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40 この世も晴れて……
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盆の日の夕刻、おときは珍しく町娘の出で立ちで、南瓦屋町の屋敷を出た。
一人である。
久元寺にある寺島家代々の墓地につくったお民の墓に詣でるためだった。
幾つもの橋をわたった。
すべての橋の名は、おときですら知らない。
墓地には人の姿はまばらで、おときは無言のまま、新しい墓の上に、小さな正方瓦を一枚置いた。
おとき瓦だ。
それが精一杯の供養のつもりであったのだ。読経がおわり立ち上がった時、
「おときはん、ようお民の墓を、つくってくれはりましたなァ。このとおりや、お民に代わってお礼を云わせてもらいますわ。ほんま、おおきに」
と低い声が響いた。
ふり返ると、手に線香を持って佇んでいる淀屋辰五郎の姿があった。
この墓所の位置は、前もって淀辰に知らせておいたのだ。
「お民ちゃんのお墓にお線香をあげに来てくれはったんですか?」
「あたりまえやおまへんか」
声は小さいが、淀辰の気力は少しも衰えていないように、おときには見えた。
「もう、すでにあんたはんも知っていることかもしれへんけど、遠からず、この淀辰は、表舞台から消えよりますわ」
辰五郎が静かに云った。あまりにもあっけらかんとした語調に、おときは驚いた。
「もうお江戸から、お沙汰があったんですか?」
「いいや、まだやけど、わては腹を決めましたわ。もう、じたばたしまへん」
おときも、そうあってほしいと願っていた。
「そやそや、おときはん、わてが、天下の将軍様に、一体、どれくらいの金を貸しているのか、わかりまっか?」
ふいに、辰五郎はおときにたずねた。
「しょ、将軍様に? ですか?」
「およそ八十万両! 諸大名家には、そうやねえ、銀にして……合わせて、一億貫目はあるやろか」
おときにとっては、それほどの財は、まったく想像できない。ちなみに、銀1貫目は、現代の貨幣価値に換算して約125万円。その1億倍という、想像を絶する莫大な富であった……。
「……わてが貸している金銀すべてを帳消しにされた上、淀屋の財産はすべて取り上げられてしまうことになりますやろ。一方で、三井や鴻池など、新しく興ってきた商人連中は大喜びでおますやろなあ……さっそく幕閣のお偉いさんに、大層なもんを贈ったのとちゃいますやろか」
その言葉に、おときは、ハッと胸をつかれた。
淀辰は、幕府が自分の失脚を意図して、裏でいろいろと画策したことをすべてお見通しなのであろう。
「……それにしても、土岐家の分部様から、あんたはんの活躍を、それとなくお聴きしました……。お駒もお駒で、あれでかわいそうなおなごや。お民の代わりにわてが追い出した腹いせに、お民のことを逆恨みしていたんやろうなあ。世間では、いまなお、この辰五郎が、お駒や西海屋徳右衛門とつるんで、いかがわしい影絵芝居の小屋でひと儲けようとしたように騒いでおますけど」
辰五郎は、もうなにもかも承知の上であるらしい。
「……そやけど、なんでお民があんな茶屋で働いていたのか、それがいまだにわかりまへん」
淀辰が呟くと、それを受けておときが喋り出した。
「……それは、お駒さんだけが知っていること。でも、うちは、うちなりにこう考えてます。……おそらく、西国屋徳右衛門という人は、お上が雇うたんやないかとおもいます」
「あの西海屋が!お上の手先やと?それで、口封じに殺されてしもうたと?」
「はい。……お民ちゃんが、淀辰はんのところから急に姿を消したのは、おそらく、お駒はんが直接お民ちゃんに会って、なにか恨み事でもぶつけたんやないかと思うています。心根のやさしいお民ちゃんのことやから、お駒はんにすまないという気持ちになって、とうとう、淀辰はんに別れを告げたんやと。追い打ちをかけるように、たぶん、ほんの数日だけでいいから小屋で働いてくれと脅迫まがいのことを言われたんやないかと……」
「ほう、お駒が、お民を……」
「いえ、こればかりは、誰にも確かめることはできまへんけど、なかば脅迫されてお民ちゃんは仕方なく引受けざるを得なかったんやないかと思うんです。あるいは、淀辰はんに、この上もない迷惑がかかるとか、いろんなことを云うて、やさしいお民ちゃんの心を揺さぶったんないやろか……その一方で、お民ちゃんに想いを寄せていた墨屋の清兵衛はんに目をつけ、あの小屋に清兵衛はんを誘い込み、留吉が頃合を見て、清兵衛はんに包丁を拾わせ、背後から突き当たる時に、包丁を持った清兵衛はんの右手に手を添えて、ぶつかった勢いで、そのままお民ちゃんを……。その留吉も薬を呑まされていて、その場にいた他の仲間に殺された……これが、真相に近いのやないかとうちらは思うとります。騒ぎを大きくすることで、淀辰はんを巻き込みたかったんやないかと……」
淀辰は瞳を潤ませて、吐息をついた。
「なるほど、そうかもしれまへん。けど、お民まで巻き添えにせんでもええのにと、それだけがほんま腹が立つ……」
「うち、淀辰はんに対して、申し訳なく思ってますんや。うちが、あれこれ、探ろうとせなんだら、ひょっとして、淀辰はんへの風当たりも、これほど強いこともなかったかもしれへんし。ほんま、うちは、あほな女や。結局、お民ちゃんの仇もとれず、ほんまに情け無いことです」
淀辰は首を左右にふった。
「お上が相手のことやとしたら、どうあがいても、こうなる結末やったんですわ。町人の分際で豪奢な暮らしをしていたわてが、目に余っていたんでしょうな」
「でも……お民ちゃんは、淀辰はんのことを、心底、好いていたんやろと思います。淀辰はんがお金持ちやなくても、きっと、お民ちゃんは、淀辰はんについていったはずや。うち、なんとなく、いまではそうおもうとります」
おときはそう云うと、視線の定まらない目で淀辰の顔を見た。
「ありがとさん。そういうてもらうだけで、わては嬉しいおます……」
淀辰は、お民の墓に線香をあげて、しばし両手を合わせて念じていた。
おときも、その側で、もう一度、お民の冥福を祈った。
「そうでんな、この夜も名残り、世も名残りちゅうところでっしゃろか」
近松の《曾根崎心中》の道行きの名場面のなかの一文だ。
「ほんま、ええせりふでおますなあ。なんか、こう、心に沁みわたるような名文ですわ。でも、わては、名残りの気持ちやなく、あの世でも、どこの世でも行ったるわ、と、自分でいうのもなんですけどな、どことなく、はればれとしてきよりましたわ」
その言葉を受けて、おときが続けた。
「さしずめ、この世も晴れて、予も晴れて……というところですか」
「ひゃあ、その言葉、なによりの餞ですわ」
淀辰は深々と頭を下げた。自分が納得いかないことにはとことん食い下がっていくおときの行動力には、論理を超えた爽快感のようなものを辰五郎は感じていた。さながら一陣の風がただよってきているかのような爽やかさ。いや、このおときこそが、風そのものなのだと、淀辰はおもった。
世間の枠組みからはずれて、とことん思い悩む女ではなく、そんな枠組みそのものを自分の力で作り変えようとする、ふてぶてしいまでの熱さを感じ、淀辰は不思議な感動にとらわれていた。そんなおときの若さがまぶしく、いまさらながら羨ましくおもえてきてならなかった。
淀辰と別れた帰り道、激しい土砂降りに遭った。
おときは駆け出した。
橋を渡り終えた。
その橋の名は、肥後橋、といった。
雨足がきつくなり、濡れたおときのさらしの下の乳首が尖ったことを、誰も気づかない。
ふいに、おがくずのにおいを、雨の中でおときは嗅いだ。嗅いだような気がした。
ほんのしばらく懐かしさを含んだ雨が降って、たちまち止んだ。
きっとお民が降らせた名残りの雨なのだろうと、おときはおもった。そう信じられそうな気がした……。
( 了 )
…………………………………………………………………………………
ご愛読、本当に、ありがとうございました。
まだ構想段階でプロットも考えてはいませんが、
第二部 京都編
第三部 大江戸編
を模索しております。
発表の機会がありましたら、おときと近松門左衛門のコンビの活躍をお楽しみに……。
山の上の草庵にて
一人である。
久元寺にある寺島家代々の墓地につくったお民の墓に詣でるためだった。
幾つもの橋をわたった。
すべての橋の名は、おときですら知らない。
墓地には人の姿はまばらで、おときは無言のまま、新しい墓の上に、小さな正方瓦を一枚置いた。
おとき瓦だ。
それが精一杯の供養のつもりであったのだ。読経がおわり立ち上がった時、
「おときはん、ようお民の墓を、つくってくれはりましたなァ。このとおりや、お民に代わってお礼を云わせてもらいますわ。ほんま、おおきに」
と低い声が響いた。
ふり返ると、手に線香を持って佇んでいる淀屋辰五郎の姿があった。
この墓所の位置は、前もって淀辰に知らせておいたのだ。
「お民ちゃんのお墓にお線香をあげに来てくれはったんですか?」
「あたりまえやおまへんか」
声は小さいが、淀辰の気力は少しも衰えていないように、おときには見えた。
「もう、すでにあんたはんも知っていることかもしれへんけど、遠からず、この淀辰は、表舞台から消えよりますわ」
辰五郎が静かに云った。あまりにもあっけらかんとした語調に、おときは驚いた。
「もうお江戸から、お沙汰があったんですか?」
「いいや、まだやけど、わては腹を決めましたわ。もう、じたばたしまへん」
おときも、そうあってほしいと願っていた。
「そやそや、おときはん、わてが、天下の将軍様に、一体、どれくらいの金を貸しているのか、わかりまっか?」
ふいに、辰五郎はおときにたずねた。
「しょ、将軍様に? ですか?」
「およそ八十万両! 諸大名家には、そうやねえ、銀にして……合わせて、一億貫目はあるやろか」
おときにとっては、それほどの財は、まったく想像できない。ちなみに、銀1貫目は、現代の貨幣価値に換算して約125万円。その1億倍という、想像を絶する莫大な富であった……。
「……わてが貸している金銀すべてを帳消しにされた上、淀屋の財産はすべて取り上げられてしまうことになりますやろ。一方で、三井や鴻池など、新しく興ってきた商人連中は大喜びでおますやろなあ……さっそく幕閣のお偉いさんに、大層なもんを贈ったのとちゃいますやろか」
その言葉に、おときは、ハッと胸をつかれた。
淀辰は、幕府が自分の失脚を意図して、裏でいろいろと画策したことをすべてお見通しなのであろう。
「……それにしても、土岐家の分部様から、あんたはんの活躍を、それとなくお聴きしました……。お駒もお駒で、あれでかわいそうなおなごや。お民の代わりにわてが追い出した腹いせに、お民のことを逆恨みしていたんやろうなあ。世間では、いまなお、この辰五郎が、お駒や西海屋徳右衛門とつるんで、いかがわしい影絵芝居の小屋でひと儲けようとしたように騒いでおますけど」
辰五郎は、もうなにもかも承知の上であるらしい。
「……そやけど、なんでお民があんな茶屋で働いていたのか、それがいまだにわかりまへん」
淀辰が呟くと、それを受けておときが喋り出した。
「……それは、お駒さんだけが知っていること。でも、うちは、うちなりにこう考えてます。……おそらく、西国屋徳右衛門という人は、お上が雇うたんやないかとおもいます」
「あの西海屋が!お上の手先やと?それで、口封じに殺されてしもうたと?」
「はい。……お民ちゃんが、淀辰はんのところから急に姿を消したのは、おそらく、お駒はんが直接お民ちゃんに会って、なにか恨み事でもぶつけたんやないかと思うています。心根のやさしいお民ちゃんのことやから、お駒はんにすまないという気持ちになって、とうとう、淀辰はんに別れを告げたんやと。追い打ちをかけるように、たぶん、ほんの数日だけでいいから小屋で働いてくれと脅迫まがいのことを言われたんやないかと……」
「ほう、お駒が、お民を……」
「いえ、こればかりは、誰にも確かめることはできまへんけど、なかば脅迫されてお民ちゃんは仕方なく引受けざるを得なかったんやないかと思うんです。あるいは、淀辰はんに、この上もない迷惑がかかるとか、いろんなことを云うて、やさしいお民ちゃんの心を揺さぶったんないやろか……その一方で、お民ちゃんに想いを寄せていた墨屋の清兵衛はんに目をつけ、あの小屋に清兵衛はんを誘い込み、留吉が頃合を見て、清兵衛はんに包丁を拾わせ、背後から突き当たる時に、包丁を持った清兵衛はんの右手に手を添えて、ぶつかった勢いで、そのままお民ちゃんを……。その留吉も薬を呑まされていて、その場にいた他の仲間に殺された……これが、真相に近いのやないかとうちらは思うとります。騒ぎを大きくすることで、淀辰はんを巻き込みたかったんやないかと……」
淀辰は瞳を潤ませて、吐息をついた。
「なるほど、そうかもしれまへん。けど、お民まで巻き添えにせんでもええのにと、それだけがほんま腹が立つ……」
「うち、淀辰はんに対して、申し訳なく思ってますんや。うちが、あれこれ、探ろうとせなんだら、ひょっとして、淀辰はんへの風当たりも、これほど強いこともなかったかもしれへんし。ほんま、うちは、あほな女や。結局、お民ちゃんの仇もとれず、ほんまに情け無いことです」
淀辰は首を左右にふった。
「お上が相手のことやとしたら、どうあがいても、こうなる結末やったんですわ。町人の分際で豪奢な暮らしをしていたわてが、目に余っていたんでしょうな」
「でも……お民ちゃんは、淀辰はんのことを、心底、好いていたんやろと思います。淀辰はんがお金持ちやなくても、きっと、お民ちゃんは、淀辰はんについていったはずや。うち、なんとなく、いまではそうおもうとります」
おときはそう云うと、視線の定まらない目で淀辰の顔を見た。
「ありがとさん。そういうてもらうだけで、わては嬉しいおます……」
淀辰は、お民の墓に線香をあげて、しばし両手を合わせて念じていた。
おときも、その側で、もう一度、お民の冥福を祈った。
「そうでんな、この夜も名残り、世も名残りちゅうところでっしゃろか」
近松の《曾根崎心中》の道行きの名場面のなかの一文だ。
「ほんま、ええせりふでおますなあ。なんか、こう、心に沁みわたるような名文ですわ。でも、わては、名残りの気持ちやなく、あの世でも、どこの世でも行ったるわ、と、自分でいうのもなんですけどな、どことなく、はればれとしてきよりましたわ」
その言葉を受けて、おときが続けた。
「さしずめ、この世も晴れて、予も晴れて……というところですか」
「ひゃあ、その言葉、なによりの餞ですわ」
淀辰は深々と頭を下げた。自分が納得いかないことにはとことん食い下がっていくおときの行動力には、論理を超えた爽快感のようなものを辰五郎は感じていた。さながら一陣の風がただよってきているかのような爽やかさ。いや、このおときこそが、風そのものなのだと、淀辰はおもった。
世間の枠組みからはずれて、とことん思い悩む女ではなく、そんな枠組みそのものを自分の力で作り変えようとする、ふてぶてしいまでの熱さを感じ、淀辰は不思議な感動にとらわれていた。そんなおときの若さがまぶしく、いまさらながら羨ましくおもえてきてならなかった。
淀辰と別れた帰り道、激しい土砂降りに遭った。
おときは駆け出した。
橋を渡り終えた。
その橋の名は、肥後橋、といった。
雨足がきつくなり、濡れたおときのさらしの下の乳首が尖ったことを、誰も気づかない。
ふいに、おがくずのにおいを、雨の中でおときは嗅いだ。嗅いだような気がした。
ほんのしばらく懐かしさを含んだ雨が降って、たちまち止んだ。
きっとお民が降らせた名残りの雨なのだろうと、おときはおもった。そう信じられそうな気がした……。
( 了 )
…………………………………………………………………………………
ご愛読、本当に、ありがとうございました。
まだ構想段階でプロットも考えてはいませんが、
第二部 京都編
第三部 大江戸編
を模索しております。
発表の機会がありましたら、おときと近松門左衛門のコンビの活躍をお楽しみに……。
山の上の草庵にて
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退会済ユーザのコメントです
ありがとうございます。読了いただき、とても嬉しいです。西鶴よりも近松が好きなのです。西鶴は、その名の通り才覚あふれる人で、なんだか当時のエリート評論家のような感じです。
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大阪弁、とても危険ですね。……そんなことを思いつつ、書いてみました(´∀`*
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続きも楽しみに、少しずつ読ませていただきますね(´∀`*)
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