猫がゆく！

小さなお花と巨大な巣

ふんにゃか♪うんにゃか♪

ふんすふんす♪

みけは鼻歌を歌いながら、るんたった♪とスキップしながら道を進む。

しっぽをふりふり、お耳をピコピコ。

みけは上機嫌。

不思議なことにみけが歩いた足跡には小さな可愛らしいお花がポコンと生える。

にゃふん♪にゃぅん♪

るんたったるんたった♪

その後ろを数名の小さなコロポックルが続き、みけの足跡から生える小さなお花を摘んでいく。

みけのスキップは蛇行しながら進むので、コロポックルもその跡をちょろちょろと追う。

みけが上機嫌にスキップをする時だけ生える小さな可愛らしいお花は、コロポックルにとっては甘美なスイーツである。
滅多に、というかほとんどお目にかかれない逸品だ。
取りこぼさないよう懸命に収穫するコロポックルの事など目に入らないみけは、最近お気に入りの巨大な鳥の巣に着くと卵を潰さないようにぴょいっと中に入り、お気に入りの毛布を鞄から取り出すとふみふみをし始める。

コロポックルたちも巨大な鳥の巣の近くまで生えた小さなお花を収穫し、あっという間に森の中へと消えていった。

ここと決めた場所に丸くなると、ちょうど卵を囲うように寝転がった。



寝ているみけにとっては一瞬だが、数時間後に巨大な鳥が巣に戻ってきた。
羽ばたきは強く、大きな音がするけれど寝ているみけには聞こえない。


ぷすー…ぷすー…と寝息をたてるみけごと巨大な鳥は卵の上に乗り、温め始める。

みけが一緒に寝ているから卵は冷え切ることなく温かかった。
巨大な鳥はお礼に魚を採って、みけに渡していた。

みけとしてはお気に入りの場所に居たら魚が貰えるという、とても最高な環境であり、結局ヒナが孵化した後も居座り続けた。
みけのお陰でヒナは天敵に襲われず、親鳥は安心して巣を離れられるので魚を渡し続けたのだ。

WinWinな関係である。

そして水を飲みに巣から離れる時にはスキップをしながら歩くので、コロポックルはまたちょろちょろと後を追う。

しばらくはみけに居て欲しいと思うコロポックルと巨大な鳥は、せっせと環境を整える。
巨大な鳥は魚を、コロポックルは美味しい朝露をみけの水飲み場に集めるのを続けていると、最終的にはヒナが巣立つまで居着いたみけだった。