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どうも、実技演習です
どうも、契約です
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アゲハは暇潰しという目的があったからいいものの、ただ日常を荒らされただけの生徒会は苦労の種を恨みたくもなるだろう。
そう思えば、サバイバル中にはそれをおくびにも出さなかったその忍耐力は凄まじい。
「ルイスも苦労するな」
姉に勇者に。
「おっしゃる通りで。では失礼いたします」
「待て」
臣下モードのザガンは、余計なことを言わずに消えようとした。
ずっとこのテンションならば鬱陶しくないのに。
「今宵、ワルプルギスを開催する。急ぎ支度せよ。冥王にも連絡するように」
茶会が好きな冥王なら来るだろう。
アゲハとしてはそんな軽い気持ちだが、もちろん冥王は四天王といえどたかだか一介の魔族が気安く連絡できる相手ではない。
「…はっ」
ザガンは帰ってジャンケンで連絡係を決めようと心に誓った。新たな厄介事を頼まれる前に姿を消す。
「さて、ルイスとデカラビアは――」
「そんなことない! 僕は彼女たちを守れる! そのための力だ!」
「その力を使う技術がまだまだ不足していると言っているんだ! それに、守りたいなら身バレなど恐れるな! 不足した力を出し惜しみすれば彼女らも危険に晒すことになると知れ!」
「僕は強い! 僕は皆を守れる!」
「いずれ人類を守る役目を期待されているが、君にはまだ友人を守る力もない! 現実を見ろ!」
まだやっていた。
所在なげに立っているデカラビアへ目配せする。
「なんでしょう、魔王陛下」
デカラビアはすぐにやって来た。敵対していた魔族がいなくなったことに、勇はともかくルイスまでも気づいていない。
「俺と使い魔契約をしろ。そのほうが話が早い」
「よくわかりませんが、喜んで」
跪いて頭を垂れたデカラビアの頭に手をかざす。それだけで魔力交換が済み、使い魔契約が終了した。
召喚使い魔ではない、ただの使い魔契約ならば何体とでも可能だ。
そしてようやくアゲハたちは木陰から出る。
「半年かかっても初級のアローすらまともに使えないくせに帝なんて、そもそもおかしいんだ。それでも戦える術を教えているのに、君はまったく学習しない――」
「白熱しているところ悪いが」
学園内では勇者との関わりを最小限にしていたルイスがまともに口でやり合っているのを遮る。
「使い魔になってくれるそうだ」
親指で隣を指し示す。
「デカちゃんじゃぞ。親愛を込めてそう呼ぶが良い」
ひょっこりアゲハの隣に出てきてキラッと綺羅星☆的なポーズを決めたデカラビアに、ルイスも勇も口をあんぐりと開けた。
「はあーーーっ!?」
叫び声がハモった。
「そういえばずっと思っていたが、その外見に『儂』は似合わんと思うぞ?」
二十代のような外見に「儂」は確かに似合わないが、魔族相手にこの場面で平然と言い放ってみせるアゲハが最強である。
「なんじゃと!?」
アゲハの「ずっと」が何百年前からを指すのかと、デカラビアはがっくりと肩を落とした。
「あー、えーっと、アゲハ。何から言えば……そうだ。その、デカちゃんは一応魔族だから、使い魔にした経緯も含めて、国王に説明するよう呼び出しがあると思う」
ルイスはかなり困惑したのち、勇者をまともに相手してしまったことを恥じて、気まずそうに頰を掻いた。
ルイスはデカラビアといずれ敵対し、戦闘になると踏んでいた。そのためティティスやミケルをいざというときの連絡、応援要員として帰したのだ。
シラに伝えなくとも、土帝である学園長には伝えれば帝全員が知るところとなる。そうすれば帝全員が増援に来てくれる。たとえ自分が負けてもかつての仲間が退治するか、再封印してくれるだろう。ルイスにはめずらしく、そう自己犠牲的に考えていた。まさか平和的解決ができるとは思っていなかったのである。
そこはルイスの人間らしい固定概念だ。もちろんデカラビアとて、アゲハが魔王でなければ従いはしなかっただろうが。
「そうか……。仕方ないな」
アゲハは国王を思い出す。高いところからこちらを見下ろす髭面が気に食わない。気を抜けばプチッとやってしまいそうだ。
このストレスは、今日のワルプルギスで晴らさせてもらうことにしよう。
何もしていないのに、タケルの扱いが決まった瞬間だった。
「まあ、ひとまず学園へ戻ろうか」
「あ、アゲハ! 無事で良かった!」
親友ならもっと早く気づけ、と思いながら、ルイスは仕方なく勇者の分も転移を発動した。
「おう、戻ったかー」
シラの気の抜ける聞こえた直後、アゲハはフレイたちの歓喜の声と腕に包まれた。肩を組み腕を組みと、フレイとクレアに両脇を固められている。ペタとリズは正面で涙ぐんでいる。
振り返ると、ルイスがティティスやミケルらに囲まれていた。他の面々は生徒会メンバーだろう。名前は知らないが、それなりに実力はありそうだ。
ルイスと逆方向では、勇が取り巻きたちに抱きつかれていた。こちらは押し合い圧し合い胸の押しつけ合いで、デカラビアが現れたとき以上に戦闘中のような気迫が出ている。
「あー、感動の再会中悪いが、報告してくれるかー? ファイアたちは勇者が大変としか言わなくてなー。何があってどう大変だったー?」
シラの秘技、間延びしているのに真剣そうな声。
「先生に頼まれて勇を探しに行くと、先輩たちは別の場所で依頼をこなしていて、勇は女子に囲まれてました。そこに魔族が襲ってきて、でもルイスが勇にいろいろと指導してる間に、俺の使い魔になってくれるってことで片付きました」
フレイたちが封印の洞窟の話をしていないのなら、とアゲハはちゃっかり一部省略して報告した。
「3年は今、ギルドで完了報告をしています。もうすぐ帰ってくるでしょう」
ルイスは報告するアゲハの隣にさらりと並んだ。
「魔族と交戦? それに使い魔か…。ならアゲハと…代表してルイス、あと勇者は明日にでも国王に呼ばれそうだなー。心の準備しとけー」
「わかりました」
普段より増して面倒くさそうな顔をしながら、シラはルイスと同じことを言った。アゲハは諦めて、態度だけは好青年風に返事しておく。
そこへ勇者グループの3年生3人が戻ってきた。
「ほーい、じゃあこれで初回の演習を終わるぞー。違約金もない初歩レベルの依頼を3年に丸投げした勇者グループは次回までに反省文50枚なー。んじゃ解散しろー」
「なっ!」
「反省文!?」
「50枚なんて!」
「酷いですわ!」
「実技演習って名前に変わってもこれは戦闘訓練の授業だからなー。戦闘できないなら単位なし、単位がほしいなら反省文。いつも通りだぞー」
勇と女子からの非難にあっさり答えてシラは職員室へ戻って行く。
「やはり愉快な教師だな」
呟いたアゲハが寮に帰ろうとすると、ルイスが近づいてきた。
「アゲハ、さっきは庇ってくれてありがとう。俺が封印を解いたこと…」
「別に、嘘はついていない」
それにアゲハが望んだ通りに動いてくれたのだから、むしろアゲハが礼を言うべきである。
が、根っからの魔王気質のアゲハは礼を伝えることに慣れていない。
「アゲハ! 寮に戻ろうぜ! あの後の話、聞かせてくれよ」
「勇者がうざかった話を聞きたいのか?」
「うわっ、それはいいや…。そこ以外で!」
フレイたち1年生に囲まれながら帰るアゲハの後ろ姿に、ルイスは「ツンデレなんだな」とアゲハが聞けば不本意だと拗ねそうなことを思って微笑んでいた。
「会長ー! 昨日勇者で怪我した男子生徒、賠償金渡すのが今日ですよー!」
生徒会メンバーの声に、一気に現実へ引き戻された。
そう思えば、サバイバル中にはそれをおくびにも出さなかったその忍耐力は凄まじい。
「ルイスも苦労するな」
姉に勇者に。
「おっしゃる通りで。では失礼いたします」
「待て」
臣下モードのザガンは、余計なことを言わずに消えようとした。
ずっとこのテンションならば鬱陶しくないのに。
「今宵、ワルプルギスを開催する。急ぎ支度せよ。冥王にも連絡するように」
茶会が好きな冥王なら来るだろう。
アゲハとしてはそんな軽い気持ちだが、もちろん冥王は四天王といえどたかだか一介の魔族が気安く連絡できる相手ではない。
「…はっ」
ザガンは帰ってジャンケンで連絡係を決めようと心に誓った。新たな厄介事を頼まれる前に姿を消す。
「さて、ルイスとデカラビアは――」
「そんなことない! 僕は彼女たちを守れる! そのための力だ!」
「その力を使う技術がまだまだ不足していると言っているんだ! それに、守りたいなら身バレなど恐れるな! 不足した力を出し惜しみすれば彼女らも危険に晒すことになると知れ!」
「僕は強い! 僕は皆を守れる!」
「いずれ人類を守る役目を期待されているが、君にはまだ友人を守る力もない! 現実を見ろ!」
まだやっていた。
所在なげに立っているデカラビアへ目配せする。
「なんでしょう、魔王陛下」
デカラビアはすぐにやって来た。敵対していた魔族がいなくなったことに、勇はともかくルイスまでも気づいていない。
「俺と使い魔契約をしろ。そのほうが話が早い」
「よくわかりませんが、喜んで」
跪いて頭を垂れたデカラビアの頭に手をかざす。それだけで魔力交換が済み、使い魔契約が終了した。
召喚使い魔ではない、ただの使い魔契約ならば何体とでも可能だ。
そしてようやくアゲハたちは木陰から出る。
「半年かかっても初級のアローすらまともに使えないくせに帝なんて、そもそもおかしいんだ。それでも戦える術を教えているのに、君はまったく学習しない――」
「白熱しているところ悪いが」
学園内では勇者との関わりを最小限にしていたルイスがまともに口でやり合っているのを遮る。
「使い魔になってくれるそうだ」
親指で隣を指し示す。
「デカちゃんじゃぞ。親愛を込めてそう呼ぶが良い」
ひょっこりアゲハの隣に出てきてキラッと綺羅星☆的なポーズを決めたデカラビアに、ルイスも勇も口をあんぐりと開けた。
「はあーーーっ!?」
叫び声がハモった。
「そういえばずっと思っていたが、その外見に『儂』は似合わんと思うぞ?」
二十代のような外見に「儂」は確かに似合わないが、魔族相手にこの場面で平然と言い放ってみせるアゲハが最強である。
「なんじゃと!?」
アゲハの「ずっと」が何百年前からを指すのかと、デカラビアはがっくりと肩を落とした。
「あー、えーっと、アゲハ。何から言えば……そうだ。その、デカちゃんは一応魔族だから、使い魔にした経緯も含めて、国王に説明するよう呼び出しがあると思う」
ルイスはかなり困惑したのち、勇者をまともに相手してしまったことを恥じて、気まずそうに頰を掻いた。
ルイスはデカラビアといずれ敵対し、戦闘になると踏んでいた。そのためティティスやミケルをいざというときの連絡、応援要員として帰したのだ。
シラに伝えなくとも、土帝である学園長には伝えれば帝全員が知るところとなる。そうすれば帝全員が増援に来てくれる。たとえ自分が負けてもかつての仲間が退治するか、再封印してくれるだろう。ルイスにはめずらしく、そう自己犠牲的に考えていた。まさか平和的解決ができるとは思っていなかったのである。
そこはルイスの人間らしい固定概念だ。もちろんデカラビアとて、アゲハが魔王でなければ従いはしなかっただろうが。
「そうか……。仕方ないな」
アゲハは国王を思い出す。高いところからこちらを見下ろす髭面が気に食わない。気を抜けばプチッとやってしまいそうだ。
このストレスは、今日のワルプルギスで晴らさせてもらうことにしよう。
何もしていないのに、タケルの扱いが決まった瞬間だった。
「まあ、ひとまず学園へ戻ろうか」
「あ、アゲハ! 無事で良かった!」
親友ならもっと早く気づけ、と思いながら、ルイスは仕方なく勇者の分も転移を発動した。
「おう、戻ったかー」
シラの気の抜ける聞こえた直後、アゲハはフレイたちの歓喜の声と腕に包まれた。肩を組み腕を組みと、フレイとクレアに両脇を固められている。ペタとリズは正面で涙ぐんでいる。
振り返ると、ルイスがティティスやミケルらに囲まれていた。他の面々は生徒会メンバーだろう。名前は知らないが、それなりに実力はありそうだ。
ルイスと逆方向では、勇が取り巻きたちに抱きつかれていた。こちらは押し合い圧し合い胸の押しつけ合いで、デカラビアが現れたとき以上に戦闘中のような気迫が出ている。
「あー、感動の再会中悪いが、報告してくれるかー? ファイアたちは勇者が大変としか言わなくてなー。何があってどう大変だったー?」
シラの秘技、間延びしているのに真剣そうな声。
「先生に頼まれて勇を探しに行くと、先輩たちは別の場所で依頼をこなしていて、勇は女子に囲まれてました。そこに魔族が襲ってきて、でもルイスが勇にいろいろと指導してる間に、俺の使い魔になってくれるってことで片付きました」
フレイたちが封印の洞窟の話をしていないのなら、とアゲハはちゃっかり一部省略して報告した。
「3年は今、ギルドで完了報告をしています。もうすぐ帰ってくるでしょう」
ルイスは報告するアゲハの隣にさらりと並んだ。
「魔族と交戦? それに使い魔か…。ならアゲハと…代表してルイス、あと勇者は明日にでも国王に呼ばれそうだなー。心の準備しとけー」
「わかりました」
普段より増して面倒くさそうな顔をしながら、シラはルイスと同じことを言った。アゲハは諦めて、態度だけは好青年風に返事しておく。
そこへ勇者グループの3年生3人が戻ってきた。
「ほーい、じゃあこれで初回の演習を終わるぞー。違約金もない初歩レベルの依頼を3年に丸投げした勇者グループは次回までに反省文50枚なー。んじゃ解散しろー」
「なっ!」
「反省文!?」
「50枚なんて!」
「酷いですわ!」
「実技演習って名前に変わってもこれは戦闘訓練の授業だからなー。戦闘できないなら単位なし、単位がほしいなら反省文。いつも通りだぞー」
勇と女子からの非難にあっさり答えてシラは職員室へ戻って行く。
「やはり愉快な教師だな」
呟いたアゲハが寮に帰ろうとすると、ルイスが近づいてきた。
「アゲハ、さっきは庇ってくれてありがとう。俺が封印を解いたこと…」
「別に、嘘はついていない」
それにアゲハが望んだ通りに動いてくれたのだから、むしろアゲハが礼を言うべきである。
が、根っからの魔王気質のアゲハは礼を伝えることに慣れていない。
「アゲハ! 寮に戻ろうぜ! あの後の話、聞かせてくれよ」
「勇者がうざかった話を聞きたいのか?」
「うわっ、それはいいや…。そこ以外で!」
フレイたち1年生に囲まれながら帰るアゲハの後ろ姿に、ルイスは「ツンデレなんだな」とアゲハが聞けば不本意だと拗ねそうなことを思って微笑んでいた。
「会長ー! 昨日勇者で怪我した男子生徒、賠償金渡すのが今日ですよー!」
生徒会メンバーの声に、一気に現実へ引き戻された。
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