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5 街に着いた

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お馬様に乗っていると呆気なく森をぬけ、街の入口までやって来た。
凄いお馬様。全然揺れない。

初めての乗馬なのに安定感ぱないよ。後ろから支えてくれるルディの存在も大きいけど。
ルディが大きいから、支えられていると言うよりかは包まれてるけど。これシートベルトより固定されてる。

遠目からでも高い塀に検問所っぽい門があり、十数名が列を作っていた。
ルディはその列に並ばず、横にある関係者用っぽい門の所に進んでいく。

ルディのお馬様、名前はピルスナー。どっかで聞いたことがあるなー?と首を傾げていたら、ルディにビールの発酵の仕方の名前って言われた。
え?馬にビールの発酵の仕方の名前付けてんの?って思った。響きは可愛いけど。

そんなピルスナーの姿を確認した門番さんが、乗っている俺とルディを見てギョッとした。

「デアンドロ様!?え、そちらの方は…!?」
「こちらは移り人だ。報告は私が全て行うからこのまま進むぞ」
「はっ!どうぞお通り下さい!」

おおー。ルディってば偉い人っぽい。

そのまま何事もなく門を抜けると、途端に人が多くなる。
みんな外国っぽい顔してるなぁ。俺の顔浮くよね?

そして、今更ながらに気がつく。

俺、紙袋被ったままじゃね…?

あまりにも違和感なく被れるものだから忘れてた。
めちゃくちゃ変な人じゃん!紙袋被ってる人なんて!やば~逆に恥ずかしくて外しにくいわ~。

てことは、ルディは紙袋を被った怪しい人物に、こんなに優しくしてるってことか。優しさ天元突破してんな!

………こころなしか街人がこっちを見ている気がする……。ルディを見てるんだよね…?怪しさ満点の俺じゃないよね…?

「な、なあルディ。このままピルスナーに乗っててもいいのか?みんな歩いてるけど…」
「ああ問題ない。馬車も走る道だ」
「そっすか…」

皆さんから見やすい高さに居なきゃいけないのね…うっ、うっ、うっ。恥ずかしい~。

紙袋被ってるから百面相してても気付かれない。
もう1人になった時にしか外さない。それって寝る時だけだわ~。

気が付くと役所っぽい建物に着いた。
ピルスナーに少し待ってもらって、中での手続きを行う。
おっ読めるし書けるかも。不っ思議ー。

名前の部分だけ書けばいいから楽ちんだけど、いっぱい書くなー。ま、役所ってこんな感じだろ。日本の役所に行ったことないけど。

ルディに指示されるがまま、どんどん書き進める。

「はい、お疲れ様でした。これで手続きは全て終了です。幾久しくお幸せに」
「ありがとう」
「ん?あ、ありがとうございます?」

全然聞いてなかった。ルディがお礼言ってるから俺も言った方がいいんだよね?

「よし、じゃあ買い物に行こうか」
「うん。最低限で大丈」

くぉー。

「ん?何だ?」
「あ、いや、なんでも」

くぅーん。

「……」
「……」

ジョルディはイタルのお腹から子犬のような鳴き声が聞こえてきて、「あ、察し」という表情を浮かべた。

イタルも紙袋の中で顔を真っ赤にしていたが、空腹には勝てぬ。

「………お腹すきました………」

なのでご飯を所望します。






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