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どうも、教国です
どうも、殲滅です
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~全帝&水帝&雷帝~
「【大津波】! 雷帝、浮かんできたのは頼むわよ」
「了解。【サンダーフィールド】!」
水帝が国境の外側から街を飲み込む規模の水流で押し流し、雷帝がそこへ電撃を流す。
その横で全帝は、別の区画へ魔法を放っていた。
「【ガトリング】」
魔力察知もせずランダムにただ強力な魔力球を撃ち続けるだけの大規模殲滅魔法である。
水帝と雷帝が振り返った。
「もう全帝だけで良くない?」
「俺たちが頑張る意味ある?」
「給料おんなじなんだから働けよー」
血なまぐさい場面で、生々しい大人の会話が繰り広げられていた。
~ルイス&風帝~
「邪神復活のためのキメラっていうなら、聖魔法が効くのかな。【ホーリーレーザーレイン・フルバースト】」
「早く終わらせたらリズも褒めてくれるかな…【ウインドカッター】広域指定で」
任務には真面目なルイスと、娘への溺愛が止まらない風帝。そして神々しい光の雨が降り注ぎ、風の刃が地上を薙ぐ。どちらも超広域で、教国の5分の1程度を軽く薙ぎ払った。
「あー…。やっぱりキメラだとそうなるか…」
「娘とは似つかん醜悪さだな…」
「そりゃ縁もゆかりも無い教国のキメラが君の娘と似てたらダメでしょ」
地上では不完全な体を補おうと、攻撃されたキメラ同士がくっついて合成されて再生していた。
「生贄にしても儀式の準備にしても人数が多いとは思ったけど、破損しても再生させて必要人数だけは確保するためだったんだね」
「リズ以外は皆どうでもいいというのに、頭数を揃えるだなんて」
「……ねえ、娘以外どうでもいいなら、君のこともどうでもいいんだよね? なら君もあの中に入ってきたら?」
さすがに鬱陶しくなったルイスが提案する。
その後は風帝ごと巻き込んだ聖なる雨が降り続いたという。
~ザガン&炎帝~
「助手ー! 途中まで来てたのに…便所か?」
炎帝は相変わらずキョロキョロしていた。ところどころで火の手が上がり家屋が倒壊し光が降り注ぎ…という状況を見るに、狼煙が上がったことは確かなのだが、いかんせんペアにされた助手が一向に現れない。会議室まではいたはずなのに――
「もしかして、逃亡…?」
そして炎帝が来た道を振り返った瞬間。
「ちょっと退いてー! やっぱ退かないでー!」
黒い弾丸のような物体が人語を発しながら急速に近づいてきた。
もちろん炎帝は咄嗟に避ける。
ズゴー! と実に痛そうな音を立てて、物体は民家に突っ込んだ。
「え、なになに? うわっ! キモッ! ナニコレ魚? 人間? やだウロコが、きゃー!」
なんだかんだ悲鳴を上げたのち民家を爆発させて出てきたのは、黒いローブの男。
「あー、助手さんで合ってる?」
「ん? あ、オレっち? そうそう助手だよ! 赤いあんたは炎帝か。あ、もしかして待たせた? ごめんごめん」
あんまりにも軽いノリに、闇ギルドで任務を放棄して失踪したかもしれないと身構えていた炎帝は、無意識に強張っていた肩の力を抜いた。
「あー、じゃあ、揃ったことだし行こうか」
「うんうん行こ行こ! お待たせー。ちょっと迷子になっててさー。なんか途中飛んじゃってさあ」
熱血だったり口数が多かったりと、いつもうるさがられるのは炎帝なのに、その炎帝がうるさいと思った。
「……え?」
そんなうるさい闇ギルドの男、なんの助手か知らないがとにかく助手が、口をつぐんで教国の中心部、教会の塔をじっと見つめた。
「どうした?」
何も感じないが、どうしたというのか。
「あー、オレっち、ちょっと急ぎの用ができたかも! なんかこの辺破壊するだけでいいんだっけ? バーっとやっとくからさ、先行くねー!」
飛んできたとき以上のスピードで駆けながら、視界に入る民家をひと通り焼いていく助手。
「…炎帝のオレに火で対抗するとは、負けてられないな!」
脳筋な炎帝はザガンの謎行動を宣戦布告と受け取り、担当区画を燃やし尽くしながらザガンのあとを追った。
「【大津波】! 雷帝、浮かんできたのは頼むわよ」
「了解。【サンダーフィールド】!」
水帝が国境の外側から街を飲み込む規模の水流で押し流し、雷帝がそこへ電撃を流す。
その横で全帝は、別の区画へ魔法を放っていた。
「【ガトリング】」
魔力察知もせずランダムにただ強力な魔力球を撃ち続けるだけの大規模殲滅魔法である。
水帝と雷帝が振り返った。
「もう全帝だけで良くない?」
「俺たちが頑張る意味ある?」
「給料おんなじなんだから働けよー」
血なまぐさい場面で、生々しい大人の会話が繰り広げられていた。
~ルイス&風帝~
「邪神復活のためのキメラっていうなら、聖魔法が効くのかな。【ホーリーレーザーレイン・フルバースト】」
「早く終わらせたらリズも褒めてくれるかな…【ウインドカッター】広域指定で」
任務には真面目なルイスと、娘への溺愛が止まらない風帝。そして神々しい光の雨が降り注ぎ、風の刃が地上を薙ぐ。どちらも超広域で、教国の5分の1程度を軽く薙ぎ払った。
「あー…。やっぱりキメラだとそうなるか…」
「娘とは似つかん醜悪さだな…」
「そりゃ縁もゆかりも無い教国のキメラが君の娘と似てたらダメでしょ」
地上では不完全な体を補おうと、攻撃されたキメラ同士がくっついて合成されて再生していた。
「生贄にしても儀式の準備にしても人数が多いとは思ったけど、破損しても再生させて必要人数だけは確保するためだったんだね」
「リズ以外は皆どうでもいいというのに、頭数を揃えるだなんて」
「……ねえ、娘以外どうでもいいなら、君のこともどうでもいいんだよね? なら君もあの中に入ってきたら?」
さすがに鬱陶しくなったルイスが提案する。
その後は風帝ごと巻き込んだ聖なる雨が降り続いたという。
~ザガン&炎帝~
「助手ー! 途中まで来てたのに…便所か?」
炎帝は相変わらずキョロキョロしていた。ところどころで火の手が上がり家屋が倒壊し光が降り注ぎ…という状況を見るに、狼煙が上がったことは確かなのだが、いかんせんペアにされた助手が一向に現れない。会議室まではいたはずなのに――
「もしかして、逃亡…?」
そして炎帝が来た道を振り返った瞬間。
「ちょっと退いてー! やっぱ退かないでー!」
黒い弾丸のような物体が人語を発しながら急速に近づいてきた。
もちろん炎帝は咄嗟に避ける。
ズゴー! と実に痛そうな音を立てて、物体は民家に突っ込んだ。
「え、なになに? うわっ! キモッ! ナニコレ魚? 人間? やだウロコが、きゃー!」
なんだかんだ悲鳴を上げたのち民家を爆発させて出てきたのは、黒いローブの男。
「あー、助手さんで合ってる?」
「ん? あ、オレっち? そうそう助手だよ! 赤いあんたは炎帝か。あ、もしかして待たせた? ごめんごめん」
あんまりにも軽いノリに、闇ギルドで任務を放棄して失踪したかもしれないと身構えていた炎帝は、無意識に強張っていた肩の力を抜いた。
「あー、じゃあ、揃ったことだし行こうか」
「うんうん行こ行こ! お待たせー。ちょっと迷子になっててさー。なんか途中飛んじゃってさあ」
熱血だったり口数が多かったりと、いつもうるさがられるのは炎帝なのに、その炎帝がうるさいと思った。
「……え?」
そんなうるさい闇ギルドの男、なんの助手か知らないがとにかく助手が、口をつぐんで教国の中心部、教会の塔をじっと見つめた。
「どうした?」
何も感じないが、どうしたというのか。
「あー、オレっち、ちょっと急ぎの用ができたかも! なんかこの辺破壊するだけでいいんだっけ? バーっとやっとくからさ、先行くねー!」
飛んできたとき以上のスピードで駆けながら、視界に入る民家をひと通り焼いていく助手。
「…炎帝のオレに火で対抗するとは、負けてられないな!」
脳筋な炎帝はザガンの謎行動を宣戦布告と受け取り、担当区画を燃やし尽くしながらザガンのあとを追った。
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