2 / 3
第1話
しおりを挟む
そもそも、どうしてこんなことになったのか。
私は元々、別の世界の住人で、決して都会ではないけれども田舎とも言い切れない、
そんな街でごくごく普通の女子高生をやっていたのだ。
特に将来の夢とかもなく、このまま行けば、どこか地方の会社にでも就職して、良い感じの人見つけて、
結婚とかして子供産んじゃったりなんかして、いたって普通の家庭を築いて暮らして行くんだろうなあ……。
なーんて呑気に考えていたわけだ。
まあ、結果的にそうはならなかったみたいだけど……。
というか、そもそもこちらの世界に転生( といっても良いのだろうか )してきた理由というものがわからない。
大体、こういった現象っていうのは、何かしらこちら側に来るための原因があるはずなのだ。
こう、交通事故で死んでしまう、とか、この世界の救世主や勇者などとして異世界からしょうかんされるとか。
でも、私にはそういった記憶が全く持ってない。
もう気が付いたら赤ん坊になっていて、今のお母さんの腕の中だった、というわけだ。
最後の記憶といえば、前世の私の幼馴染である、『 小山内優介 』と一緒に下校をしていたときである。
そこからの記憶がプッツリとない。
普通の人からしてみれば、急にこんなことになってしまえば、それはもう頭の中はパニック状態、というだけでは
すまないだろう。
転生ものの作品が大好きで、漫画やら小説やらを読みあさっていた私だって、自分がこんなことになればきっとひとたまりもないよなあ。
なんて考えてはいたが、意外なことに、私は結構順応力が高いらしい。
割と落ち着いていられているし、こうなってしまったものは仕方ないか、ですませてられている。
そもそも、向こうの家族や友人達と会えないのはとても寂しくはあるが、こっちの私は容姿が整いすぎていて、
正直前世の私に戻りたくないというか……。
だって、自分で言うのもなんだけど、母親譲りの薄いプラチナブロンドの髪に、初夏に生い茂る瑞々しい若葉を連想させるエメラルドの瞳、
そして何と言っても天使のように整ったこの顔!!!
私には分かる、この私の姿を見て、第一印象で私のことを悪く思う人はまずいないってことが!!
正直今ならナルシストの気持ちがよーく分かる……。
これは見惚れても仕方ありませんわ……。
と、まあ茶番はこれくらいにして、とにかく私は戻れないなら別にこのままでも良いかなと思ってる。
今の両親だって、本当に私を大切にしてくれているんだなって分かるし、
今住んでいるこの森奥の家だって、空気が澄んでて美味しいし、綺麗な花や美味しい木の実だって沢山あるし……。
_______意外と異世界、悪くないかも?
私は元々、別の世界の住人で、決して都会ではないけれども田舎とも言い切れない、
そんな街でごくごく普通の女子高生をやっていたのだ。
特に将来の夢とかもなく、このまま行けば、どこか地方の会社にでも就職して、良い感じの人見つけて、
結婚とかして子供産んじゃったりなんかして、いたって普通の家庭を築いて暮らして行くんだろうなあ……。
なーんて呑気に考えていたわけだ。
まあ、結果的にそうはならなかったみたいだけど……。
というか、そもそもこちらの世界に転生( といっても良いのだろうか )してきた理由というものがわからない。
大体、こういった現象っていうのは、何かしらこちら側に来るための原因があるはずなのだ。
こう、交通事故で死んでしまう、とか、この世界の救世主や勇者などとして異世界からしょうかんされるとか。
でも、私にはそういった記憶が全く持ってない。
もう気が付いたら赤ん坊になっていて、今のお母さんの腕の中だった、というわけだ。
最後の記憶といえば、前世の私の幼馴染である、『 小山内優介 』と一緒に下校をしていたときである。
そこからの記憶がプッツリとない。
普通の人からしてみれば、急にこんなことになってしまえば、それはもう頭の中はパニック状態、というだけでは
すまないだろう。
転生ものの作品が大好きで、漫画やら小説やらを読みあさっていた私だって、自分がこんなことになればきっとひとたまりもないよなあ。
なんて考えてはいたが、意外なことに、私は結構順応力が高いらしい。
割と落ち着いていられているし、こうなってしまったものは仕方ないか、ですませてられている。
そもそも、向こうの家族や友人達と会えないのはとても寂しくはあるが、こっちの私は容姿が整いすぎていて、
正直前世の私に戻りたくないというか……。
だって、自分で言うのもなんだけど、母親譲りの薄いプラチナブロンドの髪に、初夏に生い茂る瑞々しい若葉を連想させるエメラルドの瞳、
そして何と言っても天使のように整ったこの顔!!!
私には分かる、この私の姿を見て、第一印象で私のことを悪く思う人はまずいないってことが!!
正直今ならナルシストの気持ちがよーく分かる……。
これは見惚れても仕方ありませんわ……。
と、まあ茶番はこれくらいにして、とにかく私は戻れないなら別にこのままでも良いかなと思ってる。
今の両親だって、本当に私を大切にしてくれているんだなって分かるし、
今住んでいるこの森奥の家だって、空気が澄んでて美味しいし、綺麗な花や美味しい木の実だって沢山あるし……。
_______意外と異世界、悪くないかも?
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる