ズボラな私の異世界譚〜あれ？何も始まらない？〜

４ シスコンでありブラコンでもある

長兄のカールは花紺青色の髪に薄い黄緑色の美しい瞳。平民とは思えない程の貴公子感が出ている。

我が兄ながら最高にカッコイイと思う。

次兄のルイスは天色の髪に少し濃い黄緑色の美しい瞳。やんちゃな性格のはずなのに黙っていると儚げだ。

我が兄ながら最高に美しいと思う。
残念ながら脳筋だが。

顔面偏差値が高すぎるせいか、抱きしめられたりスキンシップが激しくても全然嫌じゃない。どころかもっと激しくても良いのよ。

思い出した記憶は小町瀬良だけれども、今はセラとして生きているんだから、やっぱり性格も同じって訳じゃないんだなぁと長兄に抱き潰される勢いで抱きしめられて思う。
小町瀬良なら、兄弟に抱きしめられるとか気恥ずかしいから嫌だ！っていう反応になるし。

その間もカールとルイスの言い合いは続いていた。

「カール兄、独り占めは禁止って約束はどうしたんだよ」
「ルイス、これの何処が独り占めしているように見えるんだ？」
「どう見たってセラを抱きしめて独占してんじゃねーか」
「嫌だなぁルイスってば。独り占めっていうのは誰の目にも触れられない所に２人きりで居てこそだろう？こんなもんじゃ独り占めなんて言えないよ？」
「ちょっとカール兄とオレの齟齬が激しいんだけど」

ヤンデレっぽい発言はお耳にフタをします。
今日も私は愛されてるなぁ。

「わたしはルー兄もスー兄も大好きだよ。ケンカはめっ！だからねー！」
「「俺(オレ)も愛してるよ。可愛いセラ」」

んふふ～。無償の愛って素敵だわー。アフロディーテありがとー。ん？称号を付けたのはガイアだって？いやいや、見目麗しい家族を用意してくれたのはアフロディーテの世界でしょうが。この世界顔面偏差値高い。

「そういえば、ルー兄とスー兄はいくつなの？わたし、いつから学校に行くのー？」
「俺は１０歳だよ。セラの５歳上だね」
「オレは９歳。カール兄の１歳下でセラの４歳上だ」
「学校はセラが７歳になってからだよ。でも学校は絶対に行かなきゃいけない訳じゃないからね。行きたくなかったら行かなくても良いんだよ。知りたいことは俺が教えてあげるからね」
「そうだな。セラが行けば学校が混乱するだろ。なら行かない方が良いかもな」

なんだなんだ？私が行くと混乱するとは、まさか魔力∞の事かな？変に騒ぎ立てられるよりも静かな暮らしがしたい私にとって、学校に行かない選択肢もあるのか。
学校なら前世で堪能したし、行かなくてもいいかなー。

「わたし学校に行かなくてもいい？」
「良いよ。むしろ行かない方がいいかな」
「うん。行かない方がいいぞ」

よし、じゃあ今世は学校に行かないこと決定。

「じゃあルー兄とスー兄に教えてもらう！どんな事してるの？」
「そうだね、学校の教科書はあるからそれで勉強していこうか。ルイス、１年の時の持ってきて」
「わかった。これでセラが目を付けられなくて済むなら安いもんだ」
「父さんと母さんは大雑把だから俺が説得すれば大丈夫だよ。一緒にお勉強頑張ろうね、セラ」
「うん！」

その後学校の授業内容や行事について聞いてみたところ、前世の知識で充分な事、学校行事は入学式と卒業式だけしかない事、平民の学校では魔法の授業は軽くしか教えない事を聞いて、全く心躍るものが無かったので、本気で行くのをやめました。

だって勉強したくないでこざる。