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本編
31 厨二心がうぢゅくぜ…
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あわあわしていたら殆ど仕事が終わっていた…。
ロズディオン恐るべし…!!
愕然としているテンを眺めながらロズディオンはクスクスと笑い、ディオーレンは安定のちゅっちゅでもちもちほっぺにキスを落とす。
たまに唇をハムハムしないで…!
ハッと意識を戻したテンは、ディオーレンの顔を猫の子のようにぐいーっと手で押して周りを確認する。
大通りを真っ直ぐ歩いて山の入口にたどり着いていた。
このまま山に入れば温泉宿がある。
そして山に入る前には大きくて赤い鳥居を設置していた。あの時は単に目印として見やすいかなーと思って作ったけど、今思えば小さくてもお社作った方が良かったかも。
まあ、山はまだまだ未開拓だからお祭りが終わったら自腹でお社作ろうかな。何せ金ならある。ドヤサァ。
と、思考が脱線したが、この鳥居。
この世界の人も鳥居を神秘的に感じたのか、設置場所の前に民家やお店を建てるのは気が引けたみたいで、広い公園のようなスペースが出来ていた。
おあつらえ向きにここで祭り会場作っちゃいなYO!みたいな。
こんなにも人が増えてるとは思っていなかったから、御神輿ひとつじゃあ足りないかも。見物客も密集しそうだし。
あの密集具合、苦手なんだよね…。
そんでこの広場を終着点にして地区ごとに御神輿を用意してもいいんじゃないか?
ひとつだと大きい御神輿を作らなきゃいけないかもしれないけれど、地区ごとなら小さめでもいいじゃん?
あわよくば見物客も分散しないかなぁ?
とりあえずロズディオンとディオーレンに提案してみる。
「ふぅん。御神輿を地区ごとにね…」
「ここの広場が終着点?その後はどうするんだ?」
「あ、締めがあるとわかりやすいかなぁって思って。この広場で神様に感謝を捧げて終わるの」
本来は御神輿に神様が乗っていて、最後は宮入りするんだけど。ここではアングローリア様が居るからこれでいいかなぁって…。神社ないし。
異世界だから本来のやり方と違ってもいいよね。アングロさんへの感謝の奉納だから!
「今は東西南北で分けられて4地区出来てるから4台必要ってことだよね?制作期間とかあるから早く決めないとねぇ」
「最初は大きい御神輿ひとつを皆に担いで貰おうと思ってたんだけど、地区ごとなら小さい方がいいと思う。その分手間はかかるけど小さいから時間は短縮されるんじゃないかなぁと……勝手に思ってます…」
「デザインによるよね。4台同じデザインかな?違うよね?テンが全て考えてくれる?」
「ヴぁっ」
確かにデザイン違う方が見栄えはいいよね!
でもそんなセンスないよ!
「……だれか良い人いませんか…」
「こればっかりはねぇ…未知すぎて無理かな。先にざっくりでいいから描いてくれる?そこから細かなところはこっちで決められるけど」
まあそうだよね。洋風の物しかないのにいきなり和風をぶっ込まれても困るもんね…。
う~ん…おれもしっかり御神輿を観察したことなんてないんだよなぁー。
最初に描いた御神輿だって無い知識をうんうん唸りながら引っ張り出したものなのに。
東西南北で4つ…よっつで和風のもの………………あ。
「青龍朱雀玄武白虎!!」
「え?なに?呪文?」
テンの唐突の叫びにロズディオンが目を丸くして思わず突っ込む。
テンは周りを気にすることなく、ぐふふふふっと不気味な笑い声を出してニヤリとしながら袖を捲りあげる。
和風か中華かなんて問題は関係ねぇ!
おれの封印されし左腕がうぢゅくぜぇ…!!
利き手は右手だけどな!
「紙!ペン!思いついたよ!」
おれの叫びに、サッと反応したディオーレンが紙とペンをそっと手渡してきた。
何で持ってんの?
まあいいや。
「北が玄武で~東が青龍~南が朱雀で~西が白虎!」
テンはテンション高く、ザカザカと亀、龍、鳳凰、虎をモチーフにした御神輿をざっくり描きあげた。
「もっと人が増えたら中央の地区で麒麟もいいよね!」
誰しもが一度は四神について調べる事があるはず!!日本人ならな!!(偏見)
ロズディオンはテンの描きあげる御神輿のデザインを確認して、「うん、いいね」と頷いてくれた。
テンは勢いのままペラペラと四神について語り始め、ディオーレンもロズディオンも聞き上手すぎてうっかり神社の御守りの話になり、神社とは何かの話へと流れ、山の中にオルタリア家の資金で神社(異世界バージョン)を作るという結果になった。
テンもどうしてこうなった…?と首を傾げる。
こうして3人は一通り視察も終え、商会長のおっちゃんに挨拶をして帰路についた。
ロズディオン恐るべし…!!
愕然としているテンを眺めながらロズディオンはクスクスと笑い、ディオーレンは安定のちゅっちゅでもちもちほっぺにキスを落とす。
たまに唇をハムハムしないで…!
ハッと意識を戻したテンは、ディオーレンの顔を猫の子のようにぐいーっと手で押して周りを確認する。
大通りを真っ直ぐ歩いて山の入口にたどり着いていた。
このまま山に入れば温泉宿がある。
そして山に入る前には大きくて赤い鳥居を設置していた。あの時は単に目印として見やすいかなーと思って作ったけど、今思えば小さくてもお社作った方が良かったかも。
まあ、山はまだまだ未開拓だからお祭りが終わったら自腹でお社作ろうかな。何せ金ならある。ドヤサァ。
と、思考が脱線したが、この鳥居。
この世界の人も鳥居を神秘的に感じたのか、設置場所の前に民家やお店を建てるのは気が引けたみたいで、広い公園のようなスペースが出来ていた。
おあつらえ向きにここで祭り会場作っちゃいなYO!みたいな。
こんなにも人が増えてるとは思っていなかったから、御神輿ひとつじゃあ足りないかも。見物客も密集しそうだし。
あの密集具合、苦手なんだよね…。
そんでこの広場を終着点にして地区ごとに御神輿を用意してもいいんじゃないか?
ひとつだと大きい御神輿を作らなきゃいけないかもしれないけれど、地区ごとなら小さめでもいいじゃん?
あわよくば見物客も分散しないかなぁ?
とりあえずロズディオンとディオーレンに提案してみる。
「ふぅん。御神輿を地区ごとにね…」
「ここの広場が終着点?その後はどうするんだ?」
「あ、締めがあるとわかりやすいかなぁって思って。この広場で神様に感謝を捧げて終わるの」
本来は御神輿に神様が乗っていて、最後は宮入りするんだけど。ここではアングローリア様が居るからこれでいいかなぁって…。神社ないし。
異世界だから本来のやり方と違ってもいいよね。アングロさんへの感謝の奉納だから!
「今は東西南北で分けられて4地区出来てるから4台必要ってことだよね?制作期間とかあるから早く決めないとねぇ」
「最初は大きい御神輿ひとつを皆に担いで貰おうと思ってたんだけど、地区ごとなら小さい方がいいと思う。その分手間はかかるけど小さいから時間は短縮されるんじゃないかなぁと……勝手に思ってます…」
「デザインによるよね。4台同じデザインかな?違うよね?テンが全て考えてくれる?」
「ヴぁっ」
確かにデザイン違う方が見栄えはいいよね!
でもそんなセンスないよ!
「……だれか良い人いませんか…」
「こればっかりはねぇ…未知すぎて無理かな。先にざっくりでいいから描いてくれる?そこから細かなところはこっちで決められるけど」
まあそうだよね。洋風の物しかないのにいきなり和風をぶっ込まれても困るもんね…。
う~ん…おれもしっかり御神輿を観察したことなんてないんだよなぁー。
最初に描いた御神輿だって無い知識をうんうん唸りながら引っ張り出したものなのに。
東西南北で4つ…よっつで和風のもの………………あ。
「青龍朱雀玄武白虎!!」
「え?なに?呪文?」
テンの唐突の叫びにロズディオンが目を丸くして思わず突っ込む。
テンは周りを気にすることなく、ぐふふふふっと不気味な笑い声を出してニヤリとしながら袖を捲りあげる。
和風か中華かなんて問題は関係ねぇ!
おれの封印されし左腕がうぢゅくぜぇ…!!
利き手は右手だけどな!
「紙!ペン!思いついたよ!」
おれの叫びに、サッと反応したディオーレンが紙とペンをそっと手渡してきた。
何で持ってんの?
まあいいや。
「北が玄武で~東が青龍~南が朱雀で~西が白虎!」
テンはテンション高く、ザカザカと亀、龍、鳳凰、虎をモチーフにした御神輿をざっくり描きあげた。
「もっと人が増えたら中央の地区で麒麟もいいよね!」
誰しもが一度は四神について調べる事があるはず!!日本人ならな!!(偏見)
ロズディオンはテンの描きあげる御神輿のデザインを確認して、「うん、いいね」と頷いてくれた。
テンは勢いのままペラペラと四神について語り始め、ディオーレンもロズディオンも聞き上手すぎてうっかり神社の御守りの話になり、神社とは何かの話へと流れ、山の中にオルタリア家の資金で神社(異世界バージョン)を作るという結果になった。
テンもどうしてこうなった…?と首を傾げる。
こうして3人は一通り視察も終え、商会長のおっちゃんに挨拶をして帰路についた。
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