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26 吹っ切れたわ
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スー兄とルー兄の思惑に乗るのは何だか悔しいけれど、一緒にお風呂に入って色々……そう、色々とあって吹っ切れた。荒療治もいいところだよ、全く!
「お父さん、お母さん、ルー兄、スー兄」
「どうした?」
「なあに?」
「どうしたの、セラ」
「なんだ?」
お風呂事件から毎日毎日毎日毎日、お風呂に家族と入ってます。さすがにこんなにも毎日誰かしらと入っていたら慣れました…。フッ…。
「わたしね、みんなにワガママ言いたいと思います」
「おお!何だ!?何でも叶えてやるぞ!」
ちょっ…パパン落ち着いて。
「セラのワガママはあまりワガママじゃないのよねぇ」
ママン…今回はすごいワガママだよ!
「セラのワガママね。楽しみだよ」
ルー兄……なんかハードル上げられた気がする…。
「おう!何でも言ってくれよ」
スー兄……あんた良い兄ちゃんだよ!
私には自覚はなかったけれど、やっぱり小町瀬良としての記憶が戻ってからは遠慮があったんだと思う。裸のお付き合いがきっかけで思い知ったのも悔しいが、ここまで私に心を砕いてくれる家族には遠慮なんて失礼なことなんだと十分わかった。
「わたしのね、世界中を巡る旅に、家族全員で行きたいと思います!」
じゃじゃーん!と口で言いながら発表すると、皆はポカンとしていた。ルー兄以外ね。
「え、ワガママってそれか?」
「んもう、セラちゃんのワガママはやっぱりワガママじゃないわね」
「ん……それはどのくらい準備期間をみてるんだい?」
「もっと大きいワガママ言えよ~」
ふふん。わかってるのはルー兄だけだね!
「すっごいワガママだよ!あのね、計画としてはこの前言った5年程だけど、この期間はハッキリとはしてないよ。で、旅に出たら家を空ける事になるから畑を管理してもらう必要があるでしょ?で、その管理人としてゴーレムを作ります。次にお母さんの仕事先のカフェ、長期休暇はとれるの?」
ママンに聞くと、嬉しそうに「辞めるから大丈夫」と返ってきたが、無理じゃないかな。
「レミィさんが辞めさせてくれないと思うけど。だってマヨネーズ撹拌できるのお母さんだけだよね?」
「う…そうねぇ…」
そう、あのマヨネーズ撹拌魔法(仮)はママンしか出来なかったのだ。家の家族はチートなのか?
「なので魔道具を作りたいと思います。今考えているのはフードプロセッサーといって、食品を細かく刻んだり、素早く混ぜ合わせたりするものです。マヨネーズを作るのにハンドミキサーという撹拌魔道具も必要です」
そうそう、ハンバーグもピーマンの肉詰めもロールキャベツもママンがレミィさんに教えたんだよ。他にもあれこれ美味しい料理を教えたから、今やレミィさんのカフェは大行列が出来てるみたい。
挽き肉は包丁で作ると時間かかるからね、手動ミンサーなら魔道具じゃなくてもいいけど。
「とにかく、お母さんがカフェに居なくても大丈夫な魔道具が必要なの。じゃないとレミィさんにもお客さんにも迷惑かかっちゃうから」
「わかったわ…安易に辞めるなんて言っちゃダメよね」
そうだね!毎日マヨネーズ作りと挽き肉作りで飽き飽きしてるみたいだけど頑張れー。
「で、次にルー兄とスー兄」
「俺はセラの5年の準備期間で大丈夫だよ」
「え?」
「卒業してから5年で魔法省のトップになっておくから、時間はとれるよ」
えーと、ツッコミどころがあり過ぎて何処から突っ込んだら…?
「あと5年って…卒業するの2年後だよね?」
「明日にでも卒業出来るよ」
「んん?」
「ほら、学生の方が時間に余裕があるからね。魔法省は王都にあるでしょ?転移陣が出来たら卒業しようと思ってたんだよね」
「って事は」
「残念ながらもう少しなんだけど」
まだ完成してないんだ…と寂しそうに言ってるけど、ルー兄ならあっという間に作りそうね。そっか転移陣かぁ…私も作ってみよ。
「そもそもルー兄が卒業したら魔法省に入るのも初耳だし」
「ああ、権力と金は必要だと思って。これからセラが色々やらかすなら必要だよね?」
「え、はい、そうですね…」
この世界の魔法ってレベル低いのかな?ルー兄が5年で魔法省のトップに登り詰めることが出来るほど…?
それに魔法省のトップってむしろ激務なイメージしかないんだけど。あ、考えたらまずい気がするからやめとこう。うん。ルー兄はチートだからってことにしとこ。
「じゃあルー兄は大丈夫として、スー兄は?」
「オレは王立騎士団に決めてるんだけどなぁ…少し時間がかかるかも」
「じゃあルイスは置いていこう」
「はあ!?」
「そんな志の低さでセラに着いていくなんてよく言えたね?」
「わかったよ!ぜってぇ5年で隊長になってやるよ!」
oh......スー兄も直ぐに卒業する気満々なのね。
そして隊長もめちゃくちゃ激務なイメージですが?
脳筋のスー兄はどうするの?
とりあえず、計画としては5年後に家族旅行世界一周の旅が出来るように、準備をしたいと思います!
××××××××
パパンとママン→セラのゴーレム、魔道具待ち
ルー兄→魔法省のトップになって独裁予定
スー兄→王立騎士団の隊長になって独裁予定
果たしてスー兄による独裁は出来るのか?
「お父さん、お母さん、ルー兄、スー兄」
「どうした?」
「なあに?」
「どうしたの、セラ」
「なんだ?」
お風呂事件から毎日毎日毎日毎日、お風呂に家族と入ってます。さすがにこんなにも毎日誰かしらと入っていたら慣れました…。フッ…。
「わたしね、みんなにワガママ言いたいと思います」
「おお!何だ!?何でも叶えてやるぞ!」
ちょっ…パパン落ち着いて。
「セラのワガママはあまりワガママじゃないのよねぇ」
ママン…今回はすごいワガママだよ!
「セラのワガママね。楽しみだよ」
ルー兄……なんかハードル上げられた気がする…。
「おう!何でも言ってくれよ」
スー兄……あんた良い兄ちゃんだよ!
私には自覚はなかったけれど、やっぱり小町瀬良としての記憶が戻ってからは遠慮があったんだと思う。裸のお付き合いがきっかけで思い知ったのも悔しいが、ここまで私に心を砕いてくれる家族には遠慮なんて失礼なことなんだと十分わかった。
「わたしのね、世界中を巡る旅に、家族全員で行きたいと思います!」
じゃじゃーん!と口で言いながら発表すると、皆はポカンとしていた。ルー兄以外ね。
「え、ワガママってそれか?」
「んもう、セラちゃんのワガママはやっぱりワガママじゃないわね」
「ん……それはどのくらい準備期間をみてるんだい?」
「もっと大きいワガママ言えよ~」
ふふん。わかってるのはルー兄だけだね!
「すっごいワガママだよ!あのね、計画としてはこの前言った5年程だけど、この期間はハッキリとはしてないよ。で、旅に出たら家を空ける事になるから畑を管理してもらう必要があるでしょ?で、その管理人としてゴーレムを作ります。次にお母さんの仕事先のカフェ、長期休暇はとれるの?」
ママンに聞くと、嬉しそうに「辞めるから大丈夫」と返ってきたが、無理じゃないかな。
「レミィさんが辞めさせてくれないと思うけど。だってマヨネーズ撹拌できるのお母さんだけだよね?」
「う…そうねぇ…」
そう、あのマヨネーズ撹拌魔法(仮)はママンしか出来なかったのだ。家の家族はチートなのか?
「なので魔道具を作りたいと思います。今考えているのはフードプロセッサーといって、食品を細かく刻んだり、素早く混ぜ合わせたりするものです。マヨネーズを作るのにハンドミキサーという撹拌魔道具も必要です」
そうそう、ハンバーグもピーマンの肉詰めもロールキャベツもママンがレミィさんに教えたんだよ。他にもあれこれ美味しい料理を教えたから、今やレミィさんのカフェは大行列が出来てるみたい。
挽き肉は包丁で作ると時間かかるからね、手動ミンサーなら魔道具じゃなくてもいいけど。
「とにかく、お母さんがカフェに居なくても大丈夫な魔道具が必要なの。じゃないとレミィさんにもお客さんにも迷惑かかっちゃうから」
「わかったわ…安易に辞めるなんて言っちゃダメよね」
そうだね!毎日マヨネーズ作りと挽き肉作りで飽き飽きしてるみたいだけど頑張れー。
「で、次にルー兄とスー兄」
「俺はセラの5年の準備期間で大丈夫だよ」
「え?」
「卒業してから5年で魔法省のトップになっておくから、時間はとれるよ」
えーと、ツッコミどころがあり過ぎて何処から突っ込んだら…?
「あと5年って…卒業するの2年後だよね?」
「明日にでも卒業出来るよ」
「んん?」
「ほら、学生の方が時間に余裕があるからね。魔法省は王都にあるでしょ?転移陣が出来たら卒業しようと思ってたんだよね」
「って事は」
「残念ながらもう少しなんだけど」
まだ完成してないんだ…と寂しそうに言ってるけど、ルー兄ならあっという間に作りそうね。そっか転移陣かぁ…私も作ってみよ。
「そもそもルー兄が卒業したら魔法省に入るのも初耳だし」
「ああ、権力と金は必要だと思って。これからセラが色々やらかすなら必要だよね?」
「え、はい、そうですね…」
この世界の魔法ってレベル低いのかな?ルー兄が5年で魔法省のトップに登り詰めることが出来るほど…?
それに魔法省のトップってむしろ激務なイメージしかないんだけど。あ、考えたらまずい気がするからやめとこう。うん。ルー兄はチートだからってことにしとこ。
「じゃあルー兄は大丈夫として、スー兄は?」
「オレは王立騎士団に決めてるんだけどなぁ…少し時間がかかるかも」
「じゃあルイスは置いていこう」
「はあ!?」
「そんな志の低さでセラに着いていくなんてよく言えたね?」
「わかったよ!ぜってぇ5年で隊長になってやるよ!」
oh......スー兄も直ぐに卒業する気満々なのね。
そして隊長もめちゃくちゃ激務なイメージですが?
脳筋のスー兄はどうするの?
とりあえず、計画としては5年後に家族旅行世界一周の旅が出来るように、準備をしたいと思います!
××××××××
パパンとママン→セラのゴーレム、魔道具待ち
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スー兄→王立騎士団の隊長になって独裁予定
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