素直に、中に入ってくる。
凄く嬉しいが、大丈夫なのか?
「あっ、お茶用意しますね!」
俺は押し入れから座布団を引っ張り出して、俺の対面に成る場所に座布団を置く。
「あっ、お構いなく!」
鈴音さんはそう言うが、折角来てくれたんだ。
紅茶のティーバッグを戸棚から取り出して、紅茶を入れる準備をする。
数分後……。鈴音さんの手元と俺の座る場所に紅茶を置く。
「ミルクは粉末タイプですか…、砂糖も白砂糖しか無いので……」
俺はそう言いながら、テーブルに粉ミルクと砂糖を置く。
鈴音さんは、ミルクと砂糖を入れてミルクティーにする。俺も折角だから同じようにする。
「では、いただきます」
鈴音さんは食事前の挨拶をして、ミルクティーを飲む。
「ふぅ」
鈴音さんは軽いため息をつくと……
「比叡さん…。今回は残念でしたね…」
少し寂しそうな表情で鈴音さんは言う。
「今まで、順調だった罰が当たったのですよ…」
俺はそう言いながら、ミルクティーを飲む。
「でも、大丈夫ですか…?」
「こんな時間に、1人で俺の所に来て…」
「大丈夫ですよ!」
「この地区は防犯もしっかりしていますし!」
鈴音さんは一瞬笑顔に成るが、直ぐに暗い表情に成る。
「比叡さん……今後は、どうするおつもりですか?」
「やはり……引っ越しされるのですか?」
鈴音さんは更に、暗く寂しそうな表情で言う。
俺だって、鈴音さんの近くには居たいが……
「そうするしか無いのが現状です」
「この町は山本さんの影響力が大きいから、俺が抵抗しても潰されるのは目に見えてます」
「!!」
鈴音さんは少し驚いている。
「そうですか…」
鈴音さんは、諦めた顔つきに成ってしまった。
「鈴音さんに一応報告して置きます…」
「?」
「何をですか…?」
「稀子に…、縁を切られました!」
「えっ!?」
「稀子の奴!」
「保育士養成学校が不合格に成ったのを知った途端、俺を捨てて山本さんに乗り換える気満々です!!」
「鈴音さんも気を付けて下さい!」
俺はそう言うが、鈴音さんは冷静にミルクティーを飲んでいる……
「稀子さん…。そう来ましたか!」
鈴音さんの表情が変わる。
「えっ…!?」
「稀子さんは自分に非が無いように、比叡さんを捨ててまで、孝明さんと一緒に成りたいのですね!」
「ですなら、私も良いですね…?」
「……何が良いのですか?」
すると、鈴音さんはいきなり、微笑みながら言ってくる。
「比叡さん!」
「私達、付き合いましょう♪」
「えっ…えぇ~~~!!」
「なっ、何を言って居るのですか?!」
「鈴音さんは、山本さんと関係が有るでしょ!!」
「えぇ…関係は有りますが、婚姻関係までは発展していません!」
「恋人関係でも、冷め切ってしまった恋人関係では、恋人とは言えません!」
「鈴音さんが良くても、山本さんが……」
「今回の稀子さんは、全然ボロを出しません!」
「稀子さんも賢くなりました!!」
「つい最近までは、1週間でボロを出していたのに…」
稀子は色々と、山本さんが稀子に振り向く事をしていたらしい。
そんな事をしていれば、山本さんは当然、稀子を“子ども扱い”するよな。
「それに今回……比叡さんを完全に追い詰めた、山本さんを私は許せません!」
「私が山本さんの立場なら、比叡さんを絶対に助けます!」
「食費を免除したり、この町の児童福祉施設を回って、比叡さんの機会を探すのが普通です!!」
鈴音さんはそう言うが、普通の人は絶対に其処まではしない。
しても、相手の愚痴を聞いて終わりで有る。
それが出来るのは、相手の事が本当に好きで無いと出来ない……んっ、それは俺の事を鈴音さんが好き!?
「そう言ってくれると、すごく嬉しいです」
「でも……」
「大丈夫です!」
「私に任せて下さい!」
「山本さんのお母様も協力してくれますし、もちろん、孝明さんには内緒です!!」
「気持ちは凄く嬉しいけど……どうして、そこまでしてくれるの?」
「困っている人を助けるのは、当たり前じゃ無いですか!!」
まぶしい笑顔で鈴音さんは言う。この人は本当の女神様だ!!
どん底で、鈴音女神様の奇跡の手が、差し伸べられた瞬間だった……
「ですから、私にお任せ下さい!!」
「本当に良いの……鈴音さん」
「比叡さん!」
「さん付けで無くて、呼び捨てで良いですよ!」
「私は比叡さんが人間的に好きだから、助けるのです!」
「助けて貰えるのは凄く嬉しい……ありがとう鈴音さん」
「ですから、鈴音で良いですよ♪」
「俺より、遙かな大人の人を呼び捨てには出来ません……」
「却って俺の方を呼び捨てで呼んで下さい。『おぃ、比叡!』で十分です。
「年上の人にそんな事は言えませんわ!」
「じゃあ、今からその部分を話し合いましょう!!」
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