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9 世話やきさん?

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たくさん泣いてスッキリした。

いつまでもウジウジするのは性にあわないし、今はルディも居てくれる。少しでもこの世界を知って不安を無くしていかなくちゃな。

………。


………………。


「…ところでルディさん?」
「どうした?」
「何してるのかな?」
「ん?」

穏やかな好青年みたいな笑顔をしても騙されないぞ。

「なんで俺の服を脱がそうとしてるんだよ!」
「お風呂に入るからだな」
「入るのはわかる。でも脱がそうとするのはわからないっ」

防御力の低いロングTシャツは既にない。しゅるんって引き抜かれた。早業すぎて理解出来んかったよ。
今はジーンズと一緒にパンツを下ろされないように力の限り死守している。

俺は、んぎぎっと力を込めているのに対しルディは涼やかな表情でジーンズを引っ張っている。
そりゃ見るからにムキムキの男と現代っ子の俺は勝負にもならないけど、俺の尊厳が!!

全年齢では言えない俺の尊厳が!!

お目見えしちゃうんだよ!!ばかぁ!!













つ、疲れた…。
ぐったりとベッドに寝そべると、先程までの衝撃の出来事を思い返す。
ルディの馬鹿力に抗うことの出来なかった俺はあれよあれよという間にお風呂に入れられ、ペットのように洗われ、でかいバスタオルで全身を拭かれた。
嫌がって暴れても軽く抑えられ、逃げるどころかただただ体力を消耗しただけで何かもう色んなところを洗われた。

お風呂を嫌がる猫ちゃんってこんな気持ちだったのかな…。

…あれ?俺、いつの間にペットになったんだっけ…?(虚無顔)

そして着替えを持っていない俺はルディのでかい服を借りているが、袖や丈が長すぎて何重にも折って着ている。
それをニコニコと嬉しそうに眺めた後、ルディは朝食を作って来ると言って部屋から出ていった。

もしかしてルディは世話やきさんなのか???

俺のこの推測は当たっているかも。

朝食も俺の隣にピッタリとくっついて「あーん」と口にご飯を持ってくる。
タイミングが上手すぎて拒めないのが怖い。

流されやすい俺はルディのペースに慣れ始めていた。
それに毎回「これが普通だ」とか「みんなやってる」とか言うから異世界の常識なんだなと無理やり納得せざるを得なかったし。
俺は柔軟な男だ。これくらい許容範囲だ。うん。異世界の常識なら仕方ないもんね。

「イタルはかわいいね」
「それは許さん」




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